どうもきいつです
アニメ映画「STAND BY ME ドラえもん2」観ました
2014年に公開された
国民的アニメ「ドラえもん」初の3DCGアニメ映画「STAND BY ME ドラえもん」の続編
原作漫画のエピソード「おばあちゃんのおもいで」を基に
前作の「のび太の結婚前夜」の翌日の結婚式当日が描かれます
監督は前作から引き続き八木竜一が務め
脚本と共同監督を山崎貴が担当しています
あらすじ
ある日、優しかったおばあちゃんがくれたぬいぐるみを見つけたのび太は
おばあちゃんに会いたいと思い立つ
ドラえもんを説得し3歳だった頃の過去に戻ったのび太は
おばあちゃんとばったり出会ってしまう
そして、のび太の将来お嫁さんを見たいという
おばあちゃんの願いを叶えるために
のび太とドラえもんは未来を目指す
感想
思ったよりお涙頂戴じゃなかったのは良かった
ドラえもんらしい作品ではありました
でも、全体のまとまりが悪くて
個々のエピソードが全然繋がっていない
結局なにを見せたかったんだろう…?
この映画は全然観る気がありませんでした
そもそも前作「STAND BY ME ドラえもん」も観ていない
でも、お誘いがあったので観に行くことに…
CMなんかを見ているだけだと
個人的にあまり好きな映画じゃないだろうなと
敬遠していました
“ドラ泣き”とか言ってるし
こんな泣くことを強要してるような宣伝好きじゃないし
ただ、実際に観てみると
そこまでお涙頂戴ではなかったです
確かに泣かそうとしているシーンはあるけども
そこまで臭い演出ではないと思う
これは完全に
感動の押し売りをする日本特有の宣伝方法による弊害ですよね…
この宣伝のせいで
この映画が気持ち悪いと思ってしまう人は
少なからずいるでしょう
僕がそうですし
もうそろそろ、こんな宣伝方法やめろよと思う…
正直言って
本作よりも「鬼滅の刃」劇場版のほうが
よっぽどお涙頂戴の臭い演出でしたよ
この映画は感動なんかよりも
子どもが楽しめる楽しい映画です
そういった点では
とてもドラえもんらしい作品
本作を酷評する感想もちらほら見かけるけど
そんなに悪い映画ではないと思います
まず、本作は「STAND BY ME ドラえもん」の続編でもあります
なので、前作を観ていなければ理解できないのか?
という疑問も生まれると思う
でも、その心配はあまりいりません
前作を観ていなくても全然理解できる
僕も観ていませんでしたけど普通に理解できました
本作は前回描かれた
原作で言えば「のび太の結婚前夜」のその後の物語が中心になりますけども
別に細かいところがわかってなくてもなんとなく理解できます
「STAND BY ME ドラえもん」を観てなくても
「のび太の結婚前夜」を知ってればわかるし
知らなくてもわかる
とてもシンプルな物語だと思う
ドラえもんだし
そんなに複雑な要素はそもそもないですし
「ドラえもん」とはなにか
さえわかっていれば十分
この映画の中では
家族愛、夫婦愛、友情など
そういうのがわかりやすくシンプルに表現されている映画なので
家族、友人、恋人と観に行くにはちょうどいい映画です
遊びやデートで軽く観に行けばそれなりに楽しめるはず
とは言え
不満が多かったのも否めない
ちょっと、全体的に子供騙しな映画かな
と思ってしまう雑な映画でもあります
本作は1つのストーリーではなくて
原作の複数のエピソードを複数混ぜ合わせたような内容で
原作の「おばあちゃんのおもいで」「ぼくの生まれた日」「45年後…」などのエピソードを
「のび太の結婚前夜」のその後という
本作オリジナルのストーリーを中心に描いています
本作オリジナルのストーリーの中に
複数の原作エピソードを詰め込むってやりかたは全然ありだと思うんですけども
この映画はそれがあまり上手くいっていませんでした
結婚が怖くなって逃げだした未来ののび太の物語と
その他のエピソードが全然噛み合ってないんですよね
全ての発端は
のび太のおばあちゃんが
