何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」感想 これを言ったらお終いだけど 夢の描写いらなくない?

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どうもきいつです

 

アニメ映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」観ました

岡山ののどかな町を舞台に
女子高生のココネが
いつも見る不思議な夢を通して
家族の秘密に迫っていく姿を描いた
2017年のファンタジーアニメです

「東のエデン」などの神山健治が
監督を務めています

 

あらすじ
高校生の森川ココネは家でも学校でも
常に眠気に襲われ居眠りばかりで
さらに寝ると同じ夢ばかり見ていた
そんなある日、彼女の家族に事件が起こり
事件の真相を握るのは
ココネの夢の中にあった

 

感想
面白そうな雰囲気を醸し出してるけど
いまいちパッとしない作品
現実と夢の世界の繋がりが
薄すぎるようにも思う
てか、夢の描写いる?

 

現実と夢をテーマにした作品
現実と虚構みたいな作品は
個人的にとても好きなので
本作にも興味を持ちました

しかし、ちょっと思ってたのとは
違いましたね
想像以上に夢と現実の関係を
上手く描けていなかった

夢の世界の魅力と現実の世界の魅力を
お互いに相殺し合ってるようにも思える

夢と現実の見せ方のバランスが悪くて
何を中心に見ればいいのか
よくわからなくなってくる

言ってしまえば
ちょっと幼稚な描き方かな
と思います


こういう現実と虚構を描いた作品は
いくつもあって
僕が好きなので言えば
「パプリカ」「パンズ・ラビリンス」
「ライフ・オブ・パイ」など

これらは現実と虚構という素材を使って
とても深いものを描いていると思います

でも、本作はとても浅い
この素材をただ世界観や設定のために
使ってるだけで
それを使って何か深いものを表現しようとは
していないように感じました

しかも、設定としての使い方も
あまり上手くないですしね

 

そもそも、この作品に
夢の世界がいらないんですよ
物語上で夢の世界が全然機能していない
むしろちょっと邪魔なくらい

ストーリー自体はとてもシンプルで
会社内の抗争を描いている
社内で優位になるための大事なデータを
持っているのが主人公のココネで
それを巡っての逃亡劇
みたいな感じです

この現実での物語が本作の主軸で
そこにココネの夢の世界が絡んでくる

で、その夢の世界っていうのが
ただ現実世界で起きたことを
ファンタジーに置き換えてるだけなんですよ

しかも、夢が現実世界に影響を
及ぼしてるわけでもない
夢はただの夢なんです

これがこの映画をすごくややこしくしてる
夢の世界では
現実の出来事をファンタジーに置き換えた
別のストーリーが展開されます

空を飛んでどこかへ向かったり
巨大ロボットで戦ったりとか

ただ、同時によくわからないストーリーが
展開されていくので
何を見てるのかがわからなくなってきます

目的だったり主人公の気持ちとか
どうしたら解決するのか
本質的なものが見えなくなってくる

実際はシンプルで地味なストーリーなので
とてもわかりやすいはずなんですが
夢が入ってくることで
無駄に難解になってしまってる
単純なものを無理やり
難しくしてしまってるんですよね


夢と現実の出来事が
実はつながってるんだぞ
というのを見せたいんだと思いますけど

夢と現実のつながりが薄いのに
そんな事をやっても
全然すごいとはならない

結局、夢は夢でしかないので
後出しでどうにでもなるだろ
と思ってしまう

 

なんでこんなにも夢と現実の
つながりが薄いのかと言うと
この作品での夢の存在意義が
全く無いんですよ

まず、ココネが何故この夢を見ているのか
それの理由づけが曖昧です
特殊な理由で見てるわけではなく
昔に父親が話してくれた物語を
夢で見てるらしいです

同じ夢を何回も見る理由も無く
現実世界に影響を及ぼしているようで
結局は何も影響は与えていない

ココネがすぐ眠ってしまうというのも
何かの伏線と思いきや
ただすぐ寝てしまうだけの女の子
ってだけです

じゃあこの夢っていったい何なのか?

ただの夢なんですよ

なんじゃそれ
って感じですよね


単純な物語を
ややこしく難解にしているだけの要素
なんですよ

 

どうせ夢を夢として描くなら
もっと夢と思えるように
見せてほしかったですね

この映画での夢は
ストーリーもしっかりあるし
世界観も確立してる

ストーリーは魔法を巡っての
物語が展開されて

世界観は機械やロボットが発達した世界です
でも王様がいたり魔法があったりと
一見カオスなんですが
なんかまとまってるんですよ

そんな感じで
しっかりと地に足ついた世界観が
なんか夢っぽくないんです


「パプリカ」なんかは
夢の描き方が完璧だと思うんですよ
支離滅裂で意味なんか全然無くて
でもその中に心理的なものも見えてくる

夢ってこんなだよな
って思わされてしまう


本作もそんな感じで
もっと夢っぽくめちゃくちゃにして
その中にメインストーリーの
重要な要素をちらつかせる
みたいなやり方のほうが
面白く観れた気がします


この映画での夢の役割は
地味な物語を
ただ派手に見せるためだけの要素に
すぎなかったです

 

あと、人間ドラマが薄すぎるのも
とても気になりました

特に主人公のココネですよね
彼女の物語が全くないです

何かに悩んでるわけではなく
自分の目的のために
行動してるわけでもない
何がしたいのかがいまいちわかりません

主人公のくせにすごく薄い

父親との仲もとても良くて
全く波風が立たないし
死んだ母親に対しても
心の傷になっているわけでもなく
母親を求める感情も見せない

学校生活、将来についても
特に悩み無し
不安や劣等感みたいなのも
全く抱いていない

高校生を主役にしといて
これはつまらなすぎでしょ

せっかく高校生が主役なんだから
いろいろ悩ませて
それを乗り越えさせろよ


主人公にドラマが全然無いので
なんか物語にも集中できず
観ててつまらなくなってしまいました

 

それと、ターゲット層が曖昧なのも
問題だと思います
結局、この映画誰に見せたいの?
って思ってしまう

夢の世界のファンタジーは
子供向けっぽいけど
現実世界の物語は大人中心の話だし
でも、主人公が女子高生で
ロボットバトルがあったりもする

誰向けなの?

