何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「オールド」感想 設定はすごく面白い ちょっと雑だけど

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どうもきいつです


スリラー映画「オールド」観ました

バカンスで秘境のビーチに訪れた一家が
急速な老化現象に追い込まれていサバイバルスリラー
脱出も不可能な異常な事態に
人々が極限状態に陥っていきます

監督は「シックス・センス」などのM・ナイト・シャマランが務めています

 

あらすじ
キャパ一家は楽しい一時を過ごすためバカンスに訪れる
そして、穴場の美しいビーチがあると案内され
別の家族とともにそのビーチに向かった
そして、楽しい時間を過ごす一家だったが
なぜが子供たちが急速に成長していることに気づく
さらに大人たちは急速に老化が始まるのだった

 

感想
良くも悪くも予告どおりの内容
気持ち悪さやスリルのある映画だったと思います
でも、設定の雑さは目立ってそこが気になって仕方ない
オチのキレはいまいちだったかな…

 

シャマラン監督の最新作ということで観に行ってきました

観る前は期待しつつ不安を抱きつつ
って感じでしたが
観てみると
良くも悪くもシャマラン監督らしい作風だったような気がします

設定がとても面白いと思いますし
最後までそれなりに楽しんで観ることができました


まず、言ってしまうと
この映画は予告でやってることが全てです
最後にはオチが用意されていて
事の真相が明かされるということはありますが

やはり本作のメインは急速に成長、老化する
という部分です
たった1日で1人の人生が終わってしまうほどの早さで時が過ぎ去っていきます

ここがこの映画の1番の面白いポイントで
この設定を生かして恐怖やスリルも生み出されている

さっきまで小さかった子供たちが
気付けばあっという間に大人になってる
大人たちは老いに蝕まれどんどんと死に近づいていく

そんなスピード感が怖かったりシュールで面白かったり
独特な魅力を放っている作品になっています


ただ、予告でやってることが全てで
それ以上でもそれ以下でもないのは否めない

求めているものは見せてくれるんですけど
全部思った通りというか…
そりゃそうなるよね…って感じの映画

予告を見た時点で想像してたことが
実際にこの映画の中でも起きてくる

てか、予告でちょっと見せすぎなのかもしれませんね

なので、あまり想像を超えてくるような映画ではありませんでした

 

とは言え
やっぱり人間の成長と老化が急速になる
というのは面白くて
そこは楽しん観ることができました

タイムリミットが1日というスリルはあるし
急激な老化を見せられることで
人間の老いに対する恐怖が生々しく感じれる

老いへの恐怖はみんな漠然と持ってるとは思うけど
この映画を観ることでより鮮明にさせられたと言うか

本作で描かれている恐怖は
独特な味わいがあったと思います


それと、怖さだけでなく
ちょっと笑ってしまうところも多かったですね

たぶん狙ってはないと思うけど
この映画はギャグみたいな映画でもあります

そもそも、急激に老化したり成長したりすることがシュールでもはやギャグ
子供たちがあっという間に大きくなるのは面白いですよ

手術の場面とか
かなり切迫した状況でスリリングなシーンではあるけど
笑ってしまう

ここはいろんな意味でシュール
腫瘍のでかさも面白いし
傷の治りが早いのも面白いし
てか、あんなとこで手術してるのが面白いし

あっけなく手術成功してしまうのに笑ってしまいました


人が死ぬのも
あまりにみんなあっけなく死んじゃうので
シュールなギャグみたいになってます


何よりも1番笑ったのは
妊娠から出産の一連の流れ
ここ笑わん人いるんですか?

映画館では笑ってる人いなかったので我慢しましたけど
たぶんみんな我慢してたんじゃない?

ここも恐怖やスリルのシーンなんだろうけど
流れがあまりにスピーディーで
いろいろ渋滞してる感じがめっちゃ面白いんですよ

さっきまで6歳だったトレントが責任感や父親の自覚に目覚めるのは
観てるこっちからすれば全然気持ちが追いつかないので
もはや笑えてくる

この状況に対する大人たちがドン引きしてる感じも笑えます

赤ちゃんが死ぬのは可哀想だけど
ちょっと置いてたら死んじゃったとか
最高のボケですよね

たった数分の中に喜怒哀楽全てを詰め込んだようなこのシーンは
最高に笑えるシーンだと思います

 

そんな感じで
楽しめる要素はたくさんありましたが
雑な部分もかなり目立っていて
そこがやっぱりマイナスですよね


この映画を観ていてみんなが思うのは
こんな物語をどう収拾つけるのか
というところだと思います

ここで作品の良し悪しが決まるほど重要ですが
終盤はなかなか力ずくな展開で
無理やり終わらせたって感じのラストになっています
それにちょっとキレも悪かったり

この終わりかたに納得はできるんですけどね
なんか気持ちよくないと言うか…


ビーチからの脱出に関してはかなり強引です

そんなのありなんか…って方法だし
それに気づいた理由もなかなか…

脱出がほぼ運任せで
ハッピーエンドではあるけど全然すっきりしなかった


ビーチの謎の真相は悪くないですけど
真相が判明してからもダラダラ続くので
ラストがモヤモヤしちゃうんですよね

ビーチの真相が判明して終わりのバッドエンドだったらキレもいいし
すっきり終わってたように思います

 

あと、設定の粗も目立っていて
そこが結構気になってしまう
矛盾も多いです


本作では成長や老化が急速化するわけですが
実際に時間が早く進んでるわけではなく
ビーチの特殊な何かに人間の体が反応して急速化してるわけです
だから髪の毛や爪は死んだ細胞なので伸びないという理論

髪の毛や爪は根本は生きてるわけで
この理論で伸びないというのはおかしいですが
そこは置いといて

その理論で言えば死んでしまえば時間は元通りなわけですよ
だから食べ物とかは腐らないんです

でも、死体があっという間に白骨化したり
分解されて砂になってしまったり
明らかに矛盾してる


子供たちの成長もなんかおかしくて
成長とともに心が変化するのはわからんでもないですが

それにしたって
終盤の言動が大人すぎるのはかなり違和感あります

あくまでもさっきまで6歳と11歳だったわけですよ
いくら体が50代になったと言えど
中身が子供のままなのは揺るぎない事実

そこがねじ曲がってるんです
最後に生き残った2人に壮年期の哀愁が漂ってるのはどう考えてもおかしい


他にも気になるところは多々あって
そんな部分がリアリティを損なわしてるのは否めません

 

それと、もう1つ気になったのが
グロ描写を隠しすぎかな

全年齢対象なのでそうなってしまったんだろうけど
この作風でグロ描写が無いのはマイナスですよね

カメラワークを使って隠しすぎてるのも
違和感あるくらいだったし
もったいないなと思いました

白骨死体は映さないのに
全身ボキボキ女やおっさんが腐りながら死ぬシーンは普通に映してたり
ちょっと基準もよくわからないです

 

ちょっと文句もいろいろ言いましたが
面白い部分も多くあったし
独特な作風はとても魅力的だと思います

シャマラン監督らしい作品だったんじゃないでしょうか
期待しすぎないのがいいかもしれません

 


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