何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「オールド」感想 設定はすごく面白い ちょっと雑だけど

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どうもきいつです


スリラー映画「オールド」観ました

バカンスで秘境のビーチに訪れた一家が
急速な老化現象に追い込まれていサバイバルスリラー
脱出も不可能な異常な事態に
人々が極限状態に陥っていきます

監督は「シックス・センス」などのM・ナイト・シャマランが務めています

 

あらすじ
キャパ一家は楽しい一時を過ごすためバカンスに訪れる
そして、穴場の美しいビーチがあると案内され
別の家族とともにそのビーチに向かった
そして、楽しい時間を過ごす一家だったが
なぜが子供たちが急速に成長していることに気づく
さらに大人たちは急速に老化が始まるのだった

 

感想
良くも悪くも予告どおりの内容
気持ち悪さやスリルのある映画だったと思います
でも、設定の雑さは目立ってそこが気になって仕方ない
オチのキレはいまいちだったかな…

 

シャマラン監督の最新作ということで観に行ってきました

観る前は期待しつつ不安を抱きつつ
って感じでしたが
観てみると
良くも悪くもシャマラン監督らしい作風だったような気がします

設定がとても面白いと思いますし
最後までそれなりに楽しんで観ることができました


まず、言ってしまうと
この映画は予告でやってることが全てです
最後にはオチが用意されていて
事の真相が明かされるということはありますが

やはり本作のメインは急速に成長、老化する
という部分です
たった1日で1人の人生が終わってしまうほどの早さで時が過ぎ去っていきます

ここがこの映画の1番の面白いポイントで
この設定を生かして恐怖やスリルも生み出されている

さっきまで小さかった子供たちが
気付けばあっという間に大人になってる
大人たちは老いに蝕まれどんどんと死に近づいていく

そんなスピード感が怖かったりシュールで面白かったり
独特な魅力を放っている作品になっています


ただ、予告でやってることが全てで
それ以上でもそれ以下でもないのは否めない

求めているものは見せてくれるんですけど
全部思った通りというか…
そりゃそうなるよね…って感じの映画

予告を見た時点で想像してたことが
実際にこの映画の中でも起きてくる

てか、予告でちょっと見せすぎなのかもしれませんね

なので、あまり想像を超えてくるような映画ではありませんでした

 

とは言え
やっぱり人間の成長と老化が急速になる
というのは面白くて
そこは楽しん観ることができました

タイムリミットが1日というスリルはあるし
急激な老化を見せられることで
人間の老いに対する恐怖が生々しく感じれる

老いへの恐怖はみんな漠然と持ってるとは思うけど
この映画を観ることでより鮮明にさせられたと言うか

本作で描かれている恐怖は
独特な味わいがあったと思います


それと、怖さだけでなく
ちょっと笑ってしまうところも多かったですね

たぶん狙ってはないと思うけど
この映画はギャグみたいな映画でもあります

そもそも、急激に老化したり成長したりすることがシュールでもはやギャグ
子供たちがあっという間に大きくなるのは面白いですよ

手術の場面とか
かなり切迫した状況でスリリングなシーンではあるけど
笑ってしまう

ここはいろんな意味でシュール
腫瘍のでかさも面白いし
傷の治りが早いのも面白いし
てか、あんなとこで手術してるのが面白いし

あっけなく手術成功してしまうのに笑ってしまいました


人が死ぬのも
あまりにみんなあっけなく死んじゃうので
シュールなギャグみたいになってます


何よりも1番笑ったのは
妊娠から出産の一連の流れ
ここ笑わん人いるんですか?

映画館では笑ってる人いなかったので我慢しましたけど
たぶんみんな我慢してたんじゃない?

ここも恐怖やスリルのシーンなんだろうけど
流れがあまりにスピーディーで
いろいろ渋滞してる感じがめっちゃ面白いんですよ

さっきまで6歳だったトレントが責任感や父親の自覚に目覚めるのは
観てるこっちからすれば全然気持ちが追いつかないので
もはや笑えてくる

この状況に対する大人たちがドン引きしてる感じも笑えます

赤ちゃんが死ぬのは可哀想だけど
ちょっと置いてたら死んじゃったとか
最高のボケですよね

たった数分の中に喜怒哀楽全てを詰め込んだようなこのシーンは
最高に笑えるシーンだと思います

 