ターゲット層はもうちょっと絞った方が
いいと思いますよ

 

この映画で良かった点と言えば

ココネが可愛かったところですかね
彼女はすごく可愛らしく描かれていました

動きも可愛かったし
ちょっとエロい見せ方をしたりもしてるし
自然体な女子高生という感じが
とても良かったと思います

それに声も良かった
ココネ役は声優ではなくて
女優の高畑充希です

彼女の声が良い意味で声優っぽくなく
とてもナチュラルでした

これが声優のちょっとあざと過ぎる
声とかだったら
若干気持ち悪かったかも

高畑充希の声がココネの可愛さを
さらに引き立てていたと思います

 

惜しいとは思うんですよね
もうちょっと夢の存在意義を
感じさせてくれれば
面白くなり得たとも思います

もっと上手い表現でこの作品を
見せてほしかったな

 


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映画「アナと世界の終わり」感想 爽やか青春ゾンビミュージカル 面白い組み合わせ

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どうもきいつです


ゾンビ映画「アナと世界の終わり」観ました

ゾンビが蔓延した世界で戦う高校生たちの
葛藤と成長をミュージカル形式で描いた
イギリスの青春ゾンビミュージカル映画です

2010年に公開された短編映画
「Zombie Musical」を長編映画化した作品
監督はジョン・マクフェールが
務めています

 

あらすじ
高校生のアナはイギリスの田舎町で
父親と2人で暮らし
平穏な学生生活を送っていたが
クリスマスの日
突如町にゾンビが襲来し町は地獄絵図と化す
アナは友達と共にそんな世界を
生き抜いていく

 

感想
ゾンビとミュージカルの
ミックスが新鮮で面白い
音楽も良くてとても楽しめました
ただ、思ったよりは
ぶっ飛んだ映画では
なかったかもしれません

 

ついにゾンビ映画もここまで来ましたね
まさかのミュージカルです
しかも青春映画でもあります

ゾンビ映画は飽和状態で
さすがにもう新しい発想なんて
無いだろと思っていたら
まだありましたね

この調子ならまだまだ新しい
ゾンビ映画が誕生しそうで
期待できますね

 

そして本作ですが
ゾンビとミュージカルを混ぜたら
面白くないわけがないんですよ

このアホな発想
これだけでもう面白いです

実際、本作も面白く観れました
ゾンビ映画の中で
面白くミュージカルを見せてくれます


序盤は主人公アナを中心に
ティーンエイジャーの悩みや葛藤を
描いいていて
それを歌で表現しているんです
青春学園ミュージカルって感じですね

ここはパロディー的な意味もあると思うし
ミュージカル映画ですよ
という説明の部分でもあると思います

この部分は普通のミュージカル
って感じなんですが
その後のゾンビが現れてからの
ミュージカルシーンがなかなか面白い


まずゾンビが本格的に姿を現すシーンが
ミュージカルなんですよ

アナが陽気にポジティブな歌を
歌ってるんです
素晴らしい一日がなんだのと

その後ろでは町は荒廃してるし
人々がゾンビに襲われまくってる
町中パニック
そんな中アナは何も気づかず歌ってる

このギャップがとても面白いです
町の殺伐とした効果音も
曲のリズムに合っているので
謎の心地よさがあったりもするし

このシーンだけでも
すごい面白いなと思える

このシーンはYouTubeで見れたりします

 


『アナと世界の終わり』ポップソング「Turning My Life Around」歌唱シーン

 

他にも
学校のやんちゃグループが
歌に合わせてゾンビを倒す場面も
面白かったです

あんなリズミカルにゾンビを
倒していく映像なんか見たことないし
とても新鮮
映像はなかなかグロいのに
なんか爽やかさも感じるし

ここでもやっぱりギャップの
面白さが溢れ出てますね


ミュージカル曲はとてもポップで
聞きやすく
学園青春ものに合った曲調で
この映画にぴったりハマっていたと思います

 

そして、青春ミュージカル要素があって
爽やかにも思えるんですけど
ちゃんとゾンビ映画らしさも
見せてくれます

ゾンビ映画あるあるの
噛まれたら感染するとか
仲間が次々に死んでいくとか

グロいシーンは
ちゃんとグロかったです
だから苦手な人は
こういうシーンは無理だと思います

でも、イギリスが舞台なので
銃は登場しません
この映画ではゾンビを倒すのは
全部肉弾戦でした

基本棒的なもので
ゾンビを殴って倒してました

逆にこっちのほうが暴力的で
痛々しいかもしれませんね

 

