何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ブレイブ-群青戦記-」感想 思ったより殺伐としてる お涙頂戴は少ないほうがよかったかな…

f:id:kiitsu01:20210317205806p:plain

どうもきいつです


アクション映画「ブレイブ-群青戦記-」観ました

週間ヤングジャンプで連載されていた
笠原真樹による漫画「群青戦記 グンジョーセンキ」を実写化したアクション大作
戦国時代にタイムスリップしたスポーツ名門校の高校生たちが
生き残るために奮闘する姿が描かれます

監督は「踊る大捜査線」シリーズなどの本広克行
主演は新田真剣佑が務めています

 

あらすじ
スポーツの名門校である私立星徳高校に通う
弓道部の西野蒼は目立つのが苦手で
練習に打ち込むばかりの日々を送っていた
ある日、校庭に雷が落ちると
校舎ごと蒼たち生徒が戦国時代にタイムスリップしてしまった
そして、それぞれが部活で培った能力を活かし
戦いに挑むこととなる

 

感想
アホみたいな設定だけど内容は想像以上にシリアス
序盤から過激なシーンも多くてギャップに驚かされました
アクションもそれなりに楽しめる映画ではあるけど
もう少し設定を生かせたような気もします
あと、お涙頂戴が多すぎて冷める

 

部活VS戦国武将ってアホな設定に惹かれて観てきました
内容が面白いかどうかより
この設定だけで観たくなってしまう

原作が漫画なのは後から知りました

よく考えれば
めっちゃヤンジャンっぽい設定とストーリーのような気はしますけど


予告で見た雰囲気や無茶のある設定
売り出し中の若手俳優がメインだったり
というのもあって
かなりライトな中高生向けの映画のイメージがあったんですけど

実際に観てみると想像以上に殺伐とした世界観でストーリーもかなりシリアス
思ってたのと結構違った

逆にどの層に向けた映画なんだよと少し思いましたけど


タイムスリップした序盤なんかは
めちゃくちゃ人が死ぬし若干グロさもあるし
ちょっとしたゾンビ映画みたいな雰囲気

ここがなかなか過激なシーンになっていて
個人的にはいいギャップでした

この映画ってこんな映画なの!?
と、テンションもちょっと上がった

逆にここで不快な気持ちになる人もいるかも…

良くも悪くも
タイムスリップ直後のバイオレンスな映像には引き込まれるものがありました
少しB級なノリもあって僕好みです

そこからの
生徒たちが部活の能力を活かして善戦しだす展開もなかなか面白い

その時の映像の見せ方もよくて
ちょっとしたカタルシスも感じました

部活の力で戦国時代を戦う
というのはこの作品のメインでもあるので
そこはよかったと思う


その後も善戦はしつつも
所詮は現代の高校生でやはり劣性
容赦なく高校生たちが死んでいくのは
心苦しい気持ちにさせられながらも
その反面ゾクゾクした気持ちやワクワクした気持ちにもさせられる

それに、アクションも頑張っていたし
カッコいいシーンもあって
見映えもよかったと思います


アホな設定を大真面目にやるというのは
この映画の面白い部分だと思いました
本広監督の真面目さがいい方向に転んでいたと思う

 

そんな感じで
そこまで悪い映画だとは思いませんでしたが
やっぱり微妙なところも多くて
そこが引っ掛かる映画でもあります


中でも気になってしまうのが
お涙頂戴がちょっとくどい

感動させようとするのが見え見えで
観ていて冷めてしまいます

メインのキャラが死ぬ度に
感動的な曲が流れ
生きている人間が涙ながらに呼び掛ける
その間、敵は空気を読んで停止

そのパターンが幾度となく繰り返されます

こんなの1本の映画に1回だけで十分ですよ
このパターンは1本の映画に1回しか使ってはいけないと法律で定めて欲しいくらい

同じパターンのお涙頂戴シーンが繰り返されるので
これが3、4回続くと
さすがにもういいよ…って気持ちにさせられます

容赦なく人を殺しまくってた敵たちが
この時だけ殺しに来ないのも違和感しかありませんし…


そんなのがあるから
容赦なく人が死ぬ理不尽な世界ではあるけど
作者に生死がコントロールされてる感じがしてしまい
いまいちリアリティが無いんですよね
全部が作者のさじ加減なんです

