何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「酔うと化け物になる父がつらい」感想 想像よりも暗く重い ちょっと何を伝えたいのかわかりにくいかな

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どうもきいつです

ドラマ映画「酔うと化け物になる父がつらい」観ました

菊地真理子の実体験に基づいたコミックエッセイを実写映画化した作品
アルコールに溺れる父親とその家族の姿を赤裸々に描いた物語です

「ルームロンダリング」などの片桐健滋が監督を務め
主演は松本穂香と渋川清彦です

 

あらすじ
毎日酒に溺れる父と新興宗教はまる母を持ち
少し変わった家庭環境で育った田所サキは
普段はおとなしいのに酔うと化け物のように変貌する父の行動に悩まされ
いつしか自分の心を閉ざして過ごすようになっていた
そんなサキだが、明るい妹や学生時代の親友に支えられながら
つらい日々を漫画として笑い話に昇華することで
なんとか毎日を生きていたが…

 

感想
酒に酔う父親を面白おかしく描いた映画だと思っていたら
想像してたより暗くて重い映画だったので驚いた
面白かったかと言うとちょっと微妙
結局、何を見せたい映画なのかよくわからなかった

 

原作のことは全く知らず
なんとなく予告を見て気になったので
映画館まで観に行ってきました

予告を見た時点では
酒に酔う父親を面白おかしく見せるコメディー
最後に感動のいい話でお涙頂戴
みたいな映画だと思ってたんですけど

実際に観ると
すごく暗くて重たい
かなりネガティブな内容の映画

予告では感動的な映画みたいな宣伝のしかたをしてましたけど
ラストに関しては感動的なのかもしれないけど
なんかネガティブな暗い終わりかたで
ちょっと重たい気持ちになりました


思ってたのと違うからダメなのかと言うと
全然そんなことはなくて
正直、そんなことはどうでもいい


肝心なのは
この映画が面白いのかどうかということ

で、個人的にはあまりハマらなかった
別につまらない映画だとは思いませんが
特に何かすごくよかった部分があったのかと
考えてみても
いまいちこの映画のここがすごい!!
って部分は思い浮かばない


全体的に中途半端でどっち付かずな気がしたし
この映画のメッセージも
誰に向けられてるのか?
何を伝えたいのか?

最後まで観てもあまりそこが見えてこなかった

 

まず、最初にこの作品がとても暗い映画だと言いましたが
完全に暗い映画ではありません

特に序盤なんかは酔っ払った父親をコミカルに描いていたりもする
それ以外でも所々にコミカルな演出があったり
笑わそうとしてるんだろうなってシーンはあります

ただ、シリアスな部分とコミカルの部分の
バランスが悪いような気がするんですよね

いまいちこの映画をどういう気持ちで観ればいいのか定まってこないんです

笑えばいいのか?
暗い気分になればいいのか?

全体の印象は暗いんですけども
実はポップにしようとしているところも結構多い

冷静に観てみれば
シリアスとコミカルが半々くらいになってるように思えます

だから、どっち付かずの中途半端な作品に
なってしまっていると思うわけです

この映画は
暗い映画なら暗い映画
コメディーならコメディー
と、どちらかに振り切るべきだったと思う


それと、どうしても気になってしまった演出が
心の声を吹き出しで表現するという部分

これは、最終的には意味のある演出ではあるんですが
それにしても、この吹き出しが出てくる度に
暗い雰囲気がぶち壊されてしまう
せっかくいい感じで暗くネガティブな空気かんが生まれてきても
吹き出しが出てくることによって
これまでの雰囲気作りの積み重ねが崩れてしまう

でも、この吹き出し演出の全てが悪だとは思っていなくて
逆にこの吹き出しをもっと多用していたほうがよかったんじゃないかと思うんですよ

この吹き出しに関しても中途半端で
中途半端にちょくちょく出てくるから地味に気になって邪魔に思ってしまう

でも、思いきって吹き出しをうざいくらい
終始使いまくっていたら
それはそれで面白い表現になってたと思うし
この吹き出しの必要性や意味ももっと強くなるはず

最後の吹き出しが崩れるシーンも
さらに印象的でカタルシスが生まれると思うんです

 

そして、酔った父親の描写も
やっぱりどこか中途半端になってしまってる

嫌な酔いかたをしていますがどこか可愛げもある父親という描写が多く
この父親がそこまで嫌な父親には見えない

客観的に映画を観ている側からすると
これくらいなら許してやればいいじゃん
って思ってしまうんですよね

確かに主人公のサキからしてみれば
こんなのが子供の頃から毎日続いているわけで
そりゃ嫌にもなると思いますけど

でも、映画を観ている側からすれば
そんな時間の積み重ねは体験してきていないので
いまいちサキにも感情移入できないですし
酒に頼ってしまう父親目線からも観てるので
一体何を中心にこの映画を観ればいいのか
ちょっとブレた気持ちになってくる

酔った父親に翻弄されるサキを見せたいのか
無口だけどいろいろ抱え込んで酒に呑まれてしまう父親を見せたいのか
ここもやっぱりどっち付かずになってると思う


あと、サキに感情移入できないのは
エピソードの弱さっていうのもあると思いました

酔った父親のエピソードがどれもいまいち弱いというか
あまり化け物感がないんですよ

酔っぱらいオヤジあるあるみたいなエピソードが
最後まで続くだけ

これも毎日続いていれば嫌になるのが理解はできるけど
そこまで感情移入できませんよね

このエピソードの中でもっと酒の怖さやヤバさを
見せてほしかったですね

この映画のエピソードだけ見ても
別に酒がそこまで怖いものだとはあまり思えなかった

僕の父親も酒飲みだからあれくらいのエピソードはあるし


ちょっと否定的なことが多くなりましたが
いいと思った部分もあります

特に良かったのは親子のすれ違いの描きかた

サキと父親が最後の最後まですれ違い続け
気づいたときには後の祭り

こんなのを見ると親子のコミュニケーションの大切さがすごくわかる

全部1人で抱え込んでしまう父親と
自分の気持ちを表に出さない娘

この映画は酒がどうとかよりも
家族と向き合うことから逃げてしまった親子の
過ちの物語でもある

そう思えば
家族を描いたドラマとしては
なかなか深い内容のようにも感じました

サキの妹が酔ってろれつの回ってない父親と会話できるという
サキとの対比の表現も面白かったですし


母親が狂っていく過程の描きかたなんかにも
ゾッとさせられたりしました
酔った父親がうとうとしているところに包丁を突き立てる場面とかマジで怖かった

家族の描きかたは面白い部分がたくさんありましたし
深さを感じることもできました

 