のび太の将来のお嫁さんを観たいと言ったことがきっかけなんですが
これがそもそも不自然
無理やりなんですよ
のび太の結婚のエピソードに繋げるため
無理やりおばあちゃんにそんなセリフを言わせてるようにも聞こえて
かなり印象が悪い
おばあちゃんの願望というよりも
物語を無理やり繋げるための制作側の都合でしかない
まあ、ここは百歩譲って
辻褄があってるから良しとします
その後の
のび太と大人のび太が入れ替わるドタバタコメディーや
のび太の生まれた日での名前の由来のエピソードは
もう繋がってすらない
のび太入れ替わりのエピソードは
話の流れ的に普通に考えて
大人のび太が成長するエピソードでなければならない
これを経て
大人のび太が結婚への決意を固める
というのが真っ当な物語だと思うんです
でもね…
このエピソードによって大人のび太が成長しないんですよ
てか、この映画では大人のび太は成長しない
なんとなく成長した風には見せてるけど
実は何も変化していない
これがこの映画の印象をかなり悪くしている
しずかちゃんが海よりも広い心をもって
そのままののび太を受け入れ
のび太はそれに甘んじてしまうという
何じゃそれってオチ…
ここは
そんなしずかちゃんに見合う男にならなければと心を入れ替えろよ
なにしずかちゃんに甘えてんだよ
と思わされてしまう
のび太がガチのダメ男で終わってしまうのは
かなり後味が悪かったです
じゃあ、何も成長しないこのエピソードって何の意味があったの?
このエピソードがのび太の結婚を決意する要因には全くなっていない
ただイタい大人のび太の姿を見せつけられるだけ
今まで観ていたのは何だったのかと思ってしまいました
そして、のび太の名前のエピソード
これはホントに唐突過ぎて目が点になった…
序盤にのび太が
僕はこの家の子供じゃないんだ
みたいな事を軽く言ってたけど
まさかこれが伏線ですか…?
入れ替わりのエピソードが終わったら
のび太と大人のび太が顔を見合わせて
当然のごとく過去を目指しましたけども
えっ!?って感じですよね
これって結婚式でののび太のスピーチのためだけにぶち込まれてるんですよ
こんなの無くても全然いい
いくらなんでも無理やり過ぎです
結局、それぞれのエピソードが全く上手く繋がっていなくて
何を見せたいのかな?って状況になってる
なんかごちゃごちゃな映画でした
何を見せたいのかわからん
で言えば
変に複雑なSF描写も気になった
たぶん山崎貴監督はこんなSF設定好きなんでしょうね
本作のSFは理論的には辻褄があってるし
見せ方も悪くないと思う
でも、ドラえもんでやることなのかな…
とは思ってしまいます
伏線散りばめて回収みたいなのをやってたけど
本作に関してはノイズでしかなかった
序盤で不思議なことが起きて
後々それがなんだったのか判明する
というタイムリープものの定番なんですが
無駄にストーリーがややこしくなってました
シンプルなドラえもんを見せたいのか
複雑なSFを見せたいのか
ここもごちゃごちゃしている
あと、アニメ表現に関しては
山崎貴監督が関わってはいるけど
偽物のディズニーっぽさはあまり無くてよかったです
この前観た「ルパン三世 THE FIRST」に比べると全然良かった
若干大げさな表現もあるけど
それが「ドラえもん」には合っているように感じました
キャラデザもディズニーっぽくはなく
「ドラえもん」を損なわないデザインでした
観る前は宣伝のせいで気持ち悪さすら感じていた本作ですが
実際に観てみると全然ありかな
と思えました
軽い気持ちで観るファミリー向け映画としては
全然楽しめる内容だと思う
ツッコミどころが多く子供騙しな作品で
名作アニメとは言えませんけど
「ドラえもん」の映画としてはそこまで悪くはないじゃないでしょうか
とにかく、日本の映画の宣伝のやり方はもうちょっと考えたほうがいい
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