どうもきいつです
伝記映画「エジソンズ・ゲーム」観ました
発明家トーマス・エジソンと実業家ジョージ・ウェスティングハウスが繰り広げる
電力送電システムをめぐる電流戦争の様子を描いた作品
マーティン・スコセッシが製作総指揮を務め
監督は「ぼくとアールと彼女のさよなら」のアルフォンソ・ゴメス=レホン
出演するのはベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・シャノンなどです
あらすじ
19世紀のアメリカ
白熱電球の事業化を成功させた発明家エジソンは
大規模な送電には直流が適していると考えていた
しかし、実業家のジョージ・ウェスティングハウスは
交流式送電の実演会を開いて成功させる
それを知ったエジソンはネガティブキャンペーンで世論を誘導し
事態は世紀のビジネスバトルへ発展していく
感想
小難しいやり取りがひたすら続く
その上、盛り上がりに欠け面白い展開もさほどない
史実だから結末も知ってるしワクワク感も少ない
なんかすごく眠くなった
邦題と内容のギャップもちょっと気になる
予告を見て面白そうだったので
映画館まで観に行ってきました
この映画、アメリカでは2017年に公開されてるんですね
なかなかタイムラグがありますが
予告を見ただけでは
とても面白そうで期待していたんですが
実際に本編を観てみると
正直、すごく眠い映画でした
基本的に会話メインの内容で
その内容もちょっと小難しいので
なかなか会話の内容が頭に入ってきませんでした
僕が電気に関する知識やこの時代の歴史の知識が足りていない
というのも存分にあると思いますが…
それを抜きにしても
あまりに淡々として盛り上がりも無いので
眠くなる映画というのは間違いないと思います
そもそも、この映画
主人公は誰なの?
と思ってしまう
邦題がエジソンズ・ゲームと言うだけあって
エジソンが主人公なのかと思いきや
意外とエジソンが悪役みたいな描き方をされている
かと言って、エジソンが完全に敵というわけでもなく
エジソンの良心も描かれていたりエジソン側の事情も見せてくれるので
エジソンが主人公と言えなくもない
そんなエジソンと敵対するジョージ・ウェスティングハウスなんですが
こっちはかなりいい人間として描かれていて
この人が主人公と言っても過言ではない
最終的に戦いに勝つのもウェスティングハウスですしね
堅実なウェスティングハウスが
エジソンという嫌な奴を打ち負かすという構図は
王道の主人公の姿だと思う
で、こんな2人を同じ比重で最後まで見せられるので
結局、主人公どっちなんだよ!?
って状態に陥ってしまうんですよ
どっち目線で観ればいいのか
誰に感情移入すればいいのか
何が中心なの?って散漫な気持ちになってしまう
これがこの映画に一番乗り切れなかった理由
だと思います
どちらが戦いに勝つのか
という勝負を描いている作品なので
勝つにしろ負けるにしろ
どちらかに比重を重くしないと
戦いの面では全然盛り上がらないと思うんですよ
人間ドラマとしては両方とも同じように描くのは
効果的かもしれないけど
本作に関してはマイナスだと思うんですよね
例えばエジソンをメインで描けば
如何にして相手を陥れるか
自分の不正がバレるんじゃないか
そういう部分にスリルが生まれると思う
逆にウェスティングハウスをメインにすれば
卑怯な手を使うエジソンにどう立ち向かうのか
どんな方法で逆転するのか
そこに面白さを見いだせると思う
本作はその両方ともをやってるんですけども
2人ともを同じ比重で描いているから
どちらかを応援するという気持ちが生まれない
だから、勝負に対するハラハラドキドキの感情が全然湧いてこない
電流戦争の結末も知ってるので
どうせウェスティングハウスが勝つからな…
みたいに
いつの間にか冷めた目で観てしまってる
しかも、戦いの内容が足の引っ張り合いみ
たいなことばかりが続いて単調だし
メインである戦いの部分がいまいち面白味に欠けてるんですよね…
そして、人間ドラマ的な要素は要らなかったように思います
エジソン、ウェスティングハウスともに
妻や家族の描写がとても多くて
両者の人間味のようなものを描こうとしています
でも、この映画に関しては
こんな描写は邪魔なような気がする
正直、この辺はどうでもいい話でしかないですよね
こんな部分に時間を割くなら
もっと2人の勝負にスポットを当てるべきでしょ
2人の思惑が入り交じった激しい駆け引きの真剣勝負
そんなのが観たかったんですけどね
本作ではウェスティングハウスが善人みたいな描かれ方をしてますが
こんな地位まで上り詰めてるわけだから
たぶん実際はもっと狡猾な人だろうし
この勝負を如何にして出し抜くか
相手を蹴落とすか
みたいにお互いをつぶし合うような
知的で激しいバトルをやった方が絶対に盛り上がったと思う
あと、電流戦争のキーパーソンでもある
ニコラ・テスラの扱い方がかなり微妙です
彼はこの戦いの切り札的な存在なわけですが
なんか存在感が薄いんですよ
テスラはこの戦いを完全にひっくり返してしまうようなかなりの重要人物
ただ、本作では
フワッと登場してフワッと活躍して
なんとなくすごそうな人で終わってしまう
テスラを知らない人がこの映画を観ると
テスラがどれだけすごい人なのかというのが
全く伝わらないと思いますよ
この映画だと要領の悪い幸薄い男にしか見えない
彼によって世界が変わるわけですから
テスラをもっと天才的な人物に見せるべきだったと思う
多少過剰になったとしても
テスラがヤバい奴、天才的と思えるような演出は必要だったと思います
それと、小難しい専門的な部分は
言葉だけでなく視覚的に説明してくれれば
多少わかりやすくなったはず
言葉だけでややこしいことを言ってるから
眠くなってしまうので
そこを工夫して見せてくれるだけで全然違ったと思う
映像で見せつつ言葉で説明すれば理解しやすいのは間違いないし
映像をカッコよく見せるようにこだわってたけど
あまり気の利いた見せ方は全然してなくて
そこはすごくもったいなかった
題材は面白くなりそうなのに
全体的に中途半端になっていた
知的で激しい頭脳戦を期待していただけに
ちょっと期待はずれな映画に思ってしまいました
それと、やっぱりこの邦題はなんかズレてますよね
もっといいのはなかったのか…