何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ズーム 見えない参加者」感想 アイデアが面白い 今だからこそのホラー

f:id:kiitsu01:20210131205613p:plain

どうもきいつです


ホラー映画「ズーム 見えない参加者」観ました

新型コロナウイルスの影響でロックダウン中のイギリスを舞台に
外出自粛などで世界的に広まったWeb会議ツールZoomを題材にしたホラー映画
Zoomを介して降霊会を行う男女たちが怪現象に教われます

英国インディペンデント映画賞レイダンス賞を受賞した
「ストリングス」のロブ・サヴェッジが監督を務めています

 

あらすじ
新型コロナウイルスのパンデミックによりロックダウン中のイギリス
ヘイリーはZoomを介して定期的に友人たちで集まっていた
ある日、霊媒師をゲストに招きZoom降霊会を行うことに
はじめは和気あいあいと楽しんでいたが
それぞれの部屋で不思議な現象が起こりだす

 

感想
この時代だからこそ生まれたホラー
シチュエーションが面白くハラハラさせられました
ただ、アイデア一本勝負で
結局やってることは普通のホラーです
もう少し捻ったものを観たかったかも

 

特別興行1000円という事で観に行ってきました
前編Zoom画面での撮影というのも前から気になってたし
せっかく安いのなら観とかな損って感じです

コロナ禍で生まれた作品で
それを存分に生かした
今だからできる映画
このアイデアは面白いと思います

以前に観た「真・鮫島事件」もやってることはほぼ同じだったんですけど
こっちのほうはかなり中途半端で微妙

それに比べて本作は
最初から最後までずっとパソコン画面
Zoomの使用中に全てが起きます
そこは「真・鮫島事件」と違い徹底している

全編がパソコン画面の映像というのは「search/サーチ」
起きている出来事は「パラノーマル・アクティビティ」
みたいな内容だったりするので
よく考えればそこまで斬新な映画ではないです

でも、この時代にZoomを題材にした作風には共感を感じれるし
そんなツールだからこその恐怖感も味わえます


今だからこそのアイデアの作品ではありますが
ホラーとしてやってる内容はオーソドックス
かなり王道のホラーだったりする

はじめは調子に乗ってる人たち
そして、不可思議なことが起き不穏な展開
最後には怒濤のお化け屋敷ホラー
って感じの内容です

やってることは
あるあるでマンネリなPOVホラーだけど
ちゃんと怖いところは怖いですし安定して楽しめる

説明不足もちょうどよくて
よくわからないなにかが迫ってくる恐怖が
より恐怖心を掻き立てます

POV形式のホラーは
やっぱり説明不足で意味不明なくらいが怖さが引き立つ
ゾクゾクとさせられる雰囲気はすごくよかった


で、そんななかにもZoomを生かした演出もあったりして
新鮮味も感じられます


ネット回線が不安定で途切れてしまい退出とか
はこういう設定ならではだし

顔にかけるフィルターやバーチャル背景など
これも使い方が上手くて
序盤にZoomってこんな機能もあるんだよと説明しておき
後半にそれを恐怖の演出に使うのには感心させられました

同じ背景がずっとリピートされてるのは不気味だし
そこからの顔面叩きつけはビビらされる

フィルターも
空中に顔が浮かんでるのはかなり不気味
そこになにかいる表現としては新鮮さも感じました

女の子の顔にずっとフィルターがかかって舌がベローンってなってるのも
冷静に見ればちょっと滑稽で笑ってしまいそう

でも、あの緊張感の中なら
不気味さのほうが上回ってすごく気持ち悪いんですよ

Zoomだからこその表現も多くて
そこはとても楽しめました

それと、急な物音にビビってると
実は宅配のノックだった
ってのも今っぽくて面白かった
しかも、霊媒師のおばさんのところに届いたやつだし
お前かよ!?ってちょっと笑えました

 

そんなアイデアが面白い本作ですが
もうちょっと捻りも欲しかったな
って気持ちがあるのは否めません

基本的にホラー演出は見たことあるようなものばかりで
その上ワンパターン

物足りなさは結構あります

特に終盤になると力技の強引な怖がらせ方が多くて
怖いことは怖いけどなんか納得できない
ビックリさせられてるだけになってるんですよね

わかってるけどビックリしてしまう
というのはホラーとしては全然ありなんですが
もっと他の角度からも怖がらせてほしかったです

盛り上がらせなきゃならないのもわかるし
終盤に人がバタバタと死んでいくのは確かに盛り上がります

しかし、やっぱり
こういうのなんか知ってるな
って思ってしまう

ひたすら仲間たちが狙われ死んでいき最後には全滅
みたいな展開はやり尽くされてるし
今さらこれだけではハラハラできないと言うか…

見たことのあるような映像の連続で
ちょっと冷静にもなってしまうんですよね
映像的にも少しぶっ飛びすぎな気もする


もう少し以外な展開とかは見たかったですね

もっとZoomだからできた展開もあるだろうし
Zoomだからこその恐怖を突き詰めることもできたと思います

面白いアイデアだけでなく
面白いアイデアからの膨らみも見せてくれれば
もっと面白い映画になったんじゃないでしょうか

それと、映画館で観るよりは
パソコン画面で観るほうがより臨場感を感じれるかも

ここは言っても仕方ないことですけどね

 

あと、もう1つ言いたいのは
本編終了後のおまけ映像のこと

正直言って
これいる?って思いました

無駄に長いし特にオチもないし
無駄に間延びして興ざめです

ラストのガッてお化けが出て来てエンドロール
のほうが絶対に気持ちのいい終わりかたなのに

変にダラダラした退屈な映像を見せられるのは
おまけ映像とは言え
本編の面白さを損なってしまってると思う

ここが本当にもったいなかった
これさえなければもっとこの映画の評価は上がると思います

 

不満な点も多少ありましたが
全体的にはとても楽しめました

1時間ちょっとの短い上映時間で料金は1000円
気軽にお化け屋敷感覚で観る映画としてはちょうどいいかも