どうもきいつです
特撮映画「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」観ました
仮面ライダー50周年を記念した劇場版作品
1971年、2021年、2071年の100年の時空超えた物語が繰り広げられる
監督は柴崎貴行が務め
「仮面ライダーリバイス」の前田拳太郎、「仮面ライダーセイバー」の内藤秀一郎が出演します
あらすじ
悪魔に支配された2071年から
百瀬龍之介という男が2021年へとやってくる
現代で蘇った悪魔ディアブロを倒すため
彼は息子との出会いを経て仮面ライダーセンチュリーへと変身するのだった
仮面ライダーリバイス、仮面ライダーセイバーは龍之介と力を合わせ
悪魔が支配する未来を変えるため奮闘する
感想
それなりにまとまっていて悪くはないかな
という映画でした
ただ、これが50周年記念作品だと思うと悲しくなる
いつもの劇場版と変わらない出来で
特別感も何もなかった
仮面ライダー50周年記念映画ということで
楽しみにして観に行ってきました
…が
期待を裏切られたというか…
本当にいつもの仮面ライダー映画と変わらない
リバイス×セイバーの冬映画でしたね…
宣伝では大々的に
仮面ライダー50周年記念映画です!!
藤岡弘、の息子が出ます!!
歴代の仮面ライダーも登場します!!
って感じでした
確かに間違ってはいないけど
正直言って
お祭りっぽさは全然ないし
歴代仮面ライダーも中途半端に出してみたってだけ
藤岡弘、の息子もとりあえず出してみただけ
テーマに関しても
50周年でやることなのかな?
と少し疑問
いつもの仮面ライダー冬映画を
50周年記念と銘打って
無理やりそこに繋げただけの映画でした
映画の内容はそれなりにまとまっています
それなりにリバイスやセイバーが活躍し
それなりに設定をまとめていて
それなりに人間ドラマを描いて
それなりに初代仮面ライダーを扱って
それなりにテーマも伝わってくる
とは言え
“それなり”で終わってる映画です
悪くはない出来だと思うけど
ただ無難で作業的に作られた映画なのかな
とも思えてしまいます
これが今の仮面ライダー…
今の東映特撮作品なのか…
と、少し悲しさすら感じてしまった
本作は特別駄作だとも思ってなくて
良かった部分もありました
でも、そこを持ち上げて褒めることはしたくないかな…って気持ちが強い
なので、今回は批判的な意見が多くなります
まず、50周年記念作品という部分で見ていくと
本作は50周年記念でやるべきことはできてない印象です
例えば
仮面ライダー全員集合のお祭り映画にするとか
逆に全員集合しなくても
仮面ライダーの存在意義を突き詰めるような
仮面ライダーだからこそのテーマを扱うとか
長年続いてきた仮面ライダーの
50年の積み重ねを見せるべきだと思うんですよね
ただ、本作のメインストーリーの親子愛や仮面ライダーセンチュリーなど
これって50周年でやることなのかな?
ストーリーに関しては
龍之介とその息子の親子愛が中心で
ほぼこの2人が主役と言っていいです
この親子が仲直りする物語なわけです
仲直りすることによって強大な敵を倒します
でも、これを言っちゃおしまいですけど
この親子愛が仮面ライダーと全然関係なくないですか?
