何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「フィアー・インク」感想 どんでん返しのようで実はどんでん返しじゃない

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どうもきいつです


ホラー映画「フィアー・インク」観ました

ホラー映画好きの男が
とあるイベント会社に依頼したことから始まる
命懸けのホラーゲームを描いた2016年のホラー映画

プロデューサーとしても手腕を発揮している
ヴィンセント・マシャーレが監督を務めています

 

あらすじ
ホラー映画オタクのジョーとその仲間たちは
体験したことのない恐怖を提供する
フィアー・インクという会社の存在を知る
刺激を求めるジョーは仲間の反対を押し切り
その会社に恐怖提供を依頼してしまった
その瞬間から彼らは恐怖のゲームに
巻き込まれていく

 

感想
ホラーパロディー、オマージュが
たくさんあってそこは多少笑えて
楽しめる映画ではありました
でも、2転、3転とどんでん返しを繰り返す
作品なのに全然どんでん返しになっていない
あまり面白くなかった

 

いかにも低予算B級ホラーなんですが
なんとなく興味を惹かれたので観てみました

内容はおおむね予想通り
だいたいこんな映画だろうな
と思っているような映画でしたね

B級だしそんなに期待していたわけでは
ないのですが
想像よりもちょっと下回る出来だったと思う


設定は面白そうだったので
もう少しひねった内容なのかとも思ったんですが
思った以上にストレートな内容

と、言うか
ひねったように見せかけてはいるけど
実は全然ひねっていない

どんでん返しの展開の繰り返しで
推し進めている映画なんですけど
全然どんでん返しになっていません

この映画の結末は冒頭の場面が
答えになってしまっている
全く予想外のオチでもなかったです


まず、面白かった部分から言うと
ホラー映画のパロディやオマージュが
たくさんあって
ホラー映画が好きな人なら楽しめると思います

主人公のジョーがホラー映画が大好きで
いろんなところでホラー映画のタイトルを
引き合いに出すのが
そもそも「スクリーム」っぽかったりしますしね

ジョーがホラーな出来事に直面するたびに
あの映画みたいじゃん!!
ってアホみたいにテンションが上がって
ワクワクしているのは面白いです

それに、ジョーが
いちいち映画のタイトルを言ってくれるので
どんな映画のオマージュなのかもわかりやすいし


前半部分は
危機的な状況のはずなのに
ジョーがその状況を楽しみながら
周りの仲間そっちのけで突き進んでいくのは
笑えましたね

ジョーのアホさが微笑ましくあり
可愛くも見えてくる


フィアー・インクの恐怖提供が始まってから
ジョーが本当にビビり出すまでは
なかなか面白かったと思います

 

ただ、ジョーがビビり出してからは
かなりつまらなくなる

ここからはただの質の低いホラー演出が続くだけ
笑えるシーンも全く無くなるし

ストーリーの展開もつまらないですね

どんでん返しに次ぐどんでん返しで
物語が進んでいきますが
驚きなんて全く無い

この映画がやってるのは
実はドッキリでした!!
っていうのを繰り返しているだけ

同じことを繰り返しているだけなんですよ

しかも、それは想定の範囲内の
わかりきっていることですしね

そもそも、フィアー・インクという会社が
普通じゃなくてヤバい会社だと
はじめに言ってしまっている時点で
その後の展開は全部予想通りですし


実は仲間もフィアー・インクとグルで
ジョーを驚かせていました

その後のトラブルも結局全部
予定通りのドッキリでした

フィアー・インクはやっぱりヤバい会社でした

みたいな最初からわかりきっていることを
どんでん返しのように見せているだけなので
なんか全然乗れない

知ってますけども…
って気持ちにしかなりませんよ


こんなのはあらすじや設定を知った上で
みんなが予想してるであろうこと
こちら側としては
その予想を裏切るものを見せてほしかったわけです


ストーリーが設定以上のところに
広がっていっていないですよね

どんでん返しっていうのは
はじめに提示されているものの
外側へ話が広がっていくから驚くわけで

この映画は設定の内側で
茶番みたいなどんでん返しを
繰り返しているだけだと思う

 

この映画だったら

例えば
実は全部ジョーを懲らしめるための
全部仲間が仕組んだドッキリで
フィアー・インクなんて無かった
みたいにして
そこからさらに話を広げるとか

騙していたと思っていたら
実は騙されていた
みたいな展開を繰り返して
誰が仕掛け人かわからなくなるような
疑心暗鬼を煽る内容とか

そんなストーリー展開にしたほうが
面白くできたような気がする


少なくとも
仲間たちもグルでジョーを騙していました
を2回繰り返すよりは
ましな内容になっていたと思いますよ

 

最後のバッドエンドなオチも
冒頭でやっていたことと
やっていることはさほど変わらないですよね

安心させてからの
最悪な展開ってのが全く同じ

フィアー・インクがヤバい会社でした
っていうのも同じですし

オチのつけ方ももっとひねったほうが
良かったと思います

あの終わり方じゃつまらな過ぎる

 

あと、ホラー演出にもちょっと不満

そもそもホラー演出が少ない気がするし
数少ないホラー演出も全然怖くないんですよ

オマージュやパロディーにこだわりすぎて
根本的な部分がおろそかになってると思うんです

こんな映画だからこそ怖い部分が怖くないと
全体がぼやけてしまうんじゃないでしょうか
要所要所でしっかりと怖がらせてくれれば
メリハリもできて見応えも生まれそうですし

それに、あまり怖くないせいで
本物の恐怖を提供する会社フィアー・インクの
存在の説得力も全然ない

やってることはホラー映画の劣化版みたいな事
ばかりですし
さほど過激な事をしてるわけでもない
ちょっと暴力振るうくらいですし

本作ではフィアー・インクという会社に対する恐怖
というのがとても重要だと思うんですが
あまりこの会社に恐怖感を抱けない

ミステリアス感も薄いしヤバさも薄い
この会社の存在がとても弱いんですよ

ラストの皆殺しシーンだけじゃ
全然足らないですよね…

 

面白い部分もありますがそれはほんの一部だけ
全体を通して見るとちょっとつまらないですね…

どんでん返しのようで予定調和
想像を全く超えてこない

この映画を観て
この先どうなるんだろう?
といろいろ想像して予測している内容のほうが
実際の映画の内容より面白いかもしれない

 


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