どうもきいつです
恋愛映画「(500)日のサマー」観ました
運命の恋を信じる男と信じない女が繰り広げる恋愛コメディー
男性の視点から愛する人との恋愛観の違いに
翻弄される20代の男のリアルな姿が描かれます
2009年の作品
「アメイジング・スパイダーマン」などのマーク・ウェブの長編デビュー作です
あらすじ
グリーティングカード会社で働くトムは
社長秘書として入社してきたサマーに一目惚れする
ある日、好きな音楽をきっかけに意気投合し親密になっていく2人
そして、2人は一夜を共にするが
サマーにとってトムはただの友達でしかなかった
感想
これは共感しかない
主人公バカだなと思いつつ
自分に重なるところがたくさんありました
客観的に見ればサマーみたいな女
絶対に好きにならないと思ってるけど
身近にあんな女がいたら好きになってる気がしてならない…
とても好きな映画なんですが
久しぶりに観てみました
前に観たときにも思いましたけど
まあ共感できますね
この映画を観て全員が共感できるかは
わかりませんが
男なら共感できるんじゃないでしょうか
特にモテない男
恋愛に関して夢見がちな男だったら
この作品を観ればグサリと心に刺さってしまうと思う
痛いところをついてきます
僕も今はここまでではないかもしれないけど
学生時代とかはマジでこんな感じでしたし
この映画を観てるとちょっと恥ずかしさすら感じる
サマーのことで一喜一憂するトムの姿を見てると
本当に痛々しいというか…
でもすごく気持ちもわかるし
まるで鏡で自分をみてるような気分
この映画は甘くてハッピーなラブストーリーなんかではなくて
すごく嫌なリアルで滑稽なラブストーリー
人によったら腹が立つかも知れないですよね
トムはアホすぎるし
サマーはクソ女だし
この映画を観ても楽しい気分にはならないです
特に男は
まず、主人公のトムが素晴らしいほどバカで痛々しく
でも、男ってこんなだよな
ってのがうまく表現されているキャラです
運命の恋を信じているわけですからね
運命の女性と出会いお互いに幸せになることを
思い描いて実現することを願っている
この時点で童貞臭さがにじみ出ていて
最高に共感できてしまう
そして、トムはサマーに出会ってその運命を実感するわけなんですが
運命とか言ってるけどただの一目惚れですからね
そんなただの一目惚れだけど
あそこまで好きになって振り回されて嫌いになるけどそれでも好きで
精神が不安的になってしまうほど大好きになってしまう
これが夢見がちな頭がお花畑な男を完璧に表せてると思う
すごく滑稽でバカバカしい姿だけど
みんなこんな経験あるんじゃないですか?
自分もそうだし周りにもそんな人がいたし
あるあるだと思うんですよ
他人から見ればなんでこんな女がいいんだよ
って言われても
自分にとってはこの人しかいない
とか思っちゃうんですよね
トムは普通に恋人になりたいって気持ちなのに
サマーの恋人はいらない友達でもセックスはする
ってなかなかヤバい価値観にも
無理やり合わせて無理やり納得しようとしてしまうところとかも共感できますよね
自分に言い聞かせて
それを受け入れることができていると思い込もうとしてる感じとか
観ていてすごく痛いけど
そんな経験あるわ…
そして、この映画はちょっと変わった演出もあります
ミュージカルと言うかフラッシュモブみたいなシーンが唐突に入ったりとか
画面を分割して理想と現実の映像を平行して見せる場面とか
少し奇抜で本作の中でも異質な感じがするんですが
それが上手くトムの痛々しさを表現できていて すごくいいんですよね
フラッシュモブみたいなシーンでは
サマーと上手くいって最高にハッピーなトムの心情を表していますけど
それと同時に本当にトムはアホだな
ってのが伝わってくる
すごく楽しくて幸せな映像と音楽だけど
だからこそすごくアホっぽくも見えて
たかがちょっといい感じになったからって
