何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「スレンダーマン 奴を見たら、終わり」感想 面白い題材を全く生かしきれていない

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どうもきいつです


ホラー映画「スレンダーマン 奴を見たら、終わり」観ました

インターネット上で囁かれる都市伝説スレンダーマンを題材にした2018年のホラー映画
とある動画を見たことをきっかけに
高校生たちにスレンダーマンの魔の手が忍び寄る

監督はシルバン・ホワイトが務めています

 

あらすじ
小さな町に住むハリーたち4人の女子高校生は
巷で囁かれる都市伝説スレンダーマンを呼び寄せる動画を見てしまった
半信半疑の4人だったが
そのうちの1人ケイティが姿を消す
その後、彼女たち前にスレンダーマンが姿を表すようになる

 

感想
なんか全然面白くなかった
題材になった都市伝説は興味深い内容だけど
いまいちそれを生かせていない
ホラーやサスペンスとしてもさほど面白いわけでもなく
最後まで退屈な映画

 

Netflixで見つけてなんとなく観てみました

前からスレンダーマンの都市伝説は多少知っていたので
それがどう映画になっているのか興味はありました

実際観てみると
特別記憶に残るようなものはない
普通のホラー映画って感じ
しかも、そんなに怖くない

所々に面白いと思える場面があるものの
全体的にはかなり微妙
退屈な時間が多かった

雰囲気は悪くないんですけどね
なにかが起きそうな不穏な空気が漂っていて
そこにはすごく魅力を感じます

ただ、雰囲気だけで中身が無い
なにかが起きそうで大したことは起きない
謎をたくさん散りばめているけど
結局なにも解決しない

この映画の中に何があるのかを考えてみても
何もないんですよね…

ストーリーもリングみたいな内容で
そんなに新鮮さがあるわけでもなくて面白味がないし
終盤にどんでん返しがあるわけでもないです

その上、スレンダーマンの都市伝説で囁かれている噂をとにかく全部詰め込みました
って設定なので
まとまりが全然無いんですよ

そもそもネット上でいろんな人たちが尾ひれを
付け加えていって出来上がってる都市伝説なので
そりぁまとまりがなくたって当然

そこを上手く整合性を合わせる工夫もなく
ただ噂を映像化しただけになっています

表面的にスレンダーマンの噂をなぞってるだけでそこを全く深掘りしないんですよね

子供を狙う理由も謎だし
あの風貌なのも謎だし
目的も謎
最後は木になってたけど正直言って意味不明

主人公たちがスレンダーマンから逃れるために
過去の文献を調べたりして
そこでいろいろと見つけてなんかわかった感じを醸し出してるんですけど
核心的な情報は何もなく

で、結局どういうことなの?
って疑問は全く拭えない

大事なものを差し出せばスレンダーマンから逃れられる
というのも理由が無く全く納得できない

この情報自体が誰かわからんやつが発信した全く信憑性の無い情報なのに
主人公たちがそれを絶対的に信用しているのも
なんか無理やりに思えます

最終的に主人公が自分を差し出して妹を助ける展開なんて
上手くやってるつもりなのかはわからないけど
全然上手くないし

自分を差し出したら妹が助かるという部分の
ロジックが全然なってないから…

結局スレンダーマンってなんなんだよ
という疑問が最後までつきまとう

これで得たいの知れない怖さが表現できてるならいいんですけど
全然怖くないですしね

ちょっとルール無用すぎるのかな…

こうしたら現れる
これはやっちゃダメ
みたいなのが無いんです

動画を見たら狙われるというのはあるけど
動画を見て以降は
存在自体が曖昧であまりにも掴み所が無さすぎる

それに、スレンダーマンの風貌も面白くはあるけどそんなに怖くはない

スーツを着てひょろ長い体型で
顔がなくてのっぺらぼうみたいな風貌
背中からは触手が出ています

ぱっと見のインパクトはそれなりにあるけど
それは最初だけでそこから先は見慣れて
ビジュアルに対しては何も思わなくなってくる

あと、この風貌に関しても都市伝説そのままで
なんのひねりもなく面白味に欠けます
映画だからこそのオリジナリティが全然ない


とにかくスレンダーマンに関する噂を全て詰め込んで
それを淡々と映像で見せているだけの作品

中身が本当にスカスカな映画なんです

 

ただ、スレンダーマンの都市伝説自体は
とても興味深くて
そこをもっと生かせればこの映画は面白くなったかもしれない


このスレンダーマンの都市伝説は少し特殊で
噂のもとが明確にはっきりしています

このスレンダーマンは実は完全な作り物で
フィクションなわけです

ただ、これがいつの間にかネット上で広まり
いろんな人が尾ひれをつけて
さらに噂が拡大して今に至るというわけです

でも、フィクションの存在にもかかわらず
実際に遭遇したという人が現れたり
大規模な誘拐事件や行方不明事件の直前に目撃されているという話もあるくらい

作り物のはずのスレンダーマンが
ネットで噂が広まるうちに
いつの間にか真実味を帯びた都市伝説へと変貌していったという
なかなか面白い存在なんですよね


本作もこの元ネタの都市伝説のように
嘘から始まりそれが現実へと変化していく
という部分を映画の中にも取り込んだら面白くできたかもしれない

登場人物たちが噂を広めたり
別の噂を誰かから聞いたりすることによって
スレンダーマンの行動や姿形が段々と変化していく
みたいな流れにしたらちょっとワクワクできそうです


本編の中でもスレンダーマンの恐怖がウイルスのように伝染していく
とかは言ってたんですけど

その部分も曖昧でフワッとしていて
そこをあまり広げないんですよね

そういうところがもったいないんですよ

面白くなりそうな要素は切り捨てて
単純で安易なホラーとしてしか作っていない


せっかくスレンダーマンという興味深いものを
題材にしてるんだから
その都市伝説自体を掘り下げるような作品にするべきだと思うんです

てか、そうした方が絶対に面白くなると思う

 

この映画自体は
本当に中身が無くてスカスカなので
特に語る内容が無かったりします

ホラーとしてもサスペンスとしても全然面白い要素が無いですし
登場人物もめっちゃ薄いし
ストーリーもめっちゃ薄いし
この映画の中にはなにがあったんだよ
って感じ

ただ、元ネタのスレンダーマンの噂自体は
とても面白い内容だと思うので
ネットで調べたり本を読んだりしてみてほしいです

この映画を観るくらいなら
自分でスレンダーマンについて調べたほうが有意義な時間が過ごせると思います

 


スレンダーマン 奴を見たら、終わり (字幕版)