何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「愛がなんだ」感想 自分の痛いとこをチクチクつつかれる

 

どうもきいつです



恋愛映画「愛がなんだ」観ました

 

「八日目の蝉」「紙の月」などで知られる
直木賞作家、角田光代の恋愛小説を
映画化した作品
片思いの相手を
一途に追い続ける女性の姿を描いています

 

「パンとバスと2度目のハツコイ」などを
手掛けた今泉力哉が監督を務めます





あらすじ
28歳の会社員のテルコはマモルの事を
好きになって以来
仕事や友人の事がどうでもよくなるくらい
マモル一筋の生活を送っていた
一方、マモルにとってテルコは
ただ都合のいい女でしかない
しかし、ある日を境にマモルからの連絡が
突然途絶えてしまう



感想
人を好きになるのは
理由や理屈なんか無いんだと思える
そして、バカで愚かな登場人物たちが
とても滑稽でなんかモヤモヤする
最後には、自分自身も大丈夫かな?
と少し不安になりました



アラサー世代のラブストーリーということで
同じアラサー世代として興味が湧き
観てきました

思ってた通り
全くキュンキュンしない
嫌な恋愛を見せてもらえました

嫌な恋愛と言っても
ドロドロしてるとかではなく
どことなくリアルで
人間の愚かな部分を浮き彫りにしたような
でも、だからこそ愛おしい

この映画の中で描かれている
恋愛感情は大なり小なり
誰もが共感できると思う

てか、共感と言うより
痛いとこつつかれている感じです

お前ってそういうとこあるよな
って言われてる気がする



まず、登場人物たちが
みんな愚か者です

主人公のテルコも
テルコ片思いしているマモルも
テルコの友達の葉子も
ナカハラやすみれも

みんなちょっと人間として
欠けてる部分があります

でも、共感できるところもあるし
自分に共通する部分も感じる

基本的に
このキャラたちを見てると
なんなん? コイツら
ってイライラしてしまうことが多いんですが
しかし、嫌いにもなりきれない

ムカつきつつキャラたちの人間臭さに
妙に愛着が湧いてきます
憎めない


主人公のテルコなんかは
典型的な
クズ男に利用されるようなタイプで
完全な都合のいい女です

マモルから連絡があれば
どんな状況でも会いに行く女
相手に気を使って
何でもやってあげようとする

そして、勝手に1人で
盛り上がったり落ち込んだり

人に気を使っているようで
実は全部自分の心の隙間を
埋めるためだけにやっている
自己中女なんですよね

本当にダメな女だな
と思うんですが
自分にもそういうとこあるよな
とも思えてしまう


マモルに関しても

言ってることがすごくテキトーで
日によってコロコロ言動が変わる
妙に、自分はわかってますよ感を出したり
自分の事が客観的に見えてますよ
ってな発言もする
その割に全然何もわかってないんですよ

