何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ブラック・フォン」感想 脱出サスペンスとオカルト要素の組み合わせ そしてジュブナイル

どうもきいつです


ホラー映画「ブラック・フォン」観ました

ジョー・ヒルの短編小説「黒電話」を映画化した作品
誘拐犯により密室に監禁された少年が
黒電話から聞こえる謎の声に導かれ脱出を試みるサイコスリラー

「ゲット・アウト」などのジェイソン・ブラムが制作を手掛け
監督を務めるのは「エミリー・ローズ」などのスコット・デリクソン
連続誘拐犯を演じるのはイーサン・ホークです

 

あらすじ
子供の失踪事件が相次ぐコロラド州のとある町
気弱な少年フィニーは学校から帰る途中に
マジシャンだと言う男に声を掛けられそのまま誘拐されしまう
気が付くとフィニー地下室に閉じ込められいた
頑丈な壁と鉄格子の窓により脱出不可能なその部屋には断線した黒電話があったが
その電話が突如鳴り響く
電話越しに聞こえてきた声は死者からのメッセージだった

 

感想
いろいろ詰め込んだ大雑把な映画だったけど
全体的に上手くまとまっていて楽しめた
脱出劇やホラー映画としてもとても面白い作品でした
結末のカタルシスが気持ちいい


ポスターのインパクトに惹かれ観てきました

なんとなく
誘拐された少年を描いたシリアスなサスペンススリラーだと想像してましたが
良い意味で予想を裏切られたような作品でしたね

本作は良くも悪くもB級な映画で大雑把な印象も受けますが
アイデアやら力業やらで最終的には面白く思わされる

個人的にはこんな映画は大好物
楽しく観れるエンターテイメントだと思いました


僕の場合は前情報なしで予告も見ずに観に行ってきたんですが
それもあって序盤は掴み所がなく
この先面白くなるのかな?
と、少し不安も感じました

作品の方向性がなかなか見えてこない上に
結構、淡々と物語が進んでいったりもします

序盤は若干退屈にも思えてしまいました
一体、今何を見せられてるのかな…?みたいな

まあ、良く言えば予測のつかない映画ではあるんですけどね


ただ、主人公のフィニーが誘拐されてからは
一気に物語が加速していきます
そして、この映画の方向性も見えてきます

だから、ここからはシンプルに楽しめる映画になっている
余計なことを考えず
気づいたらラストになっています

誘拐されてからは
監禁された地下室からフィニーが脱出を試みる脱出劇です
それがこの映画のメインなわけです

で、ただ脱出するだけではなく
タイトルにもなっている黒電話が面白く機能していて
それが本作の個性でもある

この黒電話からかつて誘拐犯に殺された少年たちから電話が掛かってきて
その電話の助言をヒントにフィニーが脱出を試みます

このアイデアがやっぱり面白いですよね

脱出劇のサスペンススリラーみたいなのはよくあるけど
それにオカルト要素をぶち込んでくる作品はあまり観たことないので
なんか新鮮さも感じれましたし


さらに、少年が主人公というのもこの作品の面白さ

脱出劇のハラハラドキドキだけでなく
少年の成長物語にもなっていて
ジュブナイルものの面白さもあるんですよね

終盤にかけて
少年の成長、友情、兄妹愛など
このタイプの映画では味わえないような熱さや感動を味わうことができました

ホラー要素はちょっと薄めだけど
要所的にホラーな場面もあって怖さも感じれる
ホラー要素が良いエッセンスになっていたと思います

 

そんな面白さを基盤に
最終的には結末のカタルシスがすごく気持ちいい映画なんですよ

そもそも、力では大人に到底及ばない子供が
ヤバい誘拐犯のもとから逃げ出す
ってだけでもカタルシスがあるわけですが

本作はそれに上乗せするようにいろいろ用意されていて
より結末が気持ちよく仕上げられています


脱出するに至るまで
電話の声に従いフィニーはいろいろと試みます
地面に穴を掘るだとか窓の格子を外すだとか
でもそれらは上手くいかず失敗に終わる

ただ、無駄だと思っていたその失敗が
最終的に集束して脱出するための手助けになるんですよね
これがめっちゃ気持ちいい


フィニーの成長も終盤の盛り上がりには欠かせない

はじめは弱々しかった少年が
最後には誘拐犯に立ち向かうほど心が強くなります
ここもカタルシスを盛り上げる要素です

強くなるきっかけの
殺された友達からの電話の場面
ここが最高でしたね

誘拐犯を殴る練習をするシーンがすごく熱い
ここだけなんかジャンルが違ってました


さらに本作は
脱出劇でありながら復讐劇でもある
ここも重要ポイント

普通なら逃げ出して終わりじゃないですか

しかし、この映画はそれでは終わらないんですよ

最後にはフィニーが誘拐犯を倒します
ここもやっぱりカタルシスですよね

しかも、ただ倒すだけじゃなくてしっかり殺す
誘拐犯に殺された少年たちの意思を受け継いだフィニーが
大人と子供の力の差をいいことに好き勝手やってた誘拐犯をぶっ殺します
ちゃんと全員ぶんの捨て台詞を浴びせて殺す

これが最高に気持ちいいラストでした

少年が人を殺すラストって倫理的にどうなんだ?
と思いつつも
こんな酷いおっさん殺されても文句ないし
気持ちいいから最高です


いろんな要因で終盤がすごく盛り上がる映画でした
序盤が退屈だったのを忘れるくらい
終わり良ければ全て良しですね

 

あとは
主人公の妹がとても良い存在感を放っていましたね

正直、この妹はあんまり役に立ってないし
予知能力も説明不足で唐突な気もする
この妹必要ないんじゃないのか?
とかも思いましたが

彼女がいることで感動が生まれてましたし
ドラマに深みが出てたようにも思えます

何よりも妹が可愛らしく
そして健気で
すごく良いキャラになってましたよね
この映画の中で一番存在感が溢れていたかも

妹の存在が本作の味にもなっていました

 

