何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画館の4D上映設備は宝の持ち腐れ

f:id:kiitsu01:20190918211454p:plain

どうもきいつです


先日、TOHOシネマズで上映されている
「マトリックス」を観てきました

「マトリックス」製作20周年を迎えたということで
期間限定で4D上映されています

正直、僕は4D上映にはあまり興味がなく
観に行ったのも
「マトリックス」を映画館で観たい
って動機だけです

多少、既存の作品が4Dになるとどうなるのか?
という好奇心もありましたが


そして、今回僕が観に行ったのはTOHOシネマズで
TOHOシネマズの4D設備はMX4Dと言います

その他に4DXと言うのもあるんですが
TOHOシネマズ以外の映画館は
ほとんどこれだと思います

MX4DはTOHOシネマズが独自で
展開しているものみたいですね


MX4Dと4DXには多少の機能の違いもありますが
ほとんど同じです

MX4Dのほうが若干機能が多いみたいですけど
根本的にやってることは同じ
料金に関しても
どちらも通常の鑑賞料金にプラス1200円くらい
正直、高いですよね


で、僕はMX4Dを観るのは2回目
だと思っていたんですが
以前観たのはどうやら4DXだったようです

確かに、2つの違いを
若干感じれたように思います

 

まず、4D映画の説明をすると

映画の映像に合わせて座席シートが動いたり
水が掛かったり、風が吹いたり
フラッシュや匂いなど
様々なことを映像と同じく体感できる
体感型の映画です

遊園地のアトラクションみたいな感じですね
USJのアトラクションなんかにもあります


細かい機能の詳細や
MX4Dと4DXの違いなどは
面倒くさいから端折ります

そういうのをまとめてるサイトは
たくさんあるのでそこで見れば
詳しく解説されてますよ

 

今回、僕が言いたいのは

映画館で公開されている4D映画は
4D映画じゃないってことです

上映設備やシステムは素晴らしいと思うんですが
肝心の作品が普通の映画

現状では
4D上映設備が全く生かされていない
宝の持ち腐れです

 

今回MX4Dで観てきた「マトリックス」で
それをものすごく感じました

映画の映像に合わせてシートが揺れ動いたり
銃撃に合わせて風圧が来たり
格闘シーンでは衝撃を与えられる
様々な効果を体感できます

ただ、映画を観ていて
それらの効果をやっぱり邪魔に思ってしまう


これは最初から予想はしてました
でも実際に観てみると
それ以上に細かいところまで気になってきます

例えば
敵に攻撃されてシートが動いたり衝撃が加わるのは
わかります
でも、敵がダメージを受けたときにも衝撃が来る

他にも
静かな会話シーンでも
登場人物の少しの動きやカメラワークに合わせても
シートが動いたりします

雷が鳴る場面や銃撃の場面では
ストロボがビカビカと光り
ちょっと目障りだったりする


全体的に
とりあえず動きのあるシーンは動かそう
激しいシーンでは風を出そう
雷が鳴れば光らそう
みたいに無理やり4Dを当てはめているわけです

ただ、それは仕方がないことで
もともと普通の映画として作られているわけだから
そうなってしまうのはあたりまえ

4Dの効果が弱ければ
わざわざ高い金を払って観る意味は無いですからね


で、最近はMX4D、4DXともに
観ることができる映画館が増えてきていて
いろんな作品が上映されています

でも、その上映されている作品って
大体が新作で話題になってるアクション映画
なんですよ
後は人気のアニメ映画など

これじゃあ全然4Dを生かせてない

とりあえず人気の映画を4Dにしておこう
って状態がずっと続いています


そもそも4D映画ってアトラクション重視なんですよ
だから、本当は終始シートが動きっぱなしで
風が吹きまくり、水がぶっかかり
過剰なほど体感できる方が絶対に楽しいはず