ハマらなかったと言いつつも
心に刺さる場面もいくつかあったし
つまらない映画だとは全然思わない

吹き出しの演出も微妙に思ってしまいましたけど
挑戦的な表現でもあって好感は持てます

もっと酒の怖さは表現してほしかったですが…
でも、いい部分もいくつもありましたし
悪い映画ではないと思います

 


酔うと化け物になる父がつらい

 

 

映画「レ・ミゼラブル」(2020年)感想 誰が悪い、誰の責任、とかではなく これは人々が目を背けてきた報い

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どうもきいつです


ドラマ映画「レ・ミゼラブル」観ました

ビクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」の舞台として知られ
現在は犯罪多発地区となっているパリ郊外モンフェルメイユで起きる
現代社会が抱えている闇をリアルに描いた社会派ドラマ
少年が起こした小さな事件が思いがけない騒動へと
発展していきます

モンフェルメイユ出身で現在もそ地に暮らす
ラジ・リの長編初監督作品で
第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しています

 

あらすじ
パリ郊外のモンフェルメイユには低所得者や移民たちが多く暮らしており治安が悪かった
その警察署の犯罪防止班に新しく配属されたステファンは
同僚たちとパトロールするうちに複数のグループが緊張関係にある事を察知する
そんな中、イッサとういう少年が引き起こした些細な事件から
事態は取り返しのつかない大きな騒動へと発展していく

 

感想
どこか別の国の出来事で
映画の中の物語ではあるものの
これは他人事ではない話
子どもは大人の背中を見て育つ
形は違えどこれは日本でも起きていることだと思った

 

現代社会に切り込んだようなちょっと小難しそうな
雰囲気もある本作ですが
以前から気になっていたので観てきました

実際に観てみると
そんなに小難しい内容ではなくて
単純に現代社会から生み出された歪みが故の
悲劇を描いた作品

全く救いも何もなく
ただただ悲惨な現実を突きつけられるような内容だと思います

だからこそ現代社会について考えさせられるし
他人事ではなく自分の身に降りかかるかもしれない
という危機感も感じれる映画

 

まず、この映画が面白いのかどうかと言うと
別に面白い映画ではありません
エンタメ性はほぼ無いです

淡々とモンフェルメイユの現状を伝えている
といった内容だと思います

特に中盤あたりまではあまり掴み所が無くて
いまいちどういった方向へ進んでいく映画なのかも
あまりわからない状態が続き
ちょっと退屈に思ってしまうかもしれない

でも、途中から話が大きく動き出してきてからは
先の展開が気になるし
殺伐とした雰囲気や緊張感で
一気に映画の中に引き込まれていくので
そこからは退屈さは全くない

とは言え
ラストはすっきりしないし
何か救いがある物語でもないので
リアルな社会の現状を突きつけるという側面が
とても大きい作品で
エンターテイメント的な面白さは少ないです


これは2018年に日本で公開された「デトロイト」と
とても似ていますね
「デトロイト」の場合は実際に起きた出来事を
描いているわけですが
それを通して社会の闇や現代でも抱える問題を
突きつけるような作品になっていた

まるでドキュメンタリーを見ているような気持ちにさせるリアルな作風という点でも
本作と「デトロイト」は似てると思います

 

この映画を観た人たちは
主人公のステファンの感情移入して観ると思います
そして、ステファンがこの物語の中では
唯一の善意と言っていいです

ステファンはストーリー上も
街の外側から来た存在で立場的には映画の観客と同じ位地なわけです

そんなステファンとともに観客も
この街で起きていることを目の当たりにして
自分の知らなかった世界を知ることになる

正直言って
僕もフランスのイメージと言ったら
ニュースで見た暴動デモのイメージもありますが
基本は華やかでオシャレ
みたいな漠然としたイメージしかなく

この映画で描かれているような
貧困や移民の問題や治安の悪さのような
暗い現状というのは全然知らなかったくらい

この映画を観て感じたのは
フランスってこんな感じなんだ…
という自分の無知さ

 

そして、この映画からは
そんな現状から生まれてくる社会の歪みが
ひしひしと伝わってきます

本作を観てほとんどの人が感じるのは
ステファンと行動を共にしている
クリスとグワダに対する怒りや胸糞悪さ
だと思います

この2人、特にクリスは警察という権力を振りかざしかなり横暴な人間
観ていてすごくイラつくし嫌いになる

ただ、この映画では
そんな横暴な警察が悪なのかというと
そうではなく

この街ではいろんなグループが対立し合っていたり
そこに宗教的な価値観も入り組んでいたり
そんな状況に鬱憤がたまっている人間もたくさんいるわけで
街自体が収拾のつかない状態に陥ってしまっている

この現状には
明確な原因、明確な悪、明確な解決法なんて
存在しなくて
そんな治安の悪い場所で警察が狂ってしまっていくのも当然とも思える

で、なぜそうなってしまったかと考えると
臭いものには蓋をして見て見ぬふりをしてきた社会
問題の解決を先送りにして後回しにしている社会
その積み重ねの結果がこの現状だと思う

誰が悪いのか? 誰の責任なのか?
そんな次元の問題は通りこして
どうしようもない問題に膨れ上がってしまってるんです

それが、子供たちの若い世代にも影響を及ぼして
悪循環が続いていく


こんな収拾のつかない状況は
結局、警察も力でねじ伏せるしかなくなって
強引で無理やり治安を保たなければならない

そのせいで変に自分が力を持っていると思ってしまう輩が警察の中にも生まれる

そして、その結果
怒りや恨みが溜まり溜まって
本作のラストのような悲惨で虚しい結末を生んでしまう

 