雑な部分や説明不足な点なども多く
ちょっと大雑把な映画で

誘拐犯の目的がよくわからないだとか
フィニーたちと父親との関係性の描写が中途半端だったりだとか
ツッコミどころが多々あるのは否めない

とは言え
全体的に勢いがあって
雑な部分はそんなに気にならなかったかも

むしろ、雑な部分でさえ本作の魅力のようにも思えます

意外と気楽に観れるエンタメ映画でした
B級映画が好きな人にはハマると思います

 


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映画「バズ・ライトイヤー」感想 ガッツリとSFアクション

どうもきいつです


アニメ映画「バズ・ライトイヤー」観ました

「トイ・ストーリー」シリーズに登場するおもちゃバズ・ライトイヤーのルーツを描いたアニメ映画
「トイ・ストーリー」などのピクサー・アニメーション・スタジオが手掛けています

監督は長編映画デビュー作となるアンガス・マクレーン
主人公バズの声を担当するのは「キャプテン・アメリカ」などのクリス・エヴァンス
日本語吹き替え版では俳優の鈴木亮平が務めています

 

あらすじ
スペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーは1200人の乗組員たちとともに危険な惑星へと不時着してしまう
仲間たちを全員帰還させるため
バズは超高速のハイパースペース燃料のテストに挑む
しかし、テストを繰り返すことでバズ以外は64年もの年月を経ていたのだった

 

感想
少しピクサーらしくない作風
SF設定が練られているぶん子供は置いてけぼりかも
そして、「トイ・ストーリー」だけが好きな人は
この作風はハマらないかもしれません
正直、地味な映画
ただ個人的には結構好き

 

ピクサーの新作ということで
期待して観てきました

本作はちょっと特殊な作りで
「トイ・ストーリー」のバズが主役の作品ですが
「トイ・ストーリー」のスピンオフというわけではなく

「トイ・ストーリー」の世界でおもちゃのバズの元となった映画
という体の作品

なんか複雑ですけど

「トイ・ストーリー」の劇中に存在する作品を実際に映画にしました
って感じの作品なんですよね

なので、「トイ・ストーリー」を求めてこの映画を観ても
そこに「トイ・ストーリー」はありません

本作は「バズ・ライトイヤー」であって「トイ・ストーリー」とは別物だと思ってください

 

そういうこともあるので
若干、賛否が割れそうな映画ではあります

特に今までのピクサー映画とは毛色が違うので
そこで好き嫌いが別れると思う

本作は少し大人向け…
と言うか、オタク向けな映画になってます

めちゃくちゃSFなんですよ
ちょっと子供は置いてけぼりだと思うし
ディズニー好き女子なんかも置いてけぼりかもしれませんね

まあ、子供でも男の子ならこういうのは好きかも

「トイ・ストーリー」だからと本作を観てしまうと温度差がすごいです


世界観はいかにもSFな世界観で設定もかなり凝ってます

雑なSF映画とかだと設定に矛盾があったりツッコミどころが多いけど
本作は時間を扱ったSFですが目立った矛盾もなく
複雑ではあるけどわかりやすさもあります

SFの設定はかなりしっかり作り込まれていて完成度が高いと思います

 

その反面、ストーリーはかなりシンプルで
そんなに捻りはないですかね

主人公バズの目的は終盤まで惑星から脱出することで
それを阻む敵と仲間たちと絆を深めつつ戦っていく
というようなストーリー

その上、すごく盛り上がるような展開もなく
結末ものカタルシスも薄いような気がするし

なので、本作には地味な印象を受けると思います
色彩もちょっと無彩色な感じかな

同じピクサー作品の「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」みたいな華やかさがちょっと弱いかなと思う


でも、それはつまらないわけではなく
渋いって感じなんですよ

だからこそ子供はちょっと置いてけぼり

本作で描かれているメッセージや
バズの葛藤や立ち向かうべきものは
大人だからこそ噛み締めれると言うか

辛酸を嘗めてきた大人が共感できるような作品で
僕はそこにとても惹かれました


本作のテーマは後悔だと思います
過去に過ちを犯して後悔に縛られた大人たちへのエールのような映画になってる

僕は本作を観て勇気づけられたし救われたような気もしました


バズは自分のミスのせいで多くの人を危険な惑星に止めてしまうことになり
脱出のためにミッションを繰り返すけど成功に至らず
ついには相棒を失ってしまう
そこに後悔の念を抱いて縛られています

ただ、その失敗から生まれたかけがえのない存在もまたあって
過去の過ちを肯定してくれる物語になっている

あの時ああしてればと思うけど
あの時こうしていたから今がある
という、シンプルで当たり前なメッセージではあるけれど
このメッセージがとても心に刺さりました

さらに、このテーマがSFの設定ともすごくマッチしてますよね

バズ以外の時間だけが経過していったり
終盤に過去を変えるチャンスが訪れたり
未来の自分との対峙なんかもテーマが深まる要素になっていたと思います

地味だけど綿密に作り込まれてるな
と感じさせられる映画でした


SFの設定が凝っているぶん
ストーリーがシンプルになっているので
無駄に複雑になりすぎない絶妙なバランスにもなっていたと思いました

 

あとは、毎度の事だけど映像のクオリティは抜群です
本作はいつも以上に気合いが入っていたようにも思えました

アニメのクオリティを誉めるのは今さらですね


今回のアクションシーンに関しては
これも少しいつもと違う感じがしました

いつものピクサーなら可愛らしくて楽しいアクションで
子供が好きそうな感じなんですが
本作はアクションもオタク向けって感じですね
SFっぽいアクションが多く
本格的なバトルみたいな場面も多かった
殺伐としてたりもするし

こういうのをピクサーに求めてない人もいるかもしれませんが
僕はツボにハマって最高でした

 

