何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「イエスタデイ」感想 ビートルズの音楽の素晴らしさとすごさを再確認できる

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どうもきいつです


ドラマ映画「イエスタデイ」観ました


自分以外の世界中全ての人が
ザ・ビートルズを知らない世界になってしまい
その世界を生きることになってしまった青年を
描いたコメディードラマ
ザ・ビートルズの名曲とともに物語が語られます

「スラムドッグ$ミリオネア」などの
ダニー・ボイルが監督を
「ラブ・アクチュアリー」などの
リチャード・カーティスが脚本を手掛けています

 

あらすじ
イギリスの海辺の町に暮らす
シンガーソングライターのジャックは
幼馴染のエリーに支えられ音楽活動をしていたが
全く売れず夢をあきらめかけていた
そんなある日、ジャックは謎の停電が原因で
交通事故に遭い昏睡状態に
ジャックの目が覚めると
そこはザ・ビートルズが存在しない世界だった

 

感想
設定が面白く
最後まで楽しんで観れました
ビートルズがいない世界を見ることで
あらためてビートルズのすごさを感じれた
ちょっとストーリーが強引で雑でしたけど…


僕は全然ビートルズには詳しくなく
有名な曲を知っている程度

でも、ビートルズの存在があまりに大きすぎて
こんな僕でもビートルズの歌を聞けば
ビートルズの曲だなってわかるくらいです

そんな世界的なビートルズを
題材にした映画ということで
前からとても気になっていた映画です

それに、設定もすごく面白そうでしたしね
この世からビートルズの存在が消えてしまうって
なかなかぶっ飛んでいて面白い

で、実際に期待通りの
面白い映画だったと思います


予告なんかを見たときは
奇をてらった設定だけで終わってしまうのかな
とかちょっと不安にも思ったんですが
設定だけでなく
人間ドラマも面白く描かれていました


この映画って
盗作問題をファンタジーに描いていた映画
だったのかもしれません

盗作して成功してしまった人の
心の内面を映し出していたように思えます

観る前は
自分だけが知っているビートルズの曲という武器で
無双しまくるコメディー
だと思っていたんですが
意外と暗い内容だったりしました

不安とか罪悪感とか自分の将来とか
そういうものに押しつぶされそうになる男の物語


全体的にとてもシンプルなストーリーで
そこまで新鮮味のある内容ではなかったんですけど
主人公ジャックの精神面がとてもリアルに感じれて
感情移入ができますし
ちょっとしたヒヤヒヤ感も味わえる

観ているこちら側もジャックと同じく
盗作しているのがばれるんじゃないか
この先自分はどうなってしまうのか
と、少し不安になってくるんですよね


普通、こんな感じの
強大な力を手に入れた主人公の物語って

うだつが上がらない主人公が
急に大きな力を手に入れ
調子に乗って痛い目を見て最終的には成長する
みたいなパターンが多いですけど

本作の場合は
そのパターンではないんですよ

設定からして
そういうパターンで来るんだろうな
と思っていたので
これは意外でした


この映画では挫折はないです
すごいトントン拍子でジャックが成功していき
最後までその状態が保たれます

それだけなら運だけで成功してしまう
癇に障るサクセスストーリーで終わりですが

トントン拍子で全て上手くいってしまうからこその
不安とか恐怖が感じれます

はじめは軽いノリでウキウキ始めたことが
いつの間にか全世界を巻き込むほどの
大事になってしまている

さらに、自分の力ではなく
他人の力で成功してしまう事で

人々を騙してしまっている罪悪感
盗作がばれてしまうのではという不安感
自分ではなくビートルズの曲に
人々が群がってくることでの虚無感

そんなのも
主人公を通してすごく伝わってきます


この主人公の、やってしまった感が
なんかリアルなんですよね

はじめは調子に乗ってしまいますけど
後には引けないと気付いた時には
後の祭りで
いろんなものに押しつぶされそうになる

表面的には大成功する反面
それに反比例するかのように
主人公の内面はマイナスへ進んでいく

この描き方はとても面白かったです

 

