何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「スウィング・キッズ」感想 タップダンス最高 音楽最高 と思ってたら… こんなん精神不安定になるわ

 

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どうもきいつです


韓国映画「スウィング・キッズ」観ました

朝鮮戦争中の巨済島捕虜収容所を舞台に
戦争捕虜たちで結成されたダンスチームが
タップダンスを通して結束していく姿を描いた
ドラマ映画です
ビートルズやデビッド・ボウイ、スウィングジャズのベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」など数々の名曲が物語を彩ります

監督は「サニー 永遠の仲間たち」などのカン・ヒョンチョル
K-POPグループ「EXO」のD.O.が主演を務めています

 

あらすじ
朝鮮戦争中の1951年
巨済島捕虜収容所に新しく赴任してきた所長は
対外的イメージアップのため戦争捕虜で
ダンスチームを結成を計画する
前職はブロードウェイタップダンサーの黒人下士官ジャクソンのもとに
朝鮮人民軍の問題児ロ・ギスをはじめ個性的なメンバーが集められ
そんな寄せ集めのダンスチームにある公演の話が舞い込んだ

 

感想
戦争映画なのにポップでコミカルな作風
タップダンスシーンは圧巻
このダンスシーンだけでもこの映画は
観る価値がある
すごく楽しい映画
…と思っていたら
すごく重たい映画だった…

 

「サニー 永遠の仲間たち」がとても好きで
同監督の作品ということでとても楽しみにしていた映画
予告の時点でもすごく面白そうでかなり期待していました

その期待通りとても楽しんで観ることのできる映画でした
と言うか、楽しめるだけではありませんでしたが…

楽しい映画である一方
やはり戦争を題材にしているだけあって
超重苦しくて心がズシンと沈み込んでしまう映画でもあった

ちょっとどういう気持ちで観て良いのかわからない
観終えたときには精神が不安定になってしまいました

 

まず、前半部分はと言うと
朝鮮戦争中という重い舞台背景ではあるんですが
それを感じさせないくらい
コミカルで明るくて楽しい雰囲気の映画になっています

簡単に言うと
個性豊かでバラバラな5人がタップダンスを通じて
徐々に団結していき成長する姿を
コミカルで楽しく描いた青春物語って感じ

こんなバラバラでまとまりの無いチームが
いろいろと困難を乗り越えて
お互いに気持ちが繋がっていくタイプの物語は
個人的にもすごく大好物

こういうのってすごく熱い気持ちにさせられるしワクワクもさせられる
最終的に一致団結して何かを成し遂げたときには
爆発的なカタルシスも生み出されるし感動もできるわけです


そして、こんなタイプの作品で重要なのは
登場人物たちがいかに魅力的に描かれているかという部分なんですけど
本作はとてもみんな魅力的で
このチームがすごく好きになる

主人公は朝鮮人民軍の一員で収容所で1番のトラベルメーカのロ・ギス
チームを作りまとめるリーダー的な存在の元ブロードウェイタップダンサーの黒人下士官ジャクソン
4ヵ国語を使いこなす通訳者のヤン・パンネ
行方不明の妻を探す民間人捕虜のカン・ビョンサム
ダンスがすごく上手い栄養失調の中国人捕虜シャオパン

みんな1クセも2クセもある個性的な登場人物で
みんな見ている方向も別々でバラバラ

そんな奴らの団結していく姿を見せられるだけでこの映画に引き込まれるし
このメンバーの化学反応を見ていると
笑えるし楽しい気持ちにもさせられる

はじめはいがみ合っていたり
相手のことをバカにして認めることすらしていなかった
相容れないような人間たちが
タップダンスや音楽を通して
いつの間にか
人種や立場や争いなどを取っ払った本物の絆が生まれていくのには
平和へのメッセージを感じることもできます


でも、それを決して重かったり感動的に見せるのではなく
あくまでコミカルで楽しく
音楽やダンスの素晴らしさを伝えつつ表現している


なんと言っても
この映画はタップダンスシーンが素晴らしいですね
それだけでこの映画を観る価値があると思います

劇中で流れる選曲のセンスもすごく良いと思いますし
それに乗せて見せられるダンスシーンが圧巻

まず、主演を務めるD.O.のタップダンスがすごい迫力
映像の見せ方もありますけど
単純にタップダンスがすごく上手い

タップダンスのシーンになると
画面の中に引き込まれていくような魅力を感じます

タップダンス以外にも
音楽が流れている場面は基本的に楽しくて
常にノリノリな気分で映画を観てしまっています

 

前半部分は超楽しい映画なんですよ

でも、やっぱり韓国映画ですね
後半になるとくそ重苦しい…

これでもかと言うくらい現実を突きつけてくるんですよ
しんどくなってくるくらい

特にこの映画の結末なんて…

楽しませて楽しませて
最後にはどん底に突き落とす
これぞ韓国映画

もう精神が不安定になりますよ…
気持ちが追いつかない
まあ、それが最高とも言えますが


前半はあまりに楽しい映画の作りに
戦時中の話だということを忘れさせられていたんですが
終盤に近づくにつれて
やっぱり戦争中の話なんだよな…
と現実が見えてくるわけです

確かに現実世界ではいまだに韓国と北朝鮮の問題は
解決しているわけでもなく
この時代にも悲惨な出来事が散々あったわけで
そりゃそうなんですよ

ハッピーエンドなんてありえない

それくらい戦争というものは無意味で不毛
この映画の後半の展開からはそれがひしひしと伝わってきます


前半が夢に溢れるとても楽しい映画だっただけに
この後半の落差を見せつけられると
戦争やイデオロギーがいかにクソなのかを
ストレートに感じることができる

個人がどんなに夢や希望や平和な世界を思い描いていても
結局、戦争や国のお偉いさんの思想
巨大な国の思惑など
そんなものに簡単に踏みにじられてしまう

どんなに音楽やダンスの素晴らしさで
それを訴えたところで
全くの無力だと思い知らされる

ロ・ギスや他のメンバーたちの心が成長して
戦争中の不毛な価値観から解き放たれたとしても
そんなものは大きな時代のうねりに簡単に飲み込まれてしまう

ただタップダンスを踊りたいだけなのに
周りの人間はそれを許さない
それを振り切って無理やりにでも前に進んだとしても
最終的には押さえつけられてしまう

戦争やイデオロギーがいかに無意味なものか
この映画を観るとそう思わされました


この映画の終盤の展開はあまりに衝撃だし
賛否が分かれそうですね

はじめが楽しい映画だっただけに
この結末は受け入れられない人も多いと思う

鬱映画と言っても間違いないような展開です

ただ、これがハッピーエンドになってしまったら
メッセージも薄れてしまうし
現実味も無いですからね

終盤の展開は正解なのかもしれません


ただ、エピローグ的な最後のダンスシーンは
ちょっと抽象的すぎるような気もします

最後のダンスシーン自体は素晴らしくて迫力もあるし
映画的には引き締まった終わりに見えるんですけど
いまいち何を言いたいのかが伝わってきませんでした

映画の最後だからこそ
この物語全体を通して主人公たちが見いだした答えは
一体どういうものだったのかを見せてほしかった

現実的な問題提起はされるけど
そこから先の希望や人間はどうあるべきか
みたいな部分は感じることができなかったですね

同じ韓国映画の「パラサイト 半地下の家族」を観たときにも思いましたが
問題提起は十分伝わりますが
そこから先の作り手の思想みたいなものはあまり感じられず
作品を通して観客に何を訴えたいのかが描かれていないように思います

