何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「THE BATMAN-ザ・バットマン-」感想 コスプレ探偵の謎解きサスペンス

f:id:kiitsu01:20220325185251p:plain

どうもきいつです


アメコミアクション映画「THE BATMAN-ザ・バットマン-」観ました

DCコミック原作の「バットマン」を新たに映画化したサスペンスアクション
バットマンことブルース・ウェインが
知能犯リドラーの挑発に苦悩しながらも戦いを挑む姿が描かれます

監督は「猿の惑星:新世紀」などのマット・リーブス
主演は「トワイライト」シリーズなどのロバート・パティンソンです

 

あらすじ
かつて両親を殺害されたブルース・ウェインは
夜のゴッサムシティでバットマンとして犯罪者を凝らしめていた
そんな中、ハロウィンに市長ドン・ミッチェルがリドラーと名乗る男に殺害される
ブルースはリドラーの出す謎を解き明かし真相に迫っていくが
そこからゴッサムシティの闇が暴かれていくのだった

 

感想
なんかあまり乗れなかった
どこを取ってもちょっと中途半端
伝えたいことは理解できるけど心に響きませんでした
あと、やっぱり長すぎるかな

 

バットマンの最新作
ということで観てきました

そもそも僕は
バットマンがめっちゃ好き
ってわけではないんですが
それでもやはり新作となると気になりますよね

なかなか評判も良いみたいで
大絶賛の人もよく目にします


ただ、僕にはあまりハマらなかったですかね…

つまらないとまでは言わないけど
特別この映画が面白いとも思わなかった


なんか、この映画を批判すると
お子さま扱いされそうですよね
子供にはこの良さがわからない
みたいな
ガキはアベンジャーズでも見てろとか言われそう

でも、この映画も所詮はアメコミ映画ですから

 

まず、本作は
今までのバットマンと比べても
かなり作風は違うと思います

ヒーローが個性的なヴィランと激しく戦うアクションではなく
すごく地味に謎を解いていく
サスペンスやミステリーみたいな作風になっています

なので、単純明快なアメコミヒーローを求めると
ちょっと敷居の高さを感じると思います

僕は本作のような作風も嫌いではないので
そこにハマらなかったわけではなく
むしろ、本作の雰囲気は好きなくらいです

「ダークナイト」もかなり暗かったけど
本作は今まで以上に暗くジメジメしていて
それがバットマンやゴッサムシティの姿をより際立たせ
世界観はとても良かった

最初のバットマンが暗闇から現れる場面なんて
ホラー映画みたいで最高でしたし


全体の雰囲気は個人的にもかなり好みで
冒頭の場面からは期待値がすごく高まるんですけど
最後まで観ると
思ったよりは…
って感じでした

3時間もの長さを誇る映画でありながら
ちょっと中身が薄いかなって印象

いろんな要素を詰め込んでる映画ではあるんですが
そのどれもが中途半端て薄っぺらいですかね
これと言ったインパクトはありませんでした

 

中でも
中心となる謎解きのストーリー
本作はリドラーが起こした事件の事件の真相にバットマンが迫っていく
という流れなんですが

これがサスペンス映画として観てみても
少し中途半端かなと思う

はっきり言って
あまりサスペンスとして面白くはないですよね

基本的にこの映画は
謎解きの過程にしろ真実が発覚するにしろ
観客を置いてけぼりなんですよ

サスペンスやミステリーの面白さって
映画を観ている側の人たちも
謎解きに参加して予測したり想像したりする部分にもあると思います

そんな予測や想像を裏切るどんでん返しや
点と点を繋ぐ伏線回収なんかで
気持ちよさを感じれるんですよ

ただ本作の場合は
なんとなく謎が解けてなんとなく解決する
みたいにダラダラとサスペンスが進んでいく

バットマンが謎を解いたり驚いたりしてるけど
勝手にやってるだけ

観てるこっちからすれば
謎解きに参加する余地もなく
それどころかこの映画は観客に謎を解かす気なんてさらさら無いですからね

リドラーがなぞなぞをやたら出してくるけど
こんな答えバットマンにしか解らんだろ
ってやつばかりですから

結局は
いつの間にかなんとなく謎が解けてる状況に
こっちとしては全然気持ちよくないわけです
逆にモヤモヤするくらい


それと、気持ちよくないで言えば
バットマンが最後まで後手後手なところ

バットマンが謎の答えに辿り着くのはいいけど
毎回、後の祭りでやられっぱなし
最後までリドラーに負けっぱなしなんですよね

そこがやはりサスペンスとしては気持ちよくないと言うか…

せめて最後くらいリドラーを上回って欲しかったよね

 