本作で重要なのは子供たちの存在で

最終的に子供たちの不満や怒りが爆発して
あのような暴力的な行動に及んでしまうわけですが

これは単純に子供を怒らせたら怖いな
って話ではなく
子供は大人の背中を見て育つ
というところにヤバさがある

よく最近の若者はどうだとか
最近の子供はおかしくなってきている
とか言いますけども

そうなってしまう社会を作っているのは大人
もっと言えばそれを築き上げてきた先人たち

子供たちはそんな大人の背中を見て育ち
大人の作った社会に順応して育っていく

大人たちが生み出した問題のしわ寄せが
子供たちに影響を及ぼして
結果的に子供たちが歪んでいく

言わば大人の鏡に映った姿が今の子供の現状

他人事のように
最近の子供はおかしいとか言う人も多いですが
この問題はそのままお前たち大人たちの問題でもあるぞ
と言いたい

 

この映画でも
大人同士がいがみ合っていたり
自分の保身のために横暴な態度をとったりしている

この現状では誰が悪いとか何が原因だとかは
言えないですが

子供たちはそんな大人たちを見て育ち生きて行くのだから
最終的にあんなにも暴力的で不毛な行動を選択してしまうのは当然とも言えます

 

最後は
火炎瓶を持つイッサと銃を構えるステファンが
睨み合い幕を閉じてしまいます

どちらに転ぼうがいい結末を迎えるわけがなく
そして、このラストは完全に観客に丸投げのラストで
納得いかない人もいるかもしれない

でも、そんな丸投げなラストだからこそ
この社会に対する問題提起になっていて
その問題は一人一人が考えなきゃいけないことでもある

こんな問題には明確な答えなんてあるわけがなく
だからこそ一人一人が考えなきゃならないことなんですよね


遠い国の現状で
日本人としては漠然としたことかもしれないけど
同じような問題は日本も抱えているわけで
やっぱりそこを無視し続ければ
最終的にはこの映画での出来事は起きうることだと思います


この映画では
そんな現実を突きつけられて
とても勉強になったし考えさせられました

 

観ているのが辛くなるような映画ですが
この映画を観て損はないと思う

最後の子供たちの姿には社会の歪みを感じて
そんな世界はどうにかしなきゃならない
どうにかするには一人一人が問題に向き合って
目を背けないことが大事
そう思わされました

 


レ・ミゼラブル 全4冊 (岩波文庫)

 

 

映画「ドクター・ドリトル2」感想 この映画は吹き替えのほうが面白いかも

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どうもきいつです


コメディー映画「ドクター・ドリトル2」観ました

前作「ドクター・ドリトル」のヒットを受けて
製作された2001年のコメディー映画
前作で動物と話すことができる医者として
有名になったドリトルが新たな騒動に巻き込まれる

監督はスティーブ・カーが務め
主演は前作同様にエディ・マーフィーです

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
動物と話しができることが世間にしれわたり
ドリトルは日々忙しく過ごしていた
そんなある日、森のビーバーからメッセージが届く
それは、人間により森の木々が伐採され動物たちの居場所が脅かされているというものだった
ドリトルは森の開発を中止させるため
絶滅危惧種のメス熊に子供を作らせ法的に森を保護しようと思いつき
同種のオス熊サーカス育ちのアーチを見つけ出す

 

感想
真面目に観たらおかしなところがいっぱいある
ドリトルが医者として活躍していなかったり
メッセージは子供だましだと思うし…
でも、軽い気持ちで観たら笑えるし楽しめる
それに、なんと言っても動物が可愛いから多少のことは許せます

 

前作「ドクター・ドリトル」に続きテレビで放送されていたので観てみました

「ドクター・ドリトル2」はたぶん観たことない
今回はじめて観たと思います

本作も前作同様に軽いノリが楽しい映画だったと思う
そして、前作同様に子供だましの微妙な映画でもあると思う

ただ、個人的には本作も結構好き
ドリトルと動物たちの会話のやり取りが面白いし楽しめました
動物たちもみんな可愛い
特に今回は熊のアーチーがめっちゃ可愛かった

単純に熊が可愛いというのもありますし
アーチーのキャラクターが愛嬌あって癒されるんですよ
フワフワした性格がとても可愛い


正直言って、感想は前作とほとんど変わらないです
人間ドラマや起きている出来事は変わってるんですけど
ほとんどやってることは同じだと思う

ドリトルが動物を救うために奮闘し
家族との絆のドラマも描かれて
そして、バカバカしい会話で笑わせる

そのどれもが若干レベルが低くて微妙な気もしてしまうけど
軽い気持ちで観れば笑えるし楽しい


普通は続編になると
以前よりもよりパワーアップした内容であったり
マンネリ解消のために少し方向性を変えてたりするもんで

その結果、前作より面白くなったり
逆につまらなくなったりするんですが

本作の場合は
別に面白くてなってもいなければつまらなくもなっていない

最後まで観終えても
前作を観たときとほぼ同じような気持ちになった

良いと思う部分も前作と変わらないし
悪いと思う部分も前作と変わらない

だから書くことがほとんど無い

前作「ドクター・ドリトル」の感想で僕が書いたことがそのまま当てはまるんじゃないかと思うほど

だから、何を書こうかとも思ったんですが


本作を観てあらためて思ったことがあります

この映画
たぶん吹き替えのほうが面白い

逆に字幕で観たらそんなに面白くないかもしれません

それほど日本語吹き替えの声優の演技が素晴らしい

「ドクター・ドリトル2」に関しては吹き替えがいくつかあるみたいですけども
僕が観たのは山寺宏一がドリトルを演じている
テレビ朝日版でした

この映画は山寺宏一が吹き替えをやってるから面白いんじゃないか
とも思えてくる

あのテンポのいい喋り
すごく聞き心地がいいです

感情の表現とかも素晴らしいし
コミカルな演技も完璧
彼の喋りで感情が揺さぶられる
そして、笑わされる

何より、なんかすごくアメリカンな雰囲気がでますよね
山寺宏一が吹き替えをやっていると
俺、今洋画観てる
って気持ちにさせられる

もし、他の声優がこの映画の吹き替えをやっていたら
ここまで「ドクター・ドリトル」の魅力を引き出せたのでしょうか?