普通にバカな男なんです
こんなヤツいるよなって男
見ててムカつくんですが

やっぱりなんか共感もできる
テルコをないがしろに扱う気持ちもわかるし
マモルの嫌な部分が
自分にもあるなと思えます


この2人を見てると
イライラするしモヤモヤする

でも、このイライラやモヤモヤは
自分の痛いとこをつつかれてるから
なのかもしれません



そして、この映画の登場人物たちは
自分の事は見えてないくせに
他人の事は客観的に分析できるし
それについてアドバイスしたりする

言ってることは至極真っ当で
間違ったことは全然言ってない

でも、それお前が言うかよ
って感じなんですよ

自分のことを棚に上げて
他人に正論かましてる

友達の葉子なんかは
わかりやすくそれで
マモルのことを批判しまくってるけど
自分も全く同じことをしてる

でも、それに気付いてないし
全然悪気があるわけでもない
むしろテルコのことを思っての発言です

これに関しても
すごくムカつくんですけど
自分もやってんな
って思います

友達とかにめっちゃアドバイスしてるけど
実際自分はどうかと言えば
そんなこと言える立場じゃなかったり…

しかも、これって
結構みんなやってると思う
たぶんみんな無自覚でしょうね

でも、思い返せば絶対やってますよ


結局、この映画を観て
登場人物の言動が
バカだとか理解できないだとか
罵ったり、滑稽だと笑ったり
してしまいますが

でも、それって
この映画の登場人物たちと同じで
他人を批判してるけど
自分のことは全く見えてない人
なんですよね

これがこの映画の皮肉な部分
かもしれないです



この映画の
恋愛に関して思うことは

愛だとか恋だとか
好き嫌いとか
そういうことに意味を見出すことが
無駄なんじゃないかと

そこには法則なんか無いんですよね

誰になんと言われようが
心を曲げない時もあれば
急になんか冷めてしまうこともあるし

一目惚れでも
死ぬほど好きになることもあったり
相性が悪くても好きになったり
相性が良くても上手くいかなかったり

そこを深く考えても
結局、何も見つからないような気がする

この映画では
恋愛を通りこして
最後には意地になってましたし

タイトルどおり「愛がなんだ」
って感じですよ



で、いろんな感情を
描いている映画なんですが

そういう感情はあまりセリフでは
説明されていなくて

役者の演技や演出などで
表現されていることが多い映画でした

だから、観る側に
多くが委ねられる作品です

登場人物の目線や
その時の空気感
会話の間とか

全体的に抽象的なんですが
それでもちゃんと伝わってきます

こういうところで
とてもリアルに感じます


役者の演技もとても自然で
なんかこういう人いそうだな
と思わされました

特にマモル役の成田凌が良かったですね
この人は本当にいけ好かない男が似合う
絶妙にムカつく感じを出しますよね

テルコ役の岸井ゆきのも良かった
ちょうどいい可愛さですよね
この映画にはぴったりの
ルックスだと思いました


基本的に自然な雰囲気の映画なのに
たまに変なシーンがあって
そこがまたインパクトがあり
印象に残りました

しかも、自然な流れの中で
急に変になるんですよ

テルコが急にラップしだしたり
心象風景であろう子供の頃のテルコが
普通に横にいたり

急すぎて驚くけど
なんか面白いし嫌いじゃないです



なかなか面白い映画だったと思います
甘いラブストーリーでは
全然なかったけど
いろいろ思わされる部分はありました

自分自身の嫌な部分を
鏡に映されたような気持ちになる映画でした




愛がなんだ (角川文庫)


 

映画「モリのいる場所」感想 とても不思議な映画 熊谷守一に興味が湧く


どうもきいつです



実在の画家、熊谷守一の姿を描いた映画
「モリのいる場所」観ました

 

30年もの間ほとんど自宅から
出ることなく庭の生命を描き続け
97歳で亡くなるまで生涯現役だった画家
熊谷守一を主人公に描いた2018年の作品
晩年のとある1日を描いています

 

監督は「南極料理人」「横道世之介」
などの沖田修一です
ベテラン俳優の山崎努と樹木希林が
初共演を果たした作品





あらすじ
昭和49年の東京
熊谷守一が暮らす家の庭には
草木が生い茂りたくさんの虫や猫が
住み着いていた
そんな庭の生命たちを眺めるのが彼の日課
そして、妻の秀子と暮らす家には
毎日のように来客が訪れる



感想
なにげない日常を描いた作風が
ほんわかして癒される
熊谷守一という
不思議なおじいちゃんに
いつの間にか興味津々に
なっている自分がいる



正直、僕は熊谷守一の事は
あまり知らなかったです

結構すごい画家なんですけど
実物の絵を観たことも無かったし
存在自体もそんなに知らなかった

もしかしたら観たことあるけど
記憶に残ってなかっただけかもしれませんが

画風は
猫、虫、鳥などの生物が多く
写実的な絵というより
若干抽象的なデフォルメされた絵です
どことなく可愛さのある絵ですね


この映画は
そんな画家を主役にした映画ですが
画家の一生や画家としての姿などは
描かれていなく
熊谷守一の
なにげないたった1日の出来事を描いた
とても不思議な作品

そこには明確なストーリーも無いし
目立ったドラマも存在しない
ただ守一が庭を観察する姿と
彼の妻や家に訪れた人々との
交流が映し出されてるだけ
かなり地味な映画だと思います