それと、今回は日本語吹き替え版で観たんですが
キャストがハマってましたね
まあ、ピクサー作品は毎回吹き替え版のキャスティング良いですけど

中でも猫ロボットのソックス
これがすごく良かった

お笑い芸人のかまいたち山内が演じていましたけど
彼の人間味の無さがめちゃくちゃハマってましたよね

ロボットらしさを感じれる
でも、どこか可愛らしさもあって
とても魅力的なキャラになってました

バズ役の鈴木亮平もめっちゃ良かったです
もし、本作のバズも所ジョージが声をやってたら
逆に違和感すごくあったと思う

 

ピクサーらしいクオリティの高さは保ちつつ
今までと違う作風に新鮮味を感じれました

いつもの可愛らしい作風が好きな人からすれば本作はどう目に映るのかな
と、少し興味が湧く

SF好きな大人なら本作は刺さるんじゃないでしょうか

 


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映画「妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪」感想 最後までふざけきってほしかったかも

どうもきいつです


コメディ映画「妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪」観ました

テレビドラマ「妖怪シェアハウス」シリーズの劇場版
気弱な澪と妖怪たちが共に生活し成長していくコメディドラマ
本作では澪と天才数学者との恋の行方が描かれます

監督はドラマ版から引き続き豊島圭介が務め
主演を務めるのはドラマと同じく小芝風花です

 

あらすじ
作家を目指す澪は相変わらず妖怪たちと楽しく暮らしていた
世間では自分の好みを反映したAIと恋愛するアプリが流行し
澪もそのアプリにはまってしまう
そんなある日、澪は恋愛アプリのAIそっくりの天才数学者AITOに出会い恋に落ちる
そんな中、彼女の周りの妖怪たちに異変が起きるのだった

 

感想
良くも悪くもテレビドラマ版の延長線
個人的には妖怪シェアハウスらしさを楽しめました
正直、全体的に薄い内容だし
終盤は真面目すぎるのでそこは不満
最後までふざけてほしかった

 

小芝風花ちゃんが好きなので観に行ってきました


「妖怪シェアハウス」はシーズン1から観ていましたが

正直言って
このドラマのシーズン2が作られたのは謎だし
映画化するのはもっと謎
どこに需要があるのか?
そんなドラマ

とは言え、個人的には好きなドラマで
特にシーズン2は面白かったんですよね
何よりも小芝風花が可愛い

需要があるとすれば
小芝風花のことが好きな人たちですかね

それ以外の人には全く興味のないドラマだっただろうし
映画もわざわざ観に行く人は少ないかもしれません


で、まずは「妖怪シェアハウス」の何が面白いのかと言うと
コメディのノリか狂っていて面白い

特にシーズン2はふっ切れたように
登場人物たちの掛け合いはキレキレになってたし
物語の内容もかなりふざけていて
真面目に観たら負け
みたいなドラマに仕上がっていました

シーズン1はそこそこ真面目なドラマだったんですけども
シーズン2で化けたって感じですかね

そんなちょっとイカれたドラマの中で見せられる
小芝風花ちゃんの表情豊かな演技はとても素晴らしくて
このドラマの最大の魅力だったと思います

 

そして、この映画の話になりますが
ドラマで良かった部分はちゃんと引き継がれていて
「妖怪シェアハウス」らしさは見せてもらえました

そもそも、設定からして
バカバカしくてブッ飛んでますよね

世の中の人たちがAIの恋人に夢中で現実の恋愛には全く興味を持たなくなっている
という、近未来ディストピアみたいな

でも背景は現代の日本で
その上、妖怪が普通にいるわけです

このシュールさが「妖怪シェアハウス」らしいですよね

それに、変な世界観ではあるけど
みんながスマホアプリに夢中で恋愛に興味がなくなるって部分をコミカルに描いていて
それが笑える反面で現代社会への皮肉になってたりもする

そういうのもまた「妖怪シェアハウス」らしさだったりもします

人間がスマホの中のAIに神を見い出しそこから新たな妖怪が生まれる
という展開は
妖怪をテーマにしている作品としても納得できて
妖怪とは何なのかを現代社会を通して描けていたと思います


そして、やはり「妖怪シェアハウス」と言えば
主人公の澪と4人の妖怪たちの掛け合い
これが面白くて
本作でも健在です

ユルくてしょうもない会話の連続で
その上、よくわからん変な場面もたくさんある
意味のある会話なんてほとんどない
でも、それが笑えるし癒されるし

この5人がいる世界がクセになるんですよね
ずっと見てたくなる

みんなそれぞれ個性が立ってるし
見てるだけで楽しくなってくる


中でも、ぬらりひょん役の大倉孝二がいい立ち回りをしてましたよね

テレビ版でもそうでしたけどツッコミが絶妙で笑えます
間とかもすごくいいし
アドリブもあるんですかね

このぬらりひょんがいるから
めちゃくちゃやってても最終的になんかまとまってるようにも思うんですよ


お岩さんの松本まりかも良いですよね
狂った演技が最高でした
はまり役だと思います

こんな変なドラマではまり役を見つけてしまったということも面白い


で、やっぱり小芝風花ですよね
彼女が最高に可愛かったです

普通そうに見えて実は1番狂ってる澪を
コミカルに演じきっていました

澪って頭悪いし同じ過ちをひたすら繰り返すし全然成長しないキャラクターで
主人公としてどうなの?って女の子です

下手したら嫌われてしまいそうなキャラクターなんですけども
小芝風花の愛嬌があるから全部許せると言うか
もはや可愛いでしかないですからね

彼女が大画面のスクリーンにずっと映っているだけで幸せ
満足です

 