まあ、そこは自分で考えろ
ということなのかもしれませんけど
せっかくならこの映画を通しての1つの答えくらいは
見せてほしい気持ちはありました

 

とは言え
この映画は十分観る価値のある映画だと思います
単純にダンスシーンがスゲーですし
エンターテイメントとしてもすごく楽しめる内容

音楽やダンスの素晴らしさ
戦争やイデオロギーの不毛さ
そんなのが詰め込まれたとてもいい映画です

感情が揺さぶられすぎて
観終えたときにはすごく疲れる

 


サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション Blu-ray

 

 

映画「初恋」感想 他が濃すぎて何が初恋なのかもうわからん でも最高

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どうもきいつです


恋愛?映画「初恋」観ました

余命宣告をされ自暴自棄になるプロボクサーの男がとある女性と出会ったことで
アンダーグラウンドの世界で巻き起こる
強烈な事件へと巻き込まれていく姿を描いています

「十三人の刺客」「一命」などの三池崇史が監督を務め
「東京喰種 トーキョーグール」シリーズの窪田正孝が主演を務めています

 

あらすじ
身寄りのない葛城レオは才能あるプロボクサーだったが格下の相手に負け
試合後の診察で脳の主要により余命があとわずかだと知る
そんな希望を失い歌舞伎町をさ迷うレオの前に
ヤクザと関わりのある女モニカが男に追われながら現れた
反射的に彼女を助けたレオは大きな事件に巻き込まれ
ヤクザやマフィアに追われる身になってしまう

 

感想
タイトルの「初恋」からは想像できないような
めちゃくちゃな内容です
恋愛映画だと思ったらB級ヤクザ映画
でも、最後は恋愛映画
暴力振るいすぎ、人死にまくり、ありえない描写多すぎ、アホなことやりすぎ
でも、それが最高


三池崇史の新作映画ということでとても期待していた作品

とは言え、三池崇史の映画はあたりはずれが極端なので期待しつつ不安もありました

そして、本作はと言うと
すごく面白かった

でも、めちゃくちゃでしょうもない内容でもある

ただ、それが三池崇史らしい映画でもあって
謎のハイテンションムービーに仕上がっていました

個人的にはこういう映画はすごく好き
最後まで楽しんで見ることができました


僕はすごく好きな映画でしたけど
意識高いものを求めてる人はこの映画が嫌いかもしれない

正直言って勢いだけの映画だと思います

メッセージ性なんて無いと思いますし
タイトルが「初恋」ですけども
ほとんど恋愛描写なんてない

別に感動的でもなく
ストーリーが特別面白いわけでもない

リアリティが無くて現実離れしていてありえないことばかり

そして、暴力シーンは多いし人も死に過ぎで命が軽く扱われすぎです
エグい描写や低俗な表現がとても多い
コミカルなシーンも多くてその全部がバカバカしい


感動できるストーリーとか
作り込まれた脚本とか
考えさせられるメッセージ性とか

そんな高尚な映画が好きな意識高い系の人は
この映画に嫌悪感さえ抱く可能性すらある

この映画はそれとは真逆に行ってますから
超意識低い系映画です


でも、だからこそこの映画は最高に面白い
勢いだけのハイテンションな内容に
最高に気持ちをハイにさせられる

そして、ぶっ飛んだ変な登場人物たちに
大いに笑わされる

さらに、何故かわからんけど
最後はちょっと感動させられる


映画なんてこんなんでいいんだよ
って思わされる

 

全体的にバランスがすごく変です
明らかに主人公よりも周りのサブキャラクターが目立ちまくってる
主役を食ってしまってるほど無駄に強すぎる存在感

特に染谷将太とベッキー

この映画を観た人のほとんどがこの2人の話しかしてないんじゃないでしょうか
それくらいこの2人が輝きまくってました


まず、染谷将太が演じる加瀬
このキャラクターが面白すぎる

はじめは頭のキレるインテリヤクザって感じの
スタイリッシュな雰囲気をすごく醸し出していて
ドヤ顔で“俺の完璧な計画”を解説するんですけど
全部失敗するという

フリとオチが完璧ですよね

やることなすこと全部上手くいかずに
無駄に人だけ殺しまくって泥沼にはまっていくんですよ

最後には完全に頭がぶっ飛んでキャラ崩壊しますし
物理的にも頭がぶっ飛ぶし
もう笑うしかない

加瀬が滑稽だし可愛いし
めっちゃ好きになってしまう

染谷将太もこのキャラに完全にハマってたし
より加瀬が魅力的に感じれたのかもしれない


そして、ベッキーが演じるジュリが最高に面白すぎる
こんなのもはやターミーネーターですよ

アホな女と思いきや
彼氏の仇を討つために地獄の底まで追ってくるヤバい女
全然特別な人間でもないはずなのに全然死なねぇし
ヤクザとマフィアの間に入っても全く引けを取らない強さ

ジュリの存在の全てが面白くて笑える

かつての好感度No.1だったベッキーが
今やこんなクレイジーでイカれたキャラを演じるとは

でも、このブチ切れベッキーのほうが昔のベッキーより好き
これは本性をさらけ出したからこその演技なんじゃないかとも思える
いろんな意味でこのキャラはベッキーにしかできなかったのかもしれません


で、そんな濃いキャラに囲まれて
主人公の存在が消えてしまっているのかと言うと
全然そんなことがなくて
むしろ、この主人公がとても魅力的

良い意味で普通な主人公レオ
この映画の中で一番リアル感のあるキャラだと思います

周りの人間とか世界観とか設定とか
全部があまりに現実離れしてるぶん
この普通の主人公が逆に浮いて見える

このおかしな世界では逆に普通の人間であるレオが
目立ってると思うんですよ

窪田正孝のリアル感のあるナチュラル演技や
まるでボクサーにしか見えない鍛えこまれた肉体
そういうのが相まって
現実にもいそうなキャラクターに仕上がってる

レオが現実にも存在しそうなキャラクターだから映画を観てる側は
このキャラを通して映画の中に入り込む事ができると思うんです


めちゃくちゃなようで意外と登場人物のバランスは考えられているのかもしれないと思わされる

 