そんな感じで
とても楽しめる作品だったんですが
いまいち突き抜けるものが
無かったのかな
とも思いました

なんか思っていたより
普通の映画になってしまってるんですよ

ゾンビとミュージカルを組み合わせる
バカバカしい発想の映画なので
もっとぶっ飛んだ内容なのかと思ったら

ゾンビ映画としては普通すぎるし
ミュージカルも普通
人間ドラマは意外とシリアスで
真面目な話なんですよね

だからコメディー要素も
ちょっと弱かったりします


個人的な期待は上回っていませんでした
正直、もっとすごいものを
見せてくれると期待していました

ゾンビも一緒に踊ったりするのかなとか
すごく笑えるのかなとか


映像的にもストーリー的にも
そんなにインパクトが無かったですね

特にストーリーは
真面目に作ってる割に
結構、いろいろ投げっぱなし
だったりします

序盤でアナや友達の
悩みや鬱屈した思いなんかを
見せるんですけど
後半はただのゾンビ映画に
なってしまって
なんかちょっといまいちです

絶望的な世界に陥ったとしても
彼女たちの悩みが
何らかの形で昇華されていくのかな
と思っていたんですけど
そういったものはあまり描かれないんですよね

大学へ行かずにオーストラリアを
旅したいと言っていたアナも
何らか別の形での答えを
見せてくれると思っていたんですけど
結局そのへんは曖昧に終わっていきます

青春とゾンビがあまり上手く調和
できてなかったようにも感じました

アナたちの思いを最初に描いてから
投げっぱなしで終わるので
青春ドラマとして
ちょっと中途半端でしたね

その上、笑いの部分も
あまり突き抜けたものが無くて
コメディーとしても中途半端でした


そして、ミュージカルに関しても
ちょっと上手く調和できてないな
と思うところもありました

後半になるにつれて
ゾンビとミュージカルの融合が
あまり見れなくなってきます
それぞれが別々になってくるんですよ

ゾンビを殺しながら歌うシーンとかが
もっとあっても良かったと思うし
ゾンビ映画あるあるを
ミュージカルの中で見せたりしても
良かったんじゃないかな
とかも思いました


前半は青春学園もの
後半はゾンビもの
みたいにきっちりと
分かれてしまってましたね

どの要素にしても
あまり上手く調和できて
なかったんだと思う


でも、上手く調和できてるところは
爆発的に面白いシーンには
なっていたんですけどね


全体的に作りが雑だったのかも
しれません
粗削りな作品だったんだと思います

 

あと最後に
アナ役のエラ・ハントが
すごく可愛かったです
この子の可愛さがこの作品の
評価を引き上げてるんじゃないでしょうか

今はまだ無名かもしれませんけど
将来有望な女優だと思います

 

ちょっと粗削りな作品
ではありましたけど
アイデアは面白かったし
ミュージカル映画として曲も良かった
ゾンビ映画としても楽しめました

数多あるゾンビ映画の中でも
埋もれてしまう事なく
記憶に残る作品だったと思います

 


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映画「Mr.タスク」感想 何を見せられているのか? アホすぎる

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どうもきいつです


ホラー映画「Mr.タスク」観ました

人間をセイウチに変えようと
もくろむ老人の狂気により
セイウチへと変えられてしまう
男を描いた2014年のホラーコメディー

「ドグマ」などのケヴィン・スミスが
監督を務めています

 

あらすじ
ポッドキャストを運営するウォレスは
取材先のカナダで
航海の話を聞いてほしいという
老人の家を訪れる
ハワードと名乗る老人の話を聞いていると
いつの間にか眠っていたウォレス
気が付くと足の感覚が無く愕然とする彼に
ハワードは君をセイウチにすると告げる

 

感想
怖いのか笑っていいのか
よくわからない映画
気持ち悪いけど魅力は感じた

 

この映画はかなり観る人を選ぶと思う

気持ち悪いし悪趣味だし
内容も大してない
でも完全にホラーってわけでもなく
笑わそうとしている節もある

「ムカデ人間」と同じ系統の
作品だと思いました

だから、ほとんどの人が
この映画を気持ち悪いと思いそう

僕自身の感想は
そんなに面白いとは思わなかったけど
嫌いでもない映画です


前半部分は
いまいち乗れなかったですが
後半になると
正直、結構笑ってました

後半部分にこの映画のバカバカしさが
炸裂します


そもそも、この映画自体が
バカな思いつきを
勢いだけで映画にしてしまった
みたいな作品なんですよ

だって
人間をセイウチにしたいジジイ
って設定がもう意味わからないでしょ

そんなジジイが
実際に人間を改造して
セイウチにしてしまうんですから

なにこの映画?
訳わからん


ツッコミどころとか
おかしな部分とか
そういう事を考えることすら
バカバカしくなってくる内容ですよね


セイウチ人間の見た目なんかも
リアル感が無くてすごくチープ
首ひっこめた時の
首がめり込んでる感じとか
特殊メイク感が溢れ出てる

でもなんか気持ち悪いし
不快感もあるんですよね

 

勢いだけのゲテモノ映画ではありますが
前半部分は意外と
ホラーな雰囲気も醸し出していて
少し怖さも感じます

主人公のウォレスと
セイウチジジイのハワードとの
やり取りはなかなか気持ち悪い

ハワードのヤバい奴感がすごく感じれるし
ウォレスは体の自由を奪われているので
とても緊張感を感じます

改造手術の場面では
直接的なグロいものは
あまり見せられないですけど
気持ち悪さはかなりあると思う

グロが苦手な人は無理かもしれませんね


そして
ウォレスがセイウチに改造されてからは
完全に笑わせにきてる

かなり絶望的で
胸糞悪い展開のはずなのに
なんか面白いんですよね

まずセイウチ人間の見た目が
変すぎておもしろい

思っていたよりセイウチのフォルムに
なってるんですよね
でもすごく無理やりなんですよ

それに、人間をセイウチにするという
バカバカしすぎる無謀な改造手術が
普通に成功しているというのも
アホすぎる


その後のハワードのウォレスに対する
鬼畜の所業もなんか面白い
というか何がしたいのかがわからん

ウォレスを水の中に落として
泳がそうとしたり
生のサバ食わそうとしたり
しかもウォレスも食べるし

人間を完全なセイウチにしたい
とか言ってるけど
意味が分からない
じゃあどっかで
本物のセイウチを捕まえて来いよ
って思う


で、終盤になると怒濤のラッシュですよ

ハワードがセイウチとやりたかったことが
明らかになるんですが
なんじゃそれって感じです

過去、漂流した時に自分の命を
救ってくれたセイウチ
しかし、生きるためにそのセイウチを
殺して食べてしまった

その時のトラウマを解消するために
人間をセイウチにして
セイウチ人間と自分が真っ向勝負したい
という理由

いやいや、説明になってない
意味わからなすぎ


そして
セイウチの着ぐるみを着たハワードと
セイウチ人間ウォレスの
白熱のバトルが始まる

もう笑うしかない
何を見せられているのか


ラストは切ないような
やるせないような
後味の悪い終わり方ですけど

どんな気持ちで見るのが正解なのか
全然わからない

 

