何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「キルビル Vol.2」感想 がらっと作風が変わったけど本質はブレてない やっぱり面白い

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どうもきいつです


アクション映画「キルビル Vol.2」観ました

夫と子供を殺された女暗殺者ザ・ブライドの復讐劇を描いた「キルビル」の続編
オーレン・イシイとヴァニータ・グリーンに復讐を果たしたザ・ブライドのその後を描いた
2004年のバイオレンスアクション映画
前作同様に様々な作品のオマージュに溢れた作品になっています

監督は前作同様に「パルプ・フィクション」などのクエンティン・タランティーノ
主演も同じくユマ・サーマンが務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
東京での復讐を終えたザ・ブライドは残る3人
ビルの弟バド、ビルの現在の愛人エル、そして全ての首謀者ビルに復讐するため
標的を求めテキサスの荒野に降り立った
そして、ザ・ブライドは復讐を遂行していく

 

感想
前作のような派手なアクションを期待すると
拍子抜けするかも
でも、前作同様に映画愛に溢れた作品
ごちゃ混ぜでカオスだけど面白かった
最後には感動

 

前作に引き続き観てみました

本作は1作目の続編というより
セットで一つの作品として観た方がいい気もしれませんね

そもそも、一つの作品として作ろうとしたものを
分作にしたみたいですし
前作では全然完結してないので
2作目である本作を観て
やっと完結する映画です


そういうこともあり
感想と言っても
前作とほぼ変わらなかったりします
やってることはほぼ同じなので

本作も監督の映画愛に溢れるごちゃ混ぜ映画で
それを楽しむ映画

とにかく
俺の好きな最高のシーンを詰め込みましたよ
って内容のツギハギみたいな内容です


ストーリーに関しても
前作同様に主人公の復讐を描いただけのシンプルなもの

これと言って
目立ったストーリー展開はありませんし
特別に面白いストーリーではありません


でも、やっぱり面白いシーンのオンパレードで
それだけで楽しめる映画ではあります

監督が好きな作品のオマージュだらけなんだろうなと思います
そんな映画愛が溢れている作品です

 

ただ、今回は前作のような
ハチャメチャなアクションシーンはかなり少なくなって
むしろ、かなり落ち着いた印象になっている

要所的に前作のような派手なアクションはあるものの
アクションに関してはかなりパワーダウンしている
印象を受けると思います

なので、前の方が良かったという人も少なからずいるはず
今回はつまらなかったと言う人もいると思います


でも、確かにアクションシーンはかなり少なくなり
落ち着いているようにも思うけど
悪ふざけは前作以上にヒートアップしてると思うんですよね

完全にアホなことをやりまくっている
そして、そこには様々な映画への愛を感じれ
面白いシーンがたくさんあるんですよね

元ネタなんてわからなくても
その情熱は伝わってくるので
全然問題なく楽しめると思います


本作で特に印象に残ったのは
ザ・ブライドの修行場面
物語の中ではめっちゃ真面目に修行やってるけど
ここはかなりふざけてますよね

師匠のパイ・メイなんて本当に面白い

ここもオマージュに溢れているんだとは思いますが
僕には全然元ネタがわからない
まあ、何かのカンフー映画なんだろうとは思いますが

このパイ・メイがすげー人間でありつつ
すげーヤバい人でもあって

逆らったら目をくり貫くヤバいジジイです

修行シーンとかも何やってんだよ
って変な描写が多かったりしますし
動きとかめちゃくちゃですしね

で、結局この修行はなんなんだよ
って感じですから

板に穴を開ける修行ですか?
棺桶に閉じ込められてそこから脱出することを
想定した修行なのか?
とツッコミどころもありますけど

そもそもなぜ修行をするのかは全然重要じゃなくて
単にこんな修行シーン撮りたかったんだよ
ってことだと思います


その後に
地面に埋められたザ・ブライドが脱出しますけども
たぶん棺桶に穴を開けたところで助からんだろ

名を開けても土が流れ込んでさらに壊滅的な状況に追い込まれると思いますけど

でも、ここで死んでしまっては
映画も終わっちゃいますからね

完全にご都合主義だけど
そもそも、この映画にはまともにストーリーがあるわけじゃないし
全然ありだと思いますよ

 

そして、エルとのトレーラーハウスでの戦いも
最高に面白いし悪ふざけが過ぎて最高でした

ここは完全にギャグですね

本人たちはいたって真剣に命の取り合いをしてるんですけど
その迫真な状況がさらに面白く見えてしまう

狭い場所ではなかなか刀を抜けない
って描写は笑えますし感心した

あんなにスタイリッシュてカッコいい武器だけど
結構、不便なんだよ
というのがこのシーンで表されていて
妙に納得させられるんですよね

確かにあんな狭い場所では刀抜けないだろうし
そこをどうしても抜こうとする姿は滑稽
もう刀なんて使うなよと言いたくなります

それでも最後まで刀で戦いますからね
アホですよ

そこまで刀にこだわるのに
つばぜり合いの後に
最終的には目玉くりぬいて終わるという
なんじゃそりゃ
アホですよ

目玉をくりぬかれて暴れるエルを無視して
さっさと立ち去ろうとする姿も
シュールで笑えました


一見、真面目にやってるようで
いろんなところでふざけまくっている

それが前作でも本作でも
最高に魅力的になってる要因だと思います

 

そんなバカバカしい映画ですけども
最後は少し感動させられました

男女の愛、親子の愛が描かれて
ザ・ブライドとビルの不器用な愛が
最終的には復讐という形になるのには
切なさを感じてしまいます

ずっと憎んで殺そうとしていたビルが
実は娘を生かし育てていたことを知ったときの
ザ・ブライドの複雑な感情は何とも言えない

結果的には
やはり復讐を達成して決着をつける
というところに行き着くのには納得はできるけど
すごく切ない結末ですよね

 

1作目から全部観終えて思いましたが

章分けされている作風になっていて
それぞれが短く区切られているんですけども

その章ごとに全く作風が違っているのは
なかなか攻めた作りですよね

それぞれ別の映画を観てるような感覚にもなってくる

でもやりたいことは全くブレていないから
めちゃくちゃでカオスなはずなのに
一本筋が通っていて
1つの作品にちゃんとまとまってるんですよ

こういうのは「パルプ・フィクション」ともかなり共通していて
タランティーノの作家性なんだろうと思います

こういうのはやろうと思ってもできないですよね
監督の才能やセンスがあってこそのものだと思う


タランティーノ作品はそんなに観ているわけではないけども
それでもこの人すごい人だな
ってのはわかります

 

本作も前作同様にやりたい放題の最高な作品でした
めちゃくちゃだけど
カッコいいし
面白いし
最後には感動させられたし

よくこんな映画作りますよね
すごいです

 


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