重要なキャラクターは無条件で生き残り
死ぬときはちょうどいいタイミングで死ぬ

どうでもいいキャラはあっけなく死ぬけど
重要なキャラクターは死ぬ間際も優遇されている

明らかに弱い科学部が何故か最後まで生き残って
1番強いはずの主人公の親友が感動的なタイミングで死んだりする

いろいろと作者の思惑が見え透いていて
この映画がちょっと嘘っぽく感じてしまうんです

そもそも、こんなブッ飛んだ無理のある設定なので根本が嘘なんですけども
その中でリアリティのあるドラマが描かれれば
真実味は増すと思います

ここ最近の漫画界で流行ってるような
理不尽に人が死ぬ系のストーリーですが
内容がチープなのであまり重みは感じませんでした

 

それと、部活VS戦国武将って設定も
そこまで生かされてなかったかな…

部活の特徴を生かした戦いかたは見せてくれるんですが
もう1歩足りない感じはしました

基本的に乱戦してるだけの場面が多くて
弓道部だから、野球部だから、ボクシング部だから
という部活の強みや
それで勝てるギミックみたいなものはあまりなくて

とりあえず戦ってるだけってシーンが多かったです

あと、やっぱり未来から来てるんだから
そこを生かしてもっと戦ってほしかったですよね

学校には図書室もあるし歴史の教科書だってあるし
タブレットやドローンもあるわけです

戦略を立てる知将みたいなキャラがいてもよかったのに

基本的に戦い方が脳筋なので
いくらなんでも馬鹿っぽいかと思いました

科学部や頭の良い生徒などがもっと活躍する展開とかがあってもよかったかも


戦いのパターンも
最初は善戦
でも途中からは圧されてみんな死んでしまう
ってパターンの繰り返しだから
終盤は戦いの場面に飽きてしまう

戦いにもっと仕掛けやバリエーションが豊富だったほうが面白かったと思います

原作にはそんな細かい描写があるのかもしれないですが
この映画に関しては
戦闘シーンが稚拙なのは否めない

 

他にも細かいツッコミどころはあって
ちょくちょくそれがノイズに感じてしまいます


未来に戻る方法なんて
そんな簡単に戻れるんかい!?
とツッコミたくなってしまう

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的な方法ですけど
いくらなんでも都合がよすぎるかと…


あと、所々のコミカル描写が
ちょっと空気を読めてない

終盤の科学部が手品で花を出すシーンとか
ちょっとムカつきましたからね

あれだけ仲間が死んで時間もない状況で
あのノリはさすがにサイコです

あのキャラがサイコなのか
こんなシーンをブチ込む監督がサイコなのか
それはわからない

こんなにシリアスな作風なら
最後までシリアスで貫くべきだと思いました

 

で、最後の最後でめちゃくちゃ気になったのが
学校再開するの早すぎない?

ヒロインの怪我が治ってなかったし
たぶん戻ってそんなに時間が経ってない

そんな状況で普通の日常に戻って
徳川家康の肖像画がアイツになってる
ほっこり
じゃないよ

生徒だけでなく先生も死んでるだろうし
何よりタイムスリップしてたわけだし
あの学校の対応力の速さは半端無いですね

世の学校はこの高校を見習うべきです


それ以外だと
登場人物の名前のテロップを2回もだしたりするのは
さすがに観客を馬鹿にしすぎだと思ったし
エピローグは蛇足なような気がしたし

全体的に親切に説明しすぎてましたね

なんとなくわかればいいじゃんってことも
変に説明してたと思います

無駄に真面目なんですよね…


高校生なのにみんな年齢層高めなのも気になった


文句を言い出すといろいろ出てくる映画でもありますね

 

アイデアは面白いですけども
詰めが甘くて完成度はちょっと低かったかも

面白い部分もあって
つまらない映画てはないとは思うけど
胸を張って面白いとおすすめできる映画ではないかな…

まあ、原作の漫画には興味を惹かれました

 


群青戦記 グンジョーセンキ コミック 1-17巻 セット