何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ミッドサマー」感想 面白い映画ではない こんなタイプの映画は嫌いじゃないけど

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どうもきいつです


ホラー映画「ミッドサマー」観ました

スウェーデンの奥地を訪れた大学生たちが遭遇する
悪夢のような出来事を描いたホラー作品
とある村で90年に1度開催される夏至祭で起こる
衝撃的な様子が映し出されます

監督は「ヘレディタリー 継承」で注目された
アリ・アスターが務めています

 

あらすじ
思いがけない事故で家族を失ったダニーは
大学で民俗学を研究する恋人やその友人たちと
スウェーデンの人里離れた土地に訪れ
90年に1度行われる祝祭に参加することになる
太陽が沈まないその村は色とりどりの花が咲き
村人たちはとても親切でまるで楽園のようだった

 

感想
正直言って面白くない
すごく退屈な映画だと思います
ただ、そこで描かれているものはとても興味深く
嫌いな映画ではない
さすがに2時間以上は長すぎると思うけど…

 

アリ・アスター監督の前作「ヘレディタリー 継承」がとても好きなので
監督の新作である本作はかなり楽しみにしていました

しかも、本作はやたら話題になってますね
評判もすごく良いし

僕は日曜日に映画館へ観に行きましたが
満席でした

これは予想外です
こんな映画が満席になるとは思っていなかった

「ヘレディタリー 継承」を観た人ならわかると思うけど
この監督の作品は絶対に万人ウケじゃないでしょ

なのに、映画館にはいろんな層が観にきていました
若者グループ、老夫婦、10代くらいのカップルなど

なぜこんなにたくさんの人が観にきているのか?
宣伝が多くされていたからか
カラフルなポスターの影響か
その辺はよくわかりませんが…

ただ、この状況はちょっと面白くもありました

 

で、映画の感想ですが

大絶賛の声もすごく多い作品で
そういうこともあり、とても期待していたんですが

正直、そんなに面白くない
みんな何故こんなにも褒めたたえているのか
少し疑問に思ってしまうほど

でも、独特な世界観だったり映像センスだったり
クセの強い作家性を感じる作品なので
この映画が好きな人がいるのは納得できます
僕もこの映画は嫌いじゃない

そうは言え
「ミッドサマー」最高!! 絶対みんな観るべき!!
みたいなテンションの人も結構多くて

いや… この映画観てこのテンションになるのはズレてない…?
とも思う

このテンションでオススメされて観たとしたら
この映画つまんね…
って思ってしまう人がほとんどだと思いますよ

まあ、そんなことはどうでもいいんですけどね
感想なんて人それぞれですし

 

そんなことより映画の内容ですが

ストーリーなんてほとんどない

若者たちが変な集落に訪れて
変な風習に驚いて
最終的に怖い目に会う

ただそれだけの物語です

物語の展開は淡々としていて
ストーリーにひねりがあるわけでもなく
特に目立った動きはありません

所々にギョッとさせられる場面はありますが
基本的にすごく退屈な内容

ストーリーの先の展開も大体予想できて
驚く要素も無い

そして、本作は一応ホラーという位置付けだと
思いますが
わかりやすいホラー的な演出は全然無いんですよね
多少グロいシーンがあったりはしますけども

雰囲気で言うと2018年版の「サスペリア」に
なんとなく似ていると思う
あの映画ほどのおどろおどろしさはありませんが
どことなく似てる気がした

「サスペリア」に関しても面白い映画ではありませんでしたし


それと、伏線がすごい
とか言ってる人も多く見ますけど
この映画、さほど伏線無いですよね?

途中で出てくる絵とかを伏線とも言えるかもしれないけど
物語の先を示唆してる役割を果たしていますが
伏線というにはあからさますぎですし

むしろ、もう少し伏線張ってほしかったくらいです

人が殺される描写とか唐突だし
誰が殺したとか
なぜそんな殺し方をしたのかとか
その辺はすごく曖昧だったりする

クリスチャンが村の女の子から好意を寄せられるのも唐突ですよね
前置きくらいはあってもいいと思うけど

あまりストーリーが練られている印象はありませんでした
淡々と出来事を見せて行く
という感じの作りの作品だったと思います

 

とにかく、別に面白い映画ではないですよ

この絶賛している人の多さは謎
こんなにみんながが絶賛する映画じゃないでしょ

「キャッツ」の評判が悪くて
この映画の評判がすごく良い
という状況はよくわからん

どっちも意味不明映画でしょうに
まあ、この映画を褒めてればコアな映画ファンっぽくは見えますけど

 

