何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ギャングース」感想 とにかくこの3人が好き リアルとエンターテイメントのバランスが抜群

 
どうもきいつです




現在公開中の映画「ギャングース」観てきました

 

本作は、同名の漫画「ギャングース」の実写化作品です
僕はこの漫画を読んだ事がなく
存在すら知りませんでした
なので、この作品の知識はほぼゼロの状態での鑑賞です

 


原作漫画はストーリー自体はフィクションですが
その物語の背景である
裏社会、貧困問題、犯罪などは
実際の取材に基づいた現実の話みたいですね

それを、「SR サイタマノラッパー」などの入江悠監督が実写映画化しました



あらすじ
サイケ、カズキ、タケオの3人は社会から見放された底辺の人間
彼らは、犯罪集団の収益金を狙う「タタキ」家業で日々を食つなぐ生活を送っていた
そんな生活から抜け出すために
がむしゃらにあがく彼らの生き様、友情の物語



感想
すごく面白かったです
日本の裏社会、貧困問題などの日本の暗い部分を
リアルに描きつつ
エンターテイメントとしてもとても楽しめる作品でした


まず、主人公たちの境遇や生きている世界が
自分が暮らす世界からすれば
ありえないし、嘘だろと思ってしまいます
確かに、物語やキャラクターはフィクションですが
実際にこういう世界があるらしい

こういうのを映画を通してでも見る事ができた
という事だけでも、本作を観る価値はあったと思いました

普段の生活では、目をつむって見ようとしていない世界ですよね


主人公たちは、悪徳業者を狙っているとは言え犯罪者です
彼らは盗んだお金を持ち主に返すわけでもないので義賊でもありません
盗んだお金は自分たちのために使う
そんな、どうしようもない人間たちですが
それでも、今の生活から抜け出そうと必死にあがいている姿には
心を打たれます

主人公たちの敵となる裏組織の人間たちも同じで
彼らもまた、底辺から這い上がろうと必死なんです
みんな生まれ持った境遇を変えるために必死に戦ってる

それでも犯罪はダメなんですけど


そういう姿は、こんな世界に生きていない人たちにも共感できる部分はあると思う
ブラック企業でこき使われてる人
親に束縛されてる人
障害を持って生まれた人

大なり小なり人それぞれ抱えてるものは違うと思いますが
通ずるものはあるんじゃないでしょうか

そして、この映画を観ると自分も戦わなくちゃと思わせてくれる



でも、この作品
暗い映画というわけでは無く
すごく楽しいし笑える
そして、熱くなれる映画です


主役のサイケ、カズキ、タケオ
この3人がとても愛おしくなるキャラクターです

冷静に見れば犯罪を犯してるヤバい連中ですが
この3人が必死に生きてる姿を見てると
いつの間にかものすごく感情移入してしまっています
そして、この3人を応援しています
がんばれ!! 負けるな!!
って気持ちで観てしまいます

3人とも個性豊かで

サイケは、少しきつい性格で人一倍今の環境から抜け出したいと思っています
そして、仲間思いの良い奴でもある

カズキは、お調子者でマイペース
でも、時折核心を突くような事を言う

タケオは、ただただ優しい


観終わる頃にはこの3人が大好きになってます


バイオレンスな世界なんですが
この3人の青春物語です
こんな物騒な世界観なんですが
爽やかさもあるんです



そして、後半部分のサイケたちが巨大な裏組織「六龍天」から
お金を盗み出そうと画策するところは
とてもハラハラさせてくれて楽しんで観れます

まあ、都合が良すぎたりおかしな部分も多々ありますが
全然楽しめます

これぞ、犯罪エンターテイメントですね


犯罪シーンで言えば
振り込め詐欺のシステムの勉強にもなりましたよ
振り込め詐欺ってこんなやり方なんだ
ってのが楽しみながら知る事ができる



1番ラストのシーンもとても良い終わり方だと思いました

牛丼屋から引きで離れて行って
そして、人々が行きかう街並みが見えてくる

これが、あることで
今まで観てきた出来事は
この日本のどこかで起きてた事だったんじゃないか
あの世界も自分たちの世界と繋がっている世界なんだ
と感じさせてくれます




さらに、本作は物語の描き方、キャラクターが良かっただけでなく
俳優たちがとても素晴らしい

みんなハマり役だったんじゃないかと思うくらい

主役3人もすごく良いんですよ

特に、カズキ役の加藤諒さん
この人の演技ってあんまり見たことが無かったんですよ
バラエティー番組とかでは、ちょっと個性的で面白い人として
よく見た事はあったんですが

この、加藤さんが
この映画では加藤諒ではなくカズキという人間に見えます
情報が無ければ誰だかわからなかったと思う

役にハマってるというのもあると思いますが
普通に演技も上手いですね


他にもハマり過ぎててわからなかった人が結構いました
エンドロールを見て
え?この人出てたの?
ってなってました


MIYAVIさんも全然わからなかったですよ

敵組織のボス安達の役だったんですけど
めっちゃハマってました
あの、何とも言えない独特な雰囲気がすごく良い
ヤバそうな感じ
イカれてる感じ
それがとても出てます

以前、実写版「BLEACH」を観た時に
MIYAVIさんが出てたんですが
あの時は正直、変だな
って思っていたんですよ

なんて説明すれば良いのか
とにかく変だったんです
それで、MIYAVI(笑)みたいな感じで
友達とちょっとイジってました

でも、今回のはすごく良かったです
MIYAVIを舐めてました
すみません


主演のサイケ役、高杉真宙さんもいつもと違うようなキャラクターで
とても引き込まれました
今まではちょっとナヨっとしたイメージの人だったんですが
今回はオラオラ系って感じですね
性格や言葉使いもキツめで
でも、しっかりハマっていました

六龍天に戦いを挑む前の
河川敷の長回しのシーンなんか
見入ってしまいました


長回しで言えば
安達の部下加藤役の金子ノブアキさん
彼の振り込め詐欺事務所での演説シーン
これが素晴らしかった
謎の説得力と言うか

犯罪者の戯言のはずなのに
何故か納得させられる
たしかに一理ある
と思わされる

加藤というキャラクター自体が
とても味のある存在でしたね



日本の闇の部分を知る事ができ
いろいろと考えさせてくれる作品であり
犯罪エンターテイメントとしても楽しめます
そして、青春映画でもある
俳優たちの素晴らしい演技も見れる
最高の映画じゃないですか
素晴らしい作品でした





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