どうもきいつです
サスペンス映画「サマー・オブ・84」観ました
1980年代にオマージュを捧げた青春ドラマ
1984年のアメリカ郊外を舞台に
近隣で発生した連続殺人事件の犯人を突き止めようとする少年たちをノスタルジックに描いています
PKSSというユニット名でさまざまな短編を手掛けてきた
フランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセルが監督を務めています
あらすじ
1984年の夏
15歳の少年デイビーはアメリカ郊外の田舎町で暮らしていた
その付近で子どもが狙われる連続殺人事件が発生する
デイビーは家の向かいに住む警察官マッキーが連続殺人犯ではないかと疑い
親友3人とともに捜査を始める
感想
いつ盛り上がるのかな?と思いながら観てましたが
そのまま終わってしまった…
展開に全く捻りがなく
こうなるとつまらないだろうな
と思っている方向に物語が進んでいく
ノスタルジーな雰囲気に頼ってるだけで
あまり面白いことはしていなかった
Netflixで配信されているのを見かけ
面白そうだったので観てみました
80年代のジュブナイルものにホラーをプラスした
という内容にとても期待させられましたが
悪い意味で期待を裏切られました
評判もそこそこいいみたいなんですけどね
僕には全くハマらなかった…
全体的に
全然予想を裏切ってこないと感じた
この先どうなるんだろう?
と興味を引かれる作りの映画で
こっちもいろいろと想像するんですが
結局、想定内のことしか起きない
しかも、その想定内の中でも1番捻りのない展開だったりします
なので、最後まで観ても驚きも少なく
物足りないという気持ちがすごく残る
本作のやりたいことはとてもわかります
80年代の「スタンド・バイ・ミー」「グーニーズ」「E.T」みたいな
少年たちの一夏の冒険のような作品に
ホラーやサスペンスの要素を付け足し
胸くそ悪いラストにすれば面白いんじゃないか?
というアイデアを形にした作品だと思います
アイデア自体は面白いですけど
それだけで終わってますよね
いろんな要素が詰め込まれてますけど
どれもが中途半端なんです
80年代にしろ
少年の友情、恋愛にしろ
サスペンスやホラーにしろ
どれも描写が薄いですし
捻りもなくなんか見たことあるようなものばかり
これが80年代に公開された映画なら斬新だったかもしれないけど
今の時代じゃさすがにパンチが弱い
正直、2018年の映画だけどすごく古臭く感じました
まず、全体の構成もつまらないと思う
終盤までは主人公デイビーが
犯人とおぼしき警察官のマッキーを捜査する
という物語が続きます
そして、最後数分にちょろっとホラーって感じ
ラストのホラー展開があまりに取って付けたようになってるので
ここに意味を感じれないんですよね
終盤までのジュブナイル的な物語と
最後のホラーな展開が全然上手く噛み合ってない
胸くそ悪いラストもただ胸くそ悪いだけで
衝撃的とか教訓を感じるとか
そんなのがないんですよ
その上、ホラー展開がベタすぎて面白味も全然ありませんでしたし
全体から見ればここが蛇足でしかない
普通にハッピーエンドでよかったじゃん
と思ってしまいました
僕だけじゃなくそう思う人は絶対多い
どうせやるならラスト以外にもホラー要素を散りばめるべきだし
古臭いホラーをやるんじゃなく
少し捻ったものが絶対に必要だと思いますけど
で、本作のメインとなるのは
殺人犯はマッキーなのかどうか
デイビーたちがどう殺人犯に迫っていくのか
というサスペンスの部分だと思います
ここが面白いかどうかが1番重要
でも、本作はそのサスペンス要素がちょっとつまらない
デイビーがマッキーを疑いその真相に迫っていく物語で
観ている側もその真相が気になり
デイビーと共に謎に迫っていくわけです
もう、ネタバレしちゃいますけど
殺人犯はマッキーです
ただ、これって最初からわかっていることで
途中にどんでん返しや仕掛けがあるわけでもなく
はじめからずっとマッキーが犯人なんですよ
ミスリードなんかも全然なく
単純にマッキーが犯人
そりゃつまらない
マッキーが家に少年を連れ込んでいたり
明らかにヤバそうな表情をしてたり
言動が怪しすぎたり
むしろ、そこがミスリードだと思ってましたよ
マッキーが犯人っぽいけど実は犯人じゃないんだろうな
または、マッキーはもっとヤバイことをやってるんじゃないか
みたいな想像をしてました
しかし、シンプルにマッキーが犯人なんですよね…
マッキーが犯人なのか?
マッキーが犯人っぽいな
どうせマッキー犯人だろ
みたいな状況が続き
実はマッキーが犯人でしたー!!
って最後に言われても
そりゃあそうですよねー
って感じですよ…
せめて、マッキーが犯人なら
一度犯人じゃないと思わせておいてデイビーたちを安心させてからの
ラストのホラー展開とか
マッキーがまともな人間でデイビーが妄想しがちなヤバイやつ
だと観てる側に思わせるとか
もっと工夫が必要だと思います
この映画がやってることって
ちょっと古臭いありがちなサスペンスを
ジュブナイルもの中にただ入れただけって感じ
それに、登場人物たちの見せ方も上手くないかな…
みんなキャラがたってないのもあるし
ストーリーの中で生きてこないのもある
さっきも言ったけど
主人公のデイビーと犯人のマッキーのキャラクターはマイナスでしかない
デイビーは好奇心旺盛で危ないことに首を突っ込むわけですが
やっぱり原動力が弱すぎる
全部がフワッとした理由だけで動いてるんですよ
なんかマッキーが怪しいから
って理由だけで動いている
デイビーだけが持つ具体的な確信でもあれば
感情移入もできるんですが
それっぽいからという理由だけで動くデイビーには
余計なことすんなよって感情の方が大きくなってくる
犯人のデイビーはずっと怪しすぎる
普通に悪い顔とかするし
逆にこれがミスリードじゃないのが斬新ですよね
他のキャラに関してもおまけ程度で
あまり存在する意味も感じれない
友達なんかも中途半端にバックボーンを見せたりするけど
全然掘り下げないから無駄に思うし
それに、テンプレな友達像が余計キャラを薄く感じさせてしまってます
とりあえずこんなキャラいるだろ
くらいの扱いなんですよね
女の子なんかもほんとに中途半端
デイビーの恋愛自体が薄っぺらくて
この女の子の存在も必要ないと思います
そして、80年代要素
これも中途半端ですよね…
なんかそれっぽいってだけですから
トランシーバー使ってるとか
それくらいじゃない?
あと変なBGMとか?
80年代だからこその良さや
逆に闇みたいなものは具体的に表現されていない
そんな雰囲気出せば観る人が勝手に感じてくれるでしょ
くらいの浅はかさすら感じる
ぽい雰囲気に頼りきってるだけで
一歩奥には踏み込んでいない印象でした
ラストのホラー展開は
まあ…
面白くないですよね…
取って付けてる感が半端ないし
やってることは名作ホラーの劣化版みたいなことだけですし
結末に関しては
こんな胸くそ悪いラスト衝撃でしょ?
メッセージ性や教訓が込められてるでしょ?
ってどや顔で言われてる感じで
すごくダサいと思った
胸くそ悪い映画はたくさんあるけど
本作はちょっとレベル低いかな…
アイデアは面白いと思うんですけど
もっと工夫するべきだと思いました
いろんなそれっぽい要素の詰め合わせ
みたいな映画になってしまってて
単純に薄っぺらくてつまらない
いわゆるエモいを履き違えたタイプの映画かな
と思いました