龍之介が元ショッカーの研究員で
本郷猛を改造した張本人とか設定もあるけど
親子愛と繋がってこないし
むしろ、許されざる罪を犯した龍之介を
親子が仲直りしてハッピーエンド
みたいな結末で納めて
ショッカーとして人々を犠牲にしていたことは有耶無耶にしてしまってたりする
全て解決したように見せてるけど
実は何も解決してないし
最後には
改造実験で多くの人間を犠牲にしたけど
仮面ライダーを生み出したのもまた彼で
仮面ライダーを生み出してくれてありがとう
みたいな謎のキレイごとで終わらせてしまうのには
正直、気持ち悪さすら感じました
この映画は仮面ライダーというヒーローを扱っているにもかかわらず
正義や悪という重要なテーマには
全く真摯に向き合っていないんですよ
本作はどんなメッセージを込めてるのかが謎で
仮面ライダーのヒーロー像や50年の重みとかを全く描けてないんです
これは設定も同じで
本来なら仮面ライダーの50年を描くべきなのに
現代よりもさらに50年後の未来を持ち出して
100年の歴史みたいに意味不明なことをしています
50年では終わらず100年続くようなシリーズにしたい
という思いを込めてのことだろうけど
それならそれで
やるべきことがあるわけで
本作はそれもできていない
例えば
現代の仮面ライダーの思いを50年後の仮面ライダーが受け継ぐ
みたいなストーリーにすればいいと思う
でも、本作は
ぽっと出の仮面ライダーセンチュリーが
急に出てきて急に消える
みたいな
何をしたいんだよ
という変な扱い方です
仮面ライダー1号の扱いにしたって同じで
1号をわざわざ出してるわりに
1号の存在が時代を超えて繋がっていくわけではなく
昔、こんな仮面ライダーがいましたよ
って扱いだけで終わってます
いつもの仮面ライダー映画でありがちな
無駄に複雑なSF設定をぶち込んでくるくせに
結局は扱いきれず
それがマイナス要素にしかなってないやつ
本作もSF設定がストーリーをややこしくしてるだけで
それがテーマにも面白さにも繋がってない印象でした
小手先だけの
親子愛の人間ドラマだとか
面白いっぽいSF設定だとか
そんなのをそれなりにまとめ上げて
それなりの仮面ライダー映画に仕上げてる
って感じの作品
普通の仮面ライダー映画でそれなら
いつものことか…で終わりですけど
50周年記念作品でそれをやられると
さすがに残念な気持ちになる
そして、引っ掛かるのは仮面ライダーの扱い方
現在放送中のリバイス
前作のセイバー
さらに歴代の仮面ライダーたち
いろんな仮面ライダーが登場するけど
扱い方がめちゃくちゃ雑です
とりあえず出しときゃいいだろ
ってレベルの扱い方
これは仮面ライダーだけの話じゃないけど
最近こういうのがすごく多いですね
全員集合とかオマージュとか伏線とか
オタクの喜ぶものを断片的に見せてオタクを気持ちよくさせ
それで面白いと錯覚させる
みたいな
日本の作品だけでなく洋画とかもそういうの多い
それがブームなんですかね?
本作もそんな感じで
とりあえず仮面ライダーを集合させて戦わせて
いろんなの出しとけばオタクは喜ぶだろ
くらいの志の低さを感じます
せめてリバイスとセイバーだけでも上手く絡ませてほしかったですかね
せっかくの個性豊かなキャラで
その上オリジナルキャストです
それぞれ面白い組み合わせや共闘を見せてほしかったけど
ただ単に適当に組み合わせた仮面ライダーを一緒に戦わせてるだけで
劇場版ならではの特別感が全く無かった
歴代仮面ライダーの出し方は面白かったけど
それだけで終わっていて
そこから先はありません
出すなら出すで
もっと粋な演出とか気の利いた見せ方もあったと思います
特に1号の見せ方はもったいなかったですね
初代仮面ライダーを意識した見せ方はしてるけど
マジで中途半端
やるならやるでとことんやればいいのに
中途半端にドローンを使ったりCGを使ったり…
どうせやるなら
昔ながらの撮影方で昔っぽく撮れば
この場面だけでも盛り上がっただろうに…
崖から落ちる怪人を人形にしてたり
そんな面白いオマージュができるのなら
それ以外も徹底的に隅々までやればいいのに
と思いました
まあ、藤岡弘、の息子である藤岡真威人を起用したのは
長い歴史の仮面ライダーだからこその面白いキャスティングだとは思いましたが
あと、これは本作だけではないけど
最近CGに頼りすぎてる気がします
必殺技にしろ背景にしろ
CGを乱用しすぎじゃないでしょうか
確かにCGを使えば
いろんな効果を生み出せて
あり得ない世界も簡単に表現できる
でも、特撮の面白さって
如何に工夫して本物っぽくするか
というところにもあると思っていて
昔の作品とかは
CGを使ってなくても本物っぽく
そして魅力的な映像に仕上がっていました
でも、最近の特撮作品はCGを使いすぎてて
逆にチープになってることも多々ある
仮面ライダー50年の歴史では
特撮の面でも培ってきたものは多くあると思います
そんな特撮という部分の50年の積み重ねも見せてくれれば
本作の印象はもっと違ったものになっていたかもしれません
本作は50周年記念作品と言いながら
50年の歴史の積み重ねを全く見せてくれなかった作品でした
節目に作られた大々的な映画でさえ
この体たらくでは
仮面ライダーが100周年を迎えるのは夢のまた夢ではないでしょうか
ディケイドやジオウの劇場版は節目の作品として楽しめましたが
本作は本当に微妙な出来でしたね
年々、仮面ライダーが劣化しているような気がします
このままじゃ先が思いやられる
仮面ライダーリバイス Blu-ray COLLECTION 1