派手な映画や
わかりやすいエンターテイメント
などを求める人には
合わない映画かもしれません

でも、そんな地味な中には
たくさんユーモアが詰め込まれてるし
哲学的な何かを感じることもできる

そして何よりも
熊谷守一という人間の魅力に
惹かれていきます


こういう作風は
沖田監督らしいですよね
淡々としている中にも
面白いものが詰め込まれている

「横道世之介」なんかそんな作風で
とても好きな作品ですが
本作もかなりそれに似た作風だと
思いました

ちょっと変わり者の人間中心に
変わり者だからこそ人を惹きつけ
そして周りに影響を与えていく
そういうのも共通していると思います


本作は
とにかく熊谷守一ことモリが
魅力的ですね

めちゃくちゃ変わり者ですが
愛嬌があって可愛らしいですし
どことなく悟りを開いた超人
みたいな雰囲気も醸し出している

序盤の家から出て池を目指す
というくだり
ここは面白くもあるし
モリの人間性や感性が
どういうものかを感じられる

池に行くまでに
今まで無かった葉っぱに
気をとられたり
虫を観察したり
そんな事をしていると
結局、家に戻ってきてしまう

で、池まで遠いな
とか言ってる

しかも、池っていっても
庭の中にあるちっちゃな池ですよ

それも毎日見ている自宅の庭で
それが起きてる

この感性が天才的な画家たる
所以だなと思える
こんな感性に憧れます

いつも見ている風景の
なにげない変化に気付ける目

それは、ただ観察眼が優れている
というだけでなく
普通の人がわかった気でいて
見ることもしていないものを
モリはちゃんと観ている

普通は蟻がいるという知識だけで
わかった気になってしまい
地面すら見なくなりますが
モリは蟻とは何なのか
それを観察する
横に寝そべってずっと観る

蟻が最初にどの足を出して歩くのか
そこまで観察してます

モリは単純に知りたいだけなんでしょうね
知ったかぶりをせずに
知りたいからとにかく観察する

知る事って
絵を描くにあたって
かなり重要なことだと思いますし

絵の上手さって
才能や技術を
重要視する人多いですけど
1番大事なのは
観察してそのものを知る事
だと思います

だからこそものの本質が
見えてくるし
魅力的な絵が描けるんだと
思います

このなにげないモリの行動の中には
画家としてのこだわりや生き様を
感じる事ができます
そして、魅力的な人間だとも思えます



人々とのやり取りも
なかなかユーモアがあって
くすっと笑えます

爆笑するような
インパクトのある笑いは無いですけど
ちょうどいいふんわりした笑いがある


モリと妻の秀子とのやり取りも
すごくいい

長年連れ添ってきた夫婦だからこその
絶妙な掛け合いが笑えます

お互いが空気のような存在に
なってるんですよね
それは悪い意味でなく良い意味でです

相手に気を遣わず
でも、お互いに敬ってるように
感じます


家を訪れる人たちも
個性豊かで見ていて楽しい

特に家の手伝いをやっている
美恵ちゃんがいいキャラしてる

ちょうどいい感じで
おばちゃん感が出ていて
言動が妙に面白い


全体的に
大したエピソードも無いのに
なんか引き込まれてしまっています

それは、キャラの魅力や
そのキャラたちの絶妙な
会話の掛け合いの賜物だと思います



そんな感じで
とてもユーモアのある作風なんですが
シュール過ぎるシーンなんかもあって
それはちょっとどうなのかな
と思いました


頭上から急にタライが落ちてきたり
宇宙人的なのが登場したり

タライのシーンは
ドリフの話をしていた流れからの
タライなんで
意味はわかるんですけど
あまりに唐突でびっくりした

そんな映画なの?
と戸惑ってしまいます


宇宙人的なのが出てくるのも
必要性が感じられないし
唐突過ぎて面食らいます

意味があるかもしれないんですけど
結局、意味不明だし
笑いを狙ってのことなのかも
いまいちわからない


この2つは明らかに異質で
ノイズに感じてしまいました

あまりに淡々とした内容だったんで
攻めたものを入れてみた
ってだけなんですかね?

ここは未だに消化しきれない



とても淡々として
地味な映画だったんですが
なかなか面白くて笑え
ほっこりと気持ちが癒されるような
不思議な魅力の作品でした

熊谷守一という人物と
彼の作品にも興味が湧きました

下手も絵のうち
この言葉が心に響きます




モリのいる場所 (特装限定版) [Blu-ray]


 

映画「パージ」感想 ツッコミどころが多すぎ いろいろブレ過ぎの内容


どうもきいつです



サスペンススリラー映画「パージ」観ました

 

年に1度だけ殺人をはじめとする全ての犯罪が許されるという政策が施行されるなか
決死のサバイバルを繰り広げる一家の姿を描いたサスペンスです

 

監督は「交渉人」などの脚本を手掛けてきたジェームズ・デモナコが務めます





あらすじ
年に12時間だけ
殺人を含む全ての犯罪行為を合法にする法律が定められたアメリカ
パージと呼ばれるその日を
ジェームズは最先端のセキュリティに守られる自宅で家族と過ごしていた
しかし、暴徒と化した市民から一家全員が命を狙われることになる