そして、ストーリーなんですが
いろいろ詰め込みすぎでわかりにくい感じはするんですけど
意外と内容がすっと入ってくる
てか、実はそんなに複雑じゃない

本筋はレオとモニカがヤクザやマフィアから逃走するってだけの物語で
すごくシンプルでわかりやすい

その他の要素はそれを彩る部分ってだけであって
決してメインの2人の逃走劇の邪魔にはなってないし

めちゃくちゃでハードな世界を2人が乗り越えて行くことで
恋愛描写なんて全然ないのに2人が恋に落ちることになぜか納得させられるんですよね

なんかわからないけど
最後の2人がたどり着く結末にはちょっと感動すらしました

 

あと、この映画は現実離れしたような
すごく変な演出が多い

終盤のありえない数のパトカーが全然追ってる車に
追いつけないのとか明らかにおかしいし

殺し合いのシーンとかもリアリティより
如何にカッコいいかということを重視してたり

特にあの例のアニメのシーン
あれは唐突過ぎだし賛否両論だと思います


ただ、僕が思うのは
リアルならいいのか?
ってことです

現実離れしたものを見たいから映画を観ている
という気持ちはみんな持っていると思う

じゃあ、これくらいやり過ぎの演出をやってくれた方がテンション上がるでしょ

僕はこのやり過ぎの現実離れした映像の数々に
すごくテンションを上げてもらった
最高に気持ちが昂りました

あの例のアニメのシーンも
もし、CGでリアルに表現していたり
逆にあれを全部実写のカースタントでやったとしても
あの盛り上がりは生まれなかったと思う

あのシーンを批判する人もいると思いますが
僕はあのシーンがすごく好きです

 

韓国映画の「パラサイト 半地下の家族」とこの映画を比べて
この映画のレベルが低いと言う人や
こんな映画が公開されているから邦画は終わってる
とか言う人もちらほら見かけますが

逆ですよ
韓国ではたぶんこんなアホな素晴らしい映画は生まれないでしょうし
こんな映画が日本で生まれて公開されているということは
邦画は全然終わっていないと言える

まあ、インテリ系の高尚な映画が好きな人は
こんな映画は認めたくないのかもしれませんが

でも、アホな内容でも楽しければいいじゃん

 

僕はこんな意識低い系の映画は大好物です
最高に楽しませてもらいました

三池崇史はハズレ率高い
と言うか、無駄に映画作り過ぎですけども
たまにこんな映画を作ってくれるから最高ですよね

劇場版ファントミラージュにも期待していいのかな?

 


十三人の刺客<Blu-ray>通常版

 

 

映画「仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ」感想 マジェスティの活躍をもっと見たかった…

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どうもきいつです


特撮映画「仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ」観ました

特撮ドラマ「仮面ライダージオウ」に登場する
仮面ライダーゲイツを主役に据えたスピンオフ作品
普通の高校生になった仮面ライダーゲイツこと
明光院ゲイツたちが再び仮面ライダーとなり
戦いに身を投じていきます
ゲイツの新フォーム登場や
歴代の2号ライダーたちも多数ゲスト出演しています

監督はテレビシリーズで演出を務めた諸田敏
脚本はテレビシリーズのサブライターを務めた毛利亘宏が担当しています

 

あらすじ
普通の高校生に戻った明光院ゲイツは柔道でメダルを取る夢のため練習に励んでいた
しかし、試合で大怪我をして選手生命を絶たれてしまう
そんな彼の目の前に謎の男ウォズが現れ
ゲイツを救世主に導くためにやって来たと告げ
ゲイツにウォッチとドライバーを差し出した

 

感想
歴代の2号ライダーのゲスト出演にはテンションが上がる
でも、ちょっと戦闘シーン少なくない?
ゲイツマジェスティもあまり活躍しないし…
ドラマパートがダラダラ長くて退屈な時間が多い

 

「仮面ライダージオウ」のテレビシリーズは最後まで観てましたし
その中でもゲイツは好きなキャラクター

その上、今回の映画に登場する2号ライダーたち
ディエンド、カイザ、アクセル、バースもすごく好きなライダーで
本作は結構楽しみにしていました

このゲストの2号ライダーたちを見れるだけで
満足と言えば満足なんですが…
とは言え内容は微妙だった印象

めっちゃつまらなかったとまでは言いませんけど
別に特別面白かったというわけでもない

すごく中途半端な感じですかね…
見たかったものが見れなかった気もするし

 

僕が見たかったのは
やっぱり仮面ライダーの戦闘アクション
ゲイツやその仲間たち
ゲストの仮面ライダー

とにかく仮面ライダーが戦う姿をみたいわけです
それは、本作だけでなく仮面ライダーシリーズ全般に思っていること


ただ、本作は戦闘が少ない
全体的にドラマパートがダラダラ続いて
その合間に戦闘シーンが挟まれてるって感じです

だから、なんかテンポも悪いですし
気持ちがあまり上がってこないんですよね

戦闘シーンが入る度にストーリーが途切れるし
戦闘が終わる度に長いドラマパートが続くから
テンションも下がってしまうし

しかも、それが同じパターンの繰り返しだったりもするので段々と退屈になってくる
終盤は盛り上がるには盛り上がるけど
いまいちインパクトが弱いし

全体的に淡々としていてメリハリが無かったように思う

 

まず、ドラマパートの話をすると

別にそこまで悪くなかったようには思います

そもそも、ジオウにストーリーなんて全然期待していない
テレビシリーズは結構めちゃくちゃな内容で
最終回もかなり強引でした
まあ、それなりに上手くまとまっていて
綺麗な終わりかたをしていたと思いますが

そして、本作はその続編
その時点でかなり無理矢理なんですよ

だから、ストーリーなんてあって無いようなものだと思って観ていました

実際、本作のストーリーはよくわからない

高校生として普通の生活を送っているゲイツの前に
白ウォズが現れてゲイツが救世主がどうとか言い出し最終的には白ウォズが自分が救世主になるとかほざいて暴れだす
結局、何がしたいんだよって内容

ツッコミどころはかなり多くて
いちいちツッコんでたらキリなないほど

でも、ジオウですしそこは目を瞑って観てみれば
意外と面白い部分もあるなと思えます

ジオウのメンバーたちのほのぼの学園ドラマみたいなのはなかなか面白かった

みんなちょっとずつキャラが変わってたりする
特に元タイムジャッカーたちはみんな全然キャラが違う
ソウゴのテンションもなんかバグってたし

すごくベタでチープな学園ドラマをやってるけど
ジオウのキャラがそれをやっているというのに
面白さを感じれるんですよね

そこには変な面白さが生まれていて
結構楽しんでみれました
笑えるシーンも多かったし


でも、やっぱり内容はスゲー薄い
しかもちょっと意味もよくわからないです

怪我で柔道ができなくなったから救世主になる
というとんでも理論を展開する

柔道ができないくらいの怪我なのに
怪人と戦って救世主になることはできるんですね
とかツッコミどころもありますが
そこは置いといて

柔道の夢が途切れてしまい落ち込んでるゲイツが
新たな夢を見つけてそれに向かい前進する
というよくありそうな薄い青春ストーリーを
ダラダラと最後まで引き伸ばして余計に薄くなっています