そして、ビートルズのすごさを
再確認できる映画でもありました

ビートルズって世界的に影響を与えた
すごいバンドグループではあるんですが
昔の人ですし
あまりにもあたりまえな存在になりすぎて
存在感が薄れてしまっていると思います

そんなビートルズを
ビートルズの存在しない
もしもの世界で見せることで

やっぱりビートルズってすごい
と再確認させられます


それは、劇中で流れるビートルズの曲からも
感じることもできますが

その曲に対する世間の熱狂ぶりからも感じれる

ビートルズがいなくても
みんなビートルズの曲に熱狂していくんです

そんな世間の姿を見ることで
やっぱりビートルズはすげー
ってあらためて思える


でも、これフィクションだし作り物じゃん
って思うかもしれないですけど
ビートルズなら全然ありえるよな
という説得力がある

その説得力があるというところが
ビートルズのすごいところだと思うわけです

本当にビートルズが消えてしまった世界でも
誰かがビートルズの歌を歌えば
絶対に成功するんだろうな
と思わせてしまうほどの存在なんですよね

そう思わせてしまうのがすごいんです

全然世代じゃないしファンでもない僕ですら
そう思うんですから

本当にすごい存在なんですよ

なんかすごいしか言ってないですね


まあ、とにかくビートルズはすごいんです


これでビートルズの再ブームも起きそうですよね
それくらいビートルズの魅力は伝わっていたと思う
この映画を観るとビートルズの曲が聴きたい
って思いますもん

 

あと、コメディー部分も良かったと思います
それなりに笑えると思う

レット・イット・ビーを
しつこすぎるくらい邪魔されるシーンは
面白いです

さすがにしつこすぎてちょっとムカつく
でも、それが笑える

ジャックがビートルズの歌の歌詞が
うろ覚えなのも面白いし

時代に合わないからって
ヘイ・ジュードをヘイ・デュードに変えられたり
アルバムジャケットのくだりとか

世間がビートルズを知らないからこその
ズレを面白く見せてくれました

 

とても面白い映画ではあったんですが
結構雑でしたね

特にこの映画の軸でもある
ビートルズのいない世界になってしまう
ってところがかなりテキトー

世界中が停電して
ジャックが事故に遭い意識を失って
目が覚めると世界が変わっていた

世界が変わる部分がすごく強引
理屈とが原因とかも全く無いですし

ここがとても尾を引きます
最後までこれが引っかかるんですよ

結局この世界なんなの?
って疑問が最後まで残り
しかも説明も何もないまま終わるからモヤモヤする

なぜジャックだけがビートルズを知ってるのか
途中でジャック以外にもビートルズを
おぼえている人が登場するけど
その人たちはどういう存在なのか

そんな部分も全然説明されないし

ただ不思議な世界の出来事
で終わってしまっていました

もうちょっとやりようがなかったんでしょうか
はじまりがあまりにも唐突な上
終わりにはそれが無かったかのように
終わってしまいますし…


物語の結末も
ちょっと強引ですよね

最後にはジャックとエリーが結ばれますが
エリーと恋人になった人の扱いが雑すぎ
なんか可哀そうでした

もう少し丁寧に扱ってあげてもよかったのでは

あの2人に振り回されてるだけのようで
同情します

 

それと、ビートルズと同じく
消えてしまったものの扱いが薄かったです

コカ・コーラやハリーポッターなども
消えてしまってるんですけど
そこがあまり機能していなかった

これも消えてるんだ…
というジャックのリアクションがありますが
それ以上のものが全然無い

物語に絡んできたり
ギャグに繋がっていったり
そんな広げ方をするのかとも思ったんですが
結局は1回限りの要素で終わっていて

わざわざ出す必要あったのかな?
とも思いました

ビートルズだけが消えた世界でも
全然成り立つ内容ですよね

 

全体的に雑なところが目立つ作品では
あったんですが
それを補えるくらいの面白さはあったし
ビートルズのすごさを感じることもできました

この映画を観れば
ビートルズの曲も聴きたくなりますね

 


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