何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」感想 なんか惜しい いいとこもあるけど突き抜けない

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どうもきいつです


コメディー映画「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」観ました

スマホ依存の男が
新しく買ったスマホに搭載されている人工知能に
翻弄される姿を描いたコメディー映画
便利なはずのスマホが暴走を始めます

監督は「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の脚本を務めたコンビ
ジョン・ルーカスとスコット・ムーアです

 

あらすじ
子供の頃から携帯電話を手放せないフィルは
大人になってもスマホを手放せないスマホ依存症だった
そんな彼が新しく買ったスマホにはジェクシーという優秀なAIが搭載されいた
しかし、ジェクシーは傍若無人な態度を取りフィルを振り回す
やがてジェクシーによりフィルは生活を改善していくのだが…

 

感想
面白くて笑えるシーンも多々あるけど
全体的に中途半端だった印象
この設定ならもっと面白くできたと思う
キャラがブッ飛んでるわりにいまいち突き抜けていませんでした
あと、予告で内容を見せ過ぎてる

 

映画館で予告を見て面白そうだったので
観に行ってきました


早速言いたいのは
予告で内容を全部見せ過ぎ

予告でこの映画が面白そうと思えるんですけど
実際に本編を観てみると
予告以上の面白さがない

予告を見ればこの映画の全てがわかってしまいます
てか、あれネタバレだと思いますし

後半の意外な展開を予告で普通に見せてしまってる
と言うより
そこを大々的に押し出してたりするんですよ

公式のあらすじですら全部言っちゃってますから

ちょっと宣伝のしかたが悪いですよね…

 

ここからは映画本編の感想です

全体的に笑えるシーンもありましたし
テンポがよくサクサク進むので
最後まで面白く観ることはできました

ただ、インパクトは弱かったなって印象です
予告で見せ過ぎというのを差し引いても
やっぱりインパクトは弱い

特に後半部分があっさりしすぎだったと思います

 

まず、良かったところの話からすると

終始テンション高めのギャグ描写や
主人公のフィルとスマホのジェクシーのキャラクターがブッ飛んでいて
そこはすごく面白いです

基本的に下ネタや汚い言葉だらけの低俗でバカなギャグばかりなんですが
まあ、あそこまで貫き通せば面白いですよね

ジェクシーなんて口を開けば下品な言葉のオンパレードです

あのスマホ音声の無機質な感じでの下品な言葉は
ちょっと新鮮にも感じて
それだけで面白くて笑えるというのはあります

普段は真面目で作業的な言葉ばかりのAIが
めちゃくちゃな言葉を発するというキャップがいいですよね

そして、メインの登場人物フィルとジェクシーのキャラクターが本当に素晴らしい
この2人が喋ってるだけで面白いです

普通こんなコメディーって
どちらかが頭おかしければどちらかがまともなもんですが
本作はフィルもジェクシーも両方頭がおかしい

ただ、2人ともおかしな言動ばかりというわけでもなく
どちらかがボケればどちらかがツッコミする
というWボケ漫才のシステム

2人の会話がすごくテンポよくて
お互い変な言動があっても噛み合ってるから
本当に漫才を観てるような感覚で楽しめます

それに2人ともアホな言動ばかりな上に
常軌を逸してるけど
どこか愛嬌があって2人とも可愛い

ジェクシーなんか常に下ネタと暴言ばかりだし
見た目はただのスマホなのに
なんかすごく可愛く見えてきます


笑ったシーンで言えば
フィルが執拗に彼女にチンポの写真を送ろうとする場面
あれはアホすぎてめっちゃ笑いました

なんでそんなに送りたいんだよ!?
というところでもめっちゃ笑えるし
ノリノリでいろんな角度から写真を撮るのは最高にアホで爆笑しました

あんなに止めようとしているジェクシーの言葉を全く聞かずに
夢中でスマホで撮り続けるフィルには狂気すら感じる

この時の2人のやり取りも面白いですし
ここは本作で1番笑いました

 

そんな感じで面白い部分もあるんですけど
ちょっとギャグ描写やキャラクターの魅力だけに
頼りすぎているようにも思いました

ストーリーに関しては
スマホのAIが傍若無人という設定は面白いものの
やってることはそんなに新鮮というわけでもなく
結構ありがちなモテない男のサクセスストーリーって感じ
その内容もまあまあ薄っぺらかったりもします

フィルの恋愛もさほど障害がなくトントン拍子で進んでしまうので少し物足りないし
フィルとジェクシーの関係性もあまり中身は無いかなって感じがします


何より後半の
フィルに彼女ができてジェクシーを放ったらかすことでジェクシーが暴走しだす
という展開は
ラストにかけてすごく面白くなりそうなのに
めっちゃあっさりしていて全然盛り上がらない

予告でこの部分がネタバレされているから
余計につまらなくなっています

ここは、もっとフィルとジェクシーの戦いを見せてほしかったし
ジェクシーにはもっとめちゃくちゃやってほしかった

でも実際はただフィルがジェクシーから逃げて
最終的にフィルと彼女と上手くいったからジェクシーは諦める
それだけで終わってしまう

ジェクシーの暴走行為も予告で全部見せてしまってるから
それに対する驚きとかもないし

予告であれだけ見せてるから
もう一捻りくらいあると思っていたけど
そんなのも無くあっけなくエンディングです

 

それと思ったのが
最初から飛ばしすぎかな

ジェクシーに出会う前
フィルがスマホを買い換えるときの店員のおばさんとか
ちょっとくどかったんですよね

スマホ依存への皮肉のシーンだけど
直接的すぎる上にダラダラ長ったらしいし

あそこまで嫌みを言われてもスマホを買ってしまう
という皮肉のシーンではあるんですけど
必要あったかなとも思う


ジェクシーに関してもはじめからあの調子なんで
もう少し序盤は押さえても良かったかも

最初は普通のスマホだけど徐々に本性を現していく
という流れのほうが良かった気がする

テンションは高いけど終始一本調子なので
メリハリはあまりなかったですね

 

あと、スマホ依存からの脱却
みたいなのがテーマになってるけど
それとストーリーとがあまり噛み合っていないようにも思えました

スマホ依存のフィルが外の世界に目を向けて成長するって内容だけど

そもそもフィルがスマホ依存以前に
人間性の部分にすごく問題のある人なので
途中からあまりスマホ依存関係ないよな
って思えてくるんですよね

それに起きていることが特殊すぎて
共感できるところも少ないですし

記号的には
友達がいないとかSNSで良い顔しがちとか
あるあるネタはあるけど深堀りはされない

これに関してはどうでもいいっちゃどうでもいいんですけどね

 

最後に

僕は本作を吹き替えで観たんですが
この映画に関しては吹き替えのほうが面白く観れると思います

英語を聴きとれる人は別ですけど
聴きとれない人は字幕を読みながらになるわけで
そうなるとやっぱり本作の軽快な会話のテンポが削がれてしまうと思う

吹き替えなら日本人でもわかりやすい表現にもなってるし
笑いに関してもわかりやすく笑えます

それに、本作はなかなか吹き替えにも力を入れているみたいですし
普通に吹き替えのレベルも高かったです

この映画は吹き替えをおすすめしたい

 

設定はすごく面白いし笑えるところもたくさんあるけど
それ以外がちょっと中途半端でした
いい部分を生かしきれていなかったって印象

もっと面白くなりそうなのに突き抜けないのは
惜しかったです

 


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