何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「モンスター上司」感想 笑えるけど爆笑ってほどでは… ラストもあまりすっきりしなかったし

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どうもきいつです


コメディー映画「モンスター上司」観ました

耐えがたい上司と顔を合わせ仕事をする男たちが
そんな上司を排除すべく復讐に乗り出す姿を描いた
2011年のコメディー映画

監督はセス・ゴードンが務めています

 

あらすじ
ニック、カート、デイルの3人は
それぞれが耐えがたい上司のもとで理不尽な仕打ちを受け
うんざりする日々を送っていた
そして3人はそんな上司を葬り去れば
そんな日々から解放されると考えるようになる
彼らは怪しい男の助言のもと上司を殺害する計画をたてるが
いざ実行に移すとその作戦は穴だらけだった

 

感想
笑えるっちゃ笑えるけど
基本、下品な笑いが最初から最後まで続くだけ
なので、段々と飽きてくる
復讐劇としてもいまいち面白みがなく
最後もあまりすっきりしませんでした

 

前から笑えるコメディーというのを耳にしていて
興味が湧いたので観てみました


確かに笑える映画ではありましたが
僕のツボにはあまりハマりませんでした

つまらないわけではないんですけどね…
かと言ってすごく面白いわけでもない

おバカコメディーのわりにそんなにぶっ飛んでもなかった


基本的に本作の笑いの表現は下品な下ネタが多め
あとは下品なブラックジョーク

いかにもアメリカのおバカコメディーって感じで
そんなに悪くはないと思うんですけど
個人的にはこんな下ネタばかりの一発ギャグ
みたいな笑いはあまり好みじゃない

これは下ネタに不快感を感じてるわけではなくて
むしろ下ネタは好きなくらいですが

最初から最後まで下ネタ任せで
ただ下品なことを言ってるだけで笑わそうとしてる笑いは
ちょっとレベルが低いなって感じてしまいます


本作の設定はとても面白くて
どうしようもない上司をから解放されたいから
計画を立てて殺そうとするって話で

その設定を生かしていろいろと笑いを生み出せそうな気がするんですが

あまり設定を生かした仕掛けとかは無くて
ただ主人公たちが無計画にバカなことをやって
それを滑稽に見せるだけの内容

綿密に計画を立てるけどしょうもないことをきっかけに崩れていく
みたいな展開になるわけでもなく

最初から計画なんて適当で
逆によくこれで殺人を実行しようと思えるな
ってレベルの稚拙な殺人計画

コメディーだからって全部が全部バカなことをやる必要なんてなくて
締めるところはしっかり締めれば
メリハリが生まれて
そのギャップで笑いも生まれると思うんですよ

 

他にも
モンスターな上司をテーマにしてるんだから
パワハラあるあるとかセクハラあるあるでも
笑いを作れたと思う

こんな奴いるよなとか
こんな仕打ちされたことあるわとか
共感から笑わせることもできると思います

でも、本作の場合は
この上司たちが常軌を逸してるんですよ
こんな奴いねーよってくらいのヤバい人たち

まあ、これはこれでぶっ飛んでて面白いですけど
ただめちゃくちゃな言動を繰り返すだけだから
やっぱり徐々に飽きてくる
最初のインパクトの強さだけで終わってます


全体的に笑いのバリエーションが少なかった気がします
アメリカらしい下品な言葉の応酬がメインで
あとは下ネタ

こういうのが好きな人は好きかもしれないけど
日本人の笑いの感覚にはちょっと合ってないように思う

妄想でビルの上から上司を投げ飛ばすシーンや
アレルギーで危険な状態の上司を注射で助けようとするのを
刺し殺しているのと勘違いするシーンとかは
普通に笑える面白いシーンでしたけど
こういうのは圧倒的に少ないんですよね

 

それに下品なおバカコメディーのわりには
バカをやり過ぎてない感じもしました
突き抜けてないと言うか…
これが一番笑えなかった要因かも

くだらなくてしょうもないことでも
めちゃくちゃやってくれたら笑えると思うんですよ

アホ過ぎるコメディーって例え笑いのレベルが低くても
爆笑してしまう作品なんていくらでもある

ただ、本作はちょっと中途半端
真面目におバカコメディーをやってる気がする

どこか真面目な部分が残っていて
頭のネジが外れてない

上司たちがみんなぶっ飛んでていいキャラしてるんだから
それを生かしてもっとめちゃくちゃやってくれてもいいのに

主人公たちも中途半端にアホなんじゃなくて
イカれてるくらいがよかった

頭おかしい上司と頭おかしい部下の全面戦争
くらいのことをやってくれた方がバカバカしくて爆笑できたかも

 

あと、コメディー部分を抜きにしても
あまり面白い内容じゃない

上司を殺そうとするクライム映画や復讐劇として見てみてもちょっと弱い内容です


まず、主人公たちが全然ちゃんと計画を立てない

計画を立ててるようで行き当たりばったりで
行動してるだけです

だからあまりハラハラドキドキしないんですよ

クライム映画って綿密に計画を立てても
それが上手くいくかいかないかのギリギリの感じが面白いのに

本作ははなから計画なんてまともになくて
思い付きで行動してるだけだから緊張感なんて全く無い
交換殺人をやろうとしてるのに3人でずっと行動してるのはアホすぎるし

こんな殺人なんて上手くいくわけなくて
そこで予想外のハプニングが起きました
ってなっても
ハプニングが起きなくても失敗するだろ
と思うだけ

バレないように人を殺そうとするストーリーなのに
スリルが全然無いんですよね
普通につまらない

 

復讐劇にしても
主人公たちが何かを成し遂げたわけでもなく
計画もまともに立てず
最終的にはなんか運だけで解決してしまうから
カタルシスも全くなくて気持ちよくない

上司たちも結局は自分で破滅していってるだけで
そこもちょっとモヤモヤする

この計画を経て主人公たちが成長してる感じもないですしね
テキトーにやってたら上手くいって平凡な日常を取り戻しました
で終わってしまいますから


それと主人公3人が薄い
上司のケヴィン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレルの3人が
あまりにも存在感が強すぎて主役を食ってました
この3人が主役の映画が観たいくらい

 

おバカコメディーならもっとめちゃくちゃやってほしかった
もっと笑いのパターンに種類があれば
最後まで飽きなかったようにも思います
設定や上司のキャラが面白いだけに
そこを生かせば爆笑もできたかも

なんか中途半端なコメディーでした

 


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