何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」感想 主役不在でよくやったなと思う

どうもきいつです


アクション映画「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」観ました

MCUの1作としてヒットを記録した「ブラックパンサー」の続編
国王ティ・チャラを失ったワカンダに新たな敵が迫ります
主人公ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンが2020年に死去したが代役を立てずに続編が製作されました

監督と脚本は前作から引き続きライアン・クーグラーが務めます

 

あらすじ
ワカンダの国王ティ・チャラが病により命を落とす
国中が悲しみに包まれる中
ティ・チャラの母ラモンダが玉座に着き新たな一歩を踏み出そうとしていた
しかし、ワカンダに海の王国タカロンの驚異が迫ってくる

 

感想
前作の主役がいない中でここまでの映画を作ったのには素直にすごいと思わされる
それ故に無理が生じてるは否めない
良くも悪くも重すぎる
でも、これは仕方のないことなのかな…

 


「ブラックパンサー」の続編という事で観てきました

前作は好きな作品ではありましたが
主役を演じるチャドウィック・ボーズマンが急逝したので
続きはどうなるのかなと思っていました

そして続編が作られたわけなんですが
かなり特殊な続編になっています


普通なら
なんらかの理由で前作の主役を立てられないとなった場合
代役を立てるとか
作品自体が打ち切られるとか
別の形で再スタートするとか

大体そんな感じになると思います


しかし、本作の場合は
主人公が不在の状態で完全な続編を作っています
こんな形の続編って前代未聞なんじゃないでしょうか

これはMCUのシリーズだからできたことでもあるだろうし
チャドウィック・ボーズマンのブラックパンサーに対する強い思いがあったからこその本作なのかもしれません

望んで作られた形ではないですが
結果的に本作は唯一無二の攻めた作品になっています

そんな背景も含めて
本作は観て損はない映画なのかと思う

 

で、ここからは本作の内容について話します

個人的な感想を正直に言うと
そこまですごく面白い映画とは思えませんでした

悪くはないけど
想像以上の面白さはなかったかな


とは言え
中心でもあるティ・チャラがいないのに
ここまでの形を作り上げたのは天晴れですかね

本来はティ・チャラありきで続編が企画されていただろうし

本作は「ブラックパンサー」の形を損なわず
ちゃんと続編として成立させてる
難しいことをやってのけた作品なのは間違いない

チャドウィック・ボーズマンへの感謝や追悼の気持ちも大いに込められているので
そこに目頭が熱くなったりもしました

最初のマーベルのロゴで泣きそうになる

劇中でも大切な人を失ったことへの悲しみに溢れていて
そこから立ち直り先に進んでいくという物語には
単純に心を打たれました

 

ただ、それ故に重すぎる映画でもあります
この重さに少ししんどさすら感じる
これは仕方のないことなんですけどね

背景に主役の死があるだけに
観ているこっちも常にお通夜の気持ちと言うか…

暗めのストーリーも相まって
最後までどんよりした気持ちが続きます
やっぱりなんか終始悲しいんですよね

そこがアクション映画としてはスカッとしない
アクションシーンをあまり楽しんで観れなかったりもします

 

それから、主人公ティ・チャラが不在での弊害も感じてしまいました

本作は新しいブラックパンサー誕生の物語でもあります
ティ・チャラの妹シュリが引き継ぎ
新たなブラックパンサーへとなります

シュリは次期の王女になる立場で
彼女が真の王女へ成長する姿が本作で描かれるわけです

これって前作でやったこと結局似てしまっていて
同じことの繰り返しになってるんです

前作はティ・チャラが王へ成長する姿が描かれ
ブラックパンサー誕生の物語になってました
本作もそれとやってることは同じ

これに関してもやはり仕方のないことで
主役不在で前作のブラックパンサーを損なわずに続編を作るには
もう一度、同じ立場のシュリでブラックパンサーの誕生を描くしかない

ただ、観ている側からすると
前と同じだなと思ってしまうのは否めません

 

あと、他にも不満に思うことはちょくちょくあって

全体的に動機が薄いかなと思う

例えばシュリが世界を憎んでいる描写がありますが
ティ・チャラが死んだのは病気だし
何に対して怒っているか感情移入があまりできなかった

何もできなかった憤りでやけくそになってるのかな?
とか想像はできるけど
いまいち描写不足のような気がしました

ワカンダとタカロンが戦う理由もちょっと薄いような…
タカロンの王ネイモアがやたらとワカンダに対して好戦的なのもよくわからんし

もっと平和的に話し合おうよ
と思わされてしまう
てか、両国とも他に戦うべき相手がいるんじゃないか?

戦争をテーマにしてるとは思うんですが
ストーリーの都合で無理やりこの2つの国が戦わされてるように見えてしまいました

 

アクションシーンに関しても少し不満があります

全体的にアクションが少なめなのもありますし
アクション自体も大味な気がしました

終盤にアクションが詰め込まれているんですが
乱戦に次ぐ乱戦なので
観ていて散漫に感じた

本作はワカンダ全体を主役にしたような作品でもあるので
みんなに見せ場があるわけです

なので、1つ1つの場面が物足りない
メインでもあるブラックパンサーすら中途半端なアクションで終わっています

船の上での戦いが続くので代わり映えなく
地味な印象も強かったですかね

せめて、もっとブラックパンサーの戦いは見せてほしかった

 

あと、これも仕方ないことではあるけど
タロカン国の人たちの見た目がめっちゃアバターと被る

上映前にアバターの予告を見せられてるから余計に思ってしまった

アバターの予告を見たお陰で変なノイズが入りました

たぶんどこの映画館でも上映前にアバターの予告をやってると思うので
映画館で観るのならこれは避けられない…

 

批判的な意見が多くなったけど

相変わらずデザイン面なんかはめっちゃ良いし
アフリカ民族とSFの組み合わせな世界観もすごく好き
独特な音楽とかもすごく良いですよね

それに登場人物たちはみんなカッコいいです


無理なことを無理やりしてる映画だけど
そこにはこだわりやチャドウィック・ボーズマンへの思いなど
強い気持ちが込められてるのは間違いなく
感動させられます

本作のような作品はなかなか生まれないと思う
なので一見の価値はあります

 


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