何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「アイ・オリジンズ」感想 とても興味深い 科学と神秘の論争の先は

 

f:id:kiitsu01:20190510235522p:plain

 

どうもきいつです



SF映画「アイ・アイオリジンズ」観ました

 

「アナザープラネット」で注目を集めた
マイク・ケイヒル監督による
2014年のSFラブストーリーです

 

最先端医療を研究する1人の青年が
瞳を手掛かりに運命の人との繋がりを
探す数奇な人生を描いた作品





あらすじ
大学院で人間の瞳について研究しているイアンは
仮装パーティーで出会ったソフィに惹かれ
写真に写した瞳だけを手掛かりに彼女を探し出す
2人は恋に落ち結婚を決めるが
ある悲劇を彼らを襲う



感想
とても興味深い内容
科学と神秘
相容れない2つを描き
とても考えさせられる映画でした



この映画、SFって言ってますが
そんなにSFではないです
科学技術が今よりは少し発展してる
そんな世界観ってだけで
そんなにぶっ飛んだ世界が
見れるわけではないです

ほぼ、現実世界と変わらない
世界観だと思います
決して派手ではないです
むしろ地味な映画です

物語も淡々と進みますし
わかりやすく派手なエピソードも
展開されないです
面白い映画ではないかもしれません

でも、登場人物たちの心情は
細かく描写されていますし
ラブストーリーからの
最後の展開までの流れは面白いと思います



そして、なによりも
この映画のテーマが深くて
とても考えさせられる


この映画で描かれているのは
科学と神秘
これのどちらが正しいのか
どちらが間違っているのか
この2つの違いとは何か

これはなかなか答えの出せない問題です
というか答えなんか無いと思う
その答えのない問題について考えましょう
そういう映画だと思います


今の時代
科学が絶対的という人が
圧倒的に多いと思います
てか、科学が常識みたいなものですよね

宗教や神、伝承
そんなものは過去のもので
何の信憑性も無い作り話

そんな考えの人がほとんどだと思います

どんな不思議な事も
いつか誰かが科学で解明してくれる
みんなそう信じています


でも、これって宗教みたいにも感じれる
科学を絶対的に崇拝している科学教


この映画では
そんな一方的な考え方で
本当に大丈夫か?
そう問いかけているようにも思える

これは逆に神秘的なことを信じる人
にも言える事だと思います



主人公イアンは
実験で瞳を作り出す研究を成功させることで
神がいないことを証明する
それを原動力に研究をする人です

恋人のソフィは真逆で
神や奇跡を信じる人

この2人を対照的に描くことで
このテーマがさらに浮き彫りになりなます

しかし、この2人は全く考えが逆なのに
恋人として上手くいっていて
結婚まで進みます

この2人の関係を見ることで
科学と神秘が密接だと感じれる
そしてこれが到達点なのかもしれない


さらに、この映画の中では
科学を研究するイアンにスポットを当て
科学的なSFとして物語が進みますが
同時に奇跡的なものも描いている

ただ、それが奇跡なのか偶然なのかも
曖昧な表現

1のゾロ目や
イアンとソフィの出会い
インドで少女を発見するシーン
など

奇跡的にも思えますが
確率で言えば低いけどありえる事

奇跡はあると思えばあるし
無いと思えば無い
そう思わせる表現です


終盤の輪廻転生についての事も
ラストの終わり方を見ると
どっちともとれる終わり方です

輪廻転生があったとも言えるし
無かったとも言える


この映画は全てにおいて
曖昧な描き方をしています

明確な答えは示されないです
答えは自分で見つけなければならないんです


ただ、科学と神秘は真逆なようで
実はお互いに補っている存在
というメッセージも込められているのかな
と思えたりもします

科学で解明できない部分の穴を
埋めるのが神秘で
神秘の謎を解明するのが科学
この2つは人間にとって
両方ともとても重要なもので
どちらか1つでは成り立たないのかな
なんて思いました



なんかいろいろ考えさせられました
でも、あまり消化しきれていない
結構、難しいテーマの映画でした

もう1度観れば
見方や考えも変わってきそうです




アイ・オリジンズ (字幕版)