さすがにそんな薄いストーリーで最後まで引っ張る
ものだからゲイツの決断の遅さにイライラさせられる
もうこの話いいから
みたいに思ってくるんですよ

そんな薄いストーリーはもっと凝縮して
残った時間を戦闘シーンに割り振ってほしかった

もともと、「仮面ライダージオウ」にドラマ性なんて求めてないですしね

ゲイツが変身するまでもクソ長いですから
出し惜しみしすぎというか
こんなストーリーならもっと早い段階で変身しても
全然問題ないと思うけど

 

そして、戦闘シーンの話ですが

ワンパターンすぎてちょっとつまらない

先輩2号ライダーが1人ずつ登場して
毎回同じ敵と 戦うというパターンが3回くらい続くんですが

まあ、それぞれの仮面ライダーの活躍を見れるという点ではそこまで悪くなかったけど
いつも同じパターンでそれを繰り広げるから
デジャブを見てる感覚になってしまう

もう少しパターンを変えてもいいんじゃないかと思いました

敵の種類が少なすぎるのもあるし
歴代ライダーたちが敵を追い込んで逃げられる
のパターンばかりでつまらない

せっかくなら共闘とかフォームチェンジとか
もっと見たかったし

そもそも、ゲイツが変身するのが遅すぎて
共闘の展開にならないのがね…
どうせならゲイツのファイズフォームとカイザの
共闘とか見せてほしかったけど

あと、ディエンドも変身してほしかったですね
ゲイツとディエンドが並ぶ姿は絶対に絵になるはずですよ
10周年と20周年の2号ライダーが一緒に戦う姿は
絶対に見たかったのに
そこは無駄に設定の整合性のために変身させないという…

この前の映画では設定をガン無視してたくせに


それと、敵に魅力が無かったのももったいない
アナザーディエンドという最強クラスに強そうな敵なのに
蓋を開けてみればかなりの小物

そもそも、敵の発想がザコなんですよ
自分が救世主になる
みたいなことを言い出して一気に冷めた

強そうな攻撃もほとんどなく
謎の量産型ロボットみたいなのを召喚するだけ

せめて、アナザー2号ライダーみたいなのを2、3体
召喚してくれれば盛り上がったのに


そして、何よりも不満なのが
ゲイツマジェスティがほとんど活躍しないこと

ラスト数分戦って終わり
焦らして焦らしてそれですから
出し惜しみにも程がある

その戦闘シーンも過去の2号ライダーの武器を2つくらいに使っただけで終わりですから

もっと2号ライダーたちの能力や必殺技を使う
みたいな戦いかをしてくれよ
ジオウみたいに過去ライダーを召喚するとか

サービス精神が全然ねぇよ
もっと見せてくれよ
こっちはもっと欲しいんだよ
欲望を満たしてくれよ

強くなって最強ライダーキックで倒して終わり
じゃあ物足りない

ゲイツマジェスティはタイトルにもなってるくらいだし
もっと活躍させてもよかったんじゃない?
さすがに、この活躍の少なさは拍子抜けですね


好きな2号ライダーの出演はとても嬉しいですし
そこにサービス精神も感じるのですが
それ以外は微妙でした
さすがにマジェスティは出し惜しみしすぎだと思うし
いつもの微妙な仮面ライダーのVシネマって感じの出来でしたね
ゲスト出演だけでなく映画の内容にも
もう少しサービス精神を見せてほしい

 


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映画「リメンバー・ミー」感想 なんでこんなに毎回泣けるのか

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どうもきいつです


アニメ映画「リメンバー・ミー」観ました

メキシコの祝祭「死者の日」をテーマにした
ピクサー・アニメーションによる長編アニメ
死者の国に足を踏み入れた少年が
壮大な冒険を繰り広げる物語

「トイ・ストーリー3」のリー・アンクリッチ監督と、制作を担当したダーラ・K・アンダーソンが
再び集結して製作

 

あらすじ
過去の出来事が原因で
家族から音楽を禁止されている少年ミゲルは
死者の日に開催される音楽コンテストに出ることを決意する
そして、コンテストに出でるためのギターを手に入れるために
伝説的ミュージシャンの霊廟に飾られていたギターを手にするが
それをきっかけに死者の国に迷い込んでしまう

 

感想
すごくベタでよくあるような内容だと思うけど
いつも最後には涙してしまう
世界観の描き方や映像のクオリティなどは
さすがのピクサーという感じで
とてもレベルが高いです
普通にいい映画だと思います

 

テレビでやっていたので久しぶりに観てみました

やっぱり泣ける

初めて観たときも泣けたけど
この映画は何回観ても心にグッときますね
何故こんなにも泣けるのか?

すごくシンプルでありがちな内容なんですけどね

ストーリーは少年の成長物語で
少年ミゲルが死者の国に迷い込んで帰ってくる
ってだけのシンプルなストーリー

その中でドタバタ騒動を起こしたり
いろんな苦難を乗り越えてミゲルが成長していきます

その物語がベタと言うか
王道ですごくわかりやすいんですよね

自分の過ちで周りの人たちを巻き込んで
でも、最後には反省して少年が少し大人になる
直球すぎるほどよくあるお話で

正直言って、先の展開なんて丸わかりだし
予想外のことなんてほとんどない

こっちが思った通りに話が流れて行く

しかし、だからと言ってつまらないわけではなく
それを彩る世界観、映像、キャラクター、音楽など
それらが想像以上に魅力的で
むしろ、このシンプルなストーリーだからこそ
それらが輝いているようにも思えます


メキシコを舞台にした世界観も面白いですよね
日本で言うお盆のような祝日を舞台に
死者の世界が描かれていて
日本人でも馴染みがあって入り込みやすい世界観だと思います