そして、山寺宏一だけでなく
熊のアーチーを演じている山口勝平も素晴らしい

ただでさえ可愛い熊のアーチーですけども
その可愛さを100%以上に引き出していると思う

熊の動きや仕草と山口勝平の声がリンクしすぎている
とにかく可愛すぎるんですよ

フワフワしたマイペースな雰囲気を
完璧に声で表現しています


カッコいいキャラはクールで超カッコよく
コミカルなキャラは滑稽でバカバカしく
可愛いキャラは胸を締め付けられるほど愛くるしい

こんなにも変幻自在に声を操れる山口勝平スゲーなって思わされますよね
今さらですけど


この映画だけではなく
海外のコメディー映画って吹き替えのほうが
笑いやすいのかもしれませんね

字幕で観るなら
英語がわからなければ文字を読むしかなくて
細かい言葉のニュアンスはわかりにくく
文字だと冷たく感じたりもすると思うし

英語が聞き取れたとしても
日本で生まれ育った人間だったら文化や感覚の違いであまり笑えないこともあると思う

でも、吹き替えなら日本人にもわかりやすく噛み砕いた表現もしてくれたり
言葉の雰囲気や強弱もよりわかりやすく感じ取れる

見た目で笑わすようなものは万国共通かもしれないけど
言葉で笑わすとなると
やっぱり日本人なら日本語が一番笑いやすいと思います


それに本作のような映画を観れば
声優のすごさも感じれますしね

本作は冷静に観れば中の下くらいの
かなり微妙な映画だと思いますけども

日本語吹き替えのセンスがいいから
元の映画より面白さが絶対に底上げされている

この映画だけでなく
吹き替えだからこそ魅力がアップしている洋画は
たくさんあると思います


よく、字幕と吹き替え
どちらがいいのかの論争が起きますけども

こんな映画を観れば
吹き替えは吹き替えで違った魅力を感じれて
別物の作品になってるようにも思える


どちらがいいのかと言うよりも
字幕と吹き替えどちらがいいのかっていうのは
作品によっても違ったり
観る人によっても違ったりすると思うので
一概にはっきりと分けることはできない

絶対に字幕
絶対に吹き替え
と、どちらかに決めてしまうのはもったいないですよね

吹き替えだからこそ面白い映画もある
それほど日本の声優の能力はすごいということです

 

書くことが無さすぎて
ほとんど本編と関係ない話になりましたが

結論は
この映画自体は大したことない映画ですけど
吹き替えなら面白く観れると思います

軽い気持ちで観れば笑えて楽しい
そして、熊がめっちゃ可愛く癒される

僕はこの映画が結構好きです

 


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特撮「騎士竜戦隊リュウソウジャー」感想 盛り上がるまでが遅すぎた 印象に残るエピソードもあまり無い

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どうもきいつです


特撮ドラマ「騎士竜戦隊リュウソウジャー」観ました

2019年3月から2020年3月までテレビ朝日系列で
毎週日曜日に放送されていた特撮ドラマ
スーパー戦隊シリーズ第43作目となる作品です
モチーフは騎士と恐竜
古代人類リュウソウ族の中から選ばれた5人が
地球を支配するためにやってきたドルイドンから
地球を守るために戦う物語

 

あらすじ
古代から騎士竜の神殿を守り続けてきたリュウソウ族の末裔のコウ、メルト、アスナの3人は
マスターからリュウソウジャーを継承する
そんな時、6500万年前に宇宙へ脱出したドルイドンが地球へ襲来する
ドルイドンが生み出したマイナソーと戦うため
コウたち3人に加えバンバ、トワの5人は
リュウソウジャーに変身して地球を守るため戦いに挑む

 

感想
最終回近くになるまでなかなか盛り上がらない
そこに至るまでのエピソードに関しても
あまり印象に残るものが無く
全体的にすごく薄かった気がする
良いところもたくさんあるだけに
ちょっともったいなかったかな…

 

「騎士竜戦隊リュウソウジャー」の放送が終了したので感想を書きたいと思います

スーパー戦隊シリーズはここ10年ほど毎年欠かさず観ていて
いつも楽しませてもらっています

スーパー戦隊は仮面ライダーシリーズと違い
パターンやお約束などが固まっていて
より子供向けの印象があると思いますが
実際にそうで

仮面ライダーに比べると大人が観ている率は少ないと思う

ストーリーも毎回同じような内容だし
かなりシンプル
子どもでもわかりやすい内容になっていると思います


色分けされた5人のヒーローと
後々に登場する追加戦士
毎週、戦闘の終盤には巨大ロボットバトル
リーダーは赤

などなど、いつも大体このパターン
初期メンバーが3人とか
微妙に違う時もありますが
それはそれで型にはまったパターンだったりします

仮面ライダーに比べると
かなり子供向けに作られているシリーズです

そんな、お決まりのパターンや
あくまで子ども向けの作りという制限の中から
大人が観ても面白く思わせるようなものを
見せてくれたりもするから
とても興味深いシリーズでもあると思っています


そして、前作のルパンレンジャーVSパトレンジャーは戦隊が2組登場したり
前々作のキュウレンジャーはメンバーが9人いたりと
最近の戦隊は若干パターンを崩してきていました

最近の戦隊はマンネリから脱却しようとしていたのかもしれないです

 

で、本作はと言うと
王道の戦隊ヒーローに戻ったって感じです

ストーリーは5人の戦士が地球を守るために戦う
といった
かなりシンプルでスーパー戦隊らしい内容

色分けやキャラ設定も王道で
赤、青、ピンク、緑、黒で
それぞれその色っぽい性格だったりします
追加戦士も金色とわかりやすいですね

モチーフは男の子人気の高い恐竜で
スーツやロボットのデザインは
奇をてらった斬新なデザインではなく
カッコよさ重視です


悪い言い方をすると
守りに入っていると言うか
全然攻めてないとも言える

ただ、最近のスーパー戦隊が大幅にパターンを崩してきたのが続いたので
タイミング的にはこの王道パターンは良かったんじゃないかと思う

恐竜だしデザインはカッコいいし
子どもたちは大好きなんじゃないかと思います

 

