何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「Diner ダイナー」感想 ビジュアルだけにしかこだわってない映画

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どうもきいつです


サスペンス映画「Diner ダイナー」観ました

平山夢明による小説「ダイナー」を映画化した作品
殺し屋専用のダイナーを舞台に
その店に訪れる殺し屋たちの異様な世界が描かれます

監督は「ヘルタースケルター」などの蜷川実花が務め
出演するのは藤原竜也、玉城ティナなどです

 

あらすじ
怪しいバイトに手を出し身売りされてしまった女性オオバカナコは
元殺し屋のボンベロが店主を務める
殺し屋専用のダイナーでウェイトレスとして働くことになってしまう
日々そこには様々な殺し屋たちが訪れるのであった

 

感想
何を見せたいのかわからない映画
カオスな世界をカオスな映像で表現したいんだろうけど
芯がないからブレブレでした
ビジュアルにこだわりは感じるけどそれ以外の見せ方は下手
つまらない映画でした

 

映画館で公開されていた当時に気にはなっていましたが
結局スルーしていた作品
アマプラで配信されていたので観てみました

蜷川実花の映画は全然観たことがなく本作が初めて

新作が公開される度に少し話題にはなるけど
個人的にはそんなにそそられないので全部スルーしてきました

本作に関しては設定が面白かったので観たって感じです

 

正直言って全然面白くありませんでした
最後まで観てもなんかよくわからん映画

しかも、それはシュールで難解だからわからない
と言うよりも
見せ方が下手すぎで何やってるのかわからない
というほうが正しい


僕は原作を全く知らないので
大まかなストーリーの流れや結末などに関してはなんとも言えなくて
もともと原作がよくわからないストーリーなのかもしれない

ただ、それを抜きにしても
この映画はいろいろと失敗してることが多いと思います


まず、一番問題なのは
この映画に軸が無いことだと思う

主人公の成長を見せたいのか
カオスな殺し屋の世界を見せたいのか
ラブストーリーを見せたいのか
料理を中心に見せたいのか

どれもやろうとはしてるけど
全部中途半端で結局なにをしたいのかがわかりません

芯がブレブレなんですよね…

そもそも
宣伝とかでは殺し屋同士のバトル
みたいなのを推してたけど
実際に観てみるとそんなにバトルなんて無いし

その時点で若干拍子抜けでした

 

そんな何をしたいのかわからない映画ですが
ビジュアルにこだわっていることはわかります

衣装やセットなどはとてもこだわっている
カラフルな色彩や独特な造形
花びらを使った演出なんかは蜷川実花らしさを感じますよね

全体的に見た目にはすごくこだわってるんですよ
どう見せれば美しくなるのか
如何に華やかにするか
というのは伝わってきます

個人的には蜷川実花の作品が好きなわけではないけど
彼女の作品が好きな人ならこのビジュアルに満足できるかもしれません


とは言え
こだわってるのはビジュアルだけで
映像としてはひどい部分がとても多い

ビジュアルだけにこだわるなら写真でいいじゃんって思う


基本的に映像の見せ方が下手なんですよ

何が起きてるのかわかりづらかったり
無駄なシーンが多かったり
シンプルにダサい演出があったり


まず、キャラクターの初登場時の
名前ドーンってやつ
あのONE PIECEみたいな演出がダサすぎるしくどい
新キャラが出てくる度にそれをやるからうざいんですよね

しかも、アルファベット表記で独特なロゴ
その上、名前が表示されてすぐ消えるからちゃんと読めない
これがストレスなんですよ

そんなことなら名前なんていちいち表示しなくてもいいよ


そして、オシャレっぽい音楽を流しながら
掃除するシーンをダラダラ垂れ流したり
料理を作るシーンをダラダラ垂れ流したりする

これはほんとに時間の無駄

こういうのって長い時間の経過を表現する手法じゃないの?

この映画に関しては
掃除してるだけ、料理してるだけで
長い時間が経過してるわけではないし
時間を埋めるために無駄にそれをやってる気しかしない
ただ間延びしてるだけなんですよね


無駄なシーンで言えば
ラスト付近の音楽を流しながら
スローモーションで歩いてたり罠を仕掛けてたり
これもダラダラ長くて無駄な時間
しかもダサい
無駄に間延びしてますよね…

そんな音楽を流して無駄にダラダラするシーンが多くて
くどくてマンネリだし
何回同じことするんだよって思ってしまう


他には
本郷奏多が登場するシーン
これはマジで酷いです

キッドってキャラを演じていて
このキャラが体は子供で顔は大人みたいな
かなりぶっ飛んだ設定

だから顔は本郷奏多で体は子供みたいな
なかなか変なビジュアル

この設定自体はべつにいいですよ

ただ、見せ方があまりにも下手すぎる
本郷奏多が登場するシーンは違和感しかありません

顔のアップ、顔を映さない、後ろ姿
これの繰り返し
ごまかすためにやってるのはわかるけど
もうちょっと上手くできないですかね…

せめてリアルに見せる工夫とかしてほしいですよ

てか、それができないのならキャラの設定を変えるなりしろよと思う


あと、アクションシーンがそれなりにある映画なんですけども
アクションシーンが壊滅的です

何をやってるか全然わからん

誰と誰が戦ってるのか
それぞれの位置関係はどうなのか
どちらが優勢でどちらが劣性なのか
どんな攻撃をしたのか

そういうのが全然伝わってこない
観ていてストレスしかありません

どんな攻撃をしたのかわからないけど
なんか敵がぶっ飛ばされてる
みたいなのが多いんですよね

この映画はアクションを観てても全く気持ちよくない

真矢みきなんか
コイツ倒されてなかったっけ?
みたいなのを3回くらい思いましたよ

誰が倒されたのかもわからない状況

無駄にやたらとカットを切り替えて激しさを表現しようとしてるけど
ただ見づらいだけだから

そんなに小刻みにカット割りするアクションシーンある?

動いてるのはわかるけど
どんな動きをしてるのかは全然わからない

アクションシーンと言うか
アクションっぽいシーンになってますよね
これはほんとにめっちゃ酷かった

 

それ以外にも酷いシーンはいろいろありましたけど
言い出せばきりがないです

ラブシーンが唐突でチープだったり
ラストの再開の場面とかマジで下手だったり
まだまだいろいろあります

蜷川実花は監督するよりサポート役のほうがいいんじゃないですかね?
監督をやらせずにビジュアル面だけを担当させたほうがいい作品が作れそうです


最後に1つ言いたいのは
ハンバーガーが不味そう

ビジュアルを重視しすぎて美味しそうには見えない
ハンバーガーなのに甘ったるい見た目
なにそれ

一流の料理人と言う設定に説得力がないですよね

監督のセンスがでしゃばりすぎ

何でもかんでもセンスを押し付ければいいってもんでもないと思いますよ

押さえるところは押さえてメリハリを効かせるべき

そんなところも映画には向いてないのかも

 

最後までつまらなくて
何を観てたんだろう…?って感じです

カラフルで華やかなビジュアルが好きな人にはハマるかもしれないですけど
蜷川実花の写真作品にすら興味の無い僕にとっては全然ハマる要素なんてなかった

ひたすらつまらない2時間でした

 


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