世界のルールもわかりやすくて
しかも、それをちゃんとストーリーに生かされていました

ルールは大きく3つあり

死者たちは死者の日にだけ生者の世界を訪れる事ができる
でも、生者の世界で写真が飾られていないと
訪れる事はできない

生きた人間が死者の国に迷い込むと
死者の国の家族の赦しをもらわないと帰れない
夜明けを過ぎると死者になってしまう

死者にも死があり
生きている人間から忘れられてしまうと
その人間は2度目の死を迎え消えてしまう

そんな3つのルールを上手くストーリーて絡めて
面白く飽きさせない作りになっている
それがこの映画のテーマにもちゃんと繋がっていて

全体的に王道でシンプルな映画だけど
かなり練って作り込まれた映画だとも思います


そして、映像なんですけども
クオリティが高いのはいつものことながら
世界観にしっかりとマッチしているデザインにもなっていて
とても魅力的な映像です

メキシコ特有のカラフルな色彩や
お祭りのドクロなどの独特なデザインセンス

それらをそのまま流用するのではなくて
アニメ映画だからこそのデフォルメで
とても可愛く表現されています

死者の世界の動物たちも
メキシコのカラフルな木彫りの動物をモチーフに
とても面白いデザインになっていますしね

死者の国の街並みもとても美しく
それだけでなくちょっとカオスだったりもする
この街並みだけでもワクワクさせられます

マリーゴールドの橋も印象的でしたね
すごく綺麗な映像です

この映画は全体的に光の表現にこだわっていたように思う
ただキラキラと輝いているだけでなく
ほんのりと明るかったり
暗闇だからこそ感じれる明るさだったり

優しい光を描いていて
それにどことなくほっこりとさせられる
気持ちにもなりました

 

そして、キャラクターも魅力的で

主人公のミゲルは可愛さもありつつ
観ている側も共感できるような悩みを抱えていて
とても感情移入させられてしまう

主人公としての存在感をしっかりと感じれます
これも主人公としてはとてもベタだけど
だからこそわかりやすくキャラクターを理解できる


お調子者のへクターは
テキトーでだらしない奴だけど
優しい人間味が溢れ出ていて全然憎めない
物語が進むにつれ好きになっていくキャラクターです

ミゲルとへクターがとても好感の持てるキャラクターだから
最後までこの映画を観たくさせられるし
この2人を見てると楽しくもなってくる


さらに、キーパーソンであるココが
とても素晴らしいと思う

ほとんど喋るシーンも無く
若干ボケ気味のおばあちゃんなんですけども

その風貌だけで全てを物語っているというか
その存在だけでこの物語の全てを担っているように思えるんですよね

顔のしわの表現とかもかなりこだわっていると思いますし
見た目だけで何かを伝えるというのは
アニメだからこその表現方法だとも思います

そういう表現で何かを伝えるというのは
とてもピクサーらしいとも言える

さすが世界のピクサーと感心させられました

 

で、この映画のメッセージ性も
押しつけがましくなくとても心に刺さる内容でした

家族への愛か自分の夢か
どちらかを選べという話なんですけども

普通なら
自分の夢のためにその他を犠牲にする話になったり
逆に、やっぱり何よりも愛が大切だよね
って話になるのが定番です

でも、この映画は
そもそも、その2つを比べてどちらかを選ぶのは
おかしくない?
というメッセージが込められている

言われてみれば確かにそうで
別に大事なものは1つじゃなくていいし
手に入るならどっちも欲しいですよね

てか、よく考えればこの2つは別問題なようにも
思えますし

そんな柔軟な考え方は
ハッとさせられるところもあったし
ちょっと安心もさせられる

ミゲルのどちらも選ぶという決断には
優しさを感じて
最後にはあったかい気持ちにさせられました

 

この映画が泣けるのは
やっぱりすごく優しい映画だからなのかもしれないです
押しつけがましくないメッセージを
決して言葉だけで訴えるのではなくて
映像でなんとなく伝えてきたりもする

そういう表現だからこそ心に直接響くのかもしれません
わざとらしく泣かそうとする下品な演出が無いのが
この映画が泣ける理由だと思います

本当に良い映画
やっぱりピクサーはすごい

 


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映画「バッファロー’66」感想 愛すべきクズ男と超絶天使 この映画可愛すぎる

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どうもきいつです


恋愛映画「バッファロー’66」観ました

刑務所帰りの男と行きずりの女との奇妙な恋愛を描いた1998年のラブストーリー映画
愛を知らないアナーキーな男と彼に惹かれる女の
寡黙な恋愛が描かれています

ヴィンセント・ギャロが監督、脚本、主演、音楽を
手掛けている作品です

 

あらすじ
5年の刑期を終え刑務所から釈放されたビリー・ブラウンは
ニューヨーク州バッファローの実家へ帰ろうとする
ところが、長年の溝がある両親には刑務所にいたことは隠しており
その上、結婚していると嘘までついてしまった
そして、ビリーはトイレを借りた建物の中の
ダンス教室にいたレイラを拉致し
自分の妻のふりをするよう強要する

 

感想
クズだけどどこか憎めないビリーと
こんな女いないだろってほど天使なレイラ
この2人が超可愛い
そして、奇抜で独特な映像センスが魅力的
なんかすごく好きな映画でした

 

以前おすすめしてもらった映画で
最近になってやっと観ました

全くどんな映画なのかイメージもつかないまま観たんですが
なかなか変な映画ですね

少し掴み所がないストーリーに
人物描写はそんなに深く掘り下げられるわけでもない
演出もとても独特でクセがすごく強いし

正直言って、よくわからん映画

ただ、すごく魅力のある映画だとも思えました
変だけどとても純朴なラブストーリー

ビリーとレイラを見ていると
どこか癒されるというか
キュンキュンさせられてしまいます


まず、ストーリーなんですけど
最初はいまいちビリーの目的などは不明確で
ちょっと掴み所がない
そんな中でビリーのなんとなくの生い立ちが描かれたり
家族の描写があったりして

ビリーがどんな人間なのかが少しずつわかっていく
そういうのをスローテンポで見せていく作風でした

というか、この映画のほとんどはビリーの紹介かも
はじめはよくわからないヤバそうな奴ですが
実はこんな内面の人間ですよ
というのをゆっくりと説明しているような

最終的にはビリーの復讐の話になるわけですが
その復讐は八つ当たりみたいなもので

自暴自棄になった男が
こんなクソな人生なんてどうでもいいから
ムカつくやつを殺して自分も死のう
みたいな

ダメ人間が人生うまくいかなくてなげやりに
なってる姿をひたすら見せられてる感じです


そんなのを淡々と見せられる映画なので
面白くない映画のはずなのに
すごく面白い
この世界に引き込まれていきます


この映画の何が魅力的って
主人公のビリーとヒロインのレイラ
この2人が素晴らしく魅力的
最終的には2人をすごく好きになってしまってます

とにかく2人とも超可愛い


ビリーは本当にダメ人間と言うかクズ人間と言うか

とにかく、なかなか人として欠落してる部分が多い人間です

身勝手な言動がめっちゃ目立つし
レイラに対しても本当に高圧的
すぐに感情的になって暴言を吐くような男
てか、自分の都合で誘拐している訳ですからね

相当ヤバい奴なのは間違いない

でも、こいつを全然憎めないんですよ

ビリーはただの嫌な奴ではなくて
とてもツイていない人であり
根は優しい純朴青年なんですよね

はじめは身勝手で傲慢な超嫌な奴だと
思っていたのに
物語が進むにつれ彼の内面が見えてくる

家庭環境や境遇とかは恵まれていなくて
あまり幸せな人生を送れていないんだなと
思わされる

まず、冒頭でそれが表されてますよね
トイレ行きたいのに全然いけないという

後々考えてみれば
このシーンが彼の人生そのものを表している
なんか人生が上手く行かないというのが
滑稽ですけども切なくも思えるように
トイレに行けないこの場面で感じさせられんですよ