でも、僕個人の感想としては
ちょっとつまらなったです

王道のストーリーやカッコいいデザイン
登場人物それぞれの個性
それらは僕もすごく好きなんですけど

全体的にすごく薄かった印象
あまり記憶に残ってない

面白くなかったと言うよりは
エンジンがかかり出すのが遅すぎたんじゃないかと思う

本作が盛り上がってくるのは最終話までの4、5話くらいで
そこまではほとんど盛り上がりが無く
個々のエピソードもすごく弱い

本作で強く記憶に残っているのは
終盤のあたりだけなんですよね

 

まず、終盤の話からすると

終盤の展開はすごく好きです
すごく盛り上がる

どんでん返し的な展開がありますし
それぞれのキャラクターの魅力もすごく光ってる
敵だった奴らと力を合わせたりもする

なにより、リュウソウジャーたちの絆や友情が
めちゃくちゃ熱くて
最高なんですよ

ラスボスの絶望的な強さも素晴らしい
コイツを倒したとしてその後どうするんだよ…
ってくらい街がぶっ壊れますから


ラスト付近になると
これでもかと言うほど
盛り上がる要素が詰め込まれているわけです

このラストだけでも十分盛り返せているようには思いますけど

やっぱり、思い返してみると
総合的には微妙だなと思ってしまう

1年間の放送の中でテンションが上がったのは
たった1ヶ月ほどなんですから

そう思うとリュウソウジャーはそんなに面白い作品とは言えないって感じですね

 

何が微妙だったかの話をしていくと

登場人物の個性があまり目立ってこない

リュウソウジャーのメンバーにしろ
敵キャラにしろ

みんな魅力的な個性を持っているのに
いまいちそれが生かされていない印象でした

全48話あるのに
あまりキャラクターが深掘りされなかったです
唯一、リュウソウレッドのコウはいろいろと優遇されてるエピソードが多かったし
葛藤や成長が描かれてるんですけど

他のキャラクターはあまりですね…


個人的にはリュウソウピンクのアスナがすごく好きで
いいキャラしていたと思うんですが
最終回付近まで全然目立ってこない

と言うか
終盤でめちゃくちゃいい役割を果たすだけに
これまでがすごくもったいなく感じてしまいました

天真爛漫で楽天的なリュウソウジャーの中でも
妹的な存在の彼女ですが
終盤ではメンバーを引っ張っていくような今までにないような一面を見せて
その展開がすごく熱くもあるんですけど


そこに至るまで
他でアスナの内面を掘り下げるエピソードが
ほとんど無くて
ただの大食いノーテンキ女の子って印象しかない

だから最終回のアスナが唐突な気もしてしまってちょっと違和感ある

途中のエピソードとかでもっとわかりやすく
アスナの内面とかバックボーンを多少なりとも
見せてほしかったですね


追加戦士リュウソウゴールドのカナロなんかも
ギャグ要員としていい味出していたんですが

結局、最後までギャグ要員で終わてしまった感じがちょっと…

真面目なカナロのエピソードもありますけど
基本的に毎回
婚活のギャグありきのエピソードだったりするので
最終的にちょっとダサい感じで終わってしまう

こんなダサいキャラだからこそ
すごくカッコいいエピソードとかを
用意してほしかったんですけどね

最終回でカナロの心が折れてしまうのも
さすがにダサすぎると思ってしまった

ここはカナロよりバンバとかの心が折れてしまう方が良かった気がする


途中で登場する関西弁が印象的なナダの話は
本作の中ではすごく良いエピソードですが

完全に死ぬために用意されたキャラというのが
見えてしまっていたので少し萎えてしまった

唐突にナダを登場させるより
序盤からナダの存在をちらつかせたりした方が感情移入できて感動できたと思う


あと、敵キャラもみんないいキャラしてるんですけど
それは敵キャラ単体が魅力的なだけで
敵の組織自体には全然魅力が無かった

と言うか
本作は敵が組織立っていない

だから、敵の存在をあまり脅威に感じれなくて
敵がショボく見えてしまいました

 

それと、本作は全体的に真面目すぎたようにも思う

それぞれのエピソードが毎週真面目な内容で
同じことの繰り返しになってしまっていたと思います
なので、かなり序盤の回で飽きてくる

せっかく48話もあるんだから
バカバカしいギャグ回とか
意味のわからない変な回とか
もっといろんなパターンのエピソードが観たかったです

そうすれば全体にメリハリも生まれたでしょうし最後まで飽きずに観れたかもしれない

 

否定的なことが多くなりましたが
戦闘シーンはすごくよかったですね

リュウソウルを使った様々な能力アップの効果を使ったアクションは観ていて楽しい

キャラによって得意な戦闘方法があったり
使うリュウソウルにも個性が出ていたり
アクションシーンでの個性の見せ方は
すごく上手かったと思います

スーパー戦隊のアクションは安定して面白いですね
ここは安心して楽しめた要素でした

 

原点回帰のような王道のスーパー戦隊は
全然嫌いじゃないし
むしろ好きなくらいですが
王道だからこそ真面目に作り過ぎたのかも

設定は王道でも内容はもっと攻めても良かったのかもしれません
そうすればいろんな化学反応が起きて
キャラの魅力もさらに引き出せたかもしれませんね

アクションはいつも通りカッコよかったし
そんなに悪い作品ではないと思うんですが

でも、印象が薄くて記憶に残らないような作品になっていました

 


スーパー戦隊シリーズ 騎士竜戦隊リュウソウジャー Blu-ray COLLECTION 1

 

 

映画「スケアリーストーリーズ 怖い本」感想 ホラーとしてぬるい気はするけど それなりに楽しめた

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どうもきいつです


ホラー映画「スケアリーストーリーズ 怖い本」観ました

児童文学「誰かが墓地からやってくる」シリーズを映画化したホラー映画
本に綴られた恐ろしい物語が現実になり
それが主人公たちに襲いかかる

「シェイプ・オブ・ウォーター」などのギレルモ・デル・トロがストーリー原案、企画、製作を手掛け
監督は「ジェーン・ドウの解剖」「トロール・ハンター」などのアンドレ・ウーブレダルが務めています

 