どんだけ嬉しいんだよってツッコミたくもなります
理想と現実の分割シーンは
もう見てられない目を塞ぎたくなるほどの残酷な場面
こんなの見せられたらゲロ吐きそうになるわ
現実と理想を対比して見せるもんじゃない
ってのがわかりますね
理想ではサマーといい感じになってるけど
現実はパーティーなのに孤独で自分だけ蚊帳の外
もう辛いんですけど…
でも、こんな恋愛の妄想と現実の違いを思い知らされることなんて実際にも普通にあるし
このシーンを見てると心にグサグサと刺さって
すげー痛い
あと、サマーがザ・スミスを好きだと知って
話が盛り上がりトムがめっちゃテンション上がるのもいいですね
ザ・スミスというチョイスが素晴らしくて笑った
自分のアイデンティティーを作り上げてるような趣味とかを
共有できることの嬉しさはすごくわかるし
好きになるのも仕方ないよな…
そして、もう一つのこの映画の魅力は
サマーのクソさですよね
サマーはマジでクソ女ですよ
一番好きになっちゃいけない女
こんな女が一番ヤバイですからね
客観的に見たらこんな女好きになるはずないんですよ
でも、サマーは別に悪い女性ではないと思うんです
別に性格が悪いわけでもないですしね
トムのことを思いやる優しい一面もあるし
ただ、とにかく男を惑わす女なんですよ
しかも、計算じゃなくてナチュラルにそれをやるタイプ
そんなのが一番厄介ですから
それに急にキスしてきたり
付き合ってもないのにセックスしたり
ヤバい女ですよ
ほとんどの人がこの映画をトムの友人目線で観てると思います
だから、こんな女やめとけよとか
女なんて他にもたくさんいるだろ
なんでサマーなんだよ
って思いながら観てると思う
でも、ちょっと目線を変えてトムの視点で観てみると
正直、サマーがめっちゃ可愛く見えるんですよ
僕もちょっとサマーを好きになってましたからね
ノリがいいし天真爛漫だったりするから
愛嬌がめっちゃある
他にも普通の女子が興味を持たないものが好きだったり
だからトムと趣味が合うんですよ
しかも、すごく前向きでポジティブだから
背中を押してくれたりもする
そりゃサマーにハマっちゃいますよ
すごく魅力的ですから
可愛いですから
仕方ないですよ
たぶん僕もこんな女に振り回されるタイプです
そんなサマーに振り回されるトムも
いつしか冷静になって
実はサマーと全然相性がよくないことに気づいてきたりもして
サマーのことは吹っ切って夢に向かい努力を始めるわけです
で、そろそろサマーのことも忘れてきた頃に
思い出のベンチで彼女と再開するんですが
ここでのサマーはほんとにクソですね
殺されても文句言えないですよ
あの場所でトムの前に現れる時点でクソ
その上、手を重ねたりしてくるし
でも結婚してますからね
ほんとにクソ過ぎてチェーンソーで切り刻んで殺してしまいたい
でも、ここでの価値観の逆転は面白いです
結婚相手に出会い運命はあると言うサマーと
サマーに出会ったことで運命なんて無いとさとるトム
夢見がちなトムがちょっと大人に成長したようにも感じれて
少し安心もできました
サマーのクソさに気づけただけでもかなりの成長ですよね
まあ、ここで面と向かってトムに
あなたは運命の人じゃなかったと言えるサマーは
マジでクソ過ぎるけどね
超ムカつく
トムからすればこの言葉はキツ過ぎるだろ…
なんだかんだで成長したトムですけど
結局、また一目惚れで恋に落ちる
たぶんトムは成長してない
また同じ事を繰り返しますよ
でも、それが男のアホさで
それを感じれるこのラストはすごく好き
結局男はバカなんです
そして、サマーは結婚したけど
絶対に幸せになれねえ
それだけは言える
バカみたいに振り回される男と
胸くそ悪いクソ女が繰り広げる
滑稽なラブストーリーですけども
トムが自分の分身のようでめちゃくちゃ共感させられた
そして、サマーはマジでクソ
あんな女死ねばいいのに
憎くくて仕方がない
でもサマーが好き