感想
アイデアは面白いと思うけど
いろいろとツッコミどころが多すぎる
銃を撃ちまくるだけの殺戮シーンもつまらない



人気のあるシリーズらしく
4作目も公開されるみたいで少し気になり
第1作目の本作を観てみました


率直に言うと
あまり面白くなかった

面白そうな設定ですけど
それ以上のものは見れません

ただ銃で人が殺し合っているだけのとても雑な映画だと思いました


そもそも、本作の世界観の設定がめちゃくちゃ強引ですよね

1年に1度だけ全ての犯罪が合法になる法律
それのおかげで犯罪率や失業率が低下し経済状況も改善した

かなりめちゃくちゃな設定ですよ

こんな事が法律で決まったら人類が破滅すると思いますけど

てか、こんな法案通るわけないし


でも、アイデアは面白いです
映画を観るならこれぐらいはっちゃけたアホみたいな設定の方が楽しめると思いますし


しかし、結局アイデアだけで
すごく雑な映画なんですよね
せっかくの面白い設定も全然生かせてない

こういう映画にありがちですけど
中身はとても薄いです

薄いのはいいんですが
それを補うようなインパクトのある要素も無かったです



1年に1度の全ての犯罪が合法化する祭りのような日なのに
なんか画面が落ち着いている

街中が狂ったような激しい映像が見れると思いきや

舞台は主人公一家の家の中だけで
外がどうなっているかは全然映されない
設定の割に内容がこじんまりしています


さらに、どんな犯罪でもやっていい状況なのに
やってる事がただ銃で人を殺すだけ
というのもつまらない

もっと狂った人間がいてもおかしくないと思うし
逆に人は殺さなくても小さい罪を犯している人間が登場してもいいと思う

人の殺し方も
いろんな方法を見せてくれた方が絶対に面白かったと思う

人間の衝動を開放して起きる事が
ただ銃で人を殺すだけ
ってのはせっかくの設定がもったいないです

映像的にも平凡で
特に記憶に残るシーンはありませんでした



こんな風に
設定を全然生かせてない
というだけでなく
設定がいろいろブレている
だから粗がとても多いんですよね

アイデアだけで突っ走った映画なんだなというのがわかります


この法律が作られてから
何年もたっているという設定なのに危機感が薄すぎる
というのも気になります

普通なら
この日だけは絶対に誰も信じてはいけない
ってなると思うんですけど

主人公とその家族たちはあまり人を疑わない

息子は簡単に見ず知らずの人間を家の中に入れるし

娘も彼氏のこと絶対的に信用してる

お隣さんのことも全く疑わない

家を訪れた殺人集団のリーダーが言ってる事もそのまま鵜呑みにするし

この一家はマジでバカなんですよね

この世界では真っ先に殺されても文句を言えないですよ


セキュリティも本当にガバガバというか

主人公のジェームズは
頑丈なセキュリティを提供してお金を稼いでいます
自身の家もそのセキュリティで守られている

でも、このセキュリティがショボすぎる

監視カメラとそのモニター室
そして、家の出入り口をシャッターで閉じる
それだけです
せめて核シェルターくらい備えとけよ
って思う

案の定簡単に家に侵入されてしまう
娘の彼氏は簡単に忍び込めるし
シャッターも子供でもスイッチ1つで簡単に開けることができるし
その後には力づくで簡単に壊されてしまいます

逆にこんなんでよく今まで生き残れたな
って思いましたよ


なによりも
僕がこの映画で気に入らないのは

ジェームズとその妻、娘、息子
コイツらがブレブレで
言動に全く筋が通ってないんですよ

息子なんかとくにムカつきます
クソガキです
何がしたいのか全くわからない

見ず知らずの男を家に入れるまではいいですよ

その後に家族がその男を捕まえようとするのを息子が邪魔をする

理由もなく
見ず知らずのオッサンをかばうんです
なぜ家族より何を考えているかわからない男を優先するのか
意味不明です

この行動が完全に意味不明なんで
ただただ息子にイライラしてしまいます


ジェームズと妻も
侵入してきた男を殺人集団に差し出すかどうか
人を殺すかどうかで葛藤していた割に

殺人集団との戦いで普通に人を殺しまくってる

さっきまでの葛藤なんだったの?
結局、人殺すんかい
ってなります

なのに、最後の
命を狙ってきたご近所さんたちのことは殺さないとか言い出すし

主人公たちの行動には全然筋が通ってないんですよ
その場その場で考えがコロコロ変わる

だから
なにを見せられてるんだろう?
って気持ちになります



最終的な
家族愛とか命は大切ですよ的な着地の仕方も
なんかしょうもない


そんないい話に無理やりする必要ないと思うんですけど

それなら
もっとエグいストーリーにした方が設定も生きるし面白いと思う

彼氏を殺された娘が逆上して父親を殺そうとしたり
息子が殺人に目覚めたりだとか

家族すら信用できないみたいな
殺伐とした物語の方が面白そうですよ


もともとアホな設定なのに
良い話にしようとしてるのが
バランス悪いなと思わされます

良い話にしようとしてるのに
ストーリーが練り込まれてないから粗が目立って
面白くない映画に仕上がっています

思い切ってバカな映画として突っ走っていたほうが
もっと面白くなったと思う



結局、設定が面白そう
ってだけで
中身はテキトーなものでした

予告映像以上のものは見れないと思います




パージ [Blu-ray]


 

映画「カンフー・ヨガ」感想 酷くてつまらない映画だけどなんか嫌いになれない


どうもきいつです



カンフーアクション映画「カンフー・ヨガ」観ました

 

ジャッキー・チェン主演のアクションアドベンチャー
ジャッキーふんする考古学者が
財宝をめぐって大冒険を繰り広げます
監督は「ポリス・ストーリー3」などで
ジャッキーと組んできたスタンリー・トンです
中国、インドの合作映画





あらすじ
1000年前に中国とインドの争いの中で
ある財宝が行方不明になった
カンフーの使い手で考古学者のジャックは
古い地図を手に
インドの考古学者でヨガの達人アミスタと
財宝探しに向かう



