どうもきいつです
ホラー?映画「聖地X」観ました
劇団イキウメの人気舞台を映画化した作品
オール韓国ロケで製作されています
韓国で暮らす兄とその妹が不気味な土地へ足を踏み入れてしい不思議な現象に巻き込まれていきます
監督は「AI崩壊」などの入江悠
出演するのは岡田将生、川口春奈などです
あらすじ
夫との生活に嫌気が差した要は日本を飛び出し
兄の輝夫が暮らす韓国の別荘を訪れる
要は別荘で過ごすことになったが
街中で夫の姿を見かけ後を追うことに
その先で巨大な木のある場所へたどり着く
その土地へ立ち入ったことで兄妹は不可解な現象に襲われるのだった
感想
コメディーなのかシリアスなのか
どっちつかずな上に境界線も曖昧なので
かなり戸惑いました
設定は面白いし笑える部分もありましたが
いまいち気持ちが乗らなかった
入江悠の監督作で
その上ホラーということもあり
どんな作品になるのかと期待して観に行ってきました
予告ではホラーっぽい感じだし
ポスターもホラーっぽい
でも、実際に観てみると全然ホラーではありませんでした
全く思ってたのと違った
正直、悪い意味でのギャップを感じてしまいました
多少ホラーっぽい雰囲気もありますが
この映画はSFコメディーです
なので、ホラーらしいホラーを求めていると
かなり拍子抜け
なにこれ?って感じだと思う
僕は普通のホラーではないだろうな
と、なんとなく構えてはいたけど
まさかの全然ホラーではないのは予測していなかった
ホラーから別のジャンルへ変貌する
みたいな作品はしばしばありますが
本作はそんなタイプでもなく
最初からほぼホラーではありません
予告や宣伝ではホラーだけど
実はSFコメディーでした
という意味不明な引っかけがあるだけ
せめて前半だけでも
もっとホラーテイストにしなければ
これはもう予告詐欺と言われても仕方ない
引っかけは作品の中だけでしてください
そんな悪いギャップが
どんな気持ちで観ればいいのか戸惑ってしまう
要因でもあるかもしれません
よくわからない予告詐欺をしてしまってる時点で
この作品はまともに評価されないであろう映画ではないでしょうか
まあ、予告詐欺の部分を置いといたとしても
ちょっとこの映画は微妙かなと思います
設定はなかなか面白いですし
笑えるところもあるんですけど
全体的にあまり方向性がわからない
ドタバタコメディーにしたいような気もするけど
人間ドラマを描いたシリアスな映画にしたいような気もする
で、結局はそんな曖昧な作風に観てるこっちは戸惑いを隠せません
どんな気持ちで観ればいいんだろう?
という疑問がずっと頭の中にありました
笑えばいいのか真剣に観るべきなのか
なんとも言えないモヤモヤが終始ある
何故そんなに曖昧に感じてしまうのかを考えてみると
たぶんメリハリが無いからなのかと思うんですよね
この映画って笑いとシリアスの境界線が曖昧で
その上それらが入り乱れているんですよ
だから観ていて気持ちが追い付かない
さっきのはギャグだったんだ
さっきのは真面目な話だったんだ
と、一歩遅れてそれに気づくんです
特に笑いに関しては
リアルタイムで笑えなかったりするので
なんか気持ちよくないんですよね
それがあるから面白いことをやってても
スベってる感じになってたりする
せっかくセンスのあるギャグシーンでも
笑えなければスベってるも同然
そこはかなりもったいないと思います
それに真面目な人間ドラマのほうも
いまいちパッとしない
ストーリーが薄いし感情移入もあまりできないし
感動的っぽいシーンもあるけど
大して何も感じませんでした
登場人物の原動力や目的なんかもなんか弱いですし
何を目指してるんだろう?と疑問に思う
要の夫を元に戻すためみんな必死になってたけど
なんでそんなに必死だったの?
そこが全く理解できない
この映画は何をしたいんだろうな?
って感じです
そして、やはり思ってしまうのは
舞台で観る演劇ならこの作品は面白かったんだろうな
ということ
演劇が原作の映画にありがちな
あまり映画としては面白くないな
というのが本作からも感じました
そもそも、本作の設定や登場人物のキャラクターなどは
少し無理があるなと思うほど
ブッ飛んでると思うんです
なのでツッコミどころはありますし
感情移入できないなってところも多い
で、これが演劇なら
それでも成り立ってしまうと思うんです
演劇だからこその熱量や勢い
現在進行形のライブ感など
良い意味での粗っぽさがあって
それが観客を引き込む要因にもなってると思います
それが映画となると
良くも悪くも綺麗に上手くまとまっていて
勢いやインパクトはやっぱり弱いのかなと
この映画を観ていて思ったのは
登場人物の会話なんかもっと雑なほうが面白くなった気がします
終盤は分裂した人間をもとに戻すためのめちゃくちゃな理論が披露されるけど
ここももっと勢いがあれば笑えただろうし
さらに盛り上がったと思います
SFな展開に空気を読まずワクワクしてる輝夫とか
周りの気も知らずナンパばかりしてる要の夫とか
普通に面白いはずなんだけど
妙に真面目でリアルさを感じてしまうから
素直に笑えないというか…
登場人物たちはコメディーとしてブッ飛んだキャラなんですが
こいつら酷い人間だなと真面目に観てしまう
どうせめちゃくちゃな物語なんだから
登場人物もはっちゃけてるほうが面白かったと思います
登場人物たちが中途半端にみんな真面目で
キャラクターに面白味がありませんでした
それに説明的なセリフも多くて
テンポの悪さやくどさを感じる
演劇なら少ない情報量の中である程度説明は必要だろうけど
映画だと説明過多はちょっと鬱陶しくも感じてしまう
あと、引っ掛かるのは
舞台が韓国の必要ある?
オール韓国ロケとのことですが
それが全然生かされてなかったように思う
要と夫の距離感を出したかったとか理由はあるかもしれないけど
べつに日本でも問題ないだろうし
それに基本的に別荘や料理店の場面ばかりで
韓国らしい風景もあまり無い
スーパーとかちょっと街並みがたまに映されるくらいでしたし
韓国だから言葉が通じないとか
文化の違いで問題が発生するとか
そんなのもなくて
普通に日本語を喋れる韓国人と仲良くやってましたね
登場人物もほぼ日本人で
途中から舞台が韓国なのを忘れてしまうほど
これじゃあ韓国の無駄遣いですよね
この映画の予告詐欺は完全にマイナスだなと思います
これで内容がめっちゃ面白いとかなら
良いギャップになったかもしれないけど
観てみると内容も微妙だし…
いろいろと中途半端で
どんな気持ちで挑めばいい映画なのか謎でした
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