どうもきいつです
テレビドラマ「3年A組‐今から皆さんは、人質です」観ました
日本テレビ系「日曜ドラマ」枠で
2019年1月から3月まで全10回放送された
テレビドラマです
卒業10日前の生徒たちを
監禁した高校教師の謎の行動を描いた
サスペンス、ミステリードラマです
あらすじ
魁皇高校では卒業まで残りわずかとなるなか
3年A組担任の柊一颯が
クラス全員を集め人質に取った
爆発音が鳴り響き校舎の廊下が爆破され
騒然となる生徒たちは教室内に閉じ込められる
感想
全体的にこすいやり方のドラマ
しかし、それが成功してると言えるし
人気も視聴率も取れている
そこは認めるしかない
でも、メッセージの伝え方が悪すぎるし
それが正しいとも思えない
ここ最近でも
かなり話題になったドラマですね
売り出し中の若手俳優たちが
多数生徒役として出演し
主演は菅田将暉
内容は先生が生徒を監禁する
という衝撃的でインパクトのある設定
僕も番組宣伝を見た時に
とても興味をそそられ
まんまと釣られました
実際にドラマを観だすと
なんのことはない
普通の学園ドラマとやってる事は変わりません
毎週なにかしらの生徒の問題が浮き彫りになり
それを先生の熱い説教で解決
みたいな流れの繰り返しです
その学園ドラマに
なぜ担任の柊がこんな事をしているのか
という謎をプラスして
ミステリードラマとしても展開していく
この要素でマンネリ回避って感じですね
第一印象のインパクトで
客引きは大成功だし
謎を引っ張る事で
ドラマの視聴者たちを離さない
これはテレビ番組としては
かなり良いやり方だと思いました
ただ、作品としては全然好きじゃない
やってる事が視聴率を取るための
こすい事ばかりなので
ドラマの内容は酷いものです
最後のオチはミステリーとしては成立してないし
伏線の張り方や謎の隠し方が下手
ドラマ内容もお涙頂戴ってだけで
薄っぺらく心に響かない
演出が古臭いしセンスが無い
言ってしまえばインパクトだけで
中身はたいして無いドラマです
ミステリードラマとしてだけで見ると
最後のオチはダメだと思う
あれだけ引っ張ってあのオチ…
なんじゃそりゃ
って感じです
まあ、それを置いといたとしても
ミステリーとしてはヘタクソだと思う
このドラマって徐々に謎に迫っていく
というより
製作者の都合で謎を隠して
製作者の都合で謎を明かしていく
そんな感じがするんですよね
普通こういう物語って
誰かが謎を解くために行動して
謎を解き明かしていくから
面白いと思うんですけど
このドラマって
謎を解く役の人間がいないんですよ
全ての真相を知っている柊が
ただ毎週ちょっとずつ
真相はこうでした
って事を言ってるだけで
謎解き要素が皆無
ただ謎を先へ先へ引き延ばしてるだけ
伏線になり得るようなものが後出しだったり
真相に迫るような言葉を
ただカットして後で見せたり
全然上手いなと思わせるような
展開が無いんですよ
そして、学園ドラマ的な部分は
ただのお涙頂戴になってます
毎週、柊がもっともらしい事を
怒鳴り散らして
そして生徒が涙する
そればっかりです
説教の内容も
人の気持ちは考えよう
夢や希望を捨てるな
人の嫌がることはするな
何も知らないのに決めつけるな
みたいな感じ
良い事は言ってると思います
でも、これを全部言葉で説明していて
説教臭くてうるさい
こんな伝え方じゃ
こんなこと言われなくてもわかってるわ
って突っぱねてしまいますよ
もうちょっと伝え方は考えた方が
良かったと思います
あと、コミカルなシーンは
めちゃくちゃ不快でした
とくに学校の先生たちのシーン
人の命が掛かってるような状況で
先生たちが楽しそうにボケあってるんですよ
ドラマ全体の
緊張感のある雰囲気も崩れるし
単純に先生たちを気持ち悪く思う
先生だけでなく
生徒たちも監禁されてる状況で
そういうシーンがあるし