あらすじ
ハロウィンの夜
幽霊屋敷に訪れた高校生のステラたちがそこで古い本を見つけ
本の中には数々の怖い話が綴られていた
そして、ステラは本を持ち帰るが
その本には新たな物語がひとりでに書き加えられていき
物語の主人公となった人物たちが消息不明になっていく

 

感想
ホラーが好きでよく観ている人には少し物足りないかも
子供向けのホラー映画って感じでした
でも、童心に戻って観てみるとなかなか面白いと思う
それなりに楽しめる映画でした

 

ギレルモ・デル・トロが携わっているということで
以前から楽しみにしていた映画だったので
観に行ってきました

児童文学が原作なので一応子供向けのホラーなんですかね?
そのわりには怖すぎる描写も多々ありましたが

とは言っても
それは子供が見たら怖く思うかもってくらいで
大人、ましてやホラーが好きな人が見れば
全然怖くないと思います

正直言って物足りないです
ホラーと言うからにはもっと怖いものを期待していたというのが本音

本作はホラーはホラーでもかなりファンタジー色が強いホラーだと思います

ギレルモ・デル・トロが関わってるホラーって
だいたいそんな作品が多いですよね
「永遠のこどもたち」「MAMA」とか
どこかファンタジーの要素を含んでいる
逆にファンタジーがホラーっぽかったりもしますが

本作もそれらと同じくファンタジー要素が強いです
登場するお化け的な存在たちも
とてもキャラクター性があって

怖さというよりもちょっと面白かったり興味深かったり
デザイン性が重視されていると思いました

予告にも出てくるあの太った女の人みたいなオバケなんて
インパクトがすごくあって印象深い風貌ですが
怖いのかと言うと怖くない
むしろ、ちょっと面白かったり可愛くも見えたりする

他のオバケたちも同じで
案山子とか体がバラバラになる奴とか
インパクトがあって記憶には残るけど全然怖くはない

こういうキャラクター性重視という部分でも
ファンタジーな雰囲気がとても醸し出されているんですよ


それに残酷すぎる描写や気持ち悪すぎる描写なんかもなく
ちょっと残酷、ちょっと気持ち悪い
みたいなライトな表現が多かったと思います

普段からやりすぎなホラーを好んで観ている人からすれば
この映画のホラー表現はぬるすぎると思いますし
全然物足りないでしょうね
もっと刺激が 欲しいと思ってしまいます


ストーリーに関してもちょっとぬるい気がしてしまう
仲間たちが犠牲になっていく物語ではありますが
主人公を含めた主要人物2人は最後に助かりますし
ハッピーエンドな結末を迎えます
犠牲になった仲間たちも死んだという描写はなく
もしかしたら助かるのかもと思わされ希望を感じれる
嫌な奴は完全に案山子になってましたが

あまり理不尽な物語ではないんですよ
全ての元凶であるサラも
最後はすごくものわかりがいいですしね


ここでも、ホラーならもっと理不尽に主人公たちを追い込んで欲しいと
もっと刺激を求めてまう


全体的にホラーとしては刺激が少なく物足りないんです
もっと怖いものを
もっと気持ち悪いものを

この映画を観ているとそういうのが欲しくなってしまう


ただ、これって過激なホラーを求めてしまってるからそう思ってしまうだけで
そこを取っ払って観てみるとそこまで悪い映画ではないように思います
むしろ、結構面白くて楽しめるお化け屋敷ムービーになっていると思った

この映画を観てるとどこか懐かしい気持ちになったんですけど
これ子供のころに観た「学校の怪談」とかに雰囲気が似てる

子供目線で観ると
すごく怖い
けど、なんかワクワクもする
怖いけど楽しい映画って感じがするんですよね


ストーリーはかなりシンプルでわかりやすく
複雑さや小難しさは一切ない

単純に
本を手にした主人公たちが得たいの知れない何者かに順番に狙われていくって内容で
それだけで最後まで一気に突っ走っていくようなストーリーです

勢いだけで進めていくストーリーですけど
それがあるから軽い気持ちで楽しめる

ライトに怖がれてライトにワクワクできるわけです
お化け屋敷のようなアトラクションを楽しんでるような感覚


ちょっとファンタジーな雰囲気が漂う世界観も
そう思ってみると意外といい味を出していて
楽しめる要素になってくる

個性豊かなオバケたちも魅力的だし
そこから怖さだけでなく楽しさも生まれてきます


ホラー演出に関しても
かなりベタでわかりやすい
ホラー好きならこれも単純すぎて物足りないかもしれないけど
シンプルでわかりやすいから
軽い気持ちで怖がれて楽しめる

王道の演出だからこそ
お化け屋敷的な面白さが生まれてるんだと思います

主要人物たちは高校生で
子供が観ればとても感情移入しやすい年頃ですし
大人が観てもちょっと懐かしいような気持ちで観ることができる

主人公たちも上手くキャラ分けされていて
とても好感的です

主人公のステラは悩めるオタク系の女子

他にも
別の街からやって来た転校生的なポジションのキャラや
お調子者だけどビビり、気は弱そうだけど危機感のないヤツ
典型的ないじめっこ
イケてるっぽい女の子
みんなキャラクターがわかりやすい

個性的なキャラクターたちが揃っているので
その点でも観ていて楽しめる映画だと思う

 

魅力的な要素がたくさんありましたし
全体的にバランスもよかったので
普通に楽しめる映画

刺激的なホラーを観る気持ちで挑むより
軽くファンタジー映画を観るような感覚のほうが
この映画を楽しめるんじゃないかと思いました

童心に戻った気持ちで観ると
ワクワクさせられたし面白く観ることができました

 


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映画「ザ・グレイ」感想 すごく地味でつまらない映画かもしれない でも、この映画がすごく好き

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どうもきいつです


サバイバルアクション映画「ザ・グレイ」観ました

アラスカのツンドラ地帯で起きた飛行機事故の生存者たちが
過酷な大自然の中で決死のサバイバルを繰り広げて行く姿を描いた2011年の作品
主人公たちが生き残りをかけて
大自然の猛威や人間の命を狙う狼の群れに挑みます
ソフト化される際に「THE GREY 凍える太陽」から「ザ・グレイ」という邦題に改題されました