そして、映像との一体感も大切
まるで自分が映画の中に入ってしまったような
気持ちになれれば最高だと思う


しかし、4D化されている人気映画は
ことごとく4Dとの相性が悪いと思うんですよね

ストーリー性があって2時間ほどの上映時間
根本的にアトラクションには向いていない

そんな映画には
動きの少ない場面は絶対あるだろうし
カット割りやカメラ-ワークが凝っていたりもする
ストーリーが複雑なものもあるでしょう

ただ、それは映画として面白くなる要素であって
4D映画としてはあまり向いていない
4Dで観たら
やっぱり普通のほうが良かったって
思ってしまうでしょうね

せっかくの4Dを全く生かせていないと思うんです

 

ここからは、僕が初めて観に行った
4D映画の話をします

2016年に公開された
「ボクソール★ライドショー 恐怖の廃校脱出!」
というホラー映画

「貞子vs伽椰子」などの白石晃士が
監督を務めている作品です

本作はかなり知名度が低い作品だと思う
DVDにもなっていないので
今では見る術が無いようなレアな映画
内容は低予算でチープなホラー

でも、この作品実はすごいんですよ

この作品は
完全に4DX専用に作られたホラー映画

この作品はめっちゃ面白かったです

4DXの機能をフルに活用するという
コンセプトをもとに作られていて
いろんな効果を存分に味わえる作品です
POV方式の一人称視点で臨場感もすごくある

それに、上映時間は30分ほどで
映画としてはかなり短いんですよ

時間は短いんですが
ガンガン動きまくる4D映画としては
かなりちょうどいい尺です

酔わない程度で終わってくれる


そして、監督の個性がとても出ていて
クセのある作風が
遊園地のアトラクションでは体験できないような
面白さも生み出しているんです


僕はこれでこそ4D映画だと思うんですよ

普通の映画では体験できないような
一体感や刺激を味わえて
ただのアトラクションではなく
映画だからこその面白さも味わえる

 

で、この作品が公開されたのは2016年で
それから3年
4D映画として作られた作品って
全然なくないですか?

僕はこの作品以降で
4D専用映画というのを耳にしたことがない
もしかしたら作られているかもしれないですけど
数えるほどでしょうね

せっかく全国のいろんな映画館にも
4D映画の設備が整ってきているんだから
そんな映画がもっと増えてもいいと
思うんですけどね

でも、現状は4D設備があるから
とりあえず話題の映画を4Dにして上映しておこう
って感じで
4Dの良さを全く生かせず
4Dの面白さを伝えることもできていない


低予算でも4Dの面白い映画が作れるんだから
お金をかければ
もっとすごいのができると思いますよ

 

それに、4D専用映画を作らなくても
4D設備をもっと活用することはできると思います

既存の作品であっても
4Dと相性のいい作品はたくさんあるはず
そんな映画をもっと公開していけばいいんですよ

4Dと言えばアクション映画って感じですけど
ホラー映画なんかも相性が良いと思う

4D映画の効果は恐怖演出にも使えそうです

特にPOVの作品は4D向きじゃないですかね

動きなんかもリンクさせやすそうですし
より臨場感を生み出せるはず

ゾンビ映画の「REC/レック」とか良さそうですし
「クローバーフィールド/HAKAISHA」とか
すごく相性が良いと思う
「武器人間」とかも面白くなりそう


アクション映画では
「ハードコア」とかめっちゃ4D向きですよ
この映画は4Dで観れば絶対楽しいでしょ


やっぱり4Dは一人称視点と相性が良いように思う
一人称視点なら観客との一体感を作りやすいし
前進する時の浮遊感も上手く使えそうです

4Dの良さは
疑似的に前進する動きが魅力でもあると思っていて
普通の映画では前進する場面が少なく
あまり魅力を伝えれていない

でも、POVなどの一人称視点なら
必然的に前進するし
カット割りが少なく映像に区切りがあまり無いから
より映像と一体化しやすいと思います


人気映画を4D上映したところで
そんなに客は入っていないと思うし

それなら、もっと4Dと相性の良い作品を
たくさん上映すればいいのに
と思うわけです

 

4D映画ってかなり可能性を秘めた
エンターテイメントだと思います
ただ、今のところ全然うまく活用されていないのが
すごくもったいないですよね

現状じゃ、内容に対して
値段が高すぎると思ってしまう
4Dで観るより普通に観とけばよかったと
思ってしまう

映画業界はそう思われない工夫を
もっとするべきだと思います