何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」感想 つまらないドキュメンタリー 今のアイドルのストーリーの無さを痛感する

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どうもきいつです


ドキュメンタリー映画「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」観ました

人気アイドルグループ乃木坂46の姿を
映し出したドキュメンタリー映画の第2弾
2015年の「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」から
4年ぶりのドキュメンタリー映画です

監督は乃木坂46のライブの舞台裏を追った
映像などを手掛けてきた岩下力

 

あらすじ
初のシングルミリオンセールや日本レコード大賞を
果たした2017年
史上初の明治神宮球場と秩父宮ラグビー場での
2会場同時ライブ開催やレコ大2連覇を
成し遂げた2018年
絶大な人気を誇った西野七瀬が卒業し
新たな時代を迎えた2019年と
彼女たちの心の葛藤と成長を映し出していく

 

感想
ドキュメンタリーとしてレベルが低いと思う
この映画で何を伝えたいのかが
全くわからない
ファンが観てもつまらないだろうし
ファンでない人が観ても
つまらない映画だと思います

 

僕は乃木坂46に関してはそこまで詳しくはないです

歌が好きでよく聴きますし
乃木坂のテレビ番組も観たりしますが
グループを深く掘り下げて見てるわけではないので

メンバーも有名な子たちは把握しているけど
名前と顔が一致しない子もたくさんいます

もちろんライブにも行ったことが無いので
僕なんかはニワカですらないのかも

ただ、この映画には興味が惹かれたので
観に行ってきました

前回の映画は観ていないので
比べようがなく
今回の映画を観ただけの感想です

 

観終わった時に
単純にこの作品はつまらなかったな
という気持ちになりました

ドキュメンタリーというより
ただ撮り溜めた映像を垂れ流しただけのような

2時間がすごく長く感じました
上映中も結構しんどかった
途中からは、いつ終わるんだろう
と考えてしまうほどです


なぜこんなにも退屈な作品に
なってしまったんだろうと考えると

このドキュメンタリーが
結局なにを伝えたかったのかが
わからないからだと思う


監督が乃木坂46を密着し撮影したことで
何を思ったのか?
何を感じたのか?
彼女たちの姿を通して何を伝えたいのか?
そういうものが全く感じられない

監督の意思を感じられない映画に
なっていたと思うんです


ドキュメンタリーって
ただ現実の姿を映像として見せるだけでなく
そこに撮影した人間の思いや考えをプラス
することで初めて作品になる

この映画ではそんな重要なところが
抜け落ちてしまっているように思えます


本作には一貫したメッセージが無いので
作品全体がとっ散らかっていて
何を中心に観ればいいのかもわからず
全体のつながりも悪い


そもそも、グループ全体の姿を見せたいのか
個人の心の内面を見せたいのか
それすらも中途半端なんですよね


グループ全体を見せたいにしては

密着した1年半の中での
グループの変化や目指しているもの
このグループはどうあるべきか
というようなことは全く伝わってこない

それに特定のメンバーだけに
焦点が当たり過ぎているし

本作では
西野七瀬、齋藤飛鳥、ときどき与田祐希と
ほぼ3人の密着ドキュメントみたいに
なってしまっている

個人をフィーチャーするってやり方は
間違ってはないと思うんで
良いとは思うんですけど

その3人からグループ全体へ繋がる何かは
全く引き出されていなくて
個人的にどうなのか、と言う部分しか
見せていないのが問題です


そもそも西野七瀬はもう卒業して
現在はグループにいない人なのに
彼女の個人的な話を中心にするのも
ちょっとおかしなことになってると思う

卒業する彼女の気持ちにスポットを当てるより
残されたメンバーが彼女の卒業について
どう思うのか
その先についてどう考えているのか
ということの方が大事だと思うんですよね

でも、そういう部分はかなりあっさりと
流されてしまっていたりします


齋藤飛鳥に関しても
成人式だったり海外旅行だったり
彼女にかなり密着してインタビューとかも
していますけども

そこでは
結局、齋藤飛鳥がどんな人間なのか
ということしか伝わってこない

そこから先を掘り下げてくれないんですよね
齋藤飛鳥という人物から見えてくる
乃木坂46の姿を見せてくれない


これは他のメンバーの密着やインタビュー
でも同じで

アイドルとミュージカルとの両立に
奮闘する生田絵梨花や
卒業なんて無くていいと言う秋元真夏など
そういう部分は見せるけど
そこから先が無いから
で?って思ってしまう

