何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「真実」感想 良い映画だと思う ただ眠い

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どうもきいつです


ドラマ映画「真実」観ました

日本とフランス合作の家族ドラマ映画
国民的女優の自伝本の出版を祝うために
家族が集まり、そこで母と娘の隠された真実が
明らかになっていきます

「万引き家族」「三度目の殺人」などの
是枝裕和が初めて国際共同製作で
手掛けた長編作品です

 

あらすじ
フランスの国民的大女優ファビエンヌが
自伝本を出版し、それを祝うために
アメリカで暮らす娘のリュミールが
夫と娘を連れて母のもとへ訪れる
そして、リュミールが自伝本を読むが
そこにはありもしないエピソードが
書かれていた
それをきっかけに母と娘の間に隠されていた
愛憎渦巻く真実が明かされていく

 

感想
是枝監督らしい
とてもリアルで丁寧に描かれた映画
良い映画だったと思う
ただ、めっちゃ眠くなる

 

是枝監督の新作という事で
とても観たかった作品

公開してから日にちが経っていたので
上映回数も少なくなっていたのですが
ギリギリ観ることができました


内容はいつもの是枝監督らしい作風

ただ、日本人は全く出てきませんし
言葉もフランス語で
日本語は全く話さない

日本人監督が作っていますけど
邦画ではなくて洋画ですよね

この時点で挑戦的な作品だと思うし
なんか面白い映画です

しかも、キャストたちも
謎の外国人ってわけではなく
ちゃんと有名な人たちが集まってる


日本人監督のもとにこんなキャストが集まるのは
やっぱり是枝監督は世界的にも
評価されている監督ということなんでしょうね

こんな監督がいるってことは
邦画も捨てたもんじゃないってことですよ


で、この映画の内容はと言うと

正直、そんなに面白い映画ではないと
思います

特別に大きな出来事を描いた映画ではなく
ひたすら淡々と物語が進んで行きます

とある家族、親子のちょっとした場面を
切り取ったような作品
是枝監督特有のとてもリアルな描写も相まって
まるでドキュメンタリーのようにも思えます

それが是枝作品の魅力であり
この映画の良いところでもあると思う


良い映画であることは確かなんですが

それにしても眠い


僕が観た回が朝8時くらいのやつだった
というのもあるかもしれませんが

それ抜きにしても絶対に眠くなる


1回ウトウトしたくらいじゃなく
何回も寝そうになった

それにフランス語ってなんか眠くなる


とにかく眠い映画でした

 

やっぱりストーリー的にも映像的にも
動きが少な過ぎて
あまりにも淡々としています

登場人物たちの感情の変化なんかも
そんなに大きくなく
大きな事件が起きることもなく
舞台は同じ場所を行き来するだけ

そんな内容を
是枝監督のリアルで落ち着いた雰囲気の演出で
見せられるわけです


是枝監督の作品って
「万引き家族」やその他の作品でも
リアルで淡々と物語が進んでいく
静かな作風ではあるものの

描かれている環境や出来事などは
結構ハードだったりする
ストーリー上で盛り上がる展開なども
あったりしますし

そんな大きな物語の動きをリアルに描写することで
よりお互いの要素を際立たせていると思うんです


でも、本作の場合は
物語の内容と物語の見せ方が
両方とも静なんですよ


そこがちょっと問題だったのかも


でも、これに関しては
個人の好みにもよるのかもしれないです
こんなタイプの映画が好き
という人もいるでしょうし

実際に丁寧に作り込まれた映画です
眠くはなったけど
この映画をクソだなんて言えない
良い映画だと思います


ただ、僕的には
ちょっと穏やかすぎるかなと

刺激的な映画が好きだったりもするので
この映画は少し合わなかった

 

合わなかったけど
良いと思う部分はたくさんありました


まずはキャスティングがすごい

主演のカトリーヌ・ドヌーヴ筆頭に
ジュリエット・ビノシュや
イーサン・ホークなど
ちゃんと一流の人たちがキャスティングされている

しかも、そんな一流どころを持て余さずに
しっかりと使いこなせていたと思います
特にカトリーヌ・ドヌーヴが
すごく良いですよね

本人の持ち味がとても生かされていて
役を演じているというより
彼女そのもののように見えてくる

是枝監督のリアルな描写も相まって
本当にドキュメンタリーのように
思えてきます


リュミールの娘役の女の子も
本当にリアル
普通の子供に見えます

是枝監督の映画に出てくる子供って
毎回めちゃくちゃリアルですよね
演技してる感が全然無い


こんなリアルな作風なのは
ドキュメンタリー出身の人だからこそ
できる技なのかもしれません

 

それと、いろいろ深読みできるような
ストーリーも良かったです

あまり語り過ぎないけど
なんとなくわかるような描写が多くて
そこから想像が膨らまされます

特に劇中の会話の中で
しょっちゅう出てくるサラという名前

このサラが重要人物なのに
すごくフワッとした存在で
はじめのうちは誰なのかもよくわからない

でも、話が進んでいくうちに
なんとなくサラがどんな存在で
この親子にどういう影響を与えたのかが
見えてきます

かと言って明確に説明しているわけでも
ないんですよね

そこがとても絶妙なバランスだと思いました


わかりそうでわからない
想像力が掻き立てられます

そんなのもこの映画の面白さだと思う

 

あと、劇中劇である
ファビエンヌが撮影中の映画
これの使い方も良かったです

物語にリンクしている部分は大いにあるし
登場人物の感情の表現にも
なっていたと思う

それに、あの映画めっちゃ面白そうですよね
観たくなりましたよ


全体的にいろいろと
細かく作り込まれていた映画で
普通にできの良い映画です

 

多少眠くなる映画ではありましたが
良い映画であることは間違いない
もう1度観れば見えかたが変わってきそうな
映画のようにも思います

エンターテイメント的な面白さは無いけど
いろいろと興味深い作品でした

 


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