感想
いろいろと酷い映画だとは思います
ストーリーは強引だし
カンフー要素もヨガ要素も薄い
意味不明な部分も多い
でも、なんか平和を感じる映画



タイトルからして
かなりヤバそうな映画です
邦題が酷いのかと思いきや
原題のそのまま「カンフー・ヨガ」です

でも、ジャッキー・チェンが主演だし
ちょっと観てみようと思い
観てみました


内容はなかなか微妙です
簡単に言えば
劣化版インディ・ジョーンズ

財宝探しアドベンチャー
って感じの作品なんですけど
これがまたクオリティー低いんですよね

ストーリーショボい
セットショボい
CGショボい

全体的にショボいんですよ

カンフーアクションはまだ楽しめましたが
他のジャッキー映画に比べれば
やっぱりショボい


ストーリーは完全に中身がカラッポです
財宝を巡って敵と戦っていますけど
味方も敵も
財宝を求める動機が薄いし

そもそも敵がそんな悪い奴にも思えない

本当なら話し合いで解決できそうなものを
無理やり戦ってるように見えます

物語の展開もかなりベタでひねりが無く
先が完全に読めてしまいます
アミスタの正体も
なんとなく最初の方でも読めてしまう

起きる出来事がことごとく
なんか観たことあるような展開で
あまり面白くないです



そして、セットやCGがショボすぎて
見栄えも悪かったですね

セットの岩や黄金なんかの質感は
全く重みが無くすごく軽そうに見える
明らかに作り物だとわかってしまう

終盤の財宝のありかのセットは
あまりにも安っぽいです

最後の決戦の場所なのに
あんな場所じゃ全然盛り上がらない


CGはさらにショボいです

冒頭のシーンなんか
PS2のゲームのムービー見てるみたいでした

この時代の映画のCGに
こんなレベルのが存在することに
驚きました
昔の三國無双を見てるようでしたよ


その他にも
動物のCGも明らかにCGとわかるくらいで
画面の違和感がすごかったです

ライオン、オオカミ、ハイエナ
これらがCGで表現されていましたが
完全にCGです

見た目もCG感が丸出しなんですけど
動きもなんか変なんですよね

実写とCGのバランスが悪すぎでした



カンフーとヨガの要素も
薄かったですね

タイトルにもなってるわけなんですが
全然カンフーもヨガも
ストーリーに関わってきません

まだ、カンフーは
アクションとして全面的に出ていましたが
ヨガはほぼ無いようなもんでした

カンフーもアクションだけでなく
ストーリーに
もっと絡めていけばよかったのに
ヨガも同じです


せめて、アクションの中で
カンフーとヨガがミックスするとか
やってほしかったですね

ヨガが活躍するのが
縄抜けと潜水だけ
ってのはちょっと寂しかったです



あと、登場人物が
ちょっと多い気がする

それぞれが特別に個性があるわけでもないし
まばらに活躍するから
誰が誰だかわからなくなる

最後まで観ればさすがに
ある程度見分けは尽きますけど…

こんな奴いたっけ?
ってキャラが急に登場したりもするから
混乱したりします

それぞれがそんなに重要な役割を
担っているわけでもないので
もっと登場人物を減らせたと思う



でも、軽い気持ちで観れば
それなりに観れる映画ではあるんですよ

カーチェイスはなかなか見応えあったし
ジャッキーのカンフーも見れるし
ギャグも所々笑えるし

楽しい映画だと思います


そして、なによりも
この映画のラストです

今までのストーリーを
全て投げ捨てて
唐突なボリウッド的なダンスシーンで
幕を閉じる

そこまでは
なんか微妙な映画だな
とネガティブな気持ちで観ていたんですが

このシーンで
気持ちがほっこりしたんですよね

味方も敵も関係なく
みんな一緒にダンスしてる

すごく平和だな
って思えました


そんなに仲が良いとは言えない
中国とインドの合作映画で
最後にこういうのを見せられると
ちょっと平和へのメッセージも
込められてるのかな
と思いましたし

正義も悪も無く
みんな一緒に踊ってるのは
なんかいいなと思えました

この映画には平和を感じるし
心が温かくなるような
変な魅力がありました

だから、そんなに嫌いじゃない映画です

たまにはこんな変な映画もアリかな
と思いました



酷い映画ですが
それなりに良い所もありました
ラストにはほっこりするし
ちょっと笑ってしまう
とても変で不思議な映画でした





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映画「ブレックファスト・クラブ」感想 不毛なやり取りがグッとくる


どうもきいつです



青春映画「ブレックファスト・クラブ」観ました

 

全く接点が無かった高校生5人が
友情の絆に結ばれていく姿を描いた
1985年の青春映画

 

「スパイダーマン ホームカミング」も
本作に影響を受けてるらしい
青春映画の金字塔的な作品





あらすじ
土曜の休日に
学校に登校させられた高校生5人
彼らはそれぞれ問題を起こし
懲罰として自分についての作文を
書かされることになった
そんな中、雑談からお互いの身の上話を
交わし始めた彼らは
次第に心を開かせていく



感想
全く違うタイプの人間たちが
心を通わせていくのは
なんかいい
スクールカーストによる
見えない壁を上手く描けていたと思う
でも、そんなに面白くはなかったかも



