何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「キラー・メイズ」感想 アイデアがすごく面白い 出オチだけど…

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映画「キラー・メイズ」感想 アイデアがすごく面白い 出オチだけど…

 

どうもきいつです


コメディー映画「キラー・メイズ」観ました


ダンボール製の殺人迷路を巡って大冒険を繰り広げる
2017年のホラーコメディー映画
シッチェス映画祭でニュービジョン・ワン/プラス部門で最優秀作品賞を受賞した作品です
セットのすべてがダンボールの低予算映画

監督はビル・ワッターソンです

 

あらすじ
冴えない芸術家のデイブは日々の鬱憤を晴らすため
居間のど真ん中にダンボールの迷路を作りはじめる
そして、いつしか迷路は大迷宮となり
中には彼の空想した罠やモンスターがうごめき
デイブ自信も迷路に閉じ込められてしまう

 

感想
シュールな設定がとても面白い
ダンボールで作られた迷路も新鮮で面白い映像になっていて
ワクワクさせられました
ただ、その斬新さに慣れてくると
そんなに面白い内容ではないことに気付く

 

アマゾンプライムビデオで配信されているのを見つけなんとなく観てみました

どんな内容かも全く知らず
期待も何もしてませんでしたが
観てみると意外と面白い設定

バカバカしいコメディー要素やライトなホラー表現があったりと
軽い気持ちで観るにはちょうどいい映画だったと思います

 

まず、何が面白いって
全てダンボールで作られた迷宮を冒険するというアイデア

この発想の時点で笑わされてしまう
よくこんなアホなこと思いつくなって

しかも、居間でダンボールを使って迷路を作っていたら
作りすぎて自分も出られなくなってしまう
という、かなりシュールな設定


こんなしょうもない発想で映画を作っている
ってだけで
この映画は勝ちですよね


特に序盤の迷路に入るまでのやり取りが好き
ここはシュールなコントみたいで笑えます

主人公の一人アニーが家に帰ってくると
リビングの真ん中にダンボールのオブジェらしきものがあり
中から恋人のデイブの声が

デイブはダンボールの迷路から出れなくなったと言い
そこからアニーとデイブのやりとりがあったり
後から友達がやって来たりして
しょうもない会話が繰り広げられる

迷路に閉じ込められてしまった理由が
熱中して作りすぎたからだとか
迷路に入って助けにいこうとしたら危険だから来るな
ってやりとりを繰り返したりとか

そもそもダンボールの中からか細い声が聞こえてくるのが面白い

序盤のやりとりは軽いノリとテンポで
コメディーとしてとても面白い雰囲気でした

このワンシチュエーションだけで30分くらいのコント映画が作れそうですよ

スタート地点がとても面白くてこの映画にぐんぐんと引き込まれていくんです

 

そして、ダンボールの迷路に入ってからは
全てがダンボールや紙で作られたセットがとても面白い

壁、天井はもちろん仕掛けや罠もダンボール
迷路の中の怪物なんかもダンボールです

この全てがダンボールという世界観は斬新だし
映像的にも面白い
このダンボールの迷宮の中を探検するのは
子供心をくすぐられてワクワクしてしまいます

この先どんな冒険が待ってるんだ!?
と期待値がめっちゃ上がってくる

 

で、そこから先はと言うと…

あれ?
あまり面白くない…

って映画なんですよね…


正直言って、出オチなんですよ

斬新な設定やダンボールで作られた面白いセットや小物
それに慣れてくると
この映画にそれ以上のものが無いと気付かされてしまう

むしろ、全てがダンボールというのがマイナスになってたりもします


ただ迷路をさ迷ってるだけの内容ですからね
あまりストーリーも無い
迷路の罠で人が死んだりするから
一応スプラッターホラーだと思います

とても薄い内容なのでストーリーに面白味は
あまり無い


迷路に入ってから早い段階で面白い世界観に慣れてきます
すると、段々とダンボールだけのセットが
ただチープなだけのセットに見えてくる

でも、この映画がメインで見せてくるのは
最初から最後まで
ダンボールで作られたギミックや表現
それだけなんですよね

なので、終盤に近づけば近づくほど
チープさが際立って
学芸会みたいに見えてくる

それに、迷路の中で人が死んだりもしますが
その表現が
血や内蔵を紙で表現しているので全然グロくない

はじめはその表現が面白くも思うけど
結局、気持ち悪さや怖さを全く表現できていない

2回目、3回目になってくると
人が死ぬということに重みが全くなく
危機感や恐怖感が生まれないから
人が死んでいくことに意味を感じられなかったりします


迷路から出れない危機的状況を描いた
ホラーテイストな映画だけど
やってることは普通のホラー
表現方法はダンボールというのが反発しあって

極限の状況が全然伝わってこないんですよ
臨場感もないしスリルもないし

はじめは心を掴まれるけども
その後に心を掴まれる要素がほとんどなかった

完全にこの映画は出オチだと思う

 

あと、細かいことを言っていくと

ストーリーが雑で強引だから
何をやってるのかわからなくなってきます

最終的に迷路を壊す方法とか
ちょっとなに言ってるかわからない

登場人物たちはなぜか納得して迷わずに
突き進んでいくんですけども
観てるこっちとしては
お前ら何を根拠にそこまで突き進んで行けるんだよ?
と、かなり疑問に思ってしまいます

理論とかは全く無く
ただ勢いだけで解決してしまう
そこが納得できないんですよね


それと、コメディー要素があまり笑えない

迷路に入るまでは面白いんですけど
迷路に入ってからのギャグがちょっとつまらない

ただしょうもないことを言ったり
しょうもないノリを続けたりするだけで
笑いのレベルが低く感じました

それに真剣な場面にも茶化すような場面が小刻みに入ってくるのは邪魔
単純にテンポが悪くなってるし
どういう気持ちで観ればいいかわからなくなってくる

その合間に入るギャグが面白ければ
全然笑えると思うけど
ほとんどつまらないですしね


青い光に惹きよせられるところとかは
何度も同じ事を繰り返すのは面白いけど
それをフリに面白いオチが来るのかと思いきや
大したオチもなく拍子抜け

あれだけフリを見せたら
最後は何かやらきゃダメでしょ


迷路に入るまでのシュールなやりとりを
引き続き見せてくれるだけでも面白かったと思うんですけどね
そこはあまり期待に応えてくれなかった…

 

結末もあっさりしすぎで微妙だったし
本当に最初だけの出オチ映画でした

せっかく面白い設定なのにもったいない

こんなことならファンタジーな映画でもよかったと思う
それか、ホラーにするならもっとひねった内容にするとか

とにかくアイデア一本勝負になっていたのは否めない映画でした

 


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