何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス」感想 グリス大好きならたぶん楽しめるかな…

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どうもきいつです


特撮映画「ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス」観ました

2017~18年まで放送された「仮面ライダービルド」のその後を描いた
Vシネマ「ビルド NEW WORRLD」の第2弾
テレビシリーズの仮面ライダービルドとともに
活躍した仮面ライダーグリスを主人公に
シリーズの最終章として描かれています

監督は数々の仮面ライダー、戦隊ヒーローを
手掛けてきた中澤祥次郎が務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
桐生戦兎が想像した新世界では
人体実験を受けたものだけが旧世界の記憶が
よみがえる現象が起きていた
記憶のよみがえったものの中から
世界を科学の力で支配しようとする
ダウンフォールという組織が生まれる
ダウンフォールの魔の手は戦兎たちにもおよび
美空が人質に捕らわれてしまった

 

感想
かずみん大好き!!グリス大好き!!
って人は無条件で楽しめるんじゃないでしょうか
ただ、ストーリーは正直つまらないし
そもそも、この物語の主役が
グリスである必然性を感じれない
個人的にはちょっと微妙でした

 

「仮面ライダービルド」はとても好きで
テレビ放送中に全部追って観てましたし
劇場版も観に行ってました

でも、Vシネマ第1弾の仮面ライダークローズが
主役の作品は観てません

僕はもともと仮面ライダーの続編Vシネマ
あまり見ないんですよね
完結してる作品の続きってのが
蛇足のように感じてしまいあまり気持ちが
すすまない

相当好きなキャラが主役だったり
本編とあまり関わりの無いスピンオフ
とかだったら時々観る程度です

今回も仮面ライダーグリスが好きなキャラ
だったから観に行ったって感じですね

 

本作は第2弾ってことなんで
第1弾の「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」とは直接的にかなり繋がっています
第1弾を観ていない僕としては
そこが少し不安だったんですが

なんてことはなく全然理解できました

序盤でテレビシリーズの結末と
前作のおおまかなあらすじを30秒ぐらいで
解説してくれて
それだけで全体像は掴めた

それと同時に
そんな短い言葉で説明できてしまう前作は
すごく内容が薄かったんじゃ…
ってことは今回も…?
と嫌な予感もよぎってしまった

そんな嫌な予感はちょっと当たってましたけどね


とは言え
仮面ライダーグリスことかずみん(猿渡一海)の
魅力は十分に出せていたと思います

かずみんの面白さ、可愛さ、カッコよさ
そんなのはすごく伝わってきます

それに、変身後の戦いでも
通常のグリス、グリスブリザード
本作での新フォームのパーフェクトキングダムと
様々なグリスの姿が見れて
熱い戦いも拝めました

かずみんと子分の三羽ガラスたちとの
絆やドラマも描かれてましたし

グリス、かずみんが大好きなら
それが見れただけでも満足かもしれませんね


今回も今まで同様に
コミカルでアホなかずみん
逆に仲間のために命を張る男気のあるかずみんと
素晴らしいギャップを見せてくれる

このキャラクターは本当に面白いです
歴代仮面ライダーの中でも
かなり良いキャラしてますよ
そりゃ人気出ますよね
女子人気も高そうです

そんなかずみんが生き生きとしてる姿は
とても面白くて笑える
愛すべき人物として映っています

映画館内もすごくウケてましたし
劇場内の空気も良かったです

グリスが好きなら
とても楽しめる作品になっていました

 

