どうもきいつです
サスペンス映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」観ました
志駕晃によるミステリー小説を映画化した「スマホを落としただけなのに」の続編
前作の連続殺人事件が解決してから数ヶ月後に発生した新たな事件が描かれます
監督は前作と同じく「リング」などの中田秀夫が務め
出演するのは千葉雄大、白石麻衣などです
あらすじ
長い黒髪の女性が狙われた連続殺人事件が解決してから数ヶ月後
同じ現場から新たな死体が見つかる
捜査にあたる刑事の加賀谷は
かつて自分が逮捕した連続殺人鬼の浦野のもとへ向かった
そして、加賀谷は恋人の美乃里が何者かに狙われていることを知り
やむなく浦野に捜査協力を依頼することになる
感想
なんかいろいろとやってるけど
全部がしょうもないなと思わされてしまった
普通につまらない映画
やりたいことはわかりますけど
なにそれ?って感じです
てか、スマホ落としてないし
前作は映画館で観たんですが
本作は映画館で公開中はスルー
アマプラで配信されていたので観てみました
この映画をスルーした理由は
正直、前作がそんなに面白くなかったから
わざわざ映画館まで観に行きたいと思いませんでした
そして、本作ですが
そんな前作よりさらにつまらなくなっていました
前作はそんなに面白くなかったとは言え
面白い要素はいくつかありました
でも、この続編はそんな良さも無くなっていて
一本の映画としても微妙だし
続編映画としても微妙
いろいろと手数の多い内容でしたけど
やることなすこと全部がしょうもなかった印象
まず、前作の1番良かった部分というのは
スマホを落とすことから始まるネット犯罪やサイバー犯罪の描写
これが現代的で興味深い内容でした
犯罪の仕組みなんかもわかりやすく解説してくれていたり
それがきっかけで
どんな犯罪に巻き込まれるのかも教えてもらえました
前作ではそこが売りでもあったし
スマホを落とすことがサスペンスの部分とも上手く噛み合っていました
で、続編の本作なんですが
前作のそんな要素もあることはあるけど
取って付けたような軽さ
物語のメインであるサスペンスともあまり繋がっていないし
犯罪の解説とかもしてくれるけど
そこだけすごく浮いてるし
解説が邪魔だったりもします
そもそも、スマホを落とさないですからね…
厳密に言えば落としてるけど
“スマホを落とす”ことを
1番やってほしくないダサい扱い方にしてしまっていました
前作を観ている人なら
スマホを落とす落とさないは置いといて
おそらく、スマホでのネット犯罪を絡めたサスペンスを求めてると思うんです
そんな期待を完全に裏切ってる映画なのは間違いない
じゃあ、この映画はいったい何をやってるのか?
ということなんですが
なんとなく賢いっぽいネットを使った駆け引きをメインにやっている
天才ハッカーを使って凶悪殺人犯を逮捕しようとする警察官の話です
ただ、これが本当に酷いとしか言えない
賢いことをやってる風なんだけど
知的さの欠片もないサスペンスでしたね…
てか、そもそもこの映画
なにやってるのかわからないです
謎解きサスペンスの出来どうこうの前に
ストーリーがぐちゃぐちゃなんですよ
いろいろやりたいことを詰め込んでるのはわかるけど
全部がとっ散らかっていて
何がメインなのか
何の話なのか
ストーリーが進めば進むほどごちゃごちゃしていてよくわからん
もちろん犯人探しが中心なのはあたり前で
揺るぎないことなのは間違いない
その前提がある上でもよくわからない話になっちゃってるのは
逆に難しいことやってる気がするんですけど…
普通にやればややこしい話でもなんでもない
シンプルなサスペンスだと思いますよ
天才ハッカーの活躍とか
主人公のトラウマとか
いろいろと詰め込んでるけど
全部しょうもない内容で
その上、まとまっていなくてぐちゃぐちゃ
なによりもしょうもないと思わせる要因は
あまりにも警察たちが無能
この映画の警察は本当に酷いですよ
こいつらがちゃんとしてれば大事にならすにすんだはず
あまりの無能さに観ていてイライラしてきます
主人公もなんかやってるようで
実は全然活躍してないしね
謎解きなんて全部他人任せですから
警察という組織も無能すぎるし
警察官個人もみんなそれぞれ無能
そんな無能警察たちが
勝手に犯人に振り回されて
あたふたしているだけの映画でした
そして、メインであるサスペンスの真相も