キャストもなんか変ですよね

「シックス・センス」「A.I.」なんかの
子役で有名だった
ハーレイ・ジョエル・オスメントが
出てます
しかもデブのオッサンになってるし

それに、なぜかジョニー・デップも出てる
こんなクソB級映画なんかに…

さらにジョニー・デップの娘も
出演してるんですよ

こんな映画で
親子共演を果たすとか謎ですよね

 

何もかもにおいて変な映画でした
そこがこの映画の面白さだとも思います

ただ、やっぱり爆発的に笑える
というわけではなかったです

悪ノリで作った変なところが
面白くて笑えますが
ユーモアがあるとは言えませんね

勢いだけで笑わそうとしてる感じです

それに、アメリカ特有の
下品な言動で笑わそうとするのが
やっぱり自分には合わない
これはこの映画だけではないですけど

アメリカ人はこういうので
爆笑なんですかね?

 

まあ、全体的にボケ倒しの映画で
ツッコミながら観ると
楽しいと思う

すごくゲテモノ映画なので
観る人によれば
めっちゃ不快に思ってしまうかも
しれませんが

 


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映画「プロメア」感想 スゲー熱いアニメ!! 熱いだけかも…

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どうもきいつです


アニメ映画「プロメア」観ました

「天元突破グレンラガン」「キルラキル」
を生み出した今石洋之監督と脚本家の
中島かずきが再び組んで制作した
完全オリジナル劇場アニメです

炎を自在に操る集団によって
危機に陥った世界を舞台に
主人公と宿敵の熱い戦いが描かれます
アニメーション制作は「キルラキル」
も手がけたTRIGGEです


あらすじ
炎を操る事ができる人類バーニッシュの
出現で全世界の半分が焼失した大惨事の
30年後、マッドバーニッシュを名乗る
攻撃的な集団が再び世界を襲う
そして、高機動救命消防隊バーニングレスキューの
熱血新人隊員ガロとバーニッシュの
リーダーのリオとの戦いが始まる

 

感想
とても熱くて
テンションの上がるアニメ
ただ、熱さや勢いで
いろいろ誤魔化していたのも否めない

 

僕は「天元突破グレンラガン」「キルラキル」
などは存在を知ってるくらいで
全然詳しくないです
グレンラガンに関しては
少し観たことがあるので
多少どんな作風なのか知っていますが

なので、ニワカですらない僕
これらのアニメが好きな人と比べたら
見方が違うと思います


正直言うと
面白かったけど
スゲー面白かった
とは言えないです

確かにテンションは上がるし
楽しめる作品ではあるんですが
いまいち乗りきれない


それはたぶん思い入れが
無いからだとも思います

TRIGGEの作品のファンでもなく
同監督、脚本家のファンでもないので
そこでちょっと温度の低さが
あったのかもしれません

 

それだけじゃなくて
作品全体が熱さと勢いだけで
最後まで突っ走ってる
というのも原因だと思います

この作品のテンションに
完全に乗っかれる人は
最後まで楽しいんだと思いますけど

乗りきれない人は
本作の雑な部分や粗い部分が
すごく気になってしまうと思います

特に僕みたいなひねくれ物は
すぐに粗探しをしてしまうので
その部分がすごく気になってしまいました

 

本作で最も思ったのが
ちょっと要素を詰め込み過ぎ
だということ

詰め込み過ぎで全部が
中途半端に感じました
なんかテレビアニメの総集編
みたいになってしまってます

この映画は一言では
ストーリーを表しづらいような
若干複雑な物語になっってるんですが
その割にいまいち深みが無い

登場人物のドラマも薄いし
メッセージ性もそんなに無い
最終的に何を伝えたかった作品なのか
あまりわからないんですよね

いろんな要素を入れているんですけど
そのどれを中心に見ればいいのか
とっ散らかっている上に
結構投げっぱなしで終わっていたりする

でも、これは2時間でまとめるには
不可能だと思います
だから仕方ないとも言えるんですが

だったら、重要な部分を一つに絞るべき
だったと思います


どの部分にしたって描写不足なんですよ

主人公ガロが所属するバーニングレスキューは
隊員同士の関係性や絆など
そういったエピソードが全然無いし
活躍するのも最初くらいです

そもそも主人公のガロの描写も
全然無いんですよね
何を考えているのか
どういう気持ちで動いているのか
原動力は何なのか
そういったものを全く見せてくれないので

ただ正義感が強い熱い主人公ってだけで
魅力がありません


炎を操るバーニッシュたちも同じで

彼らのこの世界での立ち位置が
少し曖昧です
彼らがどう迫害されてきたのか
というのもさほど描写されず
彼ら自身がバーニッシュということに
誇りを持っているのかもわからない

それに、マッドバーニッシュが
人は殺さないけどビルは燃やしている
という行為の目的が謎だったり


バーニッシュを捕まえている
フリーズフォースという組織の目的も
そんなにはっきり描かれず
この組織が悪の組織という事だけになってる

組織のリーダーのグレイに関しても
一本筋の通った哲学や思想も持っていなくて
ただの悪役で終わってしまっているのも
もったいないと思いました


テレビアニメで1クール、2クールくらい
かけてやる作品なら
たくさん要素を入れても
消化しきれると思いますけど

2時間の映画で詰め込み過ぎれば
やっぱり描写不足で納得できないし
感情移入もしづらくなってしまいますね

全体的にまとまりが悪く
中心の部分がわかりにくいので
なんかよくわからない物語に
なってしまっていました

 

