何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「トーク・トゥ・ザ・デッド」感想 そんなに悪くない まあ、ハードルは低かったけど

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どうもきいつです


ホラー映画「トーク・トゥ・ザ・デッド」観ました

病気の弟を死なせてしまった主人公が
死者と話すことができるアプリを使うことで
恐怖を味わう姿を描いた2013年のホラー映画

「リング0 バースデイ」「おろち」などの鶴田法男が監督を務めています

 

あらすじ
百合は家を出ていってしまった母親の代わりに
幼い弟を育てるためデリヘル嬢として働いていた
ある日、仕事のため病気の弟を1人にしてしまい
それが原因で弟を死なせてしまう
後悔の念にかられる百合は
同僚のマユから死者と通話できるというアプリの存在を知らされる
半信半疑でアプリを使ってみると
死んだはずの弟の声が聞こえてきた

 

感想
チープな雰囲気が漂っているけど
意外とそんなに悪くない
ホラーと言うよりホラー要素のある人間ドラマって感じでした
悪くはないけどツッコミどころもそれなりにある

 

アマプラで物色してたら目に留まり
なんとなく観てみました

タイトルからして
なかなかチープな雰囲気が漂っているし
さほど期待もせず暇つぶし感覚で観たんですが
これが意外と悪くなかった

かなりの低予算だろうし
映像もかなりチープで
基本的には
たまにテレビでやってるほんとにあった怖い話みたいなショボさ

でも、1時間半くらいの短い映画で見やすいし
メインとなる人間ドラマもよかったと思う
ホラー描写もそれなりに怖かったです


本作はホラー映画だけど
ドラマをちゃんと描こうとしています

主人公の百合の後悔の念だったり
百合の同僚マユの誰かの役に立ちたいと思う姿だったり
そういうのを繊細に描こうとしていて
そこはなかなか好感が持てる

百合のつらい境遇は見ていて感情移入させられる
そんな中でアプリを使い弟と話すことで
明るさを取り戻す姿はほっこりさせられます
だからこそ切なさもあったり…

とても切なくて悲しい話だけど
最後は少し安心させられるような終わりかたで
後味もいいんですよ


そんなに深いストーリーというわけではないけど
主人公に感情移入させられて引き込まれていく

そして、ラストの復讐的な展開も意外性があって
面白いですよね


それに、同僚のマユがとても魅力的
馬鹿で仕事もまともにできないけど
健気に頑張ってる姿はすごく好きになる

愛嬌があって可愛さもあるし
人がいい故に騙されたりもするけど
誰かを恨むわけでもなく

この性格があれば普通に幸せに生きれそうな気もするけど


ホラー演出に関しては
要所要所に怖く見える演出があるし
ゾクゾクさせられる雰囲気もある

弟の見た目も結構怖かったです

 

そんな感じて
悪くない内容でそれなりに面白く見れましたが
結局、これはハードルが低かったから
というのが大いにあると思います

もしこれを映画館で観ていたら
うーん…って感じだったかもしれない


まず、ホラー映画として中途半端すぎると思います
確かに怖い場面とかはあるけど
怖さが盛り上がる前に怖いシーンが終わっちゃうんですよね

もう少しでもっと怖くなりそうなのに
ってシーンがとても多くてもったいない

百合のところへ弟が来る場面や
百合の母親への復讐の場面なんかも
もっとホラーを押し出したほうが盛り上がるのになって思う

個人的にはラストもいい話で終わりすぎて物足りなかった

 

そして、ストーリーがちょっとブレ過ぎですかね
ストーリーの方向性がいまいち定まっていないように思います

特に気になってしまうのは
やっぱり死者と話せるアプリを調べる記者の存在

この記者のエピソードが本当に邪魔なんですよ

百合のストーリーとは別に
平行して記者のストーリーも進んでいくけど
これに全く意味がないんです

最終的に2つのストーリーが繋がると思っていたんですが
結局は繋がらず
しかも記者のストーリーはよくわからない終わりかたをするし…

普通この流れだったら
記者がアプリの真相を探っていき
弟を呼んでしまった百合を救うために
百合の店の店長と協力して助けようとする
みたいな展開を期待しますよ

アプリの謎も全く解けないし記者が何をしたかったのかもよくわからんし
記者のエピソードがあるだけで話が散って
方向性がよくわからなくなってくる


最後の復讐の展開も同じで
これ自体は意外性があって面白いけど

これがあるせいで
百合の弟への愛を描いていた部分がすごく薄くなってしまってる

ここまで百合の弟への愛情をメインに描いていたのに
最後になって唐突に復讐の話になっていくから
どうしても方向性がブレてくる

結局これなんの話だよ…
って状態

マユや店長の気持ちなんかも描かれるけど
それもバラバラで最終的に繋がってこない

みんな別方向を向いているので
話があまりまとまってないんですよね

それぞれのキャラやエピソードは悪くないけど
後からこの映画を思い出すと
なんかふわっとしていて
どこが良かったんだろう?
ってなるんです

 

あと、設定も詰めが甘い気がします

途中から死者と話せるアプリを使う人間はみんな死んでしまうから
アプリの情報が全く無いんだって話になりますが

電話で死者を呼んでしまうと死ぬ
というルールがあるんですよね

アプリを使うと絶対に死ぬ
なら情報が出回らないのにも納得できるけど

このルールがあれば死なない人もいるだろ
と思えてしまう

百合やマユは精神的に追い込まれたから死を選んでるし

これなら、精神に余裕があれば
たぶん死なないですよ


それと、通話した死人たちが
なぜ殺しにくるのか
そこもちょっとブレてる

通話している死人たちが実は別の何かなのか?
みたいなことも予想してましたけど
どうやらそうではなく本人のようですし

じゃあ、電話をかける人間が死者を呼ぶと
殺されてしまうのは何故なのか?

そう考えると
単純に死者に連れていかれる
みたいなシンプルなホラーのあるあるなのかな
とは思えます

ふわっとしてるけど納得はできる

ただ、ラストの展開でそこがブレてくる

百合が死んだ後
店長が百合にアプリで電話をします
そこから復讐の展開になるんですが

これって明らかに死者である百合に
明確な意思があるわけで
じゃあ百合の弟やマユのおばあちゃんにも意思があったの?
この死者たちは大切な人を殺そうと思ってたの?
でも、別に殺す理由もないし

そこで設定がブレてるんですよね

最後なんて店長が百合に会いたいと言っても
自分の分まで生きてくれと断りますから

死人の百合が良心を見せるので
余計に弟やおばあちゃんには良心はなかったのか?
と疑問に思えてしまう


感動的な話にしたかったのはわかるけど
それならそれで設定を合わすべきですよね

幽霊が優しすぎたらホラーとしては成り立たないとは思うので
こうなってしまったのは仕方ないようにも思もいますけど

 

ツッコミどころも結構ありましたけども
あまりハードルを上げずに観れば
それなりに面白く観れると思います

暇つぶしにはちょうどいいかも

 


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