「妖怪シェアハウス」の魅力を十分に感じることができましたが
不満な点もあって

良くも悪くもドラマの延長で
言ってしまえば映画館で上映するレベルではないかな
とは思ってしまいました

全体的にチープなのは否めないし
映画のだからこその特別な何かはあってもよかったのかな…

まあ、小芝風花を大画面で観れる利点はありますが


それと、終盤ですね
これがやはり微妙

途中まではいい感じに狂ってるし笑えるしで楽しく観れていました
ミッドサマーパロディーとか笑えましたし

ただ、終盤に近づくにつれ真面目になっていき
結末も真面目すぎるんですよね

最後の澪とAITOが対峙する場面は
テンポ悪いし無駄に長いし退屈に感じてしまった
動きもあまりないですしね

説教臭くなってしまってるのも残念


真面目な場面があってもいいけど
その中でもふざけてほしかったし

特にラストは変な終わりかたしてほしかったです
綺麗な終わりかたはしてたけど
普通すぎて面白くない
どうせなら最後まで狂ってほしかった

終盤まではテンポよくバカバカしいことをしていたのに
最後に真面目になって滞ってしまうので
あまり気持ちよくないんですよね

もともと変なドラマな上に需要もあんまりないんだし
いい感じに置きに行くんじゃなく
やらかして爪痕を残してほしかったというのが正直な感想

多少めちゃくちゃやったところで小芝風花が可愛いから全部許せるでしょうしね

 

不満点もありましたけど
小芝風花ちゃんが可愛いから全て良し

小芝風花が好きなら観なければ損な映画です

まあ、小芝風花が好きな人はみんな観てるか…
なら、おすすめする必要はないですね

 

 

映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」感想 テレビ版を中途半端に引き伸ばして薄めただけ

どうもきいつです


アニメ映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」観ました

1979年に放送されたテレビアニメ「機動戦士ガンダム」の15話「ククルス・ドアンの島」を映画化した作品
地球連邦軍のパイロットであるアムロが
とある島でジオン公国軍の脱走兵ククルス・ドアンに出会います

初代シリーズでアニメーションディレクターなどを担当した安彦良和が監督を務めています

 

あらすじ
地球連邦とジオン公国との戦争が繰り広げられる宇宙世紀0079年
アムロたちの乗るホワイトベースはベルファストへ向け航行していたが
その途中でとある島での残敵掃討任務を命じられる
ガンダムに乗り島へ降り立ったアムロは
そこにいるはずのない子供たちと一機のザクに遭遇するのだった

 

感想
改編や付け足しがとても多く
テレビ版とは別ものだと思ったほうがいい
正直、求めていたものはあまりなく
1つの作品としても薄く感じました
もっとククルス・ドアンを掘り下げてほしかったかな…

 

僕はガンダムがそこそこ好きなので
本作にも期待して観に行ってきました
あの「ククルス・ドアンの島」が映画としてリメイクされたるいうことで
かなり楽しみでした

本作については絶賛している人も多く
逆に酷評してる人もそれなりにいますね

僕の場合は
どちらかと言えば酷評よりです


まずは良かった所の話から

やはり映像のクオリティは高くて
そこには満足できました
モビルスーツ戦ではCGアニメになってますが
迫力あるしカッコいいしで
映画館の大画面で映えますよね
CGアニメの良さを引き出せていたと思います

あとはテレビ版よりもモビルスーツの種類が多かったり
戦闘シーンが多かったりもするので
オリジナルよりは派手な作品になってます

本作で追加されたサザンクロス隊の存在も良かった
サザンクロス隊のザクがめっちゃカッコいいですね
隊員たちも個性的で魅力を感じれました

と、良かったのはそれくらいで
ここから先は否定的になりますかね

 

本作で一番思ったのは
ククルス・ドアンについて全然掘り下げられないなという所で
そこが最大の不満点

テレビ版では30分足らず1つのエピソードを
本作では映画の尺で作られているわけです

だから、尺が伸びた分でククルス・ドアンという人物をより一層掘り下げる作品になるのかな
と想像していたし
そういう作品を求めていたんですけども

実際はテレビ版を深く掘り下げる作品ではなく
テレビ版にいろいろと新要素を付け足して引き伸ばした
みたいな作品になっていました

その結果、オリジナルのテレビ版を水で薄めたような
濃度がすごく下がったなって印象ですかね


本作はククルス・ドアンを描きつつ
主人公はアムロでアムロ目線の物語が進みアムロの成長も描かれ
複数の孤児たちにスポットも当て
アムロと孤児たちの交流も描かれます

その上、連邦軍のホワイトベースの面々や
ジオン軍のサザンクロス隊など
アムロやドアン以外の他目線の思惑や目的なんかも同時進行で描かれていく
マ・クベまでも登場しますしね

それのせいで
結局、物語が散漫になってます
何を見せたい映画なのかな?
って感じですよね

いまいちストーリーの中心がわからない

これはシンプルにククルス・ドアン主人公の
ククルス・ドアン目線の物語でよかったんじゃないでしょうか

アムロ目線の物語はテレビ版でやってるし
ドアン中心でよかったと思う
単純にドアンが主人公の物語が見たかったというのもありますね


それと、ストーリーがブレてるのと同時に
ドアンのキャラクターも定まってないなとも感じさせられました

ドアンの目的や原動力が最後まで曖昧なまま終わってしまいましたよね

テレビ版では
ドアンが子供たちと島で生活している理由が
子供たちの親を殺してしまった負い目と子供たちを守らなければという使命感
ということが明確にされていました

しかし、本作の場合は
ドアンが子供たちと島で生活している理由がよくわからんし
いまいち子供たちを守ろうという意思も感じられない

ただの優しいおっさんってだけで
わざわざジオンを裏切るリスクを負ってまでこの生活を選んでいる原動力も全く見えてこない

ククルス・ドアンを映画で深掘りしてくれると思いきや
テレビ版よりも薄っぺらい人になってしまっていました


中盤くらいではアムロとドアンと孤児たちのほのぼの島生活みたいな退屈な場面の連続で
めちゃくちゃダレてましたけど

そんな無駄な場面を追加するくらいなら
回想シーンでドアンの過去をストレートに描いてる方がいいですよね

なぜ孤児たちを養うことになったのかとか
サザンクロス隊との関係性や絆とか
ジオンを裏切るまでに至った経緯とか

そんな過去を描くことでドアンの目的や行動原理も理解できるようになると思うし
ドアンの意思の強さなんかも描いて深みを出せたと思うんですよ

なんで、こんな偽ジブリみたいな変な方向性にしてしまったのか

回想シーンがあれば派手なモビルスーツ戦の場面ももっと増やせただろうし

余計なことばかり多くしていて
やるべきことをやれてないという印象

 