リドリー・スコットとトニー・スコットの兄弟が製作を務め
監督は「特高野郎Aチーム THE MOVIE」などのジョー・カーナハン
主人公をリーアム・ニーソンが演じています

 

あらすじ
石油採掘場に雇われた射撃のプロであるオットウェイは発掘現場で働く男たちとともに飛行機に乗っていた
しかし、飛行機は大嵐に巻き込まれ墜落
そこは周囲が大雪に覆われるアラスカの山中だった
生き残ったオットウェイたちは生きて帰るべく南へ向かうが
厳しい自然環境や彼らの命を狙う狼の群れが襲い掛かる

 

感想
すごく地味な映画だと思う
ストーリーにはそんなにひねりがあるわけでもないし
すごく派手なシーンや面白い展開があるわけでもない
特別目立った演出があるわけでもない
とても暗い印象もありますし
ラストに関してもスッキリしないと思う
でも、僕はこの映画がすごく好き

 

この映画はとても好きな映画で
かなり心に残っている作品です

とは言え
かなり前に観た映画だったので
久しぶりに観てみました

 

この映画ほとんど話題にも上がりませんよね
まあ、そりゃそうかって内容です


正直言って
この映画最高だからみんなおすすめだよ!!
とは言えない映画

エンターテイメント性は中途半端で
すごく暗い内容の映画
基本地味なシーンが多くて
ストーリーも地味でパッとしない


かと言って
カルト的に人気を誇るような映画でもない

ただのサバイバル映画ですからね
特別奇抜な演出があったりもしないし
独特なストーリーってわけでもない

特別この映画だからこそ目立つ要素
というのは無いと思います

その点でも他の映画に埋もれてしまいそうなほど
地味な映画

 

冷静に考えれば微妙な部分もたくさんある作品だと思います

主人公の内面は描写不足ですし
他のキャラクターもいまいち個性が発揮されず
みんなヒゲ面というのもあって見分けがあまりつかなかったり

主人公のオットウェイが何を考えてるのか
あまりわからなかったりしますからね

暗く思い悩んでいたと思ったら
急にリーダーシップを取ろうとしたりするし
情緒がよくわからない

そんな男について行くのその他の登場人物たちも
なんでこんな奴について行くの?
って疑問も生まれてしまう


そして、道中さまざまな困難に立ちふさがれて
それを乗り越える方法がちょっと無理ありませんか
ってこともちらほら

崖から降りる方法なんてさすがに強引過ぎるかと…


人物描写やストーリーの展開など
ちょっと雑な気もしてしまいました


でも、サバイバル映画としては面白い場面が多々ありますし
見応えもあると思う

まず、極寒の雪山に飛行機事故で墜落してしまった
という舞台設定
これは、絶望的すぎてサバイバル映画として
すごく素晴らしい設定

こういうのは追い込まれれば追い込まれるほどいいんですよ
いかに助かるのが困難な状況に追い込まれるか
それが大事です
この映画の場合はほぼ100%助からないような状況

そこに追い打ちをかけるように登場する野生の狼

絶望感がたまらなくいい

狼との攻防戦はなかなかスリルがあるし
ビクっとさせられるシーンなんかもあって
恐怖も表現されている

狼が強すぎるんですよね
群れをなしてものすごい大量にいるし
狼がめちゃくちゃ怖いです


その上、一面雪だらけの真っ白な世界も
見ているだけで寒くなってくるし
色彩を感じさせないこの世界には恐怖も抱かされます
雪しかない殺風景な景色は美しくもあり死を感じさせる

そんな中で仲間たちが1人、また1人と
順番に次々と命を落としていくんです
どんなに必死に生きようとしても
この大自然の前には人間なんて全くの無力

とにかく、この絶望的な舞台はサバイバルにはうってつけ
スリルと恐怖を味わえる作品だと思います

 

面白い部分もあれば微妙な部分もあり
映像やストーリーは基本地味
なので、多くの人がこの映画を地味でつまらない映画と感じるかもしれません

僕もこの映画をすごく面白い映画
だと言い切ることはできませんが

でも、この映画がすごく好き
それだけは言える


何が好きなのかと言うと

全てを諦めてしまった男がもう一度立ち上がる姿
そこにグッとくる

あまり詳しくは描かれていないけど
主人公のオットウェイはたぶん妻を亡くして
生きる意味を見失っている人なんですよ

自暴自棄になっていて自殺すら考えている
彼にとって妻だけが生きる意味だったのだと思う

でも、やっぱり自殺することはできない
中途半端な状態だったりします

そんな生きているのか死んでいるのかわからないような男が
死と隣り合わせの極限の状態に陥ってしまったからこそ
あらためて自分の人生に向き合い
生きる意味を見いだしていく物語でもある


この映画のラストシーンは観る人によって
これで終わり?
って思ってしまうようなブツ切りな終わり方で

この先どうなるの?
何も解決してなくない?
と思うのが当たり前のようなラストです

このラストが嫌いな人もいるでしょうね
中途半端で投げっぱなしにも見えるので


でも、僕はこのラストがすごく好き
と言うか、この終わり方をしていなかったら
この映画を好きではないと思います

この映画の全てはこのラストシーンに詰めこまれていると思う

オットウェイの最期の決断
あの決意に満ちた表情
ここに来てオットウェイは再び立ち上がるわけです

生きるため
そして、死ぬために

オットウェイが狼に勝ったかどうか
生き残ることができたかどうか
そんなのはどうでもいい

この映画の結末はそこじゃないんですよ

この映画はオットウェイが再び立ち上がった瞬間がクライマックス

1人の男が
生きるとは何か?
死ぬとは何か?
それを悟った瞬間にこの物語は終わりなわけです


あのラストはしびれます
ほんとにめっちゃカッコいいと思う

エンドロール直前のあの目がとてつもなく素晴らしい

このラストを見せてくれただけで
この映画は最高に好きな映画になりました

 

たぶん、この映画を観てつまらないと思う人はたくさんいると思う
つまらないと思わなかったとしても
よくある普通の映画くらいに思うかもしれません

でも、僕の心にはすごく刺さった
この映画はすごくカッコいいと思う
ラストシーンは超好きです

僕以外にもこの映画が心に刺さる人はいるはず

 


