何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「トゥルーマン・ショー」感想 コメディーかと思ったらすごく怖い映画だった

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どうもきいつです


コメディー映画「トゥルーマン・ショー」観ました

ある男の生涯がテレビ番組として
放映されていたという物語
その番組の主役であるトゥルーマンの
姿を描いた1998年の作品
監督はピーター・ウェアー
主演はジム・キャリーです

 


あらすじ
典型的なアメリカ市民のトゥルーマンは
幸せな普通の人生を過ごしていた
しかし、彼の暮らす環境は
どことなく不自然だった
実は彼の人生は全て撮影され
TV番組として世界中で放送されていた
そして、トゥルーマンはその真実に
気付き始める

 

感想
とても面白い映画でしたけど
反面すごく怖い
コメディーなのに
怖さを感じる映画でした

 

この映画の存在は
有名だし昔から知ってたんですが
今まで観てませんでした

たまたまテレビでやっていたので
鑑賞してみたんですが

観る前のイメージだと
ジム・キャリーが主演だし
面白可笑しく笑えるコメディー
だと思ってました

でも、全然笑えん
超怖い映画でしたよ

これはコメディーの皮をかぶった
ホラー映画です

 

この映画の中で起きてることって

コミカルな登場人物たちの
普段のやり取りだったり
ちょっと滑稽でバカバカしい
演出だったり
笑えるような内容なんですけど

この世界観と主人公の境遇を知っていると
そのコミカルな場面が
逆にすごく怖いんですよ

この世界ではトゥルーマン以外の人間は
みんな演技をしていて
その様子が世界中にテレビ番組として
放送されている

この設定がそもそも怖い


子供の頃
実は自分以外の人は
みんな演技をしていて自分はみんなに
ダマされてるんじゃないかと
妄想して怖くなったこともありましたが

この映画はそれを完全に
映像として表現していました

子供の頃に抱いた恐怖が
蘇りました


トゥルーマン自身は
はじめは何も気づかずに
理想的で幸せな生活を送っています

ただ、観ているこちら側は
はじめからこの世界の仕組みを
知りながら観てるわけです

だから、この作られた幸せな人生に
とても違和感を感じるし
気持ち悪さもあります

この世界はテレビ番組なので
トゥルーマンの周りの人たちが
日常の中に無理やり商品の宣伝を
入れ込んだりしてきます

これは軽く見てればバカらしくて
笑えるシーンでコミカルなんですが

そんなシーンですら
気持ち悪くて怖さを感じます

 

そして、何よりも怖かったのが
トゥルーマンに近しい人物たち
これがマジで怖かったです

妻、母親、親友
この人たちが特にトゥルーマンと
親密な人たちです

母親は子供の頃から
母親として育てていますし
親友は子供の頃からの幼馴染
妻とも結婚してから
夫婦として日々を過ごしている

いくら演技とは言え
こんなにも日々を共に過ごしてるんだから
思い入れや親しみ、情けなどが
わきそうなもんですが

この人たちからは
それが感じられないんですよね
あくまで仕事の一環として
演技をしてるだけなんですよ

トゥルーマンが真実に気付きはじめて
妻に詰め寄る場面での
唐突に商品宣伝しだした時とか
狂気ですよ
すごく怖い

親友との会話の場面では
親友がプロデューサーの言葉を
そのままトゥルーマンに話します
しかも、全く戸惑いも無くに

ここも超怖かった
ゾッとしますよ


彼ら以外も
この街に住む人たちは
みんな指示通りに動く人間で
まるでロボットのようなんですよね

トゥルーマンの動きを抑制するために
街の人たちが団結して
トゥルーマンの全てを制御しようとするさまは
異様ですよ

 

トゥルーマンが真実に気付きはじめて
所々に違和感が見えてくる場面も

見ようによっちゃ笑えそうなんですけど
気持ち悪さや恐怖が上回ってる

エレベーターの扉の向こうに
謎の空間が広がってたり
同じ車や自転車が同じ道を
ぐるぐると回ってるだけだったり

そういうシーンが
いちいちゾッとさせられる


トゥルーマンに
感情移入すればするほど
この映画が怖く
思えるんじゃないでしょうか

 

で、この映画の中で
唯一トゥルーマンに
親心や愛情を抱いている人物は
実はプロデューサーのクリストフなんですが

彼の愛情もなかなか歪んでて
すごく気持ち悪さがあり
とても怖いんですよ

こんな狂気じみた世界で
一生を過ごすことが
トゥルーマンにとっての幸せだ
と本気で思ってます

これがただ金のためや自分の保身のために
やってることだったらわかりやすいし
こいつがただの悪い奴だと
思えるんですけど

でも、彼は本当に愛情を抱いてるし
トゥルーマンを思っての言動なんですよ
だからこそそれがすごく怖い

 

さらに、この映画には
視聴者の視点ってのもあって
これもなかなかモヤモヤするんですよね

視聴者たちはただテレビ番組を
楽しんで見てるだけの存在です
別に悪気があるわけではないし
自分たちと変わりない普通の人

トゥルーマンの脱出劇を見ると
みんなで応援してるし
成功した時には大歓声です

一見、軽く見てしまえば
感動的な大団円にも感じれますけど

ラストは
視聴者がトゥルーマン・ショーが
終わったから
別のチャンネルに変えようとして
幕を閉じる

すごく嫌な終わり方

結局、トゥルーマンの人生も
壮絶な脱出劇も
視聴者からすれば
ただ消費されるだけのエンターテイメント
でしかなかったってことですよね

今まさに自分がしてること
グサッと心に刺さりました


こういう風刺的なメッセージは
全然、今の時代にも通じますよね

テレビ番組もそういうが今も多いですし
24時間なんちゃらとか…

テレビだけでなくとも
ただ消費されては消えていくものが
たくさんありますよ

映画にしろ、漫画にしろ、音楽にしろ
持ち上げられては消えていく

こういうところに人間の残酷さも
感じますよね

怖さだけでなく
いろいろ考えさせられる映画
でもありました

 

予想外に怖い作品で
笑えそうでゾッとする
ちょっと不思議な感覚の映画

現代でも通じるメッセージが
たくさん込められていて
いろいろ思うこともありました

ラストでのトゥルーマンの
笑顔のあいさつ
これが救いなのかもしれません

 


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