そして、本作は追加要素や改編も多くありましたが
それもちょっと微妙でしたね
無意味な追加や改編が多かったと思う

特に感じたのはスラッガー中尉の存在
テレビ版ではこのエピソード時にはスラッガー中尉は登場してませんでしたが
本作では何故かスラッガー中尉がいます

さらに、テレビ版ではまだリュウさんがいたんですけど本作では登場しません

確かにリュウさんよりスラッガー中尉の方が華があるし
なんとなく彼の存在があれば映える気はしますけども

それにしたって
スラッガー中尉を無理矢理ブチ込む必要性は感じられませんでしたかね

むしろ、この改編のせいでテレビ版を知ってる人からすれば
無駄なノイズになりかねませんし

スラッガー中尉が本作で特別活躍するとかなら設定を変更した理由もわかるけど
大して活躍もしてませんでしたから
この改編は謎でしたね


他にはドアンの元にいる子供の数がやたらと増えてるのも
いまいち意味を感じれませんでした

結局、活躍してるのは2、3人でしたし
それならテレビ版と同じくらいの数でよかったのでは?

無意味に子供の数が増えてることで
ドアンの目的がより不明確になってしまってたようにも思う
登場人物が多いから散漫にもなってましたしね
ヤギもいらん


あとは、島にミサイルがあるのとかも
ドアンの行動原理や目的がすり替わる原因にもなっていて
正直、邪魔な要素になっていたと思う

この追加設定のせいで
ラストの場面でドアンのザクを沈める時は
いや、ドアンのせいじゃなくてミサイルが敵を引き寄せてんじゃん…
と、変な引っ掛かりもできてました

シンプルに
子供たちを守るために島に隠れ住んでる
って設定だけでも十分だと思うんですけど


細かいところで言えば
アムロが早い段階で優しいからってだけでドアンを信用してしまったり
大して伏線があるわけでもなくストーリー展開に重要なわけでもない灯台の設定があったり
意味のない変更が多かった

これは尺伸ばしのためにいろいろブチ込んだもののようにしか思えませんでした

そのわりにテレビ版で印象的だったシーンはなくなってたりする

本当に無意味な変更が多かった

 

わざわざ「ククルス・ドアンの島」を映画化するんだから
濃密なものを見せてくれると思ってたけど

それとは真逆の薄い「ククルス・ドアンの島」になってしまってました

薄っぺらいほのぼのヒューマンドラマが好きな人なら面白く観れるかも

ガンダムが好きな人はおそらく満足できない

 


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映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」感想 ドラゴンボールは悟空だけじゃない

どうもきいつです


アニメ映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」観ました

「ドラゴンボール」シリーズの劇場版21作目
「ドラゴンボール超」としては2作目の劇場版です
かつて悟空が壊滅させた悪の組織レッドリボン軍が復活し
ピッコロや悟飯が謎の人造人間と戦いを繰り広げます

前回の劇場版と同じく原作者の鳥山明が脚本とキャラクターデザインを担当し
監督を務めるのは児玉徹郎です

 

あらすじ
かつて壊滅したはずの悪の組織レッドリボン軍が復活した
新生レッドリボン軍はDr.ゲロの孫Dr.ヘドが生み出したガンマ1号とガンマ2号を使い
レッドリボン軍を滅ぼした悟空やその一味にリベンジを企てるのだった

 

感想
悟空の活躍がほぼ無くピッコロが主役というのは面白い
存在感が薄くなっていた悟飯にスポットが当たるのも良かったです
なんと言っても戦闘シーンが素晴らしかった
ドラゴンボールはそれさえ見せてくれれば満足

 

ドラゴンボールの最新映画ということで
楽しみに観に行ってきました

僕は子供の頃からドラゴンボールは大好きだし
前作の「ドラゴンボール超 ブロリー」が素晴らしかったので
本作にも期待していました

期待していた反面
全編フルCGの作品になるだとか
ピッコロや悟飯がメインで悟空やベジータがあまり活躍しないっぽいとか
ちょっと不安に思う要素もあったんですよね

ただ、実際に観てみると
そんな不安を吹き飛ばしてくれる出来でした
むしろ、そんな不安に思っていた要素が
この映画では魅力になっていたと思います

 

まずはピッコロがメインという所からですけど
これがとても新鮮で面白かったですね

ドラゴンボールと言えば悟空中心で
いつも悟空が強くなって強い敵を倒す
って感じが多いですけど

本作は悟空がほぼ登場せず
ピッコロの独壇場みたいな映画になっています

ピッコロはドラゴンボールの登場人物の中ではかなり優遇されているキャラではありますが
ここまで主役級の扱いは初めてなんじゃないでしょうか

そんなピッコロの活躍が
今回の作品ではすごく生き生きとしていて
ピッコロの魅力が100%出せていたと思います


本作はレッドリボン軍が再登場するということで
作風もちょっと初期のドラゴンボールの雰囲気が漂っています
なかなかコミカルな作風なんですよね

レッドリボンは明らかに小者だし
強敵のガンマ1号と2号もちょっとふざけてる面があったりと
全体的にちょっとユルい

そんな作風に意外とピッコロがマッチしてます

ピッコロって頭が切れるクールなキャラなんですけど
昔からなんだかんだで変な扱いもされてたりします

アニメでは自動車の教習所に通うみたいな謎エピソードもあったし
原作でも完全に子守役を押し付けられてましたし

だからこそ今回の作風にはピッコロがピッタリで
逆に今の悟空ならこの作風には合ってないかもしれませんよね

もはや今の悟空はひたすら強さを求めるサイコパスなので
今回のピッコロのようなドタバタ劇は起きないと思う

ピッコロだからこそ周りを気遣ったり
悟空やベジータに助けを求めたり
悟飯を覚醒させようとしたり
ブルマのドラゴンボールの使い方に引いたり
ピッコロのいろんなリアクションがコミカルで
楽しく観ることことができました


