何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「トータル・リコール」(1990年)感想 やっぱり好き 全部好き

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どうもきいつです


SF映画「トータル・リコール」観ました

フィリップ・K・ディックの小説「記憶売ります」を基に映画化した作品
地球の植民地となった火星を舞台に
記憶を植え付けられた主人公が
本当の自分を見つけ出すために戦うSFアクション大作
第63回アカデミー賞では特別業績賞を受賞した

監督は「ロボコップ」などのポール・バーホーベンが務め
主演は「ターミネーター」などのアーノルド・シュワルツェネッガーです

 

あらすじ
西暦2084年
地球に暮らす肉体労働者のクエイドは
毎晩、行ったこともない火星の夢にうなされていた
その夢が気になりリコール社の“火星旅行の記憶を売る”サービスを受けることに
しかし、それがきっかけで今の記憶が偽物だったことを知り何者かに命を狙われてしまう
クエイドは真相を求め火星に旅立つ

 


感想
昔の映画でチープな部分は多いけど
今観ても魅力を感じれる面白い映画
映像や世界観のセンスがたまらない
何よりもシュワちゃんが最高に魅力的でした

 

あの「トータル・リコール」が
4Kデジタルリマスターで劇場公開されるということで観に行ってきました

この映画はテレビでは何回も観ていましたが
映画館で観るのは初めて
とても好きな映画だし映画館のスクリーンで観れるってだけで
テンションめっちゃ上がった

そして、やっぱり本作は吹き替えが好きなので
吹き替え版で観ました

 

昔の映画で名作と言われている作品
なので、今さら感がありますけど
やっぱり面白いし好き

何回観てもこの映画はたまりませんね

2012年のリメイクも観てますけど
やっぱこっちの方がいい

どんなに技術が発展してリアルなSF世界を表現できても
過去の映画でチープな本作ではありますが
この映画の魅力は唯一無二で
昔の映画だからこその魅力も存分にある

今の時代だと
こんな映画はなかなか生まれないかもしれない

いろんな意味でこの映画が最高に好きです

 

まず、世界観や造形が素晴らしい

今観ると確かに古くさくて作り物感はとてもあります
でも、まだCGの技術も発展していない上に
極力CGを使わずにこだわりをもって作られた本作は
それだけで魅力的

特殊メイクやセットだからこその味わい深さがあって趣がある

それに、ただチープなだけではなく
いかにリアルに見せるかの工夫もされています

おばさんの中からシュワちゃんが出てくるあの名シーンは
今の時代に見てもすごく面白いしリアルさも感じられる

特殊メイクの造形も
リアルなCGに比べれば作り物っぽくてチープですが
細かく作り込まれた造形は特殊メイクだからこその存在感とリアル感を感じられる
それに絶妙なキモさも最高ですよね
このキモさも特殊メイクならではだと思います


そこから生まれる名シーンも印象的で記憶に残ります

鼻から発信器を取り出すシュワちゃんの顔
おばさんから出てきたときのシュワちゃんのどや顔
記憶植え付け機械に苦しめられるシュワちゃんの顔
なんかよくわからんけど目ん玉飛び出すシュワちゃんの顔

いろいろな特殊効果にシュワちゃんの顔が相まって
より記憶に残るシーンがたくさん

 

そして、背景はセットと合成映像で作られていますけども
これもやっぱり味わい深い

火星の真っ赤な世界
科学が発展した未来の世界だけど
明るさより暗さを感じるディストピアな雰囲気

この時代のSFって感じでめちゃくちゃワクワクさせられます

乗り物や機械などは未来世界ですが
どこかレトロで古くさい

現代のSF映画になれている世代は
これを見てスマホすらない未来世界にゲンナリとするかもしれない

でも、このレトロなSF世界が魅力的なんですよ

未来だけど古くさい
そんな世界ってやはりこの時代だから生まれたのもでもあって
だからこそ味わい深くて魅力を感じる

今の現実の科学技術より劣ってるからリアリティがない
なんて言われてしまえば終わりですけど

僕はこの狭間の世界観が映画の魅力でもあると思うわけです


そして、今まで世界観や造形などを褒めましたけども
なによりも魅力的なのはシュワちゃん

シュワちゃんじゃなければ
この映画をここまで好きにはなれなかった

シュワちゃんの魅力と言えば粗暴さですよね

「プレデター」「コマンドー」「ラスト・アクション・ヒーロー」「バトルランナー」
いろいろとシュワちゃん映画を観てきましたけど
共通してシュワちゃんって粗暴です
ガサツな男シュワちゃんです

どの作品も悪を退治するヒーローのはずなのに
あまりの粗暴さに敵に見えてしかたがない

本作も同じく
シュワちゃんがもはや悪役

そもそも顔が悪人面ですよね
スゲー敵っぽい顔をしてる

なのに正義のヒーローをやってるんですから
絶妙なバランスです

シュワちゃんの言動が完全にギャグにも見えて
笑ってしまうんですよ

偽物とは言え
朝にあれだけイチャイチャしていた妻をぶん殴るわ
タクシーロボット引っこ抜くわ
一般市民を銃撃の盾にして用がすんだらぶん投げるわ

かなり酷いことをしてる
これが主人公で大丈夫か?

終盤の
「これが本物だと思うか」
「そうさ本物さ」
からの高笑い
もう狂気でしかない

やっぱりこんな主人公像を演じれるのはシュワちゃんだけ
それプラス玄田哲章の吹き替えで完璧ですよ

シュワちゃん映画はどうしても吹き替えで観たくなりますよね
もはや字幕の方が違和感あるくらい

本作はシュワちゃんの魅力も存分に堪能できて
最高な映画なんですよ
シュワちゃん無双です


基本的にシュワちゃんが筋肉で全てをねじ伏せ
銃で人を殺しまくるバイオレンスで大味な
めちゃくちゃな映画ではあるんですけども

意外とストーリーも面白かったりします

SFサスペンスとしてスリリングな展開も多くて
ハラハラドキドキしてとても楽しめますし
終盤のどんでん返しも
初見なら意表を突く展開で驚かされると思う

バイオレンスでアホなアクション映画に見えるけど
結構、脚本も練られている作品なんじゃないでしょうか

大味のアクション大作でありながら
原作の知的な雰囲気も損なっていない不思議なバランス

この絶妙な作風も本作の魅力なんじゃないかと思います

 

昔の映画だけど
だからこその魅力がたくさん詰まってる
独特なセンスは格好よくも思えます

レトロなSFを堪能できるし
シュワちゃんの魅力も堪能できるし
個人的に大好物な映画です

そして、やっぱりおすすめは玄田哲章の吹き替え版
これが完璧な「トータル・リコール」

 


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