結構有名な映画で
タイトルは知っていたんですが
今回初めて観ました

結構好きなタイプの映画でしたけど
そんなに面白くなかったような気もする

なんか不思議な雰囲気の映画でした

舞台は学校の図書室で
映画のほとんどがその部屋の中での
会話がメインで
動きがほぼ無いです

物語も大して無くて
基本的に5人の高校生たちが
ダラダラと話をしているだけ

だから、そんなに大した出来事も
起きなくて
メリハリは無かったかもしれません

退屈な映画かもしれない

でも、その中での5人の
会話や行動は味があって
とても面白いです

5人がとても個性的で
それぞれキャラが立っています

スポーツマン、お嬢様、ガリ勉
不思議ちゃん、不良
と、みんな全く別の人種
考え方も違うし学校での立ち位置も違う

この5人が変な感じで交流していく姿が
妙に面白くて笑える


最初はみんなギスギスしていて

不良のジョンは
自分勝手にずっとベラベラ
喋って周囲をかき乱し

それに対して
スポーツマンのアンドリューと
お嬢様のクレアは
すごく苛立ってる

ガリ勉のブライアンと
不思議ちゃんのアリソンは
そんな中でもマイペース

アリソンに至っては
他の4人には全く興味ない
って感じです


このときはジョンの独壇場でしたね

先生への不満を垂れたり
他の4人にちょっかいを出したり
常に何かしら喋ってる

観ていてムカついてくるんですが
なんか憎めないヤツにも
見えるんですよ

ジョンって実はただかまってもらいたい
だけの寂しがり屋なのかな
とかも思えてくる


他のキャラたちも
序盤のこのシーンで
どういう人間なのかが見えてくる

アンドリューとクレアは
若干他のメンバーを
見下してる感じがするし

ブライアンは真面目だけど
どこか抜けてる

アリソンは周りの目なんか気にせずに
自分の世界に没頭するタイプ


何気ない風景の中で
それぞれの個性を
自然に説明されていて

気付けばこの5人が
どういう人間なのかが
理解できています



その後のシーンも
不毛な展開がずっと続く

部屋のドアを閉めるなと
先生に言われているのに
ジョンがドアを閉めたり
図書室から抜け出そうとしたり

でも、毎回グダグダで終わるんですよ

基本的にドラマというドラマが無くて
どうでもいいような時間が
過ぎていきます

しかし、そういうことを繰り返すうちに
5人が少しづつ打ち解けていって
なんかちょっといい感じになっていく

だからお互いに深い部分まで見えてきて
お互いの共通点なんかにも
気付いていきます


そこからは
しょうもないことで笑いあったり
かと思ったら急にケンカが始まったり

情緒不安定な5人の姿が
なんか微笑ましくも思えました
こういうのが青春だな
って感じれます

最終的には
お互いに自分の悩みを打ち明けて
本当の意味での絆が生まれてきます

ここでは
スクールカーストの立場とか
周りの目や偏見
そんなのを超えた
人間同士の繋がりを見せてくれて
とてもグッとくる

月曜日に会ったら話してくれる?
という話でのやり取りは
みんな本音でぶつかり合っていて
かなり好きなシーンです



この5人の姿を見ていると
懐かしくも感じるけど
それだけじゃなくて
現在の自分にも通じるような
メッセージも感じられました

固定概念や偏見とか
そういうのを取っ払って
他人を見るのは大事だと
思わされます

そして、自分自身の事も
しっかりと見直さなきゃ
とも思わされました



かなり地味な映画だとは
思うんですけど
なかなか良い映画でした
高校生くらいの若者に
観てもらいたい作品です

でも、大人が観ても
グッとくる作品でもありました





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映画「シャザム!」感想 中身が子供のオッサンには笑える でもカッコよくもある

 

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どうもきいつです



スーパーヒーロー映画「シャザム!」観ました

 

スーパーマンやバットマンと同じ
DCコミックからシャザムを映画化
見た目は大人だが中身が子供という
異色のヒーローの活躍を描く

 

「アナベル 死霊人形の誕生」「ライト/オフ」
などのデビッド・F・サンドバーグが
監督を務めます





あらすじ
ある日、謎の魔術師からスーパーパワーを
与えられた少年ビリーは
強大な力を持つヒーローシャザムに
変身できるようになる
ビリーはフレディと一緒に
その力を試して回り悪ノリ全開で遊んでいた
そんなビリーの前に魔術を使う男が現れる