そして
この映画の中で少しだけですが
マイノリティーへの迫害、人種差別問題などを
感じさせる部分があります

しかし、最終的には
その問題についての解決などは描かれず
むしろ、この作品の終わりかたが
この問題を感じさせることによって
不快なラストにも思えてしまう

街の人が
バーニッシュが焼いたピザなんて食べれない
みたいなセリフを吐く場面が
ワンシーンあるだけなんですが

これがある事で
この作品自体がそういう問題を
描いている作品だと思ってしまいます

でも、結局はそういう事に
深く触れることも無く終わっていく

ラストはバーニッシュの炎の能力が
無くなりめでたしめでたし
という終わり方なので

これがマイノリティーは
普通にならなければ世間に
受け入れてもらえない
という風にも見えてしまって

見る人によれば
かなり嫌な終わり方だと
思ってしまうんじゃないでしょうかね


でも、そういう問題を感じさせなければ
このラストに違和感はないと思うんですよ

中途半端にデリケートな問題に
足を突っ込んだために
作品自体の質が少し落ちてしまってると思う
マイノリティーに対して
上から目線の話にも見えてしまいますしね

 

って、ちょっと否定的な事を
並べてしまいましたが

全然つまらない映画ではなくて
面白さもちゃんとあるし
アニメとしてのクオリティも
高かったと思います


熱さと勢いだけで
最後までちゃんと見せてしまうのは
すごい事だと思います

作品自体の熱量が感じれますし
作品に対しての熱量も感じる


昔ながらのロボットアニメを
現代の作風にアップデートした様な
描き方もすごく良かったです

懐かしさを感じつつ
新鮮さも感じれる

こういう作風のアニメは
興奮できるしすごく楽しいです

アクションシーンは
ロボットが激しく戦うし
カメラワークの勢いもとてもあって
画面に引き込まれますし

 

アニメの画風は
デザイン重視の装飾的な絵で
斬新さを感じるし美しさもあります

とても鮮やかな画面が広がり
魅力的な映像に仕上がっていたと思います

数多くあるアニメ作品の中でも
差別化できていて
この作品だからこその映像が
観れました


ただ、最初から最後まで
トゲトゲしい映像が続くので
ちょっとしんどいかな
と思うところも多々ありました

あと、アクションシーンが
見づらいかなとも思った

それでも
それを勢いでカバーできていたし
そんなに気にはならないです


ストーリーに関しては
ガロとリオのバディものの
面白さもあって
それがとても良かったです

真逆の2人がコンビになって
息を合わせて戦う
それだけでとても熱い

さらに、その2人の熱さにプラスして
ロボットアクションの激しい戦闘の
熱さがあるので
終盤の戦闘シーンは
めちゃくちゃ熱いと思います

ここは一番上がるポイントでした


総合的に見ると
やっぱり面白い映画だとは思いました
ハマる人が見れば
最高の映画なんじゃないでしょうか

 

良くも悪くも
熱さと勢いだけのアニメ
僕にはあまりハマりませんでしたけど
好きな人は好きだと思う

このノリに完全に乗れれば
細かいことは気にならないと思います

 


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映画「千年女優」感想 ちょっと難解だけどそれがいい アニメ映画としてもクオリティがとても高い

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どうもきいつです


アニメ映画「千年女優」観ました

第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で
「千と千尋の神隠し」と同時に大賞を受賞した2002年の作品
国内外で高い評価を獲得しているアニメ映画です

数十年にわたり
1人の男性を思い続けた女優の姿を時間や空間を超えて描かれています

「パーフェクト・ブルー」「パプリカ」などの今敏が監督を務めています

 

あらすじ
小さな映像制作会社の社長の立花は
かつて一世を風靡した大女優の藤原千代子のドキュメンタリーを作るため彼女の邸宅を訪れる
30年目に突如として銀幕から姿を消していた彼女は
立花が持参した鍵を見て思い出を語りはじめる

 

感想
現実と虚構が入り混じった映像がとても素晴らしい
しかし、物語に掴み所が無くちょっと難解なイメージでした
それも含めて面白い作品

 

「パーフェクト・ブルー」「パプリカ」
などと同じで今敏らしい
カオスな世界観の作品でした

ただ、これらの作品に比べて
とても抽象的に感じました
いまいち掴み所が無く
観終えた直後は消化しきれない

この映画は何を伝えたかったのか?
その答えになかなかたどり着きません
しかも、観た人によって解釈が異なってくると思います

人によれば
意味わからんからつまらん
って思ってしまうかもしれませんが
ちゃんと意味が込められた映画だと思うし
考察が楽しい映画だとも思います

 

今敏と言えば
現実と虚構が入り混じったカオスな映像表現でお馴染みですが

本作は他作品に比べて
現実と虚構というのが
より強調されているように感じました

これは抽象的だからこそ
ストレートにその表現が伝わってくる
というのがあると思います


例えば「パーフェクト・ブルー」は
現実と虚構の表現を
サスペンスの仕掛けとして機能させていましたし

「パプリカ」の場合は
SF的な世界観や物語の中心に
現実と虚構というテーマがあったんだと思います


ただ、本作はその表現が無かったとしても
描ける物語だと思うんです
1人の女性の女優としての人生と
1人の男性を想い続ける人生
それだけを描いた物語なので

明確にその表現が何のためにあるのか
それがいまいちわからない
でも、この映画はその表現が無いと完成しない映画でもあるわけです

だからこそ
その表現が意味するものは何か
という事をより考えさせられる

現実と虚構がごちゃまぜになった
この世界に何か意味が込められている
というのが伝わってくるんです

 