そんな感じで
楽しめる要素はたくさんありましたが
雑な部分もかなり目立っていて
そこがやっぱりマイナスですよね


この映画を観ていてみんなが思うのは
こんな物語をどう収拾つけるのか
というところだと思います

ここで作品の良し悪しが決まるほど重要ですが
終盤はなかなか力ずくな展開で
無理やり終わらせたって感じのラストになっています
それにちょっとキレも悪かったり

この終わりかたに納得はできるんですけどね
なんか気持ちよくないと言うか…


ビーチからの脱出に関してはかなり強引です

そんなのありなんか…って方法だし
それに気づいた理由もなかなか…

脱出がほぼ運任せで
ハッピーエンドではあるけど全然すっきりしなかった


ビーチの謎の真相は悪くないですけど
真相が判明してからもダラダラ続くので
ラストがモヤモヤしちゃうんですよね

ビーチの真相が判明して終わりのバッドエンドだったらキレもいいし
すっきり終わってたように思います

 

あと、設定の粗も目立っていて
そこが結構気になってしまう
矛盾も多いです


本作では成長や老化が急速化するわけですが
実際に時間が早く進んでるわけではなく
ビーチの特殊な何かに人間の体が反応して急速化してるわけです
だから髪の毛や爪は死んだ細胞なので伸びないという理論

髪の毛や爪は根本は生きてるわけで
この理論で伸びないというのはおかしいですが
そこは置いといて

その理論で言えば死んでしまえば時間は元通りなわけですよ
だから食べ物とかは腐らないんです

でも、死体があっという間に白骨化したり
分解されて砂になってしまったり
明らかに矛盾してる


子供たちの成長もなんかおかしくて
成長とともに心が変化するのはわからんでもないですが

それにしたって
終盤の言動が大人すぎるのはかなり違和感あります

あくまでもさっきまで6歳と11歳だったわけですよ
いくら体が50代になったと言えど
中身が子供のままなのは揺るぎない事実

そこがねじ曲がってるんです
最後に生き残った2人に壮年期の哀愁が漂ってるのはどう考えてもおかしい


他にも気になるところは多々あって
そんな部分がリアリティを損なわしてるのは否めません

 

それと、もう1つ気になったのが
グロ描写を隠しすぎかな

全年齢対象なのでそうなってしまったんだろうけど
この作風でグロ描写が無いのはマイナスですよね

カメラワークを使って隠しすぎてるのも
違和感あるくらいだったし
もったいないなと思いました

白骨死体は映さないのに
全身ボキボキ女やおっさんが腐りながら死ぬシーンは普通に映してたり
ちょっと基準もよくわからないです

 

ちょっと文句もいろいろ言いましたが
面白い部分も多くあったし
独特な作風はとても魅力的だと思います

シャマラン監督らしい作品だったんじゃないでしょうか
期待しすぎないのがいいかもしれません

 


シックス・センス [Blu-ray]

 

 

映画「孤狼の血 LEVEL2」感想 脳筋バイオレンスアクションに変貌

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どうもきいつです


バイオレンス映画「孤狼の血 LEVEL2」観ました

柚月裕子の小説を映画化した
2018年の映画「孤狼の血」の続編
前作で登場した新人刑事の日岡を主人公に
3年後の呉原を描いた完全オリジナルストーリー

監督は前作と同じく「凶悪」などの白石和彌
出演するのは松坂桃李、鈴木亮平、村上虹郎などです

 

あらすじ
呉原東署の刑事の日岡秀一は
3年前の暴力団の抗争に巻き込まれ殺害された大上の跡を継ぎ
広島の裏社会を治めていた
しかし、上原組組長の上原成浩が刑務所から戻ったことをきっかけに
保たれていた秩序が乱れ始める
暴力団の抗争、警察組織の闇、マスコミのリーク
様々なことが重なり日岡は追い詰められていくのだった

 

感想
賛否が分かれそうな続編
前作の知的さやミステリーな雰囲気はほぼなくなってた
完全な脳筋バイオレンスアクションに成り下がっ…
華麗なる転身を遂げていました

 

前作はとても面白かったし好きな映画なので
今回の続編はすごく楽しみにしてました
前作からどう話が広がっていくのかも気になってた

ワクワクしながら映画館まで観に行ってきたわけですが

映画を観てる途中から思いましたけど
賛否が分かれそうですよね


僕は小説を全く読んでないですけど

原作小説が好きな人
前作の映画が好きな人
本作で初めて観る人

様々なタイプの人がいると思います
人によってこの続編が納得できるものかそうでないかが違ってくると思う

僕の印象では前作の映画は
バイオレンスな任侠映画でありながら
知的さのある刑事もののミステリーという印象もありました
それに現実にあった事件のようなリアリティも感じたんですよね