それとピッコロの忘れられていた設定を掘り起こしてくれたのも良かった

巨大化とか腕が伸びるとか
そういやピッコロってそんなことできたよな
みたいな

それを最新作で見せてくれるとは
昔からドラゴンボールが好きな人ほど
こういうのは嬉しいと思います

さらに今回はピッコロが最新形態に変身までしてしまう

正直、オレンジピッコロは名前も見た目もクソダサいけど
ピッコロが強くなったのは嬉しいですよ


ピッコロが主役なのに伴って悟飯も活躍するんですが
これもすごく良かったですね

やっぱりピッコロには悟飯がセットで
この師弟関係は盛り上がります

「ドラゴンボール超」って悟空以外のキャラも大切にされていて
ベジータやフリーザはもちろんのこと
亀仙人や未来トランクスみたいなキャラにまでスポットを当ててました
前回の映画ではブロリーが実質主人公みたいなもんでしたし

ただ、何故か悟飯だけは雑魚扱いで
ちょっと扱いが酷かったんですよ

そんな悟飯が本作ではちゃんと活躍してちゃんとカッコよく描かれています

ずっと蔑ろにされていたアルティメット悟飯の強さもあらためて見せてくれましたし
さらにその先も見せてくれました

で、何よりも
最後の悟飯の必殺技ですよね
これが最高です

かめはめ波ではなく魔貫光殺砲で止めを刺すという
最高に熱い展開でした

やっぱりピッコロと悟飯の師弟関係には熱い気持ちにさせられる


それと、今回の新キャラたちも生き生きとしていて魅力的でした

特にガンマ1号と2号はすごくいいキャラしてましたね
攻撃したときに文字が出るのも面白いです

メインキャラを引き立てるためだけの噛ませじゃなくて
個々としても魅力を発揮してましたし
敵だけど憎めないキャラに仕上がっていました

あとはパンちゃん超可愛かったです


本作は悟空抜きでも面白いものを作るぞ
って挑戦でもあったのかもしれませんね

実際にそれが上手くいって面白い作品に仕上がっていたと思います

悟空とベジータだけではマンネリになるだろうし
こういう試みでドラゴンボールの世界を広げていくのは良いことだと思います


そして、本作はフルCGアニメということですが
これもすごく良かったんですよ

日本のCGアニメって微妙なのも多いんですけど
本作の場合はCGを生かした作品になってますよね

特にバトルはCGだからこその迫力があると思います

単にCGで作りましたってだけのアニメは多いですが
本作はCGだからできる表現を追求しようとしてるように感じる

アクションシーンはとても派手で
でもドラゴンボールらしさは損なわず
昔のドラゴンボールが好きな人でも受け入れられる映像にもなってると思います

3DCGを2Dアニメっぽく見せるのは日本らしい表現だし
日本のCGアニメはこの路線を極めていくべきなのかもしれませんね

冒頭に昔のドラゴンボールのダイジェストみたいな映像がありましたけど
これを見たら
この技術で無印ドラゴンボールをリメイクしてほしいな
とも思わされました

 

本作でマイナス要素があるとすればストーリーですかね
めちゃくちゃ内容が薄いし雑です

個人的には全然マイナス要素とは思ってないけど
ここに文句をいう人は多いと思います

ピッコロや悟飯が強くなる理由なんて雑にもほどがありますし
最後のセルマックスとかも扱いが雑すぎですよね

伏線なんかも全くないし
完成度の高いシナリオなんかではないわけです

ただ、僕的には派手なバトルを気持ちよく見せてくれたので大満足

むしろ、ドラゴンボールに複雑な要素は要らなくて
ストーリーなんて
なんか強い敵をなんか強くなって倒す
程度で十分

もはやドラゴンボールというジャンルなので
それを最高に見せてくれれば文句もなにもないです

前作のブロリーは最高にドラゴンボールな映画でしたけど
本作も最高にドラゴンボールな映画だったのは間違いないですね

 

強さのインフレに文句をいう人もいますが
ドラゴンボールなんてインフレしてなんぼ

本作にもドラゴンボールらしい
最強VS最強の激しいバトルを見せてもらえて最高でした

最後には地味にベジータが悟空に勝利してましたが
これは感動した
ここが一番泣けるポイント

 


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映画「きさらぎ駅」感想 アイデアは面白いけど なんか雑

どうもきいつです


ホラー映画「きさらぎ駅」観ました

インターネット掲示板2ちゃんねる発祥の都市伝説をモチーフに作られたホラー映画
とある女子大生が異世界の謎に迫る姿を
一人称視点の映像を交え描かれていきます

監督は「真・鮫島事件」などの永江二朗
主演を務めるのは恒松祐里です

 

あらすじ
民俗学を学ぶ大学生の堤春奈は
インターネット上で話題になっていた都市伝説“きさらぎ駅”を卒業論文の題材に決める
そして、噂の当事者であるという葉山純子にたどり着き
彼女から詳細な体験談を聞くことになるのだった


感想
アイデアはとても面白いと思います
ただ、細かい部分がとても雑でそれがノイズに感じてしまう
B級ホラーだからそれはそれでありなのかと思いつつも
この題材ならもっと面白くできたようにも思う

 

あの有名な都市伝説を映画化
ということで観てきました

僕は“きさらぎ駅”についてはそんなに詳しいわけでもなく
なんとなく知っている程度です

とは言え
あの“きさらぎ駅”がどう映画になるのか気になっていたので
本作には前から注目していました

 