そこから見えてくるであろう
乃木坂46のグループ像というところまで
全然掘り下げてくれない

あまり詳しくない僕でも
たぶんこの子たちはこんな気持ちなんだろうな
と理解できている部分をひたすら見せられてる


基本的にメンバー個人にスポットを
当てているけど
掘り下げが甘すぎて
そこから何も生まれていないと思う

厳選されたメンバーであっても
その子たちのもっと深い部分まで踏み込めば
個人同士の絆も見えてくるだろうし
乃木坂46の何か
が見えてくると思うんですけどね

 

それと映像の見せ方も上手くないな
と思わされる部分もあります

全体的に編集がごちゃごちゃしていて
つながりが悪く一貫性が無いし
西野七瀬の見せ方がくどすぎるようにも
感じます

紅白歌合戦で西野七瀬がグループとしての
テレビ出演が最後という場面と
西野七瀬の卒業コンサートの見せ方の熱量が
同じくらいなので
デジャブを見てるように思ってしまう

さすがに西野七瀬を引っ張り過ぎだと思う
せめて紅白の方をもうちょっと
あっさりと見せるべきだと思います


あと、乃木坂の楽曲の良さやパフォーマンスのすごさ
なんかも全然伝わってきませんね

音楽の使い方はあまり良くなかったし
ライブ映像とかも
もうちょっと見せても良いんじゃない?
と思いました


ファンなら要所要所では感動できるかもしれないけど
作品全体を通したらつまらないでしょうし
ファンでない人に魅力を伝えれる作品にも
なっていないんじゃないでしょうか

齋藤飛鳥の宣伝にはなってると思うけど

 

そんなこんなで
かなり否定的な事を言いましたけど
これって全部監督が悪いのか?
と思うところもあります

そもそも、乃木坂46にストーリーが無い
というのが根本にあるんじゃないのか
と思うんです

だから監督がこのグループを
どう掘り下げればいいのか
わからなかったのかも

ぼくは細かいところは詳しくないですが
このグループが
どういう道のりを歩んできてるかは
ある程度わかるし
この映画を観たことでも
近年の全体像は掴めています

それを通して考えたら
乃木坂46というグループには
ストーリーが無いと思えてくる


だから、卒業した西野七瀬の
話ばかりになってしまうし
メンバー個々でしか物語を生み出せない

たぶん細かいドラマは生まれてると思います
そこにはメンバーの思いや葛藤もあるはず
でも、全体を通してのストーリーは
無いんじゃないでしょうか


ただ、これは乃木坂だけじゃなくて
他のグループも同じだと思う

メジャーで活躍するアイドルにしろ
地下アイドルにしろ
ストーリーが無いから本当の意味で惹きつけられない

改名したりとか
新メンバー加入だとかで
無理やり作ろうとしてるグループもあるけど
やっぱりそれは付け焼刃でしかないし
一過性ですよね

そんな中でも
AKB48とももいろクローバーZはストーリーが
ありました
だからこそ人気が爆発したと言えるし
一時はアイドルの中で頂点まで行けたんだと思う
この2組は伝説ですよ

ただ、現状はあれですけど…


今では乃木坂46がアイドル界で
トップを走っていますが
今いるアイドルの中で1番人気があるというだけで
感動できるアイドルグループかというと
そうではないと思います


この映画を観ることで
今のアイドルグループ全体のストーリーの無さを
痛感させられました


でも、劇的なストーリーなんて
作ろうと思って作れるわけないと思うし
予期せぬところから生まれてくることもある

そういうのも含めてアイドルの面白さでも
あるのかもしれませんね

 

なんか話がずれてるようにも思いますが

結論は、この映画はつまらない
ファンだとしても別に観なくていい
たぶん監督の力不足が大いにある
酷いドキュメンタリーでした

 


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