とは言え
やっぱりこの映画のメッセージは難解で言葉に表すのも難しいですよね

結局どういうことだったのか?
と答えがなかなか出せない


重要なのはラストの千代子の言葉だと思います

「あの人を追いかけてる私が好きなんだもの」
という言葉

単純に受け取れば
恋をしてる自分が好き
演技をしている女優としての自分が好き
というちょっとナルシスト的な意味に受け取れるんですが

それだけでもないと思えます


そもそも千代子は
ただ恋をした男性を追っていただけなのか?
この映画を観ていると
あまりラブストーリーのようには思えない

千代子の追っていた鍵の君は本当にいたのかどうか
それすらも疑問に思えてくるんですよね

てか、千代子の語る過去の思い出は本当だったのかどうか
それも怪しくなってくる


そして、この映画では
映画、女優というのもキーワードだと思います

千代子の回想を
現実の過去と彼女が女優として演じた映画の世界
それが入り混じって表現されています
現実とフィクションの境界が曖昧で
どこまでが現実なのかをなかなかつかみ取れない


千代子のファンでもある立花の目線から見ても
ファン目線のフィルターを通して見る彼女の姿なので
それが真実の彼女の姿なのかどうかはわかりません


それらをひっくるめて
この映画は嘘というものの重要性を描いているんじゃないのかな
と思えました

嘘と言っても
人を騙す事ではなく
フィクションの世界という事です
映画はもちろんですし
小説、漫画などの人が作りあげた世界

それは創作物でなくても
妄想や現実逃避も同じだと思う

そんな嘘の世界の中にある真実を描いているんじゃないのかな
と感じました


ラストの千代子の言葉も
自分が好きという事より

現実の自分も虚構の自分も両方とも本当の自分
という自分自身への肯定の言葉
だったんじゃないでしょうか


千代子の場合は作り出す側の人間でしたが

受け取る側も同じで
映画を観たり漫画を読んだりしても
それをただの嘘っぱちだと思ってるわけではなく

その嘘の世界の中にある真実を見ようとしてるんだと思います

そういうものの中にこそ
生きるために重要な何かがあるんじゃないかと思うわけです

この映画は
そういう嘘の世界、フィクションというもの
それの存在意義や必要性を表現しているんじゃないのか

人間にとってそれらが
とても重要なものだと感じさせてくれる作品だと思いました


他にも考察できるような事は
いろいろあると思いますけど
人それぞれ解釈が違うと思いますし
いろんなサイトでも考察されてるんで

僕はこの辺でやめときます
詳しい考察をしてる人もたくさんいるんで
これ以上自分が言える事は無いなと思えるし

 

そんないろいろ考えたくなるのも
この作品が魅力的だからだと思います

どんなに深い意味を込めていても魅力が無ければ
その作品について深く考えようとも思いませんからね


やっぱりアニメとしてのクオリティはとても高い映画です

ただ絵が上手いとか背景が細かいとか
そういった部分だけじゃなく
アニメだからできる表現というのもしっかりあるし
物語の進め方も引き込まれるものがあります

場面の移り変わりなんかはとても綺麗でスムーズ
こんなカオスな世界を
滞りなく一つの世界として違和感なく見せています

画面の中はいろんな要素が入り混じってめちゃくちゃなはずなのに
最初から最後まで引っかかることなく観れます


平沢進が担当する音楽もとても魅力的で
この世界を引き立たせていました


この難解でわかりにくい内容も
アニメ映画としてのクオリティの高さがあるからこそ成り立っているんだんじゃないでしょうか

 

いろいろ考える事もでき
アニメ映像もとても素晴らしかったです

ちょっとわかりにくい映画ですけど
深く観ていけば興味深い作品
とても面白い映画でした

 


千年女優 [Blu-ray]

 

 

映画「居眠り磐音」感想 磐音というキャラが魅力的 それだけで好きになれる映画

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どうもきいつです


時代劇映画「居眠り磐音」観ました

佐伯泰英の人気時代劇小説を
実写映画化した作品
不幸な過去を背負い故郷を離れ
江戸で浪人として暮らす男が
悪に立ち向かうため
剣を振るう姿を描いています

監督は「超高速!参勤交代」などの
本木克英が手掛け
主人公の磐音を時代劇初主演の
松坂桃李が務めます

 

あらすじ
豊後関前藩の坂崎磐根は
ある事件をきっかけに
2人の幼馴染を失い
婚約していた奈緒を置いて関前を去った
その後、江戸で浪人として生活を
することになった磐音は
昼はうなぎ割き
夜は両替商の用心棒として働きはじめる

 

感想
磐音というキャラクターが
とても魅力的で好きになる
時代劇としても
観やすくてわかりやすい
面白い作品でした

 

時代劇は普段あまり見ないので
時代劇自体かなり久しぶりに
観たんですが

久しぶりに観たというのもあって
こういう作品が少し新鮮に感じました

あまり時代劇に馴染みの無い僕でも
わかりやすく観れましたし
ベタな勧善懲悪な話でもあるので
時代劇を観てるな
という気分にもなれます


物語の内容は
かなり重い設定ではあるものの
そこまで全体が重くなり過ぎず
コミカルな雰囲気もあったりして
バランスが良く軽く観れる
内容でもありました

 

この映画の1番の魅力と言えば
やっぱり主人公の磐音だと思います

普段はおっとりゆったりと
フワフワした性格の磐音ですが

実は重い過去を背負っていて
そして、剣の腕は一流で
めちゃくちゃ強い
というギャップがカッコいいキャラです

これだけで無条件に
カッコいいと思ってしまう

舐めてた奴が実は強かった
みたいな

中二病的なキャラクター
そそりますよね

しかも、剣術のスタイルが
居眠りをしているような
特殊な構え
その上めっちゃ強い
という設定がさらに魅力を増してくれる

ちょっと少年漫画っぽさも
ありますよね


それに松坂桃李の
もともと持っている雰囲気が
この役にピッタリだったんじゃないですかね

ちょっとふんわりしていて
優しそうな雰囲気があって
でも芯は強そうな感じ

それがこの役に
とてもハマっていたんだと思います

だから、磐音というキャラクターが
生き生きしてるように見えて
実際に存在しそうな人間に思えます

 

