何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー」感想 バカバカしすぎてめっちゃ笑える

どうもきいつです

 コメディ映画「バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー」観ました

ハリウッドのアメコミヒーロー映画をモチーフにしたフランスのコメディ映画
ヒーロー映画の主役に選ばれた俳優が撮影途中に事故に遭い記憶を失い
とんでもない騒動が巻き起こります

監督、脚本、主演を務めるのは「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」などのフィリップ・ラショーです

 

あらすじ
父親の反対を押しきり俳優を目指すセドリック
ある日、彼はヒーロー映画「バッドマン」の主役に抜擢され
厳しいトレーニングをこなし役作りに打ち込み撮影に挑む
しかし、初日の撮影終了後に父が倒れたと連絡が入り
衣装を着たまま病院に急行し途中で事故に遭ってしまうのだった
そして、事故の影響で記憶を失ったセドリックは自分をスーパーヒーローだと思い込んでしまう

 

感想
とにかく低俗でバカバカしいくだらない映画
だからこそ、めちゃくちゃ笑えました
アメコミのパロディ満載
下ネタ満載
下の下の映画
でも、意外とちゃんと作られている

 

「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」がとても面白かったので
本作にもとても期待して観に行ってきました

想像していた通り
とてもくだらないしょうもない映画でしたね
だからこそ爆笑できた
期待を裏切らないアホな映画

ただ、やっぱり観る人は選ぶのかな
という印象です

本作はとにかく低俗で下品で
倫理的にどうなの?
と思ってしまうような場面もちらほら

創作物に対して潔癖な人は不快に感じるかもしれません
しょうもない映画が嫌いな人も本作を受け入れられないでしょうね

まあ、しょうもない映画が嫌いなら
そもそもこの映画をわざわざ観ないでしょうが

僕の場合はこんな映画が大好物なので大いに笑えて楽しむことができました

 

本作は
やはりギャグがすごく多いです
しかも、結構レベルの低いしょうもないギャグ

でも、そんなギャグがちゃんと笑えるんですよね
くだらないけど笑えるギャグが多い

その理由は
前フリがしっかりしていてタイミングもとても良いからだと思います

例えば
日本のつまらないコメディ映画でありがちなのが
ただ変なことを言ってるだけとか
変顔を見せるだけとか
ボケとツッコミだとか
ギャグ単体で笑わせようとするパターンが多いですよね

ただ、本作の場合は
ギャグ単体で終わらせるんじゃなくて
そこに至るまでのプロセスがあるし
1つのギャグから後に繋がっていったりもする

例えば
主人公の友達が薬の治験バイトやってるってのも
それ自体もちょっとした小ボケですが
そのせいで幻覚が見えることで次のボケに繋がっていったり
物語を展開させるきっかけになったりもするわけです

他にも1つのギャグから次のギャグへと発展して連鎖的に繋がっていく
という場面はとても多かったように思います


それに、本作は設定の扱い方も上手いですね

そもそも、主人公が記憶を失って自分を本物のスーパーヒーローと思い込んでしまう
という設定自体も面白いんですけども

その設定からいろいろと広げて笑いにしてました

本当は普通の人間なのにヒーローみたいな立ち振舞いをしようとすることでズレが生じ
そこが滑稽で笑える

主人公がヒーローらしく振る舞おうとすれば
逆に変なことが起きて笑いに転換されるんですよね

これに関してもやはりギャグ単体で笑わそうとしてるのではなく
設定から派生させてそこから笑いに繋げている
って感じの作りです

ある意味
伏線を張って回収するという映画の手法を
笑いの部分でもちゃんとやってる

しょうもないギャグの連発をやっているだけのようで
実は知的なことをやっているんですよ

だから、低レベルな下ネタの連発もそこまで下品にも感じなかったりもします
下ネタ単体で笑わそうとしていないので
結構マイルドな下ネタが多く
さほどいやらしい下ネタにはなっていません


あとはアメコミ映画のパロディですよね
これもホントに面白かった
アメコミ映画が好きなら笑えるのは間違いないです

バットマンのパロディ映画と思いきや
むしろ、DCよりマーベルばっかりイジってるし

印象に残ったのは
あのスパイダーマンの名シーンのパロディ
あれはさすがにアホすぎる
あんなの怒られるよ

終盤のアベンジャーズも良かったですね
何もせずに全滅してましたし
バカバカしい

他にもジョーカーの名シーンやら
X-MENの学園やら

てか、そもそも劇中映画がバットマンのパクりでしかないし

アメコミ映画を好きな人なら気づけるところがたくさんあって
そのしょうもないパロディ連続に笑わされると思います

めっちゃ茶化してましたけど
監督たぶんアメコミ映画大好きですよね
ふざけてるけど愛は伝わってきました

 

あと、メリハリがちゃんと効いてますよね
すごくふざけてるけど真面目なところは真面目に作られています

ストーリーなんてかなりちゃんと作られてるんですよ

主人公がヒーローとして活躍しようとすればするほど悪い方向にどんどん転がっていって
この先どうなるんだろう?
と、どんどん物語りに引き込まれていきます

次々とテンポよくストーリーが展開していくので退屈することもない

ストーリーの作りも良くて
真面目な部分でも伏線を張って回収ができていて
観ていて気持ちよくもありますよね

ラストの展開はかなり良かったと思う
ちょっと感動したし


ストーリーだけでなく登場人物も意外と真面目なんですよね
実はみんな意外とふざけてなくて
真面目に行動してるが故に変なことが起きてるわけです

主人公のセドリックにしたって
めちゃくちゃ真面目な人ですから

本気で自分をヒーローだと思っていて家族を助けようと行動してる
だから笑えるんですよ

ふざけた人がふざけた言動をしていたら冷めるだけで
ここもやっぱりメリハリですよね

登場人物が真面目に行動してるからこそのズレで
そこから変な事が起きると緩急で笑いに変わる

真面目な部分があるからこそ笑いが生まれる
本作はそこを徹底していると感じさせられます


アクションシーンは格好よくチープになっていなかったり
ラブロマンスは茶化すことなくハッピーエンド

最後まで観るととてもバランスがいいなと思わされました


本当にくだらないおバカ映画ではあるけど
ただふざけてるだけでなく知的に作られた映画でもある
パロディにも愛を感じれました

コメディ映画としてクオリティが高い作品だったのではないでしょうか

とても笑えたしちょっと感動したし
低俗な映画なはずなのに最後には爽やかな気持ちになれた

 


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