マジでしょうもないです
犯人っぽく見せてる奴は想像通りミスリードですし
明らかに怪しい奴はやっぱり犯人だし
浦野は思った通り裏切るし
主人公が実は警察のコンピューターに侵入してました
ってオチもなにそれって感じですよね
何もかもがしょうもないなって思わされてしまいました
こんなしょうもない内容のくせに
警察の行動だったり
サスペンスの真相だったり
いろいろと手数を多く詰め込んで
結局、何を見せたいのか
どこに向かって進んでるのか
観ていてよくわからなくなってくる
それ以外にも
浦野がハッカーとして活躍する描写や
サイバー犯罪の描写だったり
そんなのを頭良さそうに見せてるんですけど
それが逆にアホっぽく見える
難しいことを難しく見せて
この映画知的だろ?とドヤ顔で言われてるような…
そこがこの映画の知的さに欠ける理由だと思うんですよ
本当に頭のいい人は難しいことを馬鹿でもわかるように説明するわけです
でも、この映画は難しいこと難しいっぽくやって
ただの自己満足って感じ
しかも、実はそんなに難しくないし
難しくないことを無駄にややこしくしてしまってると思う
こんな無駄に難解な描写があったりするから
メインストーリーもブレてしまって
余計にわかりづらい映画になってると思うんですよ
そして、主人公のトラウマの話なんかもぶち込んでますが
これとか本当に邪魔でしたよね
全然メインのストーリーとも繋がってないし
無駄に話をややこしくしていた
主人公の過去話なんてどうでもいい
これのせいでテンポも悪くなってました
とにかく、なんかいろいろとやってるんですけど
全体的にまとまりが悪くて無駄ばかり
その上、一つ一つの要素も質が低いので
わかりにくくてしょうもない映画になってしまってました
そんな感じの何をしたいのか
いまいちわからない映画ではありますが
おそらく1番やりたかったのはこれだろうな
というのはなんとなくわかります
それはたぶん「羊たちの沈黙」
浦野をハンニバル・レクターみたいにしたかったんだろうな
と思います
「羊たちの沈黙」を観たことある人ならわかると思いますが
この映画は明らかに「羊たちの沈黙」のパク…オマージュなのは間違いなくて
やってることはほぼ同じ
ただ、やっぱり全然上手くは行ってません
そもそも、前作の続編としてこの方向性は
絶対に方向を見誤っています
絶対にこれじゃないですよね…
そして、浦野がハンニバルと同じほど魅力的な悪役かと言えば
そこまでの魅力もありません
前作で狂気に満ちたキャラで
成田凌がハマり役だったのは認めます
でも、本作ではちょっと持ち上げすぎ
前作では狂気のキャラではあったけど
普通に小者でしたし
天才ハッカーみたいなキャラでもなかった
それを、続編では急に天才扱いで
切れ者のサイコパスになっていたのは違和感しかありませんでした
しかも、何故か白髪
脱出劇にしたってしょうもないし
ハンニバルには何もかも到底及ばないですよね
映像的にも
「羊たちの沈黙」の脱出後の映像の鮮烈さには全く足元にも及んでなかった
なぜ急にハンニバルをやりたくなったのか?
そのへんはよくわかりませんね
ちょっとセンスないですかね
で、ラストのオチの話ですけども
途中から嫌な予感はしてたんですよ…
全然スマホを落とさないですからね
どこかで落とすとは思ってました
そして、このオチも予想はしていました
最も最悪なパターンとして…
2人が出会ったのはスマホを落としたお陰でした
って
こんなクソみたいなオチやめてくれよ
ただでさえクソみたいなオチなのに
このオチ上手いでしょってドヤ顔の感じが
本当に酷すぎる
この映画は
やっぱり基本的にセンスがないんですよね
前作で残すべき部分は残さずに
無駄にハンニバルやってみたり
タイトルの意味を無駄に捻ってたり
やることがズレてるんですよ
別に期待していた訳じゃないけど
ここまで方向性がズレてれば少し腹も立ってしまう
この映画を面白いと言ってる人もいるけど
何が面白いのか全くわかりません
こんな人たちが「羊たちの沈黙」観たら度肝抜かれるんじゃない?
この映画観るのなら「羊たちの沈黙」を観てほしい
キャスティングも成田凌以外はみんな微妙でしたしね
白石麻衣の演技も正直アレでしたし…
この映画にはいいところが全然なかったかも
スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 Blu-ray通常版