それが「孤狼の血」の面白さであり魅力だったのかな
と思っていたわけです


そして、今回の続編ですが
かなり強引な映画に変貌していて
特に終盤になるとバイオレンスアクションがメイン

もうどっちが強いか
強いほうが勝ち
みたいな映画になってしまってます

全体的には
もはやファンタジーになっていて
あまりリアリティは感じれない


そこを受け入れられるかどうかで
この映画の好き嫌いが分かれると思う

僕はちょっと戸惑いながらも
最終的には受け入れることができました

これはこれでありかなと思える

 

とは言え
はじめは前作と似た雰囲気で
ヤクザの抗争が起きないように
強引な方法を使いながらも治安を守っている日岡が描かれ

そこから殺人事件の真相を突き止めようとする 
刑事ドラマ的な流れになっていきます

それぞれのキャラクターの思惑が渦巻きながら進んでいくストーリーには
ワクワクドキドキさせられ引き込まれていきます

特に主人公の日岡の存在には
やっぱり熱いものを感じさせられます

前作のラストを観た時点で
今後の日岡の活躍を見たいなと思わされていたので
本作ではそんな気持ちを満たしてくれる

日岡の活躍を存分に味わわせてくれました

あの日岡がワイルドにハイライトを吸っている
ってだけで大満足

 

ただ、前作っぽい雰囲気があるのは最初だけで
そこから先は
とにかくバイオレンスって感じだし
知的な駆け引きなんかもあまりない
リアリティも全然ないんですよね

本作のラスボス
鈴木亮平が演じる上原は
さすがにやりすぎなキャラクターになってます

こいつが活躍し出してからは
完全にファンタジーな世界に変わっていく

サイコパスだし無敵だし
こんな奴に誰が勝てるんだよ
と思ってしまうほど

言動もブッ飛んでて
最終的にこいつがどうなれば物語が上手くまとまるのかが全く想像できない

ここまでいけば
敵としての魅力はすごくあるんですが…

 

そして、終盤に近づけば近づくほど
マスコミのリーク、警察の陰謀、仲間の裏切りなどで
日岡がどんどんと追い込まれていきます

日岡がたった一人
完全に四面楚歌状態になってしまう
さらに敵は最強すぎる上原

この辺りから
この映画収拾つくのか…?
と少し不安になってきます

正直言って
どう上手く立ち回っても逆転なんてできない状況なんですよ

そんな状態からのラストスパートは強引で力ずく
無理やり終わらせにかかってました

言ってしまえば
暴力で解決ですからね

終盤は完全にバイオレンスアクションムービーです
もはや犯人の証拠どころか逮捕ですらどうでもいい
ぶん殴って強ければ勝ち
それだけ

激しい脱出劇からの激しいカーチェイス
最後は命がけの肉弾戦

ひたすらハイな映像が続きます


強引と言いましたけど
この映画を終わらすにはこうするしかない
これが正解なのかもしれない

終盤の展開に否定的な人は多いだろうけど
僕はこの展開があったからこそテンション上がったし
やっはり面白いんですよね

 

あと、やりすぎていてもはやギャグ
というのもこの映画の魅力だと思う

これに関しても賛否は分かれそうだけど
ここまでやりすぎてれば笑える域なのでありだと思います

キャスティングなんかも
なんのひねりもなく
見たまんま厳つい人が多いので
キャストの顔面だけで面白くなってますよね

登場人物のキャラクター性もクセが強過ぎで笑えてくる
上原の強すぎるキャラもギャグだし

終盤の日岡が窓ガラスを破って脱出してから
日岡と上原の戦いまでは最高のボケで
そこからの滝藤賢一が
なにやってんだよお前ら!!と怒鳴りながらの蹴りは最高のツッコミでした
こんなの笑わんほうがおかしい

これはシュールなギャグ映画として観ても面白いと思います

 

前作の雰囲気や原作小説が好きな人からすれば
今回の続編の方向性には納得できないかもしれません

でも、そんな固定概念を捨てて
脳筋バイオレンスアクションムービーだと思って観てみれば
なかなか最高だと思います

 


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映画「死霊高校」感想 盛り上がりに欠ける 素材はいいと思うけど

