何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「アリータ バトル・エンジェル」感想 ほとんど完璧なのに ストーリーが足引っ張り過ぎ

 

どうもきいつです



SFアクション映画「アリータ バトル・エンジェル」観ました

 

木城ゆきとによる日本の漫画「銃夢」を
ジェームズ・キャメロンの脚本、制作により
ハリウッドで実写映画化したアクション大作
監督は「シン・シティ」などの
ロバート・ロドリゲスです

 

未来の世界を舞台に
サイボーグの少女アリータが
自身の失われた記憶を探る物語





あらすじ
数百年後の世界
サイバードクターのイドはスクラップ置き場で
謎の少女のサイボーグを発見する
彼女はアリータと名付けられるが
自分の過去や世界の記憶を一切失っていた
ふとしたことから並外れた戦闘能力が
秘められていることを知り
アリータはなぜ自分が生み出されたのかを
探ろうと決意する



感想
世界観超好き
アクション超好き
アリータ超好き
ストーリー超微妙



以前から注目していた作品
日本の漫画がハリウッド映画化と聞いて
原作は未読ですが
かなり期待していた映画です


全体的にはかなり好きなタイプの映画でした

世界観も僕好みのSF世界
アクションも激しくてカッコいい
アリータめちゃくちゃ可愛い

ただ、ストーリーが…

もったいない



まずは、この映画の世界観と映像
これが素晴らしい

未来なのに石造りの街並み
その街に住む人間やサイボーグたち
乗り物や機械のメカデザイン

そして、空中に浮かぶ巨大都市

これだけでワクワクです
好奇心や想像力を刺激されます

それを表現するCG技術も素晴らしい
めちゃくちゃ綺麗なグラフィックです


細かい部分でのデザインセンスも
最高です

サイボーグたちの個性も
面白くデザイン分けされてる
カッコよさだけでなく
キモさやホラーっぽさがあるのも
すごく好きです

武器もカッコいいのが多い
特にイド博士のハンマーみたいな武器
これがめっちゃカッコいいですね
これを振り回すアリータもカッコよかった



アクションシーンも最高です

アリータの戦闘が爽快で
すごくカッコいい

アリータだけが使う
中国拳法みたいな武術
これを駆使して軽やかに立ち振る舞い
強敵たちをバタバタと倒していく

このスピード感のある戦闘が
観ていて気持ちいいです


劇中のスポーツとして登場する
モーターボールのシーンも
めっちゃ派手で迫力があります

基本的にスピード感があって
派手で大迫力なアクションシーンが
多い映画です

このアクションシーンだけで
気分は最高潮になります



主人公のアリータ
彼女は魅力的な主人公だったと思います

はじめはあの目の大きさが
違和感でちょっとキモいですけど
観ているうちに慣れてくるし
むしろ可愛く見えてくる

少女のような振る舞いも
とても可愛いし
戦闘時はカッコいい

めっちゃいい子でもあるので
いつの間にかアリータを
好きになっています

アリータの存在も
この映画の魅力の1つです



てな感じで
素晴らしい要素はたくさんなんですが

ストーリーが微妙過ぎる

これが大きく足を引っ張ています


そもそも、この映画のストーリは
すごいとっ散らかっている
結局、何を見せたいのかがわかりません

アリータとイドの
親子愛的なものを見せたいのか
アリータの記憶の物語を見せたいのか
アリータの恋を見せたいのか
アリータの女性としての成長を見せたいのか

どれもが中途半端な上にバラバラで
どれを中心に観ていけばいいのかも
わかりづらいんです

だから、あまりストーリーに
没頭できないんですよね


とっ散らかっている上に
登場人物の目的や行動の原動力なんかも
テキトーに描かれていて
あまり感情移入もできない


主人公アリータの目的すら
かなり曖昧です

なぜ記憶を取り戻したいのか
記憶を取り戻してどうするのか
そんなのが全く分からない

映画を観ていて
コイツ何のために戦ってるの?
って思えてきます


空中都市ザレムに行きたいと
言っている人たちも
なぜ行きたいのかが説明されない

下の街アイアンシティが
そんなに悪い場所にも見えないし
ザレムがどんな素晴らしい世界なのかも
別に説明されないです

それなのに必死にザレムに
行こうとするんですよ
そこがあまり納得できない



アリータの恋愛も描かれているんですが
これがすごく不安になります

昔のディズニーアニメみたいに
一目惚れだけで突っ走っていって
男に心酔していきます

2人の絆が深まるエピソードなんかも
大して描かれていないのに
お金のために自分の心臓を
差し出すとか言い出すし

恋愛経験の少ない女の子が
悪い男に騙されているのを
見ているようで
すごく不安になる


そして、この恋愛パートが
全体の物語の中で機能しているのかと言うと
かなり微妙
正直、無かったとしても
成り立っていたと思います



アリータとイドの親子的な物語
これは唯一まともだったと思います

アリータの親の気持ちがわからず
突っ走っていく姿と
心配だからこその過保護なイド

この2人の気持ちが通じ合っていく姿や
イドの子離れする姿
それを中心に物語を作った方が
良かったと思います

でも、実際は
中盤以降はイドの存在は空気になっていく
親子愛みたいなのも描かれずに
いつの間にかいい感じになっています



そして、本作では
全ての謎が解決するわけでもなく
戦いにも決着がつかない

長編の序章みたいな感じで終わっていきます
なので、かなり消化不良

たぶん続編作るんでしょうね



全体的に素晴らしい要素が
たくさんあったので
ストーリーが雑なのが
すごくもったいない

ここさえ良かったら
完璧な映画だったのに

それでもクオリティは高いし
そこまで悪くはないと思います




新装版銃夢(1)錆びた天使 (KCデラックス) [ 木城 ゆきと ]