何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「カラダ探し」感想 ホラーなのか青春なのか 中途半端

どうもきいつです


ホラー映画「カラダ探し」観ました

小説投稿サイトで話題を集めた携帯小説で
2014年には漫画化もされた「カラダ探し」の実写映画化作品
殺される日々を何度も繰り返すことになる高校生たちの恐怖が描かれます

監督は「海猿」「暗殺教室」などヒット作を手掛けてきた羽住英一郎
主演を務めるのは橋本環奈です

 

あらすじ
高校生の森崎明日香は
午前0時を迎えた瞬間、気が付くと深夜の学校にいた
そこには彼女のクラスメイト5人もいる
そして、彼女たち前に全身真っ赤な少女が現れ6人を惨殺していくのだった
その日から6人は同じ日を繰り返すことになり
ループから抜け出すためバラバラになった少女の体を探すことになる

 

感想
ホラーをやりたいのか青春をやりたいのかよくわからない
どっち付かずで中途半端
基本的に全てが雑で中身も無く薄っぺらい
あまり面白くなかったかな…

 

僕は橋本環奈が出ている映画はことごとく合わない
青春キラキラ映画、漫画実写映画、福田雄一映画など
とにかく僕の苦手なタイプの映画によく出てる

なので、ホラーは好きだけど
彼女が出ているという理由で劇場公開時はスルーしてました

Netflixで配信が始まったので
軽い気持ちで観てみたって感じです

で、観てみると
やっぱりダメでした…
面白くない

いろんな意味で僕の苦手な要素が満載の映画でした

 

リアリティの無さが壊滅的

まず、本作で1番気になってしまったのは
あまりにリアリティが無さすぎるところ

そもそも、本作の設定は荒唐無稽でツッコミどころも多い
結構、ブッ飛んだ物語だったりもします
ただ、そこに関しては許容の範囲内と言うか

僕はこういうジャンルものの映画に関しては寛容
多少、無理矢理な設定でも全然受け入れることができます


とは言え
そんなリアリティの無い設定や世界観だからこそ
別の部分でリアリティを出すべきだとも思っています

主人公の存在感、ストーリーの流れ、登場人物の感情、人間ドラマなど
そういう部分にリアリティを生み出せば
例え荒唐無稽でハチャメチャな設定だとしても
どこかリアルに感じることができるもんです


しかし、本作はとにかく雑で
リアリティを出す気なんてさらさらない

特に主人公は酷い

彼女の設定は
クラスでハブられ浮いていて引っ込み思案で消極的

簡単に言えばイケてない学校生活を過ごしている暗い女子
なんですけども…
風貌はただの橋本環奈なわけですよ

序盤で男子生徒が「あんな奴ないわw」とか橋本環奈に言ってるけど
いやいや… お前ら目腐ってんのか?

ハブられてぼっちで劣等感の塊みたいな女子のはずなのに
明らかに本作の登場人物の中でも1番キラキラと輝いてる
自信に満ち溢れている姿
芸能人オーラ全開です
そこの乖離の違和感が半端ない

これはキャスティングのミス以前に
なぜそのままの橋本環奈を出してるのか?
という疑問が大きい

制服をダサく着こなすとか
長い前髪で顔を隠すとか
化粧全然していないとか
見た目だけでももっとできることあるでしょ?

制作側が「橋本環奈さんが出てくれるだけで感謝です! 役作りなんて結構です!」
と言っているのか
事務所に「うちの環奈を出してやってもいいが、イメージは絶対に損なうな! 橋本環奈は橋本環奈としてしか扱うな!!」
と言われているのか…

そんな裏事情がない限りちゃんと役作りすると思うんですけどね

 

タイムループが意味を成していない

本作は同じ時間を繰り返すタイムループものの作品でもあります
最近はSF以外でもそんな設定が盛り込まれる作品は増えました

こういうジャンルの作品の面白さは
同じ時間を繰り返すことによって困難や試練をクリアしていく
という部分にあると思います
ゲームのコンティニューみたいな感じですよね

しかし、本作はいまいちタイムループしてる意味がないような…

以前の失敗を生かして次回は成功する
みたいな積み重ねは全然無くて

むしろ、深夜のカラダ探しに関しては
1度見つけたカラダが次のループでは既に見つけたことになってる…
これはリセットされないの?
謎のセーブ機能がついています

深夜のカラダ探しのパートは
よく考えるとループしてないんですよ


そして、日中の日常パートはちゃんとループしてるわけですが
こっちはこっちでループしてる意味があまりない

ループしている利点を生かすこともせず
ただ遊んでるだけだったり
頭の悪い会議をしてるだけなので
緊張感が全くありません


てか、映画の中でのループの扱い方もすごく下手なんですよ

初めてののループの日に
すぐにループしてることを理解して仲間と団結
靴紐ほどけてるだとかレモン買ってくるだとか日常の細かいことに気づいたり
なんかズレてるんですよね