感想
とてもシンプルで王道の
ヒーロー映画でした
笑えるし楽しいしカッコいい
頭カラッポで楽しめます
だからちょっと内容は薄い



前から期待していた映画
子供が変身して
筋骨隆々の大人のヒーローになる
というなかなかインパクトのある設定で
面白そうだなと思っていました

そして、期待通りに
なかなか面白かったです


ストーリー自体は
かなりシンプルで
王道のヒーロー映画です

主人公が超人的な力を手に入れ
その力に翻弄されながらも
最後には力を使いこなし
人々を救う
というヒーローの成長物語です

スパイダーマンなんかと
よく似た構成だと思います


そんな中、本作は
かなりコメディー要素を重視した内容です
なので笑える映画になっています

そもそも、風貌が面白いですよね
14歳の少年が変身すると
上半身が異様なほどムキムキの
オッサンになっちゃうんですから
この見た目だけで笑ってしまう

昔ながらのいかにもヒーロー
っていう今見るとダサい風貌を
うまく笑いに変えていたと思います

さらに、シャザムが
ちゃんと子供に見えるのも面白い

シャザム役のカザリー・リーバイが
子供に見えるんですよ
見た目はオッサンなのに
中身は完全に子供と思わされる

少年ビリーとシャザムが
同一人物だと自然に見える

表情や喋り方などが
子供そのものだと感じさせられます

そこがしっかりしているから
見た目とのギャップで
笑いもしっかり起こしてくれます

でも、はじめはバカバカしい見た目で
笑っていたのに
終盤になるとこの見た目が
なんかカッコよく見えてくるんですよね



そして、個人的にとても好きだったのが
「シャザム!」
と叫んで変身するというところ

これがなんかヒーローっぽくて
すごくいいなと思った

シャザム!って言いたくなる

アメコミヒーローでこんな変身の仕方をする
ヒーローって全然いないから
新鮮に感じました

日本のヒーローは
決め台詞で変身するのはお約束ですから
こういうののほうが馴染みあるのかも


この変身というのも
映画の中で上手く活用されていたし
とても良かった

変身の解除や変身するタイミングも
なかなか良かったし
変身のカッコよさを
ちゃんと表現してくれていました



それに、登場人物たちの
キャラも立っていて
面白かったです

主人公ビリーは
とても普通の子供らしい子供で
だからこそ変身した時のギャップで
とても面白くなる

ビリーの義理の兄弟たちも
みんな良かったと思う

1番の親友フレディの
ヒーローオタクのキャラは
とてもいい役割を果たしていました
ビリーの相棒として
活躍していましたね

黒人の妹もとても可愛くて
愛嬌がありました


ヴィランのDr.シヴァナも
ひねくれた感じが出ていて
あの歳になるまでひがんでるとか
なかなか厄介な奴ですよね

Dr.シヴァナが召喚する
悪魔みたいなヤツらのデザインも
結構好きでした



ただ、全体的にドラマが
薄すぎるというのは否めないです

テンポがいいので
そんなに気にはなりませんが

思い返すと
あまり心に残っていないかも

友情にしろ
家族愛にしろ
親子愛にしろ

全部があまりしっかりと描かれていない

ドラマが薄いので
ビリーの心の動きの理由が曖昧で
なぜそうなったのかが
いまいち納得できないんですよね


ビリーがなぜヒーローとして
立ち上がったのか
その決意の理由もなんかフワッとしていて
ちょっとひっかかる

終盤の兄弟たちの絆で戦う展開も
そこまでに兄弟たちとのエピソードが
ほぼ無いので
この展開があまり生きてないようにも感じる

実の母親との関係や
里親との関係なんかも
深く描かれていないのに
最終的にはなんとなく
上手くいってしまっているのにも
違和感を覚えます

ビリーと敵のDr.シヴァナの
家族観が対照的に描かれているのかと
思ったんですが
そこもなんかフワッとしていて
あまりよくわかりませんでした



それと、モラル的にどうなのかな
と思う部分もありました

序盤の悪ノリ部分
なかなか悪いことをしています
いたずらレベルの事もしますが
ATMからお金を盗むとか
結構極悪なこともしてる

これは笑えるし全然良かったんですけど

これ以降に
悪いことをした
ということに関して
反省をするという描写が無かったのは
どうなのかな
とは思います

バスに間違って稲妻を落として
事故を起こしそうになったくだりも
最終的に助かったからいいじゃん
ってノリのまま終わってたし

そのへんはヒーローなんだから
ちゃんと反省したうえで
戦う決意やヒーローの自覚を
描いてほしかったですね



あと、上映時間が2時間越えは
ちょっと長いかなと思う
これはDCの映画を観ると毎回思うんですけど
上映時間長いですよ

特に本作なんかは
もうちょっと短い方が良かったと思う
 
もともとテンポがいいし
短い方が映画があっという間に終わって
ジェットコースター的に
スピーディーな映画に仕上がったと思います



とは言いましたが
全然面白い映画でしたよ

同じ最強系ヒーローの
「キャプテン・マーベル」なんかよりは
断然こちらが面白かったと思います
最近のDCEUの映画は面白くなってきてるし
持ち直してきてると思う
ここから先も期待ですね





シャザム! :魔法の守護者(THE NEW 52! ) (DC)


 

映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」感想 前作から進歩無し 福田監督に映画は向いていない


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どうもきいつです



コメディー映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」観ました

 

空知英秋による人気コミック「銀魂」の
実写化映画の第2弾
2017年の邦画実写でナンバーワンの
大ヒットを記録した「銀魂」の続編です

 

原作の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」を
融合したストーリが展開されます
「斉木楠雄のΨ難」などの福田雄一が
前作に引き続き監督を務めます




あらすじ
金欠で家賃も払えない万屋の3人は
ついにアルバイトをすることを決意する
しかし、行く先々で将軍様と
遭遇する羽目に
同じ頃、内紛に揺れる真選組は
かつてない危機に見舞われていた