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映画「ドクター・ドリトル」(1998年)感想 軽いノリが面白くて笑えた いろいろと強引な気はするけど

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どうもきいつです


コメディー映画「ドクター・ドリトル」観ました

児童文学作品「ドリトル先生」シリーズを原作に
90年代を舞台にアレンジされた1998年のコメディー映画
動物の言葉がわかる医者とユニークな動物たちが
繰り広げるコミカルな物語を描いています

監督は「プライベート・パーツ」のベティ・トーマス
主人公のドリトルを演じるのはエディ・マーフィーです

 

あらすじ
妻と娘2人に囲まれ、幸せな生活を送っていた医者のドリトル
ある日、車で轢いてしまった犬の怒鳴り声を聞いた彼は、それをきっかけに幼い頃に持っていた動物と会話する能力を取り戻す
やがて、ドリトルの元に様々な悩みを持った動物たちが訪れるようになる

 

感想
ドリトルと動物たちの軽いやり取りが面白くて笑える
みんな個性的で見ていて楽しい
まあ、ストーリーはかなり強引な展開で
無理があるような気はしました

 

たまたまテレビで放送されていたので観てみました
前にも観たことがありますが
子供の頃だったのでかなり久しぶり
ほとんど内容も覚えてないくらいでした

エディ・マーフィーが動物と喋れる
くらいの薄い記憶しか残ってなかった


で、久しぶりに観てみたところ
結構笑えるし楽しめました

動物は可愛いし
謎にテンションが高い作風に笑わされる
撮影にいろいろと工夫が凝らされてるんだろうな
とか興味深い視点でも映画を観れました

原作からはかなり改変されてるみたいですね
そもそも原作と時代が違うようですし

 

で、内容はどうだったかと言うと

まず、ドリトルのキャラがなかなか面白いですね
最初は結構嫌なヤツ
ちょっと性格がひねくれてる感じがよかった

そんなドリトルと動物たちとのしょうもない会話が笑えました

特にドリトルとラッキーはいいコンビで
2人の会話が笑えるしなんか可愛い
漫才みたいな掛け合いがテンポよくて面白いです

あと、オランウータンの場面とかめっちゃ笑った

これは吹き替えで観たからっていうのも
あるのかもしれません
吹き替えだからわかりやすく言葉が伝わってきて

この軽い感じのノリには吹き替えで観るのがちょうどいいのかも


動物たちもみんな個性豊かで見ていて楽しくなってくる
そして、みんな可愛い

今思えばこの時代はCGの技術はまだまだだったでしょうし
動物の撮影にはいろいろと工夫が凝らされていたんだろうなって思えます

今ならCGで本物のような映像をパソコンを使えば作り出せますが
この時代ならなかなかそうもいかないですし

そんな中でも、上手くリアルに作られている
実際に動物に演技をさせている部分もたくさんあるだろうし
アニマトロニクスを駆使して撮影もされてます

アニマトロニクスは若干ロボットっぽく見えるときもありますけど
さほど気にならないくらいリアルに表現されてる
実際の動物も使ってるから
いいバランスで全部本物の動物に感じれるんですよね

犬が喋るときは明らかにエサを食べさせて口をパクパクさせてるのも愛嬌があってちょっと面白い

今この時代の映画を観ることで
当時の頑張りとか工夫を感じれるのは
なんかワクワクもさせられました


そんな感じで
いろんな意味で面白い映画ではありますが
ストーリーは正直微妙

全体的に強引に話が進んでいくし
いまいち盛り上がりにも欠ける気がした

物語がしっちゃかめっちゃかだし
ドリトルはなんか情緒不安定だし
観ていてよくわからなくなってくる

結局、なんの話だっけ?
って気持ちになってきます

家族愛なのか個性の大切さなのか
ドリトルの成長や選択を描きたいのか

なんか全部が中途半端なような…

ドリトルが動物と話せるから医者として動物を治療する能力を発揮していく
という部分がこの映画では重要な要素だと思いますが

ここもちょっと中途半端

ドリトルがあまり医者っぽいことをしてないんですよね

実際に治療するといったら
ネズミとトラくらいなもので
他の動物はただのお悩み相談みたいな感じで終わってしまう

もっと医者として力を発揮していく展開のほうが
盛り上がると思うんですが
子供向けのコメディーみたいな展開で
最後まで押しきってしまうから
少し全体のレベルが低い印象です

動物を治療する場面もなんか抽象的で
どんな病気かもよくわからないまま
ご都合主義で手術が成功する

その辺はリアリティが無くていまいち物語に入り込めない要因でした


あと、ドリトルがすごく情緒不安定なのも気に待ってしまいます

めっちゃ身勝手なことばかり言ってると思うと
急に動物たちを救いたいみたいなことを言う
かと思えば、やっぱり自分には関係ないってなったり
でも、最後は自分の生き方はこうだって結論になる

感情や気持ちの変化は重要でキャラクターの成長の表現にもなると思いますけど

この映画の場合は
変化の原因や行動原理がよくわからないまま
ただ感情が極端に変わっていくだけなので
ドリトルが精神不安定なおっさんにしか見えない

ドリトルの内面性とか気持ちがわかるエピソードを
もう少し丁寧に描いたほうがよかったんじゃないかなって思ってしまった


他にも

ドリトルが精神病院に送り込まれるけど簡単に出てこれたりとか
周りの人たちのものわかりがよすぎたりとか
トラの手術を手伝ってくれた人が誰かわからなかったりとか

いろいろと気になる点が多かったりします

全体的にストーリーが雑だったんだと思います

コメディーの部分は勢い任せだったほうが
むしろ笑えたりするんですけど
ストーリーも同じく勢い任せになってて全部が強引
だから、あまり物語には入り込めずストーリーはつまらない印象でした

 

笑えるけどストーリーは微妙
そんな感じの映画でした
でも、個人的には笑えたし楽しめました
思い出補正もあるかもしれませんが結構好きです

ロバート・ダウニー・Jrで新作が公開されますが
こっちのほうは原作に忠実っぽいですね

 


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