何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「シャーク 覚醒」感想 ベタだけど熱い

どうもきいつです


アクション映画「シャーク 覚醒」観ました

WEB漫画「シャーク」を実写映画化した韓国のアクション映画
壮絶ないじめを受けた主人公が
収監された少年院で心身ともに成長する姿が描かれます

監督を務めるのはチェ・ヨジュン
出演するのはキム・ミンソク、ウィ・ハジュンなどです

 

あらすじ
いじめに遭っていた高校生のウソルは
とある事件をきっかけに少年院に収容される
弱肉強食のその場所で
ウソルは総合格闘技の元チャンピオンのドヒョンと出会い
自分を変えるために彼に教えを乞うことになる
そして、ウソルは厳しい鍛練を続け成長していくのだった

 

感想
よくある内容
すごくベタな展開ではあるものの
やっぱりこういうの好き
想像通りだけど熱い気持ちにもさせられた
韓国映画らしいバイオレンスな描写も良かった

 

面白そうだったので観に行ってきました

あらすじは読んでいたので
観る前からなんとなく方向性はわかっていましたが

まさか、あらすじだけでほぼ全て語れてしまっているとは…

あまりにもシンプルでベタな映画でしたね

正直、ここまでシンプルな映画だと
人によってはつまらないと思ってしまうかも

展開は予想通りだし
結末も予想通り
なんの捻りもないです

とは言え、個人的にはこの映画が好きです

シンプルでベタではあるものの
わかりやすく熱い映画でもあるので

ちょっと感動させられたり
主人公を応援してしまったり
なんだかんだ最後まで楽しむことができました

 

まあ、言ってしまえば
この映画はほとんど「ベスト・キッド」です

いじめられっこが師匠の教えを基に修行して強くなって
最後には自分をいじめていた奴と戦います

そのまんまです


ただ、本作の舞台は現代の韓国…
と言うか韓国映画の世界って感じですかね
そこが面白い

いじめ描写の残酷さとか
少年院の中で強くなっていくとか
ケンカの容赦なさとか

いかにも韓国映画らしい
バイオレンスで刺激的な世界観になっています


そんな中で
いじめられっこの少年がメキメキと強くなり強敵を乗り越えていく姿には
心を熱くさせられます

めちゃくちゃ王道でありきたりなストーリーだけど
こういうのが好きなんですよね
観ていて気持ちいいですよ


全体的にテンポが良くて観やすいし
目的は強くなりたいというシンプルなものだし
師弟の絆がシンプルに描かれていたり

とにかく全てがわかりやすい
すっと頭に入ってきます


あとは登場人物も魅力的でしたね
みんな記憶に残る顔してる

主人公のウソルはやっぱり応援したくなるし
師匠のドヒョンはカッコいいし
ライバルのいじめっこは嫌な奴だし
少年院のみんなはなんか憎めないし

ウソルとドヒョンの関係性も良かった
師弟関係と言うよりも兄弟って感じで
2人の絆が深まるほどほっこりとさせられる

ラストの2人の何気ない会話とかも少し感動させられた

キャラクター描写にしても王道でシンプルでしたかね


ケンカのシーンなんかも格好よくて見ごたえがありました

これはやはり韓国映画って感じで
なかなか痛々しくて迫力のある場面に仕上がっていたと思います

ウソルの根性だけは人一倍という部分も
ここまで痛々しくてしているからこそ
より際立っていました

 

普通に面白いと思いましたが
あまりにありがちな映画だからこそ物足りなさを感じてしまうのは否めません
そこがもったいないですよね

全体的にあっさりしすぎかなと思う

特にそれを感じたのが
人間関係やドラマの浅さですかね
もっと深掘りしてもほしかった

少年院の仲間たちは存在感があるものの
いまいち痒いところに手が届かないと言うか…

帰って来た班長なんて意味が全然なかった
帰って来ただけで終わりだったので
なんか消化不良ですよね

ここから一悶着あるのかと思いきや
エピソードすらありませんでしたね


敵対するグループと和解してからは
あまりにあっさりなので残念

和解してから彼らがどう過ごしたのかももっと見たかったです


ライバルのいじめっこに関しても
主人公と対比する見せ方は悪くないけど
やっぱり浅かったですかね

主人公との因縁なんかも深掘りした方が
ラストの対峙はさらに盛り上がったと思う


基本的にあっさりした味付けの映画になっているので
もっと濃い味を求めてしまっていました


それと
やっぱりストーリーが強引かな…

ウソルやドヒョンの境遇はあまりに理不尽
いくらなんでも罪が重すぎるでしょ

この理不尽さで確かに可哀想とはなるけど
リアリティは損ねているような…

ご都合主義な展開も多かったし
ストーリーは少し雑なのかもしれない


あと、主人公が強くなるのはいいんですが
強くなった先を見せてくれなかった

強くなって終わりってのは
このタイプの映画としては浅はかに感じてしまいました

腕力でねじ伏せるということには
カタルシスを感じつつ虚しさもはらんでいて
そこに対する何かしらの答えは欲しかったかな…

敵を倒して終わりのウソルの未来には
正直言って明るいものは感じれなくて
戦い続けるという負のスパイラルに巻き込まれてしまったようにも見えてしまう

ある意味、韓国映画らしいっちゃらしいか


いじめに対抗するには力が必要なのはわかる

そういう意味では
暴力を振るち力でねじ伏せることの光の部分は見せてくれたんですけど

やはり闇の部分に向き合う姿も必要だったのではないでしょうか

そこまで描いてくれればもっと深い映画になっていたようにも思う

 

まあ、シンプルに楽しむエンタメとしては面白い作品だと思います
弱者が強者に勝つ姿にはカタルシスを感じれ気持ちがいい

「ベスト・キッド」的なやつが好きな人は
この映画も好きだと思います