ただ、単純に仮面ライダーグリスを愛でる作品としては
良い作品になってるんですが

やっぱり面白い作品ではないんですよね

特にストーリーがつまらない

せっかくのグリスの魅力も
ストーリーのせいで弱くなってると思う

むしろ、ダサかったり
飽き飽きしてしまう展開だったりと
マイナスな要因も結構ありました


根本的な話をすると
この物語の主役がグリスである必要が無いんです

本作の物語は
誰が主役であっても成り立ってしまうストーリー
だと思ういます

ビルドだろうがクローズだろうがローグだろうが
別にグリスじゃなくてもいい

それを、グリスの人気が高いから
無理やりグリスを主役にしてるように
見えてしまう


本作の敵キャラは全然グリスとは
何の因果関係も無い存在ですし
敵の目的も直接的にはグリスに関係の無い
世界を制圧することだったりする

美空が誘拐されるのも
グリスを戦わすためのこじつけですし

特殊な温泉に浸かって
グリスだけ変身できるのも
ちょっと強引過ぎる

それに、後々は他のみんなも変身できてしまって
グリスだけ戦える設定が全然生かせてないし

とにかくストーリーがグリスを
生かせる内容になってない


敵の設定や目的を
グリスに直接関係のあるものにするだけでも
全然変わってくると思うし

美空が誘拐される理由
グリスしか戦えない理由を
ただのこじつけではなく
ちゃんと意味があって納得できる理由を
つけてくれれば

この作品がグリスじゃないと成立しない物語に
なるはずなんですよ

 

細かいところでも
グリスの魅力を落としてるところが
いくつかあります


例えば
美空が狙われて助けに行くまで
ここでのグリスがちょっとダサすぎる

美空が敵に狙われ命を危険にさらされてるのに
美空にフラれたから
とか言って助けに行こうともしないかずみんは
マジでダサすぎる

三羽ガラスにも見損なったと
愛想を尽かされる始末

すごくしょうもないことで
強い絆の仲間たちが仲違いしてしまうのは
寂しくも思う

ここではなんかいつもとキャラも違って
すごく嫌な場面になってた


他にも
命を懸ける展開がすごく軽い

命を懸けるグリスと三羽ガラスの姿で
熱い戦いを演出したいのはわかるけど

やってることがテレビの時とほとんど同じで
正直、飽き飽きしてしまいます

前にもあったよな…
って展開なので
命を懸けることの重さが損なわれてました

どうせみんな死なずにハッピーエンドだろうな
と思ってしまう


全体的に見ても
ストーリーがグリスを殺してしまってるな
って感じる部分が多くて
すごくもったいなく思いました

 

そして、コメディーとシリアスのバランスが
とても悪いです

これは本作だけでなく
近年の仮面ライダーにすごく多いこと

たぶんゴーストくらいから
そんな流れになってます


それは、重い雰囲気のストーリーなのに
ギャグがバカバカしすぎること

本作の場合は
世界を脅かすテロ集団との闘い
命を懸けたグリスと三羽ガラスのストーリー

それに対してギャグ演出が
あまりにくだらなすぎたり
空気を読み間違えていたりするから

笑えるはずの所であまり笑えなかったり
逆にシリアスな場面では気持ちが冷める

ギャグ自体は面白いと思うんです
キャラクターもそれぞれ面白いですしね
実際にウケてたし


ただ、やっぱり危機的状況なんかで
しょうもないギャグの連発があったりすると
お前ら空気読めよ
と思ってしまいます


本作の場合は
出だしがギャグ満載で始まるので
全編通してギャグ一直線なのかと思いきや
途中からはすごくシリアスになってしまう

それに、コメディーもシリアスも
どちらも同じくらい比重が重いので
お互いの良いとこを潰し合ってるんですよね

グリスの良さを出すために
両方見せたいのはわかるけど
全体のまとまりは悪くなってました


それなら
最初から最後まで
めっちゃ重たいシリアスな話で行くか
全編ドタバタギャグコメディで突っ走るかの
どちらかにしたほうが面白くなると思います


戦隊ヒーローはコメディーとシリアスの
バランスがとてもいいんですけどね
Vシネマも結構面白かったりする

それに対して仮面ライダーは
バランスが崩れがちですよね
コメディーとシリアスを
詰め込みすぎてるのかもしれない

 

まあ、仮面ライダーグリスが好きなら
楽しめる内容だとは思います
それに仮面ライダービルドの面々を
再び見れたのも良かったですし

仮面ライダービルドのファンで
グリスが大好きなら全然悪くはないのかも

でも、ビルドのファンだからこそ
もっと面白い作品が観たかった人も
多少はいるんじゃないでしょうかね

 


ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス [Blu-ray]