何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「見えない目撃者」感想 最初から最後までハラハラドキドキ 楽しめるエンターテイメント

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どうもきいつです


ミステリー映画「見えない目撃者」観ました

2011年の韓国映画「ブラインド」を
日本でリメイクした作品
視力を失った主人公が
誘拐事件の解決に挑むミステリー映画

監督は「重力ピエロ」などの
森淳一が務めています
盲目の主人公を演じるのは吉岡里帆です

 

あらすじ
浜中なつめは警察学校を卒業した夜
自動車事故で弟を亡くし
自分も視力を失ってしまう
それから3年がたったある日
車の接触事故に遭遇したなつめは
車中から助けを求める少女の声を聞き
誘拐事件の可能性を訴える
しかし、十分に捜査をしてもらえず
なつめは自ら捜査に動き出す

 

感想
最初から最後まで面白かった
謎解きがありスリルがあり
なかなか面白いエンターテイメントでした
バイオレンスな描写もとても良かった

 

オリジナルの韓国映画は観たことがなく
存在も知らないくらい

でも、予告の時点で
少し気になっていた作品だったので
観に行ってきました


正直、リメイクで邦画ってことだけで
ちょっとナメてかかってたんですが
想像以上に面白かったですね

最初から最後まで楽しめる映画でした

強引なところがあったり
現実離れしていたり
ツッコミどころはあるんですけども
そんなに気にならなかったです


R15指定の映画なので
若干グロかったり
バイオレンスな描写が目立つ作品
でも、そこがこの映画の面白さにも繋がっていて
とても良かった

グロいのが苦手な人は
目を覆いたくなるなるようなものも
映し出されると思うので
そこは気を付けたほうがいいと思う

 

本作は
基本的には犯人を捜す謎解きミステリーですが
サスペンス要素があったりホラー要素があったりと
結構いろんな要素が詰め込まれています

そういうのもあってか
2時間以上の少し長めの作品ですが
最後まで全然飽きずに観ることができました
むしろ、どんどん引き込まれていくような内容です


この映画の主軸でもあるミステリーは
犯人が誰なのか?
ということよりも
犯人に近づいていくまでの過程が
面白く描かれています

盲目の主人公なつめが事件に遭遇し
その数少ない手がかりから
盲目だからこその長所を生かしつつ
犯人に迫っていく
ってのはなかなか面白いですよね

元警察という能力を生かし
盲目故に聴力、嗅覚が鋭く
それを駆使して普通の人では気付かない
ことにも気付いていきます

少しなつめが超人的過ぎるような気もしますが
そこはフィクションですから
大目に見ましょう


基本は王道なミステリーの流れです

手がかりをたどって
次から次へと真相に近づいていく
ていうかなりベタな展開

でも、そんなベタな中で
捜査が行き詰ってしまったり
意外なところから手がかりが見つかったり
犯人に襲われたりと
主人公側と犯人との駆け引きなども垣間見え

緩急が生まれてくるので
最後まで興味の持続が続くんです

次はどうなるんだろう?
と先の展開が気になりワクワクしてくる


さらに、狂気じみた犯行を生々しく見せられる事で
事件の真相や犯人の正体を
もっと知りたくなってきます

被害者の遺体が発見された場面なんか
とてもゾクゾクしますよね

一体この事件は何なのかと
興味津々になりますよ

 

犯人の正体がわかってからも
結構長く続く作品なんですが

そこも最後までダレずに見せてくれる

犯人がわかってからは
謎解き要素はほとんどないんですが

サスペンスやホラーのような展開に
シフトチェンジしていきます

犯人からの逃走劇や
犯人の拠点への潜入など

今までは動きの少ない展開でしたが
ここからは動きが多くなってきますし
怖さを煽る演出なんかも盛り込まれていて
なかなか楽しめます

お化け屋敷的な面白さもあったりしました


ここでは、盲目という制限された状態を
上手く見せるような展開が面白いですね

においと音で犯人から切り抜けたり
テレビ電話を使ってナビしてもらいながら
逃げるとか
目が見えないからこそ
目の前に犯人がいても気付かなかったりもする

盲目という設定が
スリルを生み出すためにも上手く機能していました


終盤の犯人の拠点でのシーン
これはホラーって感じですね

ここはハラハラドキドキで
結構怖さもありました

やってることはベタだけど
スリルはありましたし
家の中も気持ち悪さを演出できていて
とても良かったと思う

重要な人物たちが容赦なく殺されてしまうのも
ホラーっぽかったですね

 

全体的にとても面白くて楽しめる作品でしたが
犯人についてちょっと言いたいこともあります

残虐非道な犯人が
主人公を殺さないように動いてしまってるのは
やっぱり気になっていしまいますよね

駅構内で犯人から逃げているシーンでは
犯人がずっと歩いてる

お約束ではあるんですが
絶対に殺そうとしてるはずの犯人が
走らないで追いかけるのは
ありえないと思ってしまいます

このときの駅に人が少なすぎるのも
気になりましたが

他にも
殺せる状況なのに
そこからベラベラ喋り出すのもね…

あるあるですけど
まあチープに見えてしまいます


あと、犯人がただ人を殺すのが好きなヤツ
で終わってしまってたのがもったいない

やっていることは狂気じみているんですが
実際に犯人が現れてからは
そんなに奇人のようには見えない
犯人の発想がスプラッター大好き中学生
みたいで怖さもあまり無いんですよ

ただ中二病こじらせて大人になったヤツ
以上のものは見せてくれない

これが、本当にヤバい奴だったなら
さらに盛り上がったと思うんですけどね

役者の演技もあるかもしれませんが
もっと犯人の狂気を見せることも
できたんじゃないでしょうか


それと、なつめと犯人の対峙の場面
決着のつけ方がちょっとあっさりしすぎだと思う

物理的に殺して終わりなので物足りなかったです

やっぱり精神的にも打ちのめしてほしかったですね

盲目だからこそ
なつめには見えるものがあるだろうし
そこを犯人と対比して見せてほしかった

音に反応して銃を撃つってのも
ちょっと単純すぎに思いましたし

 

犯人をもっと怖くして決着に工夫があれば
さらに面白くなったような気がします

でも、全体的にはすごく面白かったし
楽しめる作品でした

人間ドラマはちょっと薄いですが
成長物語も描かれているし
エンターテイメントとしては良い出来だと思う

吉岡里帆も可愛くてとても良かったですよ

 


見えない目撃者 (小学館文庫)