本作はレビューサイトとかではなかなか好評ですね

実際にアイデアはとても面白いし
構成も少し斬新で
最後まで飽きずに観れる作品だと思います

僕もそんなに嫌いな映画ではないけど
正直、ちょっと評価が高すぎるような気もする

個人的には
この映画が特別抜きん出てる作品とは思えなくて
普通って印象ですかね

悪くはないけど雑な部分が目立ってる映画だと思いました


まず、本作の面白いところは
2部構成が上手く活用されているところですね

前半部分が前フリになっていて
それを踏まえて後半が面白く展開していきます

「カメラを止めるな!」とかに似た構成だと思います

で、本作の場合は
ゲームで言う“強くてニューゲーム”みたいな

前半で体験談を聞くことにより
後半で全く同じ経験をする主人公が無双してしまうという
ホラーとしては掟破りのような
でも、それが面白かったりします

後半はホラーと言うよりも
ほぼコメディみたいな感じです

そして、そんな“強くてニューゲーム”みたいな映画の作りを上手く逆手に取ってラストも面白く展開していきます
オチのつけ方もすごく良かったと思う

言ってしまえば
タイムリープものをチープなB級ホラーでやってみました
って感じの映画でした

それを“きさらぎ駅”を題材にやるというアイデアはとても面白かったと思います
“きさらぎ駅”の異世界感とその設定が上手くマッチしていました

 

ただ、面白いと思える反面
それと同時に雑さがとても気になる映画でもありました

やっぱり細かい部分の詰めが甘いと言いますか…

B級ホラーだからと言ってしまえばそれで終わりなのかもしれないけど

この映画に関しては
完成度が高ければもっと面白くなっただろうな
と思えるんですよね

所詮B級映画で終わってしまっている本作がちょっともったいない


特に気になるのが
一人称視点の必然性のなさですよね

映像としてはこの一人称視点はとても面白く機能してるんですけど
物語の流れの中では一人称視点の場面が異質すぎるかと思うんです

一人称視点である必要がないと言うか…
むしろ一人称視点が足を引っ張ってるようにも思えてしまう

本来なら一人称視点の作品って
主人公目線でリアルタイムな体験を表現していたり
カメラで撮影しているという設定でリアリティを表現していたりするわけですが

本作の場合は
主人公が体験談を聞いてる時の回想シーンが一人称視点になっています
これがなんか違和感なんですよね

別に主人公が体験しているわけでもなく
誰かが撮影していた映像ってわけでもないのに
一人称視点になるのが不自然に感じる

この一人称視点の場面は主人公が想像しているという事だろうけど
それにしてもやり方があったんじゃないかと思うんですよね

例えば
主人公が2ちゃんねるの掲示板を読んでその状況を一人称視点で想像している
とかの方が自然に感じれると思う
一番自然なのが主人公が映像を見ることですけど

直接誰かから体験談を聞いているという状況が変に乗っかっているから
一人称視点の映像がノイズになってしまってる気がします

一人称視点から普通の映像に戻ることも多くて
臨場感が損なわれてるようにも感じてしまった

やりたいことは理解できるんですが
一人称視点の映像を撮りたいというのが先走っていて
結果的に整合性が取れていなかったように思いました


それと、後半の主人公目線できさらぎ駅に着いたときは
何故か一人称視点でなく普通の映像になっていて
そこが無駄な引っ掛かりになってましたよね

どうせならここも一人称視点で良かったのじゃないかと

前半と後半で違いを表現したのかとは思うけど
前半の赤の他人目線が一人称視点で
後半の主人公目線が二人称視点というのは
なんかちょっと変じゃない?

 

あと、一人称視点の延長線上の話で言うと
タイムリープみたいな物語の展開にはやはり無理を感じてしまいました

あくまでも主人公は体験談を聞いただけであって実際は体験してないわけです
それを後半ではあたかも自分が体験してきたかのように振る舞うのは
さすがに違和感がありますよね

これも一人称視点の弊害かもしれませんね
一人称視点で前半部分を見せていなければ
ここの細かい部分は気にならなかったかもしれない

 

それと、メリハリが弱かったようにも思いました

前半はホラー後半はコメディみたいな作りではあるけど
前半のホラー部分は良くも悪くもチープなホラーでコミカルささえ感じます
そこが後半の展開のギャップを弱めてしまってる気がしました

後半は後半で中途半端に真面目だったりもするので
途中までどんな見かたをすればいいのかなかなか定まらないんですよね

笑っていいのか真剣に観ればいいのか…

後半の主人公が岩で人を殴り倒すところで
やっとコメディなんだと気づかされました

これはやはり前半のホラーがもっと怖いほうが良かったですね
前半にシンプルな王道ホラーをやってれば
後半のコメディがより笑えたと思います

ホラー表現がワンパターンだったりもしたし
もっといろんな手法で怖がらせてほしかったというのもありました


それと同時に主人公のギャップも弱いかな

主人公に関しても前半と後半で変化があり
そこが笑いのポイントでもあるんですが

いかんせん前半の主人公がほぼいないような存在感の薄さなので
後半の主人公の変貌ぶりがあまり伝わってこない

ここもメリハリがあれば
後半はもっと笑えたんだろうけど
単に主人公が酷い女に見えてしまうことが多かったのでもったいなかったです

だから、ラストのオチもちょっと弱くなってましたよね

前半でもう少し主人公をまともで正義感のある人間に見せていれば
後半の主人公のサイコっぷりには最高に笑えたと思います

 

アイデアや物語の流れはとても良くて
それなりに面白く観れる映画だとは思います

でも、もっと完成度の高さがあればな…
と思ってしまうのは否めない

まあ、最近の日本のホラー映画の中では
かなりましな部類の映画でしたかね
全然悪い映画ではないです

 

 

