何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「片腕マシンガール」感想 ふざけきった96分

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どうもきいつです


アクション映画「片腕マシンガール」観ました

弟を殺された女子高生の壮絶な復讐劇を描いたスプラッターアクション
日活の作品ですがアメリカの映画会社が出資したため
邦画ではなく洋画扱いの作品となっています

監督は「猫目小僧」などの井口昇が務めています

 

あらすじ
不良グループのいじめにより
たった1人の弟を殺されてしまった女子高生のアミ
弟の仇をとるため復讐に乗り出す彼女だが
逆に捕らえられ拷問の末に片腕を失ってしまう
なんとか逃げ出したアミは
失った腕の代わりにマシンガンを装着して戦いに挑むのだった

 

感想
最初から最後までひたすらふざけてる
かなり低予算だろうしチープなB級映画に仕上がっています
でも、構図が格好よかったり展開が熱かったり
妙に引き締まる部分もある変なバランスの映画

 

タイトルは聞いたことあるけど観たことが無かったので観てみました

 

なんかすごい映画でしたね…
完全にB級…と言うかC級で
ふざけすぎだし悪趣味だし
最低の映画であることは間違いない

究極のおバカ映画ですが
清々しいほどのおバカ映画で
それがこの映画の最大の魅力

唯一無二の映画だと思います


ただ、あまりにも低俗な映画なので
意識の高い真面目な映画が好きな人からすれば
大嫌いな映画なんじゃないでしょうか

不快で気持ち悪いと思ってしまうかも…


僕の場合は低俗なものは大好きなので
この映画には大いに笑わされたし
このバカバカしさがとても好きです

 

まず、この映画はアメリカ向けに作られた映画だそうで
ニンジャ、ヤクザ、スシ、テンプーラな変な映画にあえて作られています

敵が服部半蔵の末裔のヤクザとか
わけのわからん設定だったりするし

ジャージ忍者や腕の天ぷらなど
頭のおかしい発想てんこ盛りのクレイジー映画

海外の人が観ても
こんなの日本じゃねーよ
と思うレベルで頭がおかしいです

基本、最初から最後までずっとふざけている映画なので
ツッコミどころは満載
もはや、ボケの応酬にツッコミが追いつかないです
本当にボケ倒してました

 

そして、B級映画らしく
スプラッター描写もとても多い
ほとんどのシーンに血が飛び散ってるんじゃないかと思うほど

人は死にまくるし
グロい場面もふんだんに見せてくれます

でも、これが気持ち悪いリアルなグロさかと言うとちょっと違って
気持ち悪さを通り越してファンタジーになっています

完全に作り物だったり
痛々しさより笑いが勝っていたり
そもそもチープなグロさなのでリアルな気持ち悪さは少ないです

血しぶきの飛び散りかたなんてアホすぎて笑てしまいます

あえてバカバカしく見せてるんだろうけど
鮮烈に記憶に残る描写でもあって
目に焼き付いてしまう場面がすごく多いです

ふざけてるけどセンスは感じるんですよね

 

そして、登場人物たちもバカみたいな奴らばっかり
みんな頭おかしいです

主人公のアミは一見まともに見えるけど
周りがおかしすぎるからまともに見えるだけで
実はかなりヤバい奴です
復讐とは言え残虐すぎるし

生首を鍋に入れるなんて女子高生の発想じゃない
人殺しに戸惑いなんてないクレイジーさを見せつけてくれます

いじめっこのヤクザ一家は
何から言えばいいのかわからんくらい全てがおかしい
イカれてるとかじゃなくバグってる
この人たちが登場する度に笑ってしまいます


アミを助けてくれた夫婦も
普通の人たちに見えるけど
手作りでガトリングガンを作ってしまう異常な夫婦

片腕を亡くすという大怪我を手当てだけで治してしまうという異常な夫
妻は妻で元ヤンという理由だけで強すぎたり
てか、中学生の母親にしては若すぎない?


いじめっこの1人の両親は
普通に殺しにかかってきて怖すぎますよね

警察の権力でイジメを無かったことにするのかと思いきや
出向いたアミを当たり前のように殺そうとする攻めの姿勢には爆笑しました


とにかく登場人物はもれなくイカれてます
こんなの真面目に見たら敗けです

 

基本的に全てがふざけてるおバカ映画なのは間違いなくて
真面目に観ることなんてできない映画なんですが

所々に格好いいシーンがあったり熱い展開があったりと
謎に引き締まる部分があるのが腹立つ

構図が妙にカッコいいんですよね
アミがヤクザの親分と対峙する場面とかめっちゃ良いし

ジャージ忍者とかも見た目はダサいけどカッコいい見せ方をしてたりする


ストーリーに関しても軸はちゃんとあって
復讐劇として熱い展開は多いし
最後は爽快で気持ちがいい

序盤に胸くそ悪さを詰め込んでるから
ラストのカタルシスはとても大きい

意外としっかりと組み立てられてるストーリーなんですよ


それに、アクションシーンも
バカなことをやってるわりにカッコいい見せ方が多くて
アクションで気持ちを上げられる

冒頭のアミの暴れっぷりは最高です


そして、何よりも
セーラー服の女子高生の片腕をガトリングガンにして血を浴びせまくるという
これのセンスは素晴らしい

この画だけでカッコいい
これだけでこの映画は勝ちですよ


ふざけまくってるけども
センスはかなり光っていて
僕は格好いい映画にも思えました

バカなだけで押し通すのではなく
メリハリがあるのがこの映画の強みだと思います


あとは、アミを演じる主演の八代みなせがとても魅力的
アイドル映画としても素晴らしいと思います

人を殺させたり血を浴びせまくったりと
やりたい放題なんですけど
しっかりと彼女を美しく見せています

ベタで無難なアイドル映画の女優よりも
よっぽど魅力的に映されている
可愛いけど、ただ可愛いだけじゃない

いろんな表情でいろんな面の八代みなせの魅力を引き出せている映画だと思います

八代みなせを観ているだけでも満足できる
それくらい魅力がありました

 

究極にくだらなくて低俗な映画
こんなの観ても時間の無駄かもしれない
でも、そんな無駄な時間に意味を感じれるような謎の魅力を秘めています

嫌いな人は嫌いだろうけど
好きな人は好き

 


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