何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「君の膵臓をたべたい」感想 涙のために人を殺すのは罪ではないのか


どうもきいつです



青春映画「君の膵臓をたべたい」観ました

 

佐野よるの同名ベストセラー小説の
実写化映画です
「となりの怪物くん」「響 HIBIKI」
などの月川翔が手掛けた2017年の作品

 

膵臓の病を患う女子高生と
同級生の主人公との交流を描いた青春ドラマです





あらすじ
高校の同級生の内山桜良がひそかにつづる
闘病日記を偶然見つけた主人公は
彼女が膵臓の病気で余命わずかだと知る
それをきっかけに2人は
一緒に過ごすようになり
2人は親密になっていく



感想
これはもう感動のために
人を殺している
これを泣ける作品と
称賛している人たちが怖い
映画としても面白くないし



この映画
タイトルにかなりインパクトがあり
前からちょっと気になっていました

難病系のラブストーリーなのは
知っていたんですが

タイトルから
ちょっと違ったものを
見せてくれるんじゃないか
と淡い期待を抱いていたんですけど

結局、こういう作品だったんですね…



やってる事は
「世界の中心で、愛を叫ぶ」と
ほぼ同じだと思います

その時点で
新鮮味の無い映画なんですが

今まで何回
繰り返されてきたんでしょうか
難病もののラブストーリー



そこを置いといたとして

この映画が面白く観れるのか
と言うと
そうでもない映画

基本テンポが悪いし
内容も大して無いです

登場人物の内面描写も
テキトーで雰囲気だけ
感情移入できません

ドラマも
何があったのか思い出せない
というか、よく考えたら
ドラマらしいドラマが無いんです
ただ、デートしてるくらいですかね
内容が全部薄いんですよ


例えば
主人公と桜良
主人公は根暗で友達がいない
クラスでも浮いた存在

桜良はクラスの人気者
友達も多くとても明るい女の子

この2人が仲良くなっていく

なんかそれだけはイイ感じですよね

でも、その仲良くなっていく過程は
テキトーで大して深く描かれない
ただ2人がデートしている姿を
見せているだけです

お互いが惹かれ合うのも
何故そうなったのか
という部分が欠けていたと思います


桜良の人物像は良さげな感じですけど

自分勝手でわがまま
自分のやりたい事に人を巻き込む
一見めんどくさい女
でも、それは死の恐怖からの裏返しで
本当は臆病で死ぬことを恐れている

これも設定だけです
ギャップで魅力を出したいんでしょうけど

全然、感情移入できるように
見せていない
ただそいうキャラクターってだけなんですよ

だからウザいだけのキャラなんですよね
普通にムカつきます
だから、もう早く死ねよ
とか思いながら観てしまっていました

こんなんじゃ
主人公が彼女に心を開いていくのも
よくわからないし
説得力にも欠けます


それぞれの設定は
ただ都合のいい要素です

膵臓の病気、通り魔、恋愛描写
これらもそう
どれもが感動させるために用意された
都合のいい道具

膵臓の病気は明確な病名は無いです
それは
もし、病状の矛盾をツッコまれても
想像上の病気だからで逃げれるから

そして、なぜ膵臓なのか?
それは
ただ「君の膵臓をたべたい」と
言わせたいだけだからです


通り魔、恋愛描写も特に意味は無い
ただ感動を彩る要素に過ぎないです



そもそも、この映画が全体的に
ただ小説を映像化しただけの作品なので
全然映画として面白くないんですよ

全て言葉で説明して
ただ喋ってるシーンがずっと続きます
画面的な動きもほぼ無いですし
退屈な映画でした



しかし
本作は感動する映画
泣ける映画
として有名になっている

少なくともこの作品に
感動して泣いている人がいるのは
事実なんです


それは何故なのか
と考えてみると

感動するっぽい要素が
詰め込まれているから
だと思います


その要素ってのは
淡い恋愛感情だったり
気持ちのこもった手紙だったり
不治の病との闘病だったり

それの最たるものが
若い女の子の死
って事です


この映画で泣いている人たちは
これらの記号的な要素をスイッチにして
涙を流す
ただそれだけです

感動してるんじゃないです
泣きたいだけです
泣いている自分が気持ちいいんです



そう思ったら
山内桜良というキャラが
可愛そうにも思う

彼女は

気持ち良く泣きたい人間たちのため
そういう人間たちから
お金を頂戴したい製作者たちのため

ただ消費されるためだけに
生まれて殺されたキャラクター

涙のために殺された女の子です


酷くないですか?
こっちの方が泣けてくる

こんなキャラが過去に
何人いたんだろうか…
これからも増え続けるんでしょうね



そして、こういう映画にありがちの
キレイごとの物語も
大嫌いです


本作では
人の繋がりや絆は大切ですよ
というテーマが描かれています
テーマ自体はいいんですが

それが一方的で極端な美徳に
なってしまっている

友達って超素晴らしい
絆は絶対に大切
って事をゴリ押ししてくるんですけど

それって、友達がいないのは
愚かな事
寂しい人間
人として劣っている
そう感じ取れる

誰かとつながっていないと
普通じゃない人間
異常者だ
そう言っている映画なんですよ

ホントに危険な思想
こんなんが感動の名作なんですから


そんなキレイごとを言ってるけど
この映画で描かれている絆って

ただの傷の舐め合いだけの
誰かに依存しなければ
自分の存在意義すらを証明できない
ザコたちです


教育に悪いですよね
害悪映画です


この映画を観て
泣いた
って言ってる人の中にも
学校でイジメとかやってるヤツは
いるんだろうな…



そろそろ
涙のために人を殺すの
辞めませんか?
こんな消費しつくされた物語
もう感動なんかできませんよ

それでも未だに
余命わずかのラブストーリーは
量産され続けている

好きな人は多いって
事なんですかね…



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