そして、家庭環境はと言うと

母親はアメフトばっかり見て
息子のことなんて全然きにかけていない
ビリーがチョコレートアレルギーということも
完全に忘れていて
その上、アレルギーって言ってるのに
信用せず食べさせようとするし

父親は父親で
食器のナイフを自分に向けた
とかワケわからんこと言ってぶちギレたりするし

こんな親の元で育ったらそりゃひねくれるわ
しかも、両親の仲もあまりよくなさそうだし

でも、そんな親に対しても
ビリーはがっかりさせたくない気持ちがあったり
とても気を使っている一面もあったりする

レイラに対してもあんなに傍若無人なのに
時々優しい顔するんですよ

ビリーのそんな部分がちょくちょく顔を出すから
こいつ実はそんな悪い奴じゃないよな
って気持ちにさせられるんです

他にも
自分を大きく見せたり見栄を張るのも自分に自信がないから
レイラに悪態をつくのは女性と接するのが苦手だから

映画が進んでいくと
ビリーの本当の姿があらわになっていき
とても人間臭くて
映画を観ている自分にも共通するようなところも見えてくる

最終的にはビリーが愛おしくて
可愛くて仕方がなくなります

 

そして、ヒロインのレイラ
彼女が天使でしかない

このレイラなんですけど
マジで謎の女です
最初から最後まで全くバックボーンは見えてこなく
生い立ちや家族構成、交友関係、職業
全てが謎のまま

掴み所が無さすぎる

でも、すごく魅力的な女性なんです

まず、顔がめちゃくちゃ可愛い
それだけでも好きになりそうなんですけど

内面もホントに素晴らしい
こんな人間いないですよ
これぞ天使です

そもそも、あんなヤバい男に拉致られて
平然としていて
むしろ、とても協力的

この時点であり得ないんですが

それだけでなく、超面倒くさい男ビリーに
ちゃんとかまってあげて
すごく気を使ってあげて
超優しくしてあげる

空気の悪いビリーと両親との間も
取り持ってあげたりもするし
ビリーが学生時代に好きだったクソ女が現れた時も
ビリーの味方になってあげるんですよ

出会ってまだ1日も経っておらず
しかも、最悪な出会いでもあるはずなのに
レイラはビリーの気持ちをすごく理解しようとしてるし
ビリーを導いてあげようともしている


それに、ただ優しいいい女ってだけでなく
お茶目で可愛い一面もあるんです

急に意味のわからない妄想を語りだしたり
ボーリング場で唐突にタップダンス踊り出したり
一緒にお風呂に入りたいとか言い出したり

実はすごく変な女
でも、そこがすごく魅力的でもあるんですよ


こんな女いねーよ

彼女の背景が見えてこないぶん
本当にビリーの前に舞い降りた天使なんじゃないか
とも思わされてしまいます


僕もこんな人に出会いたいよ
こんな女に出会ったら
そりゃ人生変わるわ


そんな魅力的な2人なんですが

この2人の会話ややり取りがほっこりすると言うか
癒しですよね

写真を撮る場面とか素晴らしい
さんざんレイラに恋人らしく写真を撮れと
細かくいろいろ注文するビリーですけど
自分はずっと真顔という

これは笑いましたよ

ビリーとレイラの化学反応が本当にいいんです
レイラがビリーの内面を引き出していく過程が
キュンキュンする
レイラもめっちゃ可愛いし

最初はオラオラ系のヤバそうなビリーが
終盤はただの童貞純朴青年になってますから
ビリーもホント可愛い

この2人の存在でこの映画はすごく面白くなってると思う

 

あと、演出などが独特で観ていて面白いですね

ビリーの子供の頃の回想になる場面は
画面の真ん中から小さい画面が徐々に広がっていくみたいな演出
こんなの見たことないわ

めっちゃ独特だけど
不思議とこの変な映像表現に引き込まれていきます

終盤の銃で頭を撃ち抜く場面も面白かったですし
ビリーの父親が歌うシーンや
レイラの唐突なタップダンスのシーンも面白い

映画全体の色調もすごくいいですね
無彩色に近い冷たい雰囲気が
映画の内容にもマッチしてると思いますし

映像センスがすごくクセがあって独特ですが
押し付けがましくもなくてナチュラルな感じもする

この不思議な空気感にいつの間にか呑み込まれてしまっていたと思います

 

とにかく、すごく変な映画ですけど
個人的にはめっちゃ好きな映画でした

ラストもすごくいいですね
この映画のラストはかなり好きです
こんな優しさに溢れた映画がないんじゃないですか

この映画は超可愛いと思います

 


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映画「ニンジャ・アベンジャーズ」感想 いろいろ酷いのに無駄にアクションはカッコいい

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どうもきいつです


アクション映画「ニンジャ・アベンジャーズ」観ました

2009年に製作された「NINJA」の続編
甲賀流忍者の修行をしたアメリカ人が
殺された妻子の復讐を果たすために戦う姿を描いた
2013年のアメリカ製忍者アクション映画

監督は「デッドロックII」のアイザック・フロレンティーンが務め
主演は「エクスペンダブルズ2」などのスコット・アドキンス

 

あらすじ
日本で甲賀流忍術を極めたアメリカ人のケイシーは
甲賀道場の跡取り娘の波子と結婚し幸せな日々を過ごしていた
ところが、何者かの襲撃を受け波子が殺されてしまう
かつて師匠のライバルだった男ゴローが
波子を殺害したと確証をつかんだケイシーは
復讐のためにゴローを追ってミャンマーに渡る

 

感想
スゲーつまらないストーリー
ツッコミどころも満載
忍者って何だったっけ?
って思ってしまうようなよくわからない忍者描写
でも、無駄にアクションがカッコよくて
ちょっとテンションが上がってしまう

 