映画「トップガン マーヴェリック」感想 派手な戦闘機アクションに興奮した

どうもきいつです


アクション映画「トップガン マーヴェリック」観ました

アメリカ軍のエースパイロットの活躍を描いた1986年のヒット作「トップガン」の続編
エリートパイロット養成学校トップガンに
かつての伝説のパイロットが教官として帰ってきます

監督は「オブリビオン」などのジョセフ・コジンスキー
主人公マーヴェリックを演じるのは前作と同じくトム・クルーズです

 

あらすじ
アメリカ軍のエリートパイロット養成学校トップガンに
自身もそこで厳しい訓練に挑んだマーヴェリックが教官として戻ってきた
とあるミッションを達成するため
マーヴェリックは選りすぐりの若きパイロットたちに型破りな指導を始める
訓練生の中にはかつての相棒グースの息子の姿もあった

 

感想
大迫力の映像と音響に興奮した
映画館でそれを体感できて大満足
前作あってこその物語だけど前作を知らなくても楽しめると思います
個人的には前作より好き

 

「トップガン」36年ぶりの続編ということで観てきました

正直言うと
僕は「トップガン」はそんなに好きではなくて
本作にもさほど期待はしてなかったんですが

観てみると
これが本当に最高でしたね
最初から最後までテンション上げられっぱなしの映画でした

 

まず、僕が前作の「トップガン」が
何故あまり好きではなかったのかの話をすると

トム・クルーズの格好よさありきで中身があまりない映画だったから

ストーリーは目的が明確でなく淡々と訓練を見せられてるだけで
最後に取って付けたような実戦のミッションをクリアして終わり
みたいな薄い内容でした

その上、トレンディなラブストーリーなんかは個人的にあまり好きじゃなかったし
戦闘機にもそんなに興味があるわけではない

時代的にやはり昔の映画で映像がチープに感じてしまったのもあります
リアルタイムで観ていれば印象は違ってたかもしれないけど
僕が生まれる前の映画なので…

基本的にトム・クルーズのPVのような映画で
トム・クルーズのファンではない僕にはあまり刺さらなかった

いろんな要因で僕の好みにハマらなかった映画だったわけです

 

で、本作の話ですが

前作でハマらなかった所がことごとく覆されたと言うか
すごく僕が好きな映画になっていました

その上、前作があってこその続編にもなっていましたし
トム・クルーズの魅力も十分に感じれるという

前作が好きな人から前作がハマらなかった人まで楽しめる映画になってると思うんですよね

さらに前作を知らなくても楽しめる映画にもなっているし
こういう続編映画ってなかなか無いんじゃないでしょうか

わざわざ36年ぶりに作られた続編
ということに意義を感じれる作品です

 

まずストーリーの話をすると

前作ではフワッとした薄いストーリーだったのが
今回はとてもしっかりとしたストーリーになっています

ただ、全体の流れは前作も本作もほぼ同じなんです

パイロット養成学校のトップガンで訓練生たちが日々鍛練を積み重ね
最後には実戦で活躍して成功を収める
というシンプルな内容

マーヴェリックの立ち位置は違うけど
やってることはさほど変わりません

しかし、本作の場合は
明確な目標に進んでいくストーリーになっています

物語の序盤でマーヴェリックや訓練生たちは
ミッションを与えられそれの成功を目指し奮闘していきます

これがあるから物語の軸がしっかりしている

前作はそんな軸が無くて
フワッとした掴み所のないストーリーになっていたわけですよね


それだけでなく
本作は続編だからこそストーリーに深みも生まれています

前作でマーヴェリックの相棒だったグースの息子が登場し
彼が存在するからストーリーが熱く展開していったり
マーヴェリックの葛藤や成長も描かれたりする

他にも前作の仲間が登場したりもするし
前作を思わすようなシーンがいろいろと用意されていたり
前作を観ていれば感慨深く感じれる作品になっている
そこが本作の深みに繋がっています


で、この映画が面白いのは
前作のストーリーが薄かったお陰で
前作を観ていなくても面白く観ることができる映画になっているところ

確かに前作を観ている方が思い入れが強くなるというのはありますが

前作のストーリーが薄いから
今回の続編の中だけで前作の内容がわりと全部説明できてしまってるんですよ

だから、前作を知らなくても
理解できないことなんて全然ないですし
感情移入も普通にできてしまう

一見さん大歓迎な映画です
わざわざ予習復習なんてしなくても気軽に観れてしまうエンタメ映画なんです

 

そして、やはり戦闘機アクションも素晴らしいです

「トップガン」と言えばドッグファイトが目玉ですけども
36年という時の流れが良い方向に味方していたと思います

前作でも当時としてはかなり映像はすごかったと思うんです
ただ、時代的にもできることには限界があって
戦闘機のアクションを十分に表現しきれていなかったと思うんですよ

それが、現代の映像技術やCG技術の進歩で
表現の幅が大きく広がったわけです

その結果
「トップガン」に時代が追い付いたって感じですね

臨場感は格段に上がっていて
アクションの種類も大幅に増えていましたし
普通にすごい映像です

表現の幅が広がったお陰で
前作では何が起きてるかわからないなって場面も多かったけど
本作はめっちゃわかりやすい映像になっていました

位置関係だとかどういう動きをしてるのかだとか
何も考えずとも理解できます

それに派手なシーンもすごく増えてましたし
映像のインパクトも素晴らしかったです

それと同時に音もすごく良いんですよ
爆音が体に響くと言うか
本当に飛行機に乗ってるかのような音を感じることができる

現代の技術進歩があるからこそ
トップガンがよりトップガンらしくなっていたと思います


これは大画面と大音響で体感すればこその映画です
僕はIMAXで観ましたけど臨場感が半端なかった

本作は映画館で観ることをおすすめします

 

「トップガン」の続編だからこその映画でありつつ前作を観ていなくても楽しめる映画

「トップガン」が好きだった人は最高の映画だと思うし
「トップガン」が好きでなかった人は好きになれる

ストーリー、アクション共に熱くて最高の映画でした

 


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