ストーリーの展開や描き方も
良かったと思います

序盤はとても重苦しい内容ですが
それ以降はほのぼのとした雰囲気があるし
殺陣のシーンは緊張感が走る

人間ドラマやラブストーリーも
クサすぎない程度に描かれていて
好感が持てました

全体的にメリハリがあって
最後まで飽きずに観ることが
できましたね


殺陣のシーンも
なかなかカッコよくて
派手すぎず地味過ぎない感じが
ちょうど良かったです


登場人物の描き方も良かったと思います
それぞれキャラが立っていました

磐音と幼馴染2人との仲の良さを
はじめに見せてくれるので
事件が起きた時の絶望感を
すごく感じます


磐音と婚約者の奈緒との関係性も
そんなに時間をかけて描いている
わけではないですけど

お互いに気持ちの強さをしっかりと
感じる事ができました


敵の有楽斎なんかは
存在感がすごかったですね
役者の力が大きいと思いますが

ちょっと面白さがありつつ
怖さも見せてくれます

有楽斎が雇っていた侍たちも
みんな良い味出していたと思います


そんなに活躍しない登場人物でも
みんな個性的で
彼らを見てるだけで楽しめました

 

ただ、面白く楽しめたんですが
物足りなさがあったというのも
否めないんですよね


基本的に全てがとんとん拍子で
上手くいってしまったり
若干テンポが悪く感じたり

そういう部分はありました


磐音がちょっと完璧すぎるんですよね
人としてとても良くできた人だし
剣の腕は立つ
頭も切れる

だから全部が良い方向に流れていくだけに
なってしまっているんです

磐音に全く危うさが無くて
あまりスリルが無い

どうせ全部上手くいってしまうんだろうな
と思えてしまうので
ハラハラしないし緊張感も
あまりなかったです

 

それに、テンポも若干悪いような気がします

全体的に会話のシーンが
ぶつ切りになってるように感じて
流れが悪かったんですかね
話がそこら中に飛んで
場面もコロコロ変わったりするし

特に有楽斎との両替商同士の
お金のやり取りが始まってからは
話の内容がややこしいのもありますけど

全部が説明臭くなり過ぎる上に
画面の動きも少ないので
ちょっと退屈になってしまいました

 

あと、もうちょっとアクションが
多かったらな
ってのも思いました

殺陣のシーンはカッコいいんですけど
やっぱり物足りなさを感じます

磐音の居眠り剣法も
あまり見せてくれませんでしたしね

はじめのうちは不思議な構えで
戦う姿を見せてくれますけど
最後の方は普通に戦ってるだけですし

それに、磐音の剣術が
どうすごいのか?
他とどう違うのか?
という部分は全然説明されないし
映像でも見せてくれない

ただ居眠りをしているような構えですよ
ということしか言われていないので
いまいちその剣術のすごさが
伝わってこないんですよ

もう少しこの剣術についても
深く掘り下げてほしかったですね

磐音がなぜこんな剣術を使っているのか
というのも知りたかった

 

とは言え
面白く観れる時代劇ではありました

磐音がとても魅力的なので
それだけでもこの映画を
好きになれると思います

続編やシリーズ化するのかは
わかりませんけど
続編が公開されれば
是非観に行きたいと思える作品でした

 


陽炎ノ辻 居眠り磐音(一)決定版 (文春文庫)

 

 

映画「貞子」感想 怖くないし面白くない 池田エライザを大画面で見れるだけ

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どうもきいつです


ホラー映画「貞子」観ました
日本を代表するホラー映画
「リング」シリーズに登場する貞子が
巻き起こす恐怖を描いた作品
SNS時代に現れた
撮ったら死ぬ貞子の呪いを
描いています

リングシリーズの生みの親でもある
中田秀夫が監督を務めます

 

あらすじ
心理カウンセラーの茉優は
警察に保護された1人の少女を
担当することになる
記憶を失った少女と向き合う茉優だったが
次第に彼女の周りで不可解な出来事が
起こりはじめる
そんな中、YouTuberとなった茉優の弟が
心霊動画を撮ろうとし行方不明になる

 

感想
池田エライザを大画面で見れる
それだけの映画

 

「リング」シリーズの新作ということで
結構、期待していたんですが
期待を大幅に下回っていました

ホラー映画なのに全然怖くなかったです

ゾクゾクする恐怖感も味わえないし
ビックリするシーンもほぼ無いし
不気味な雰囲気も感じられない

この映画は何を見せたかったんですかね?
なんかよくわかりませんでした


怖くないというのを置いといたとしても
ストーリーも面白くない

ミステリー的な面白さも無い
メッセージも伝ってこない
感動するわけでもなければ
胸糞悪いわけでもない

この映画を観ても何も感じません


言ってしまえば
面白くない映画でした

 

