何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ブレット・トレイン」感想 日本への愛はないけど勢いはある

どうもきいつです


アクション映画「ブレット・トレイン」観ました

伊坂幸太郎による小説「マリアビートル」をハリウッド映画化したクライムアクション
謎の人物から指令を受けた殺し屋が
日本の高速列車を舞台に様々な殺し屋たちと戦いを繰り広げる

監督は「デッドプール2」などのデビット・リーチ
主演を務めるのはブラッド・ピットです

 

あらすじ
世界一運の悪い殺し屋レディバグは
東京初の高速列車でブリーフケースを盗み
次の駅で降りるというミッションを請けることになる
簡単な仕事だと思っていたが
レディバグは列車に乗り合わせた殺し屋たちに次々と命を狙われる
訳も分からぬまま死闘を繰り広げる中
列車は終着駅の京都へ向かう

 

感想
勢いがあるしポップだしブラッド・ピットだし
なんか面白い
勢い任せのハリウッド映画って感じで楽しめました
ただ、知的さは全然無い
そして日本への愛も全然無い

 

原作は未読ですが
面白そうだったので観てきました


原作は読んでいないけど
伊坂幸太郎の作品の雰囲気とかはなんとなくわかります

本作は伊坂幸太郎っぽさは薄いんじゃないでしょうか
ザ・大味なハリウッド映画って感じですかね

これを良しとするかどうかは観る人に委ねられるかな

僕はそれなりに面白く観れたと思います
こんな大雑把で勢い任せな映画は嫌いじゃない

じゃあ、この映画がすごく面白かったかと言うと
そうでもない

まあ、気分転換に軽い気持ちで観るのがちょうどいい
暇なときにでも観てください

こういう映画は金曜ロードショーとかでやってほしいですね

テレビをつけてたまたまやっているのを観たら面白い映画ですかね

 

本作はテンポがよくてテンション高くてコミカル
「デッドプール2」のデビット・リーチなだけあって
それっぽい作風です
グロくて痛々しいシーンもそこそこある

それにかなりアクション重視で戦ってる場面がすごく多い

終盤なんていかにもハリウッドのアクション大作ですよね
ブッ飛んでてド派手な場面の連続です

この時点でやっぱり伊坂幸太郎っぽさは薄いですよね

殺し屋同士の知的な駆け引きなんかほぼ無く
殺し屋同士もコントみたいなコミカルなやり取り中心で
腕力の強さで敵をねじ伏せるみたいな

伏線回収とかもあったりするけど
なんかちょっとアホっぽく見えるというか

正直、この映画に知的さは皆無です


でも、これがマイナスなだけなのかと言うと
意外とそうでもなくて
これはこれで面白かったりもする

アホみたいなやり取りに笑えたりもするし
アクションシーンは普通にカッコいいし
映像はド派手で迫力あるし
最後まで勢い任せに突っ走っていくストーリーは爽快でもある

アクションシーンにしても
列車の中の狭い空間でコミカルに戦う様が
ジャッキー・チェンの映画っぽくもあって
個人的にはツボにハマった


ストーリーに関しては
気づいたらなんか終わってた
って感じ

複雑っちゃ複雑なストーリーではあるけど
そのへんはもう気にしてなかったですね

いろんな登場人物たちの思惑が絡み合って
最後に謎が解き明かされるまでは
そこそこ難解なんですよ

ただ、途中からはそんなのどうでもいいやってなって考えるの辞めて

殺し屋同士が戦ってるカッケー
人死にまくってるサイコー
電車暴走してるヒャッハー
みたいな観かたで楽しんでいました


「マリアビートル」が日本でもし実写化されたとしても
絶対こうはならないですよね

そう考えれば
ハリウッドならではのこんな実写化もアリなのかなと思います

 

そして、本作で注目されているのが
日本が舞台だという部分

これも賛否分かれそうですね

いわゆるアメリカ人が考える俺の好きな日本
そんな変な日本描写が満載です

僕はこんなブッ飛んだ日本描写は好きなので
全然楽しむことができましたけど

これを
こんなの日本じゃない!けしからん!
と、言う人もいると思います


ただ、監督は日本をリアルに表現する気なんてさらさら無いんだろうと思いますよ
たぶん日本の事そんなに好きじゃないでしょ

日本が好きというよりはタランティーノ好きなんでしょうね
世界観がほぼキルビルだし

そこには潔さすら感じれて好感を持てた
変に日本に媚びてもないし

結果的にポップでスタイリッシュな日本描写になっていたと思います

ラストのバトルなんて
カタナ、ヤクザ、キョートみたいなアメリカらしい日本になってました

 

あとは音楽はテンション上がるものが多くて楽しく観ることができた

それに、やっぱりブラッド・ピットがカッコいい
ブラッド・ピットってだけで最後まで観れてしまったような気もする

他のキャラも個性的だし良かったと思います
個性的なキャラがわちゃわちゃしてるのが
うるさくも楽しく感じましたかね


苦言があるなら
レディバグが運悪いって特性なのに
あんまり運悪く見えなかったですよね

ネガティブさが弱いと言うか
運が悪くてもそれなりに上手くやってるし
いまいちストーリーで運の悪さが生きてこなかったなって印象

ただ、本作のレディバグが悲観的だったら
物語全体のテンションが下がってしまうような気がして
結果的にこれで良かったのかなとも

このテンションの高さが良くも悪くもこの映画の個性なのかもしれません

 

日本の作品がいかにもなハリウッド映画に変貌するのは
その現象自体がちょっと面白い

見かたによれば失敗してるとも言えるけど
ある意味、成功してるとも言える

なんか変な映画ですよね

ハードルさえ上げなければ面白く観れるんじゃないでしょうか

僕はそんなに嫌いではない

 


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