何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ブライトバーン 恐怖の拡散者」感想 子供って怖い…

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どうもきいつです


ホラー映画「ブライトバーン 恐怖の拡散者」観ました

SF、ホラー、サスペンスなど
さまざまなジャンルをミックスした作品
異様な能力を持つ12歳の少年が
周囲を恐怖に陥れる物語

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」などの
ジェームズ・ガンが製作を担当し
「インバージョン 転移」の
デヴィッド・ヤロヴェスキーが
監督を務めています

 

あらすじ
子供ができずに悩んでいた
トーリとカイルの夫婦はある赤ちゃんを
自分たちの子供として育てることにした
ブランドンと名付けられた男の子は
夫婦にとってかけがえのない存在になるが
ブランドンが12歳になったある日
彼に普通でない異様な力が目覚め始める

 

感想
なかなか怖い映画
ホラーの怖さよりも
子供の怖さが伝わってきました
映画の面白さで言うと
特別に面白いわけではないかも
結構ベタな映画だったと思う

 

予告を見てとても面白そうだったので
前から観たかった映画です

強大な力を手に入れた若者が
道を踏み外してしまう
みたいな作風の作品はすごく好きなので
本作にも期待していました


そういうのもあって
僕は「キャリー」とか「クロニクル」
みたいな内容の映画を想像していたんですが
全然違った

「キャリー」「クロニクル」の場合は
主人公の生きる環境などのせいで
鬱屈した感情が
ちょっとしたきっかけで爆発して
暴走してしまう
という物語なんですが

本作の場合は
単純に善悪の分別がつかないような
ちょっとバカな子供が強大な力を手に入れて
わがまま放題に暴れ回るって内容

似てるようで全然違いますよね

 

本作で暴れまわるブランドンが
マジでクソガキなんですよ

どうしようもないクソガキ

家庭環境には恵まれているし
学校生活に関しても
ちょっと意地悪されているくらい

ごく普通のどちらかと言えば
幸せな方の子供だと思います

そんな普通な子供のブラントンが
自分の中の強大な力の存在に気付き
その力を使って人を殺しまくります

 

そういった内容なので
正直言ってブランドンには
全く感情移入できません

何かがきっかけで暴れているわけでもないし
暴れている目的もよくわからない

それにムカつく人を殺すのはわかるけど
普通に良くしてくれている人まで殺すのは
全く理解できないし


ただ、ひたすら子供が感情のおもむくままに
人を殺したり町を破壊したり
なんなの?このクソガキ
って映画でした

 

だから、この映画に人間ドラマを求めて
観てしまうと
なんかちょっと違う
と思ってしまうかもしれないですね

主人公の心の変化や
家族のドラマなんてほとんど描かれず
感情移入なんてできる内容ではないです


でも、この映画を
「13日の金曜日」や「悪魔のいけにえ」みたいな
ホラー映画だと思って観てみると
結構しっくりきました

なんかわからんけど殺しにくる奴から
逃げる映画

殺しにくる奴は
何を考えてるかわからないし
なぜ殺しにくるのかもわからない


ブランドンはまさしくそれだと思います
モンスターみたいなもんです

ブランドンが人を殺したり
破壊したりする衝動って

親の育て方のせいでそうなったのか
誰かに操られているのか
もともとそうプログラムされている存在なのか

そういうのが観ているだけでは全然わからないし
最終的にもそこははっきりしません

とにかく、なんか人を殺す奴
なんですよね


だからこそ、それが怖さに繋がっている

普通の人間の理解の外側の存在だから
より恐怖を感じるんだと思います

こういうモンスター的なキャラクターって
理解できたり感情移入できてしまったら
怖くなくなってしまいますし


その点では、ホラー映画として
ブランドンの描き方は間違っていなかった
のではないでしょうか

 

そして、この映画は
モンスター的な怖さだけでなく
子供の怖さもすごく感じました

もともと、僕が子供が苦手なので
よりそれを感じたのかもしれませんが

どう接したらいいのか?
何を考えているのか?
そういうのがわからなくて怖い

大人が制御しきれない危うさというのも
子供の怖さだと思う

で、普通なら
大人はそれを力で押さえつけることができます
悪いことをして聞く耳を持たなくても
わがまま放題言っていたとしても

大人のほうが強いから子供を制御できる


この映画はそんな力のバランスを
逆転させることで
子供の怖さを表現しているんだと思います


力のバランスが崩れるだけで
制御できなくなるというのには
ゾッとするものを感じます

この映画でも
親がどんなに愛情を注いだとしても
どんなに正しいことを説き伏せたとしても

自分のほうが強いとなってしまったら
なにも伝わらないんですよ

そうなってしまえば
いくら親でその子を愛していたとしても
もう怖くて仕方がないと思う

そりゃ最後の母親の選択の納得できますよね
殺らなきゃ殺られる
って気持ちしかないでしょう

 

で、これって
藤子・F・不二雄の短編漫画「わが子スーパーマン」にすごく似ています
と言うかほとんど同じような内容

この作品でもやっぱり制御できない子供の
怖さを描いている

この漫画の場合は子供が正義のヒーローに憧れて
無茶な行動を起こす話なんですが

それを止めるために父親が息子に
正しいことを教えようとしますけど
全く伝わらず制御できなくなってしまう
最終的には取り返しのつかないことに
なってしまいます

そんな物語の中で
子供の危うさを伝えている作品です


この映画も
同じような意味が込められているんじゃないのか
とも思いました

 

ここまで、いろいろ言ってきましたが

この映画が面白かったのかと言えば
そんなに面白かったわけでもなかったです

別につまらなくはないですが
普通な映画だと思う

設定は特殊で新鮮な感じはしますが
よく考えると最初に上げた「キャリー」や
「クロニクル」と結構似てるし

ホラー映画としてもベタな展開が多くて
なんか観たことあるような映画だったと思う


グロいシーンはなかなか攻めていたと思います
想像以上にグロかった

なのに年齢制限が無いのはちょっと謎ですね
PG12なので12歳未満でも親の同意があれば
観れます

なのでグロいシーンは印象に残りましたね

目に刺さったガラスの破片とか
おじさんのアゴとか

かと言って
そこまで魅力的ってほどでもなかったですが


それに、ストーリーは全然無いです
ヤバい子供が人殺して暴れ回ってるだけの
映画ですから

これも、王道ホラーと言えばそうなんですけど…

だからストーリーの魅力ってのも
ほとんどないですね


もうひとひねりくらい
面白い展開とかがあっても良かったと思います

あまりにもベタで平坦に流れて行く
映画だったので
ちょっと眠気にも襲われました

 


あと、最後のやつ
続編があるような感じで終わりましたが
あれはちょっとワクワクした

最初はこの映画
こんなスーパーマンがいたら嫌だ
みたいなヒーローもののアンチテーゼ的な
作品だと思っていたんですが

もしかしたら
これの元ネタはフライングヒューマノイド
じゃないですか?

フライングヒューマノイドを
こういう解釈でホラー映画にしました
ってことだったらすごくワクワクする


これから先も
様々な都市伝説やUMAなんかを
新しい解釈でホラー映画として
展開していくってことなら
個人的にはすごく期待してしまう

最後の場面を観ただけでの
個人的な予想なので
本当にそうなのかはわかりませんけどね

 

子供の怖さというのが
すごく伝わってきて
ホラー映画としてはそれなりに怖い作品に
なっていたとお観ます

でも、特出した面白さは無かったので
期待していたほどの映画ではなかったかも

まあ、続編が作られるのなら
観てみたいという気持ちは生まれました

 


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