そんな否定的な意見になりましたが
別に嫌いな映画というわけではないです

むしろ、こんなタイプの映画は好きなんですが


特にこの映画の魅力と言えば
美しい理想的な村の姿と常識から逸脱した風習の
ギャップの気持ち悪さだと思います

花が咲き乱れすごく美しい村の風景に優しい人々
この世の楽園のようにも見える世界観
そんな中で、たびたび見せられる気持ち悪いもの

グロテスクなものだったり不快なエロ描写だったり
意味不明な儀式もなんか居心地が悪い
そんなのにとても違和感を感じ
なんか不安を煽られてしまう

終盤に向けてその気持ち悪さが加速していき
最後には爆発する
そこには怖さや嫌悪感を感じて
ちょっと味付けの違ったホラーのようで
結構、楽しめました

 

そして、主人公ダニーの目線でこの映画を観ると
救いの物語にも思えて
最後のシーンにはカタルシスを感じました

このラストシーンはすごく意味深で
人によってはバッドエンドにも思えるでしょう

ただ、僕にはハッピーエンドのように思えた

絶望的な状況で
精神的にも追い込まれているダニーが
この村の人々と出会うことで救われるんですよ

常識とか当たり前のこととか
そういう考え方に縛られて苦しんでいる人を
救ってくれるような物語になってる


ダニーは彼氏のクリスチャンに依存しきって
気持ちの共有を求める人なんですが
そんなダニーに対してクリスチャンやその友人たちはどこか腫れもの扱いしている
面倒くさい女みたいな扱いなんです

でも、それって普通のことで
一般的には人間というものは
個々が自立してそれぞれが努力をして幸せをつかみ取る
みたいな考えが常識

他人に依存する人間は弱い、未熟
という考え方がこの社会の常識なんですよ


ただ、本作に登場する村では
それとは全く逆の考え方で
村人全員が一つの存在という考え方

映画の中ではそれをホラー的な見せ方をしてたりしますが
僕はこの考え方は全然ありだと思えた

例えば、一定の年齢を過ぎると自ら命を絶つ
という描写も
個人として考えると命を粗末にしているように思えるけど
村が一つの命として考えれば
年老いたものが死んでも、新たに生命が生まれるのならば、それはサイクルの一環というだけ

古い髪の毛が老け落ちて新しい髪の毛が生えてくる
それと同じようなことだと思う

この村の人たちにとって命というのは
個人のものでは無くて自然の一部
ということだと思います
だから、人が死ぬこと殺すことは
罪でも何でもないわけです


そして、命を共有しているだけではなく
感情や行動も共有している

この映画で特に印象的な子作りのシーンなんかも
1対1ではなくて
村の女性たちとクリスチャンという風に描かれていましたし
終盤のダニーが泣き叫ぶシーンでは
周りにいた女性たちも一緒に泣き叫ぶ

精神面でも一つの生命のように感じられるんです


一見、常識から逸脱した異常な世界ではありますが
ダニーからすれば
居心地の悪い常識的な社会よりも
この村の非常識な社会のほうが居心地がいいし
理想の世界なんです

この村だからダニーは自分らしく生きることができる
彼女の最後の笑顔は幸せの笑顔なんだと思えます
ここにはちょっと感動すらした

ダニーが最後にクリスチャンの命を選んだのも
彼を恨んでいるからとか見限ったとかではなくて
ダニーがこの村の価値観を完全に理解して
彼を愛しているからこそサイクルの中に取り込んだ
というようにも見えました


この映画を観ることで
人間の価値観や常識の曖昧さも感じさせられた
とても興味深い内容の映画だと思います

 

興味深い映画ではあるけども
さすがに147分は長いかな…

淡々としたシーンがほとんどでこの長さなのは
観るのにストレスを感じるのは否めない

もう少し簡潔にテンポ良く見せてほしかった
というのが本音です

 

みんなが絶賛してるけど面白い映画ではない
その言葉を信用して観に行くと痛い目を見るかも
あと、ポスターのカラフルな雰囲気だけで
観るのも…

明らかに大衆向けの映画じゃないのに
満席状態が続いているというのも面白い現象で
この人たちがどういう感想なのかもちょっと気になります

万人ウケの映画ではありませんが
好きな人は好きだろうなって映画です
僕も嫌いじゃない
めっちゃ好きというわけでもないけど

 


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