ちょくちょくコメディを
入れてくるんですが
こんなシーン全く無くても
いいと思うんですけど
それと特撮ヒーローネタみたいなのも
正直微妙です
まず、ヒーロースーツがダサいし
クオリティが低すぎる
トクサツガガガほどとは言いませんが
もうちょっとマシなの作れたと思う
仮面ライダーＷネタとかもありましたが
それが？
って感じ
雑に扱ってるように思えるし
どうせ特撮オタクはこういうの好きだろ？
って感じが伝わってくる
特撮ファンが喜んでるとかも聞きますが
本当ですかね？
このドラマのスタッフは
特撮なんか興味ないんだろうな
ってのが感じ取れます
なんかいろいろ言いましたが
僕が１番言いたいのは
そんなことじゃないんです
僕がこのドラマで１番どうかと思うのは
このドラマのメッセージの事です
最終回の柊の画面越しの説教
一見すごく良いことを言ってるように
聞こえますが
こんなの一方的な暴論だと思う
メッセージの内容は
何も知らないのに周りの情報に踊らされ
人の気持ちも考えずネット上で
誰かに誹謗中傷を浴びせる人たち
そんな事はやめましょう
みたいな事だと思います
これ自体は正しい事ですよ
心無い誹謗中傷は暴力だと思います
でも、この言葉の暴力に対しての柊の行動は
生徒を監禁し恐怖に陥れ
市民たちに不安を与え
学校を爆破し
関係ない人たちをたくさん巻き込んでいる
さらに、世間の人間を欺き
そして騙して人々の粗をあぶり出し
自分の思うように仕向け
揚げ足をとり説教する
言ってしまえばこれも暴力ですよ
暴力に暴力で返しても何も生まれないです
柊の行動を見れば
言葉に何の重みもないし説得力も無い
ただの自己満足の正義感を
振りかざしているだけ
しかも、このドラマで描かれている
SNSでの誹謗中傷を書き込む人間たちは
一方的に悪として描かれている
全てお前たちが悪い
そう言わんばかりです
今までのドラマの中での説教のことは
棚に上げて
一方的に誹謗中傷を言っている人たちを
悪と決めつけている
その人たちがどういう人間なのかも
知らないくせに
その人たちの気持ちも考えず
ただ誹謗中傷を書き込んでいる
という理由だけで悪と決めつけています
こんなのじゃ永遠に
お互いに分かり合えるわけなんかない
お前は悪人
そう言われて
心改めます
とはならないでしょ？
この説教の内容を聞いていると
製作者側、テレビ業界、芸能界
この人たちの訴えのようにも思えてくる
がんばってテレビ番組作ってるのに
その気持ちも知らずに
自分勝手に
つまらないとか面白くないとか言うな
みたいな
作り手側がそれ言い出したらダサいですよ
やっぱりテレビってネットの声を
とても気にしているし嫌いなんだな
ってのが伝わってきます
そして、この菅田将暉の説教を聞いて
感銘を受けた人もいると思うんですけど
それもどうなの？
と思います
こんな事は学校の先生からも
教わってるだろうし
テレビでもよく取り上げられている
社会問題ですよね
それを今まで無視してきて
何も考えてこなかった人たちが
急に菅田将暉が言ったからってことで
感銘を受けてるんですよ
そういう人たちは
たぶん
このドラマをつまらないと言った人を
何もわかってないバカな奴だ
と言って叩くんでしょうね
この問題で１番大事なのって
発信する側ではなく
受け取る側だと思うんです
SNSだけでなく現実の世界でも
こんな理不尽な事はたくさんあるわけで
そんな理不尽な中を
どう生きていくかの方が大事だと思う
このドラマではそこがあまり描かれていない
この作品を
僕は良いドラマだとは思えませんでした
ただ、１つ良い言葉もありました
このドラマを全て鵜呑みにするのでなく
ただ頭ごなしに否定するでもなく
このドラマを観て自分はどう思うか？
一体何が大切なのか？
Let's think.
3年A組 ―今から皆さんは、人質です― [Blu-ray BOX]