テレビでやっていたのでなんとなく観てみました

タイトルからも醸し出されるB級な雰囲気
そして、実際にもB級

全然期待もしていなくて
たぶんこんな感じの映画だろうな
と想像していた通りの映画だったと思う

よくも悪くも想像通りのB級映画でした


はっきり言ってしまえばクソ映画
でも、嫌いにはなれない

クオリティの高い映画を求めてしまえば
この映画はクソつまらないと思うけど
そもそも、このタイプの映画に高望みをする
というのが野暮ですし

軽い気持ちで広い心を持って観てみれば
まあ、ありじゃないかな
ってくらいの映画ですよ

ストーリーはいかにもB級で型にはまったような
よくある展開の連続

復讐するだけの物語ですからね
一言でこの映画を説明できてしまうくらいの
単純な内容です

だから、観やすいと言えば観やすい
でも、ありがちすぎて退屈でもある

正直、途中から若干飽きてきます

最後にはどんでん返し的な展開も用意されてますが
唐突すぎて笑えます
伏線とかも全然ないし
急に、黒幕はこいつでした
みたいな展開がやって来る

しかし、これが全くの予想外と言うと
全然そうでもなくて
途中からたぶんこいつ悪い奴なんだろうな
と察することができてしまうんですよね

ダンボールの荷物を持ってくるくだりとか
あまりにも不自然すぎで序盤からめっちゃ怪しいし

基本的に妻を殺したと思われるゴローを追って
ひたすら戦うだけの映画なので
何も考えずに観ることができました
ずっとボーっとしながら観ていた

まあ、懐かしのB級アクション映画みたいな
雰囲気もあってそんなに嫌いじゃないですが


そして、ツッコミどころがとても多いです
変な描写だらけ

そもそも、忍者の設定が謎

第2次世界大戦で活躍していた旧日本軍の忍者部隊
なにそれ?
忍者ってそういうのだっけ?

それが当たり前のような世界観に
ちょっと笑ってしまいます

それに普通に甲賀流忍者の道場とかもあるし
そこには日本人だけでなく外国人も多数いる
こんなの空手の道場でしょ
やってることも空手みたいなことですし

忍者ってそんな感じではないよね?
アメリカの人から見ると
忍術も空手も同じようなものなのか?

タイにも忍者道場があったりもするし
全然忍んでない
月謝を払えば忍術を教えてくれそうな勢い


他にも変なシーンとかがたくさんあって

妻にプレゼントするアクセサリーとか
マジで笑ってしまう

なんなんですか? あのゴツいネックレスは?
どんな服に合わせればいいのか
てか、あんなのどこで売ってるねん

普通にアクセサリーショップみたいな所で買ってたけど
あんなの売ってないから


居酒屋とかも笑ってしまう

どんなコンセプトの居酒屋だよ
店員の女の子がコスプレみたいな変な格好をしてるけど
店の内装は普通のよくある日本らしい居酒屋

明らかにバランス崩れてるし
どの層がターゲットの居酒屋なのかわからん


コンビニも全然日本のコンビニっぽくないし
あれアメリカのコンビニでしょ
よく洋画であんなコンビニ出てくる

夜中にケイシーがコンビニに出掛けるときに
妻がチョコレートと海苔を買ってきてくれ
とか言うけど

海苔ってなんだよ
あのタイミングで海苔ほしくならんやろ
アメリカ人は海苔をなんだと思ってるのか
日本人はポテチを食べるように海苔を食べてるとでも思ってるのか?


とにかく変な日本描写が多くていちいちツッコミたくなる
こんなギャグみたいなシーンがたくさんあるけど
やってる本人たちはいたって真面目なので
それが逆に面白くなってきます

あんなダサいネックレスを本気で選んで妻にプレゼントするんですから
もう笑うしかないですよね

こういうとんでも日本描写も嫌いじゃない


で、そんなギャグみたいな映画だけど
無駄にアクションシーンがカッコよかったりする

アクションがカッコいいから普通にテンションが上がってくるんですよ

肉弾戦は迫力あるし
戦闘の見せ方もカッコいい
ちょっと残酷だったりバイオレンスな描写もあって
刺激的な映像も気持ちを上げてくれます

アクションだけ見るとなかなかクオリティも高いと思うしそれだけで気持ちを掴まれました

ただ、一つ言いたいのは
これカンフーじゃない?

忍者アクション映画と言うより
カンフーアクション映画って言うほうがしっくりくる

確かに刀を使ったり忍者っぽい衣装を身にまとったりするけど
ほとんどカンフーみたいな肉弾戦がメインだし
忍者っぽい武器もそんなに使わない

とは言え、忍者っぽさとカンフーがごちゃ混ぜで
あまり違いがわかってない感じも愛おしく思いますけどもね

 

いろいろと酷い映画でした
日本を舞台にしたり忍者をテーマにするなら
もう少し日本を調査しろよ
ホントに可愛い映画ですね

ベタすぎて退屈なところもありますが
アクションがカッコいいから意外と引き込まれる
酷いところも含めて
なんか嫌いになれない映画でした

 


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映画「ミッドサマー」感想 面白い映画ではない こんなタイプの映画は嫌いじゃないけど

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どうもきいつです


ホラー映画「ミッドサマー」観ました

スウェーデンの奥地を訪れた大学生たちが遭遇する
悪夢のような出来事を描いたホラー作品
とある村で90年に1度開催される夏至祭で起こる
衝撃的な様子が映し出されます

監督は「ヘレディタリー 継承」で注目された
アリ・アスターが務めています

 

あらすじ
思いがけない事故で家族を失ったダニーは
大学で民俗学を研究する恋人やその友人たちと
スウェーデンの人里離れた土地に訪れ
90年に1度行われる祝祭に参加することになる
太陽が沈まないその村は色とりどりの花が咲き
村人たちはとても親切でまるで楽園のようだった

 

感想
正直言って面白くない
すごく退屈な映画だと思います
ただ、そこで描かれているものはとても興味深く
嫌いな映画ではない
さすがに2時間以上は長すぎると思うけど…

 

アリ・アスター監督の前作「ヘレディタリー 継承」がとても好きなので
監督の新作である本作はかなり楽しみにしていました

しかも、本作はやたら話題になってますね
評判もすごく良いし

僕は日曜日に映画館へ観に行きましたが
満席でした

これは予想外です
こんな映画が満席になるとは思っていなかった

「ヘレディタリー 継承」を観た人ならわかると思うけど
この監督の作品は絶対に万人ウケじゃないでしょ

なのに、映画館にはいろんな層が観にきていました
若者グループ、老夫婦、10代くらいのカップルなど

なぜこんなにたくさんの人が観にきているのか?
宣伝が多くされていたからか
カラフルなポスターの影響か
その辺はよくわかりませんが…

ただ、この状況はちょっと面白くもありました

 

