何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ドクター・ストレンジ」感想 ストーリーはショボいけど映像表現がすごすぎる だから好き

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どうもきいつです


ヒーロー映画「ドクター・ストレンジ」観ました

事故で両手を思うように動かせなくなった
天才外科医が魔術の力で戦う
スーパーヒーローアクション

ベネディクト・カンバーバッチが
主演を務める2017年の作品
監督は「エミリー・ローズ」などの
スコット・デリクソンです

 

あらすじ
天才外科医スティーヴン・ストレンジは
交通事故に遭い外科医としては致命的な
両手にマヒが残るケガをしてしまう
あらゆる治療法を試し
最後に行き着いた先は
神秘の力を操るエンシェント・ワンの
もとだった
そして彼は人類の存亡をかけた戦いに
巻き込まれていく

 

感想
ストーリーは普通すぎて
面白みがあまりない
でも、映像はすごい
この映像を観るだけでも
価値のある映画だと思う

 

本作は以前も観たことがありましたが
テレビでやっていたので
再び観てみました

あらためて観ると
映画館で観るのとテレビで観るのとで
感じ方も違ったし
新しい発見もありました


この映画って
ストーリーが単純だし
特別面白いわけではない
なかなか微妙な内容だったりします

だから、この映画が面白くない
と言う人も結構いると思う

特に映画が好きで
いろいろ観ている人にすれば
ありがちだししょうもない内容
だと思ってしまうかも

逆にマーベルファンは
ただMCUの作品の1つだから
というだけで大絶賛していたりもしますし

いまいち他人の評価を見るだけじゃ
面白いかどうかを判断しづらい映画


僕自身は
この作品がかなり好きです

確かにストーリーは微妙だけど
それ以上に
映像表現が好きすぎるんですよね

ストレンジたちが
魔術で作り出す世界が
なかなか面白い表現で
それだけでとても見入ってしまう

どういう表現かというと

現実的な世界が
その形を保ちながらも歪んでいく
ダマし絵のような映像

2010年の映画「インセプション」
みたいな感じですね
実際に影響を受けてるみたいですし
オマージュのようなシーンもあります

ただ本作は「インセプション」の
さらに一歩先の表現にまで
達していたと思います


「インセプション」は
シュールな映像を
圧倒的な迫力とリアル感で
表現していて
それだけでもスゲーと思える
映像表現だったんですが

本作はそんな映像表現に
さらにアートをプラスしてる

それは、エッシャーの絵画のような
シュールレアリスム的な表現だったり
幾何学的な表現
東洋の魔術ということで
曼荼羅図なども意識していると思います

そういう表現が
すごく面白いんですよね

そして、そんな中での
アクションシーンっていうのが
とても新鮮だし
迫力もあってワクワクする

 

この映画
スタートダッシュもすごくて
冒頭のシーンから
心を鷲掴みにされます

エンシェント・ワンと
敵であるカエシリウスとの
戦いから始まるんですが

はじめから売りである
映像表現を惜しみなく出してくれます

街中がぐるぐると変形しだし
ビルの側面の上で戦闘が始まる
このシーンが派手だしカッコいいから
最初からこの映画スゲー
ってハイテンションな気持ちになるんですよ

その後の
エンシェント・ワンにストレンジが
真理的なものを見せられる場面
なんかもすごい面白い映像だと思うし

重力の向きが変わりまくる
建物内での戦闘
ケガの治療中に幽体離脱しての戦闘
逆再生の中での戦闘

と戦闘シーンが
いちいち面白い表現なんです

今までのマーベル映画でも
あまり見たことがないような
アクションシーンが続くので
この点では他作品との差別化もできていて
とても新鮮に感じれます

 

ただ、テレビで観て思ったのが
この派手な映像が
思った以上にショボく見えました

テレビより映画館で観る方が
迫力があるのは当たり前ですけど
この映画は特にそれを感じます

しかも、この映画はIMAX3Dで観るのが
完璧なんじゃないのかなと思うんです

ストレンジが真理的なもの
見せられるシーンなんかは
映画館で観た時は
マジでスゲーと感動までしたんですけど
テレビで観たら
こんなんだったっけ?
と思ってしまうほど印象が
変わってしまっていました

今さらですけど
これは映画館で観るべき映画
だったと思いました

 

ストーリに関しても
いろいろ言われてますけど
僕はそんなに嫌いじゃないです

他のMCU作品とそんなに大差の無い
マンネリ気味な内容ではありますが

マトリックスのような
世界の真理を知り
常識から解放され修行をして
強くなっていく
というのはとても好きだし

敵の圧倒的な存在感や
決着のつけ方も悪くないと思う

ただ否定的な意見も
すごくわかるんですよね

キャラクターの薄さとか
ストレンジに感情移入できないとか
敵との決着が納得いかないとか


それもいろいろ要因はあると思います

まず、ストレンジの変化が
わかりづらいですよね

傲慢で頭の固い嫌な奴から
人類を守るヒーローに
なるわけなんですが

いまいちストレンジが
成長したのかどうかわかりづらい

最終的に成長したんだろうな
というのは伝わってくるけど
あまり具体的じゃないです

なので、いまだに傲慢なのかなとか
嫌な奴のままなのかなとか
そう疑問に思ってしまい
それがぬぐいきれない


他の登場人物も
エンシェント・ワン
モルド
カエシリウス
などの主要人物でさえ
どんな気持ちなのか掴めない

何を原動力に彼らが動いているのかが
全然伝わってこないんですよ

会話のやり取りなどが
世界観や設定の説明が多くて
人間の感情や関係性の表現が
あまり無かったように思います


全体的にドラマが薄過ぎたんでしょうね
映像やアクションはすごいんですけど
ドラマ部分はいまいちパッとしない

淡々と物語が進んでいるだけ
という印象でした


そして、ラスボスのドルマムゥとの
決着のつけ方

敵をぶっ飛ばして終わり
ではなく
説得して終わらせる
これは全然悪くないと思うんです
他ヒーローとの差別化になるし

そういう決着のつけ方により
ドルマムゥ自体の強大さも
伝わりますしね

でも、その見せ方が
悪かったと思うんです

何回も同じ時間を繰り返し
それに嫌気がさしたドルマムゥが
退散する
という倒し方なんですけど

これが
10回くらい繰り返しただけで
ドルマムゥが根負けしたようにしか
見えなくて
ドルマムゥ心弱すぎだろ
って思ってしまいます

これのせいでドルマムゥが
小物に見えてしまうし
オチもすごく弱く感じてしまいます


この場面が
何千回、何万回も繰り返したように
感じる表現にするだけで
全然感見え方が変わるはずです

確かにどう表現するかは
難しいとは思いますが

それができたら
ストレンジの意志の強さも表現できるし
ヒーローとしての説得力にもなる
ドルマムゥも小物に見えない
と良いことづくめだと思う

ここはやっぱりもったいないなと
思いました


こういう部分が
良くなっただけでも
この映画はもっとすごい作品に
なっていたんじゃないでしょうか

 

ストーリーの弱さは
否めませんが
それでもやっぱり映像は
すごいです

この映像表現だけで
僕はこの映画がすごく好き
観る価値はあると思います

 


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