何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「チワワちゃん」感想 インスタ映えの映像化 これがエモいってヤツっすか?

 

どうもきいつです




現代の若者を描いた青春映画「チワワちゃん」観てきました

 

岡崎京子作の短編漫画「チワワちゃん」の
実写化映画です
SNSが普及した現代の東京を舞台に
イマドキの若者たちの青春を描いた群像劇です





あらすじ
ある若者グループの中心的人物で
「チワワ」と呼ばれていた女性が
バラバラ遺体となって東京湾で発見される
残されたチワワの仲間たちは
それぞれがチワワの思い出を語り出すが
そこで明らかになったのは
誰もがチワワのことを深く知らないまま
毎日バカ騒ぎをしていたということだった



感想
言いたい事は伝わった
でも、やり方が矛盾してる
そして、いろいろダサい映画



アートわかってる系の
高校生、大学生あたりが
この映画を観て
エモいエモい
言ってるのが目に浮かぶ
そんな映画でした

いきなり毒吐いてしまいましたが
そんな気持ちになちゃったんですよね

言いたい事は
いろいろあります
何から言ったらいいのか…

ちなみに原作は未読で
映画だけを観た感想です



まずは、この映画のメッセージ性について

この映画が言いたかった事って

大人から見れば
バカバカしくて愚かで
何も考えてない
毎日遊んでいるだけの
いろいろ乱れた若者たち

でも、本人たちは
いろいろ悩み
不安定でも必死に考え
遊びも恋愛にも全力で
キラキラ輝いて生きている

って事なんですか?

わからないです


でも、たぶんそういう事ですよね?

外から見た世界と
内側から見た世界は違うんだぞ
大人たちは何も知らないクセに
偉そうな事ばっか言ってんなよ
って事だと思います

そして、短く儚くても
確かにそこには輝いていた
時代があった

そういうものを
表現したかったんだと思う


わかりますよ
そういう訴えは

僕もそう思う
だから、いろいろ知りたくて
この映画も観ようと思った訳ですよ


で、この映画を観て

やっぱり思ってた通りじゃん
こいつら愚かじゃん
何も考えてないじゃん
バカじゃん

そう思ってしまいますよ
この表現方法じゃ…

大人たちが思っている
テンプレートのような
派手でバカな若者たちを
そのまま映像化したような映画に
なっていました

確かに輝いてはいましたよ
映像的には
 
 
で、これって伝えたい事と
表現方法が矛盾してませんか?

これを大前提に
いろいろ言っていきたい



まず、ストーリーについて

この映画あらすじだけを見てみると
チワワちゃんの死の真相に迫るミステリー
かと思ってしまいそうなんですが

全然そうじゃなくて
チワワちゃんの死をきっかけに
主人公のミキやそれぞれの若者たちが
チワワちゃんの存在や自分自身に向き合っていく
という話です

そういう描き方はすごいいいと思います

でも、その内容ですよ
何見せられてるのかな?
って感じです

この映画の中で見せられるのが

誰と誰が仲が良かった
誰と誰が付き合ってた
誰と誰がSEXしてた
誰と誰がケンカしてた

そんなんばっかり

どうでもいいわ


しかも、そういう表面的な事だけで
そこから深い部分にも
切り込んで行かない

それぞれの人間の内面を
深く描く事もしないです

その中で悩んでる風、重い出来事風なことを
描いてるんですが
どれも薄っぺらい


物語の中心のチワワちゃんは
カリスマ的な魅力
無条件でみんなから愛される存在
として描かれていますが

チワワちゃんに魅力を感じれない

確かにめちゃくちゃ可愛いんですよ
でも、それだけ
後はただ馬鹿な女にしか見えない

チワワちゃんが徐々に不幸になっていくんですが
そこにミステリアス感もないし
自業自得ですよね
としか思えない

チワワちゃんの描き方も
もうちょっと考えるべきだったと思います

ドラマをしっかり描いていないので
最後のシーンの涙も意味が分からないですよ


結局、この物語の描き方が
若者の薄っぺらさを描いてしまっています



次に、映像的、演出的な事

これは一言で言ってしまえば
インスタ映え

この映画の表現が全部そんな感じです

全体的に派手で
若者たちが躍り狂ってパーティーしてる
そんな映像が多い

おそらく
今の若者たちの文化の表現だったり
若者たちのセンスやエネルギーを
見せつけてやるぞ
って意味もあるんじゃないですかね?

でもね…


これは個人的な意見ですよ

素人のやってる
インスタってダサくないですか?

僕はインスタ映えみたいな画像を見ると
ダセぇなって思ってしまいます

パリピ系の若者たちも
僕には見てくれだけにこだわった
ダサい連中って印象しかないです


プロである映画監督に
素人のインスタ映えのコピペ
みたいな映像を撮ってほしくない

それを表現するにしても
違う切り込み方をするべき
もっと中身のある
映像表現をしてほしかったです


そもそも
オシャレだとかアートだとかを
履き違えている気がする

たくさん原色を使って
画面をカラフルにすれば
オシャレでアーティスティックでは
無いですからね

色のバランス、配色
物の配置、構図
それらを計算やセンスで
まとめ上げたものがアートですよ

テキトーにぶち込んだだけじゃ
ただの子供騙しです


音楽もダサかったです
いわゆるパリピ的な曲が
ただ流れているだけ

スマホ画面の見せ方
人の横でフワフワ浮いてるやつ
あれもダサい


結局、パリピとかダサいよね
って印象で終わってしまいます



そして、次に
結局ダサくてセンスの無いものが多すぎる


これは
ギャグであったり
セリフであったり

面白いだろ?
センスあるだろ?
って見せてるものが
ことごとくダサい


この映画の特徴で
性的描写を惜しまず描いています

でも、これって
重要なのか?
形だけのような気がする
必要性が感じれない

じゃあ
性的な表現を何故描いているのか?

たぶんそれは
こいうのを入れれば
攻めてる風に見えるから
それだけだと思う

そこに深い意味を感じれないです
その上、エロさもあまりない


シュールギャグやエロギャグ
みたいなシーンもちょくちょく入るんですが

そのセンスが
面白くない美大生が考えたような
ギャグセンスで
全然笑えない


急に入ってくるダンスシーンも
シュールでしょ?
ってどや顔で言われているようで
全然面白いと思えない


ワードセンスもなかなか
「チワワとの関係はゴールドラッシュ」
「青春の自爆テロ」
みたいな
なんか上手いこと言ってるようで
意味が分からない



そういうのが積み重なり
映画全体がダサいという印象です

そして、最終的に
イマドキの派手な若者たちは
薄っぺらいな
に行き着く



たぶん良いところもあったと思います
役者の演技とか
でも、それも入ってこない
全部の見せ方が
なんかずれてると思いました

結論は

この映画エモいっすね



チワワちゃん (あすかコミックスDX) [ 岡崎 京子 ]