何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「必殺!恐竜神父」感想 テロップで大きく“中国”と表記すればそこはもはや“中国”

 


どうもきいつです


コメディー映画「必殺!恐竜神父」観ました

恐竜神父と娼婦の学生が中国の忍者と戦う映画
監督はブレダイン・スキアーです

 

あらすじ
神父のダグは自動車の爆発事故で両親を失う
先輩神父のすすめで旅に出る彼だったが
訪れた中国で忍者に追われる謎の女性から牙の化石を受け取り
その牙の力で恐竜に姿を変えてしまう
そして、娼婦のキャロルと共に悪人退治を始めることに
そんな彼らの前にチャイニーズ・ニンジャ軍団が現れる

 

感想
完全なるZ級映画
これは真面目に観たら負け
もはや、ふざけ切ってるので笑えます
ツッコミどころだらけだけどツッコミ待ちの映画
好き

 

アマプラにおすすめされたので観てみました

観る前からB級映画なのは明らかで
実際に観てみると
B級どころかZ級
なかなかすごい映画でした


まずやはり
こういうタイプの映画は真面目に観たら負けですよね

所詮は低俗なクソ映画と見限っていれば
意外と面白いことに気付けたり
こんなタイプ映画だからこそに魅力を感じることができる

本作もまさしくそんな映画ですよね

クソ映画と一言で言ってしまえばそれで終わりだけど
この映画だからこその面白さは十分にありました

 

この映画は完全にふざけきっていて
そこが笑える映画
わざとクソ映画を作ってます

冒頭の主人公の両親が死ぬ場面で
この映画がどういう映画なのかが一目瞭然
こんなチープな映画を真面目に観るなよ
というメッセージです

設定にしろ演出にしろ映像にしろ
全てセンスがありません
いや、むしろセンスがある


いろいろ詰め込みすぎな設定も最高ですよね

神父の主人公が恐竜に変身し
娼婦のヒロインと共に復讐のため世直し
そして、中国の忍者軍団とバトル

全く噛み合っていなくて荒唐無稽
興奮しますね


ダサい演出もたまりません

無意味に映像を被らせたり
無意味に画面を分割していたり
ヒロインとのベッドシーンなんて最高にダサかった
ダサすぎてもはや斬新
挿入歌もダサい

わざとやってるのか真面目にやってこれなのか
この絶妙な感じに笑ってしまいます


無駄なシーンも多かった

主人公の師匠なのか先輩なのわからんけど
おじさん神父の唐突な回想とか
何のためにあったのか?

忍者軍団の無駄に高笑いを引っ張る場面とか無駄すぎる

基本的に無駄が多くてテンポが悪い
90分ほどの映画なのに長く感じる
これぞクソ映画


アクションシーンも最高

敵の忍者は全くキレがなく強さなんて微塵もない
ただの学生で娼婦のヒロインが複数の忍者を簡単に倒してしまいます
てか、この映画はヒロインが1番強い

恐竜はただ暴れてるだけ

 

あとはやっぱり狂気を感じます

主人公が弟を殺すシーンとか
弟は大して悪くないのに躊躇なく殺して
そして、その後の主人公の笑み
これはどういう気持ちなのか?

恐竜の造形もクレイジーです
言葉では表現できないあのフォルム
すごくかわいい

なによりも
こんな映画に
時間とお金と労力を費やしていることが1番の狂気ですよね
天晴れです


とにかくふざけ倒してます
アホみたいな映画でした


そして、この映画に感心したのは
テロップの扱いです

これは新しい発明ですよね
テロップの力ってこんなにも強大なんだと思い知らされた


明らかに欧米の森の中なんですけど
テロップで大きく“China”と表記することで
そこはもはや有無を言わさず中国

絶対に中国じゃないけど中国
ツッコむことすら野暮
中国は東にある


終盤のヒロインが生きてたのも
なんで生きてるんだよと思う前に
“she is fine”のテロップ

彼女は元気と言われれば
有無を言わさず彼女は元気なんですよ
明らかに死んでても元気なんです
彼女は元気なんだから


それが言葉の力
文字の力です
文字がでかければでかいほど説得力がある(ない)

 

誰がなんと言おうと完全なクソ映画なんですけど
この映画が面白い理由って
結局は楽しんで作ってるからなんだと思います

無駄が多いしテンポは悪いし
設定はめちゃくちゃ
すごくダサい
全てにおいてチープな映画

でも、この映画を視ていると楽しくなってくる

その理由は
監督にしろ出演者にしろ
みんな楽しんでるんだろうな
というのが伝わってくるから

楽しんで作っていれば
観ているほうも楽しくなる
大量のツッコミどころにも微笑ましさを感じます

エンターテイメントの根本はこういう事だと思う

大金をかけた大作映画だろうと
複雑な伏線を張り巡らした完成度の高い映画だろうと
根本にあるのは楽しんで映画を作るということ

しかし、みんなそれを忘れて
お金のためや期待のために作品を作ってしまうようになる


本作を観ると
いくらショボかろうがつまらなかろうが
楽しみながら映画を作ってさえいれば
観ているほうもなんかわからんけど楽しくなるんだということを
あらためて感じることができました

結局、映画を面白くする1番の方法は
楽しんで映画を作ることなのかもしれません

 

本作はクソZ級映画なのは間違いないです
でも、そんなクソ映画を楽しんで作っているのはひしひしと伝わってくる

こういう映画を観ると心が癒される
元気になれる

ただ、おすすめはしない