普通なら1回ループしただけじゃ混乱するだけで
2、3回目でやっと理解するくらいがリアル

日常の些細なことなんて何度もループするから気づけるわけで
1回のループで気付けるなんてどんだけ記憶力いいんだよと思う


6人全員がループしてる記憶を共有してる上に
6人の世界だけで物語が進んでいくので
ループしてる人間と周りとのズレの面白さみたいなのも出せてない

ループもの特有の孤独みたいなのが全然ないのもつまらないですね

ループの制限や期限もなく
何回死んでも無条件でやり直せたりもするから
終始、全く緊張感が生まれていません

終盤になると申し訳程度に
怪物に食べられると存在が消える
みたいな設定が唐突に付け足されるけど
スゲー下手だなと思った

この映画って
ループ設定がなくても全然成り立つと思う

例えば
夏休みの期間中に深夜になるとカラダ探しをさせられる
という設定でも支障ないですよね

むしろ、夏休みが終わるとみんな死ぬ
みたいなタイムリミットを設ければスリルも生まれるでしょうし


ループ設定をやるならやるで
助かるのは1人だけ
みたいな条件があれば緊張感が生まれて
裏切りとか友情の深まりとか
物語も面白い方向に展開できたと思う

自殺してリセットとか1回くらいやってほしかっですよね
クリアしたら記憶が無くなるって話になったとき
クリア直前に主人公が自殺でリセットする伏線なのかと思ったけど
そんなことは全くなかった


ホラーとしても青春としても微妙

ホラーに関しては
序盤は勢いがあるし怪物の見た目も怖いしで
そんなに悪くないなと思ったけど
ここがピークで後は尻すぼみ

最初にエンジン全開にしすぎかな…
もっと出し惜しみすべきだったと思う

途中からは青春ばかりでホラー要素は薄まりますし
終盤は昔の特撮みたいでかなりチープでした

ループで何回も死ぬという作風なら
もっといろんな殺しかたや死にかたを見たかったというのもある
パターンが同じなので途中で飽きた

まあ、和製ホラーにしてはグロ描写は頑張っていて
そこには好感持てましたけど


なら青春群像劇が面白いのかと言うと
こっちはこっちでクソつまらない青春ドラマです

基本的にテンプレな設定を見せつけられ
唐突に仲良くなったり恋愛したり
とことん薄っぺらい内容でした

ループする過程で人間関係を深めるエピソードなんてのもなくて
よくわからないけどいつの間にかみんな団結してる

恋愛描写も
自分に酔ったイケメンが急に橋本環奈にキスしててめっちゃ気持ち悪かった

どのキャラも表面的な設定しかなくて
最後まで感情移入なんてできるわけもなく

なんかキラキラしてる雰囲気だけの
超キモい青春ドラマでしたね


さっきも言ったけど
こういう部分が雑でテキトーだからリアリティが生まれないんです

孤独とかいじめなんかもテーマにしてるけど
本当に雑でそんな問題に全く真摯に向き合っていない

プールの授業を休んだのをきっかけにハブられるって…
なんじゃそりゃですよ

 

先生の存在意味あった?

明らかに怪しい先生がちょくちょく登場しては意味深な雰囲気を醸し出してましたが
全く意味のない存在でしたね

先生が殺人鬼ではないかというミスリード(そもそも、殺人鬼を探す話ではないのでミスリードにすらなっていない)のためだろうけど
それが見え見えなので全然効果がない
案の定、悪い人ではなかったです

で、実は昔カラダ探しに参加してたとか言い出します
でも、肝心なことは全く覚えていないという…
マジでなんのための存在だよ

こんなやつ出す必要ないよね

 

腕力で怪物をボコボコにする橋本環奈

最後の頭を棺桶に納めれば終了というとこで
急に橋本環奈がめちゃくちゃモタモタします
全然、頭を棺桶に入れないのてすごくイライラする

そして、やっと動き出したと思いきや
棺桶に頭を入れるのではなく
今まで散々苦戦していた怪物を鉄パイプでボコボコ殴る
とにかく殴る
そして、複数人で戦っても倒せなかった怪物を1人で倒してしまいます

いやいや…
今までやってたことはなんだったんだよ
全部ぶち壊しだよ

いくらなんでも頭悪すぎるだろ
この展開

なんでこれでいいと思ったの?


でも、正直言ってここには笑ってしまったので
これに関してはちょっと好き

 

まとめ

個人的にはあまり好きではなかった映画
何から何までリアリティが無さすぎるのはちょっとね…

脚本家がやっつけ仕事でストーリー考えたのかな?

ホラー部分をそれなりに頑張ってただけに
もったいないなとも思わされた

いろいろ文句は言ってしまったけど
橋本環奈が怪物をボコボコにする姿を見て
少し満足してしまった自分もいる

 


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