まずは怖さの話ですが

この映画
基本的にあまり怖い雰囲気が無い
それに緊張感もないです

なぜかと考えてみると
主人公の茉優が蚊帳の外って
感じなんですよね

一連の事件に直接的に関わっていない

被害に遭ってるのは
弟や担当している患者だけで
茉優には一切危機が迫っていない

観客が感情移入を1番しやすいであろう
主人公に恐怖が訪れないので
いまいち入り込めないんですよね


それに、それを差し引いたとしても
ホラー演出のパンチが弱いです

インパクトに欠けるというか

日本のホラーらしい
ゾクッとする静かな恐怖を演出したいのかも
しれないんですけど
中身がともなってない感じです

弟が撮った火災跡のマンションの
心霊動画の映像なんかは
とても雰囲気があって
面白そうだなと
はじめは期待したんですけど

結局は雰囲気だけで
ほんとにあった呪いのビデオの
投稿映像みたいになっていて
チープな上にかなり微妙
全く怖くもなかったです

その他も
正直、怖いのかどうかもわからないような
微妙な演出ばかりで
そんなのじゃ恐怖感を煽られるわけもなく

たまに怖い顔とか動きで
怖がらせてくるけど
気持ちが乗っていないので
全然怖く思えない

お約束の急な電話の着信音
これでさえビックリしなかった

それだけこの映画には
緊張感が無かったって事です

 

それに、貞子の呪いにも
特にルールがあるわけでもなく
明確にどうなったら殺されるのかも
よくわからない

だから、追い込まれてる感じを
実感することができない

動画を撮ったら呪われる
とか言ってますけど
実際に被害に遭ってるのは
茉優の弟だけですし

世間に呪いが蔓延しいる
というわけでもないんですよね


茉優が担当していてた患者が
貞子に襲われてしまうのも
意味不明ですし

記憶喪失の女の子の前に現れた
老人のオバケみたいなのも
意味不明


呪い自体が広まってるわけでもない
なぜ呪われるのもかわからない
そして、肝心の主人公は蚊帳の外

もう、恐怖が迫ってきている感じが
全くしないんですよ

こういうのが緊張感の無さの
原因だと思います

 

あと、貞子自体も
いまいち怖くないんですよね

風貌はいつもの貞子で
不気味さはあるんですけど

貞子の存在が物理的に存在してそうに
見えるんです

実態感が強すぎるというか

呪いという曖昧な存在でいてほしいのに
物理的に腕をつかんできたり
動きに力がこもっていたりする

終盤の洞窟での
貞子に連れ去られそうな弟を
助けるために引きあってる場面とか
最悪だと思うんですけど

腕力同士の戦いになってるってのも
なかなか萎える要素ですけど
貞子に力で対抗
できてしまっているっていう…


貞子がこんな感じなんで
得体の知れない恐怖感
というのも全くありませんでした

 

さらに、ストーリーも
マジでつまらない

いろんな要素を無理やりつなげた
ツギハギだらけな印象でした

現代のネット社会を描いていたり
児童虐待、育児放棄などの問題であったり
今までのリングシリーズの要素
姉弟愛などのドラマ性

なんかいっぱい詰め込んでますけど
それぞれが特に繋がってるわけでもなく
バラバラに描かれてるし
それぞれ単体で見たとしても
描き方が薄すぎる

メッセージが込められてるようで
全然メッセージなんてないです

全部が全部中途半端に描かれていて
結局この映画は何を見せたいのか
全然伝わってこない


YouTuberやSNS上の声などの
現代社会の姿を取り扱って
表現してますけど
上辺だけをなぞっているだけで
物語的に機能もしてないし
描き方が雑だからリアル感も無い

再生数のために過激な行動にでる
YouTuberの姿を見せたかったのかも
しれませんけど

で?
って感じですね

そこから先のものをなにも描いていない
何を伝えたいのかわからない

 

それと同じで
虐待や育児放棄などの問題提起を
しているような描写もあるんですが

それも上辺だけで
中身は全くない

映画を彩るための要素としてしか
扱っていないですね

そういう問題がありますよ
っていう部分しか見せていない

その先に何があるのか
という部分は全く描いていないんですよね

 

ストーリーの整合性も悪くて
最後まで観ても
あれはなんだったの?
結局どういうこと?
という疑問が残ってモヤモヤする


記憶喪失の女の子が
母親から貞子と言われていた理由とか
最後まで不明だし
その女の子と貞子の関係性も謎
母親が何だったのかも
フワッと流されてる感じだし


過去作とは別物なのかなと
思っていたら
お馴染みの井戸の映像から
飛び出てくるシーンはあるし
前作と関係のある人が出てきたり

その割にちゃんと繋がってるようにも
思えない出来栄えです

貞子がテレビから出てくるのも
無理やり入れ込んだようにしか思えない

 

主人公を中心としたドラマも
薄すぎでした

姉弟愛を描いているけど
2人の絆を特に描いてるわけではなく
姉弟だから絆はあるだろ
くらいの薄さ

茉優と少女の関係性も
ほったらかし

そのくせ最後に感動っぽいシーンを
無理やり入れ込んでくる
上手くいった感じになってるけど
納得できないですよ


ここまで薄い内容だったら
感情移入も全くできないですよね

 

あと、ラストのシーンなんですけど
おもいっきり顔と勢いだけで
ビックリさせてくるんですよ

あれムカつきますね

最後は力ずくでくるんですね
何それって感じです

結局あのやり方を使うなら
最初からあれでやっとけよって思う

変にジャパニーズホラー気取って
あんな微妙な出来になるくらいなら
全編力ずくでビビらせてくれた方が
まだマシだったと思うんですけど

 

まあ、全く面白い映画では
ありませんでしたけど

池田エライザが大画面に
終始映っていたというのが
唯一この映画の良かったところですかね

池田エライザが好きな人からすれば
最高なんじゃないですか?
結構いろんな表情を見れますし

目をひん剥いた恐怖に慄く顔とか
あまり見れないでしょうし

それにおっぱい強調した服も
きてましたしね

この映画の良いところと言えば
これくらいしかないですけど

 

貞子ということで
かなり期待をしてたんですが
大きく裏切られました
怖くないし面白くない
メッセージも無い
いったい何を見せられたのか?

池田エライザが好きなら
観に行ってもいいんじゃないですかね

 


リング (Blu-ray)