で、映画の感想ですが

大絶賛の声もすごく多い作品で
そういうこともあり、とても期待していたんですが

正直、そんなに面白くない
みんな何故こんなにも褒めたたえているのか
少し疑問に思ってしまうほど

でも、独特な世界観だったり映像センスだったり
クセの強い作家性を感じる作品なので
この映画が好きな人がいるのは納得できます
僕もこの映画は嫌いじゃない

そうは言え
「ミッドサマー」最高!! 絶対みんな観るべき!!
みたいなテンションの人も結構多くて

いや… この映画観てこのテンションになるのはズレてない…?
とも思う

このテンションでオススメされて観たとしたら
この映画つまんね…
って思ってしまう人がほとんどだと思いますよ

まあ、そんなことはどうでもいいんですけどね
感想なんて人それぞれですし

 

そんなことより映画の内容ですが

ストーリーなんてほとんどない

若者たちが変な集落に訪れて
変な風習に驚いて
最終的に怖い目に会う

ただそれだけの物語です

物語の展開は淡々としていて
ストーリーにひねりがあるわけでもなく
特に目立った動きはありません

所々にギョッとさせられる場面はありますが
基本的にすごく退屈な内容

ストーリーの先の展開も大体予想できて
驚く要素も無い

そして、本作は一応ホラーという位置付けだと思いますが
わかりやすいホラー的な演出は全然無いんですよね
多少グロいシーンがあったりはしますけども

雰囲気で言うと2018年版の「サスペリア」になんとなく似ていると思う
あの映画ほどのおどろおどろしさはありませんが
どことなく似てる気がした

「サスペリア」に関しても面白い映画ではありませんでしたし


それと、伏線がすごい
とか言ってる人も多く見ますけど
この映画、さほど伏線無いですよね?

途中で出てくる絵とかを伏線と言えるかもしれないけど
物語の先を示唆してる役割を果たしていますが
伏線というにはあからさますぎですし

むしろ、もう少し伏線張ってほしかったくらいです

人が殺される描写とか唐突だし
誰が殺したとか
なぜそんな殺し方をしたのかとか
その辺はすごく曖昧だったりする

クリスチャンが村の女の子から好意を寄せられるのも唐突ですよね
前置きくらいはあってもいいと思うけど

あまりストーリーが練られている印象はありませんでした
淡々と出来事を見せて行く
という感じの作りの作品だったと思います

 

とにかく、別に面白い映画ではないですかね

この絶賛している人の多さは謎
こんなにみんながが絶賛する映画じゃないでしょ

「キャッツ」の評判が悪くて
この映画の評判がすごく良い
という状況はよくわからん

どっちも意味不明映画でしょうに
まあ、この映画を褒めてればコアな映画ファンっぽくは見えますけど

 

そんな否定的な意見になりましたが
別に嫌いな映画というわけではないです

むしろ、こんなタイプの映画は好きなんですが


特にこの映画の魅力と言えば
美しい理想的な村の姿と常識から逸脱した風習の
ギャップの気持ち悪さだと思います

花が咲き乱れすごく美しい村の風景に優しい人々
この世の楽園のようにも見える世界観
そんな中で、たびたび見せられる気持ち悪いもの

グロテスクなものだったり不快なエロ描写だったり
意味不明な儀式もなんか居心地が悪い
そんなのにとても違和感を感じ
なんか不安を煽られてしまう

終盤に向けてその気持ち悪さが加速していき
最後には爆発する
そこには怖さや嫌悪感を感じて
ちょっと味付けの違ったホラーのようで
結構、楽しめました

 

そして、主人公ダニーの目線でこの映画を観ると
救いの物語にも思えて
最後のシーンにはカタルシスを感じました

このラストシーンはすごく意味深で
人によってはバッドエンドにも思えるでしょう

ただ、僕にはハッピーエンドのように思えた

絶望的な状況で
精神的にも追い込まれているダニーが
この村の人々と出会うことで救われるんですよ

常識とか当たり前のこととか
そういう考え方に縛られて苦しんでいる人を
救ってくれるような物語になってる


ダニーは彼氏のクリスチャンに依存しきって
気持ちの共有を求める人なんですが
そんなダニーに対してクリスチャンやその友人たちはどこか腫れもの扱いしている
面倒くさい女みたいな扱いなんです

でも、それって普通のことで
一般的には人間というものは
個々が自立してそれぞれが努力をして幸せをつかみ取る
みたいな考えが常識

他人に依存する人間は弱い、未熟
という考え方がこの社会の常識なんですよ


ただ、本作に登場する村では
それとは全く逆の考え方で
村人全員が一つの存在という考え方

映画の中ではそれをホラー的な見せ方をしてたりしますが
僕はこの考え方は全然ありだと思えた

例えば、一定の年齢を過ぎると自ら命を絶つ
という描写も
個人として考えると命を粗末にしているように思えるけど
村が一つの命として考えれば
年老いたものが死んでも、新たに生命が生まれるのならば、それはサイクルの一環というだけ

古い髪の毛が老け落ちて新しい髪の毛が生えてくる
それと同じようなことだと思う

この村の人たちにとって命というのは
個人のものでは無くて自然の一部
ということだと思います
だから、人が死ぬこと殺すことは
罪でも何でもないわけです


そして、命を共有しているだけではなく
感情や行動も共有している

この映画で特に印象的な子作りのシーンなんかも
1対1ではなくて
村の女性たちとクリスチャンという風に描かれていましたし
終盤のダニーが泣き叫ぶシーンでは
周りにいた女性たちも一緒に泣き叫ぶ

精神面でも一つの生命のように感じられるんです


一見、常識から逸脱した異常な世界ではありますが
ダニーからすれば
居心地の悪い常識的な社会よりも
この村の非常識な社会のほうが居心地がいいし
理想の世界なんです

この村だからダニーは自分らしく生きることができる
彼女の最後の笑顔は幸せの笑顔なんだと思えます
ここにはちょっと感動すらした

ダニーが最後にクリスチャンの命を選んだのも
彼を恨んでいるからとか見限ったとかではなくて
ダニーがこの村の価値観を完全に理解して
彼を愛しているからこそサイクルの中に取り込んだ
というようにも見えました


この映画を観ることで
人間の価値観や常識の曖昧さも感じさせられた
とても興味深い内容の映画だと思います

 

興味深い映画ではあるけども
さすがに147分は長いかな…

淡々としたシーンがほとんどでこの長さなのは
観るのにストレスを感じるのは否めない

もう少し簡潔にテンポ良く見せてほしかった
というのが本音です

 

みんなが絶賛してるけど面白い映画ではない
その言葉を信用して観に行くと痛い目を見るかも
あと、ポスターのカラフルな雰囲気だけで
観るのも…

明らかに大衆向けの映画じゃないのに
満席状態が続いているというのも面白い現象で
この人たちがどういう感想なのかもちょっと気になります

万人ウケの映画ではありませんが
好きな人は好きだろうなって映画です
僕も嫌いじゃない
めっちゃ好きというわけでもないけど

 


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