そんなサスペンスを中心にした物語もブレてるところがあって
そこも中途半端ですよね

この映画って
結局バットマンが何と戦ってるのか
いまいちわかりません

本来ならリドラーとの戦いがメインだと思いますけど
途中からはバットマンがゴッサムシティの闇と向き合う
みたいな話にシフトしていって
リドラーは蚊帳の外

ペンギンと戦ってるのかファルコーネと戦ってるのか
謎の真相を知りたいのか
リドラーを捕まえたいのか

話がいろんな方向にとっ散らかってて
それが最後に向けて上手くまとまっていくわけでもなく
結果、無駄に難解でわかりにくい難しい映画になってしまってますよね

これはやはり詰め込み過ぎが原因だと思います
もう少しスマートになってたら観やすかったと思います

 


それと同時に
キャラクターの掘り下げも甘い
登場人物たちの描写も中途半端です

主人公のバットマンでさえ
あまり深く描かれていないので印象が薄いし感情移入もできない

今回のブルースは今まで以上に暗くて孤独で
引きこもりみたいな奴です
その上、復讐に燃える危うさも兼ね備えている

この設定自体はめっちゃよくて魅力的なんですけど
その先が無い

役者の雰囲気や演技や表情とか
犯罪者をボコボコに殴るバットマンの姿で
ブルースの危うさを表現してはいるけど
表面的な部分だけなので
それでは足りない気がする

バットマンとして悪人を倒す原動力や
不安定な精神面など
内面の部分をもっと深く見せてくれれば感情移入もできたと思います

内面が薄いから
バットマンが本物のヒーローになる
という成長物語の部分も弱く感じました

成長したバットマンの姿が
深く心に刺さって感動するようなことも無かった


敵のリドラーにしたって
ただいるだけになってましたよね

そもそも、リドラーの存在が
ゴッサムシティの闇を明らかにするための仕掛けでしかなくて
あまり敵として機能してなかった

復讐というものでバットマンと対の存在にはしてたけど
リドラーの復讐心がいったい何なのかよくわからんので
全然しっくりこなかったし

リドラーもバットマンと同じで
原動力や精神面の描写がほぼなくて
掴み所が無いまま終わっていきました


キャットウーマンやペンギンも薄いですよね
バットマンでは重要キャラだけど
本作ではただいるだけになったました

キャットウーマンに関してはバットマンの対比でしかなくて
彼女自信の魅力は皆無

恋愛描写とかも
正直、無駄にしか思えなかった
無闇にキスしすぎ

終盤にある
バットマンをピンチから救った場面のキスシーンとか
今キスしてる場合じゃないだろ
って思ったし


全体的に本作は
キャラクターの魅力を引き出すことを
役者の雰囲気だけに頼ってる印象でした

 

あと、ビジュアル面も気になりましたかね

本作はリアル路線で作ったバットマン
というのは十分に理解できるんですけど

リアル過ぎるからか
バットマンだけが浮いてますよね

探偵がコスプレしてるみたいな映像になってしまってる
最初はバットマンだからと
その姿を受け入れられてはるんですけども
やっぱり途中から
なんでこの人こんな格好してるんだろう…?
って思えてきます

しかも、本作はアクション少なめでサスペンスメインなので
余計にシュールになってますよね

バットマンがそのままバットマンの姿なんだから
ペンギン、キャットウーマン、リドラーも
本来の奇抜な格好でよかったと思う
その方がバットマンだけ浮くこともないし

何でもかんでもリアルにすりゃいいってもんじゃないと思いました

 

お金がかかってるだけあって
映像は美しく素晴らしいし
アクションシーンも派手でしたし
クオリティの高い映画だとは思います

ただ、やっぱりとっ散らかってるしブレてるし描写が浅いしで
3時間の長さのわりには薄い内容

僕の心にはこの映画が全く響かなかった

 


ダークナイト トリロジー [4K UHD + Blu-ray UHDに日本語有り ※下記商品情報を確認 リージョンフリー](Import版)