どうもきいつです
ホラー映画「ザ・ヴォイド」観ました
田舎の病院を舞台に
謎のカルト集団や異形の何者かと相対することになった保安官の姿を描いた
2016年のホラー映画
「ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた」などのジェレミー・ギレスピーとスティーブン・コスタンスキが監督・脚本を手掛けています
あらすじ
パトロール中の保安官ダニエルは
路上で血まみれになった男を発見し男を病院へ連れていく
しかし、その病院では人々が人でない何かに変貌しようとしていた
病院の外には謎の集団が迫り混乱する中
銃と斧を持った2人の男が病院に乱入する
感想
世界観や設定にかなりいろんな要素が詰め込まれていて
独特な雰囲気を醸し出す映画でした
やってることはかなりベタで王道なホラー
新鮮味はあまりないかもしれないけど
どこか懐かしさも感じて嫌いになれない
なんとなく気になったので観てみました
内容の知識は全くなく
B級ホラーっぽさだけで選びました
そんなに期待していなかったけど
意外とよかった
と言うか
個人的に好きなホラーって感じです
好き嫌いは分かれそうな映画ですね
かなり気持ち悪いし
ストーリーはよくわからんし
その上、やってることはマンネリでよくあるホラー映画なんです
しょうもないと言う人も多いかもしれないけど
かつての古き良き時代のホラーに対する愛を感じれて
なんか嫌いになれない映画
本作はかなりごちゃ混ぜな内容で
多くのホラー映画などに影響を受けている作品だと思います
特に「遊星からの物体X」はかなり連想させられます
カルト教団、マッドサイエンティスト、SF、異形のクリーチャー、クトゥルフ神話
とにかく、これでもかと様々なB級要素をぶち込んでいる
正直、ごちゃごちゃしすぎててまとまりが悪いし
微妙と言えば微妙なんですけども
逆にそこが魅力的になっているというか
これぞB級映画って感じで
1周回ってちょっと面白いんですよ
いつの間にかこのカオスな世界観を好きになってる
ストーリーや展開なんかもよくあるホラーで全く新鮮さはないです
建物の中に立てこもり
異形のモンスターや謎の集団から教われる
そこから主人公たちが活路を見い出していこうとする
ゾンビ映画なんかとやってることはさほど変わりません
終盤に近づくにつれ謎の真相が明らかになってはいきますけど
結局、なんかよくわからん
最後まで観てもあまりすっきりしません
ストーリーの面白さよりも雰囲気重視の作風
謎が多いわりに説明不足で考察も捗らない
てか、そんなに深い内容ではないと思います
それっぽい要素が詰め込まれてるから
物語の裏には壮大な何かが隠されているのでは?
と思わされるけど
たぶんこの映画ってノリで作られてると思うんですよ
俺たちの大好きな昔ながらのB級映画を作ろうぜ!!
って感じで勢い任せに作られてる気がする
だからこそ、この映画はすごくB級感が漂って
愛すべきB級映画に仕上がってるんだと思う
それに、本作はクリーチャーの造形もすごくいいですね
これもやっぱり過去の作品を意識してか
CGではなく特殊メイクで表現されてる
こういうこだわりがこの作品の魅力なんだと思わされます
クリーチャーの見た目はなかなかキモくて
グロテスクささえもあるんですが
センスがあってとても魅力的
ウネウネと触手が動いてる様や
ブヨブヨしたクリーチャーの質感など
特殊メイクなのでチープには見えるけど
CGでは出せない独特な違和感が
この映画の雰囲気をさらに引き立てています
こんなのを見ると
あからさまに作り物っぽい造形でも
今の時代に通用するんだなと感じさせられます
なんでもCGでリアルに作れてしまう現代の映画ですけど
だからこそ、こんな手作り感のあるものには
とても魅力を感じる
何でもかんでもCGでリアルにすればいい
ってわけでもないんですよ
全体的にすごくチープで
ストーリーも特別面白い内容ではないけど
緊迫感はすごくあって
そこに引き込まれてしまうところもあります
本作は意外と怪物に襲われるシーンはそんなに多くなくて
地味なシーンが結構続きます
でも、常に緊張感が漂っていて絶望的な状況でもある
なので、怖い雰囲気が終始あるんですよ
何も起きてなくてもなんか気持ち悪くて怖い
終盤になると派手なシーンも増えてきて勢いが増してくる
ずっと意味があまりわからない物語だけど
最後まで飽きずに観れました
王道パターンというのが
わかりやすく観れる要因だったのかもしれません
それに、ラストに近づくにつれ盛り上がっていくののでより引き込まれたんだと思う
はじめはこじんまりとした地味な雰囲気だけど
終盤になると話が壮大になってきてワクワクしてくる
結局、あまり意味はわからないけど
なんか面白いなと思わされる
そして、映像なんですが
クリーチャーの見せ方は少し見づらかったりします
全貌を見せなかったり
画面が暗すぎたり
バチバチと点滅させたり
正直、これがストレスにも感じてしまいます
でも、この見せ方が正解なのかもしれない
この見づらさが気持ち悪さや怖さを引き立てて
妙にいい雰囲気を生み出してるんですよね
それに、この見えにくさのストレスが
閉塞感が漂う作風にマッチしてるようにも思う
結果的に
勢い任せの雑な映画だと思うんですけど
その強引さがもはや魅力的で
1つの世界観が生まれている
そこが好きかどうかということがあるけど
好きならばとても面白く観れる映画だと思います
僕は昔のホラーとかも大好きなので
本作もすごく好感が持てて面白く観ることができました
今の時代だからこそ
こんなチープな映画も必要なのかも