感想
序盤はギャグ映画として
それなりに楽しめるが
途中から全然面白くない
やっぱり福田監督は
真面目なシーンが下手過ぎる
前作から全然進歩していませんでした


今や売れっ子監督の福田雄一
本作は彼のダメな部分が存分に
出てしまっていました

しかも、ダメな部分が前作と全く同じ
全然進歩が無くてがっかりです


僕は福田雄一が嫌いなわけではなく
笑いのセンスも結構好きで
福田監督の深夜ドラマとかも良く観てました

でも、福田監督の映画を観ていると
この人って映画向きじゃないよな
と思えてきます

深夜の30分ドラマが一番力を
発揮できる人だと思う



そもそも、福田流の笑い
ってのが全然映画に合ってない

本作も福田監督らしい
ギャグやパロディー
俳優の面白演技とか
そんなのが詰め込まれてるんですけど

ことごとく微妙なんですよね

中高生くらいの若者なら笑える
子供向けの笑い
と言ってしまえばそれで終わりですけど
子供向けと言うよりは子供騙し
のほうがあってると思う

福田監督の笑いって
テレビのバラエティー番組の
延長線上だと思います

バラエティー番組でお笑い芸人が
やってるような事のまねごとです

なので、正直言ってしまうと
お笑い芸人のやっている
バラエティー番組のほうが
絶対笑えると思うので

わざわざこの映画を観なくても
家のテレビでバラエティー番組を
見てるほうが笑えるはずです

ただ、福田監督の笑いも
テレビで軽い気持ちで見れば
ちょうど良く笑えると思う

でも、映画として真剣に観てしまうと
全然面白くないんですよ



細かく言っていくと

基本的に顔芸と大声ばかりで
笑わせようとしています
笑いのパターンがほぼそれなんですよ
あと下ネタとか

正直こんなので笑うのは
中学生くらいまでと思う

笑いのレベルとしても
ちょっと低いですよね


俳優の面白演技で笑わせよう
っていうのも
たしかの面白くはあるんですけど
それは俳優が面白いだけで
映画は別に面白いわけじゃないですから

佐藤二郎の暴走気味の演技に
他の人たちが笑いをこらえて
うつむき唇を噛みしめてるシーンとか
ちょっと違くない?

こんな内輪ネタみたいな笑いは
観てる側は置いてけぼりだし
これを面白いと思ってカットせずに
そのまま使ってるのは
センスを疑ってしまう

こういうのもテレビっぽいですよね


パロディーネタは攻めていてすごい
みたいな評価も多いですが

そんなにすごいかな?
と思ってしまう

この映画がやってる事って
ただ版権のあるものを
引っ張りだしてきてるだけで
なんの面白みも無い

出し方もそんなに気の利いた
出し方じゃないし
ただチープってだけで
それ以外に何も無いんですよね

物語に関わりがあるわけでもないし


自虐ネタやメタ的な笑いなんかは
まだ面白いと思いましたが

じゃあ「デッドプール」とかと
比べてしまうと
足元にも及ばないレベルですし
特別に面白かったほどではない


こういうくだらない笑いは
「勇者ヨシヒコ」とかの
ゆるいドラマでやってると
面白いんですけど

映画でやってしまうと
途端に面白くなくなりますね



でも、1番問題なのは笑いじゃなくて
メインのストーリや
真面目なシーンの演出
これがマジで酷いんですよ
しかも、2時間越えのかなりの長尺

長い上に中身がカラッポ
こんな事なら90分で全編ギャグに
していたほうが良かったと思う


まず、ストーリーの方向性が
全くわからない

主人公たちの目的が曖昧で
敵の目的も曖昧
コイツらがなんのために戦ってるのかが
意味不明なんですよね

そもそも、敵が悪いのかどうかも
観ていて全然わからない
悪者っぽいけど
別に悪いことしてないですし

真選組の内輪もめとか
どうでもいいし
なんでもめてるのかもわからないから
感情移入もできない

主人公たちもただ巻き込まれてるだけで
意思も何もないですし

なんか感動する風の展開もありますが
そこにはなにも感情なんかない

ストーリーがちぐはぐだし
何を伝えたいのかも不明で
観た後に何も残りません


物語の進み具合もテンポが悪かったですね
登場人物がただ喋ってるだけのシーンが
多くて退屈でした

銃撃されてる中でも
なんかずっと喋ってるし
そして弾丸は全部外れてる

会話が全部ただの状況説明みたいになってて
全然面白くないです
全て言葉で説明してるから
動きもないし流れが滞る
それに顔面アップのシーンが多すぎる

ストーリーの見せ方が下手だな
と思いました



それと、CGやアクションも酷い

CGは基本めちゃくちゃショボい
これCGだなってはっきりわかります

その割にCGをめっちゃ使ってます
使わなくていいようなとこまで
使ってたりする

なんでこんなにショボいのに
CGを使いまくるのか謎です

そのCGがアクションにも
悪影響を及ぼしています

アクションシーンにわざわざ
ショボいCGを入れまくってるんですよ
絶対にいらないと思うんですけど

剣筋を光らせてたり
殴ったときの衝撃波だったり

こんなのをいちいちCGで表現してる

何か入れないと不安なんですかね?
こんなの無くても
アクションシーンだけで
見せれると思うんですけど

煙とかにまでCG使ってるのは
さすがにおかしいでしょ
煙なんか実際に出したほうが
手間かからないと思うんですけど

CG使わないと死んでしまう病気なんですか?
無駄なCGを使い過ぎですね


それに
アクションシーンは
かなりのっぺりしてるし
テンポが悪かったと感じました

ダラダラと同じ敵と戦い続けるし
動きがワンパターン

たまに入るスローモーションとかも
長すぎるし使い方がダサい

典型的な眠くなるアクションシーンでした



そして、これらの感想は
前作を観た時にも思ったこと
下手すると今回の方が
悪くなっていたかもしれない

あまりの変化の無さに
がっかりでした

福田監督には向上心が無いのかなとか
売れて調子に乗ってしまってるのかな
とかもちょっと思ってしまいます

最近は評判がいいし
褒められまくってるから
現状に満足してるんですかね…



福田監督には
深夜にひっそりとドラマを
やっていてほしかったですね

今はすごく評価されていて
大人気監督ですけど
それにはちょっと違和感を覚える

存在が大きくなればなるほど
福田監督の良さが
削ぎ落とされてる気がします





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