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どうもきいつです


ホラー映画「死霊高校」観ました


いわくつきの演劇を再演することになった高校生たちが
夜の学校に忍び込むことで恐怖に見舞われるホラー
2015年のPOVホラー映画

「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのプロデューサーであるジェイソン・ブラムが製作を手掛け
クリス・ロフィングとトラヴィス・クラフの2人が監督を務めます

 

あらすじ
1993年、高校演劇で上演された「絞首台」で
主役のチャーリーに大惨事が起きた
それから20年
同じ高校で「絞首台」を演じることになった高校生の男女4人が
本番前夜に夜の学校に忍び込む
しかし、潜入した校舎に閉じ込められ
彼らの身に想像を絶する恐怖が忍び寄るのだった

 

感想
よくあるPOVホラーって感じ
そこまで新しいアイデアもなく普通なホラー
出し惜しみが多いのでなかなか気分も乗ってきません
素材は悪くないと思うけど…

 

アマプラで見つけ
なんとなく観てみました

邦題がなんかアジア圏のホラーな感じしますが
アメリカのホラー映画です


2015年と少し前の映画ではありますが
その時代にしても今さら感のあるPOVホラーで
あまり面白味がなかった印象

POVという要素を抜きにすれば
やり尽くされたようなホラーだし
新しさは全然ないかなと思います


この映画で気になったのは
前置きの長さと出し惜しみの多さですかね

80分ほどの短い映画だけど
テンポが悪くて長く感じました

盛り上がってくるのは終盤からだし
その盛り上がりは弱いし
最後まで気持ちが乗ってこなかった

最後のどんでん返しもいまいち
あまり上手くないですよね

 

特に前置きの部分なんですけど
ここは観てるのがつらくなってくるレベル

登場人物や設定などの説明部分としてこの前置きがあるわけです
 でも、長さのわりに中身はさほどなく
どうでもいい学園生活を長々と見せられる

夜の学校に忍び込むまでもなかなか長いですよね…

実際はそんなに長くないと思うけど
体感時間はかなり長いです


ただでさえ前置きに無駄が多いんですけど
さらに問題なのが
カメラ撮影をしているライアンのウザさ
これが観ていて不快でしかない

あえてこんなキャラクターとして描いているのはわかるけど
あまりそこに意味がなかったし
無駄にウザいだけだったように思います

学生時代に1人はいるような
真面目にやってる人間を馬鹿にするタイプの奴で

主人公リースのことはやたらと小馬鹿にしてる
リースがファイファーのことが好きだと発覚すれば
こんな女どこがいいんだよ
と見下したりもします

でも、こいつの彼女あんまり可愛くないし性格悪いし
何でこんな上から目線なんだよと思ってしまった
どう考えてもファイファーのほうが可愛いし

真面目に演劇に取り組んでる人の邪魔するのは普通に腹立ちますしね

ライアンの存在がとにかくウザくて
観る側の気分を害すという支障をきたしている


ホラー展開が始まってからも
ライアンの言動は基本ムカつくものばかり

かと言って
なかなかしぶとく生き残るから
こいつが死ぬ気持ち良さもないんですよ

結果的にライアンは死ぬけど
大した殺され方もしないし
その時の展開も盛り上がらず
カタルシスは全然ありませんでした

 

そして、出し惜しみの多さも
やっぱりすごく気になります

徐々に盛り上げるために順序よく見せているとは思うけど
いまいちそれが上手く機能していないですよね

焦らしすぎで興味が持続しない
音が聞こえるとかポルターガイスト的なことが起こるとかでやたらと引っ張って

最後に出てくるのがよくわからん怪人みたいなのも微妙ですよね
全貌を現してもこの程度か…くらいのビジュアルだったりもするし

こんなことなら
最初から謎の怪人に追い回されるほうが
スリルがあって面白かったかも

リアル感を出したいからか地味な心霊現象をやたらと見せるけど
正直、こういうの退屈なんですよ
もっと激しいのを見せてくれよ

 

あと、心霊とスラッシャーの中間なのが中途半端でした
どっち付かずになってます

はじめは「パラノーマル・アクティビティ」みたいな心霊現象メインなのに
終盤になるとジェイソンやレザーフェイスみたいな怪人に追いかけ回されます

この2つがあまり合致してないので
どういう世界観なのかよくわからん

怪人が消えたり出てきたりするのもすごく見づらくて
ただのノイズでしかない
逆に緊張感を削いでる気がしてしまう

やるのなら心霊系かスラッシャー系か
どっちかに絞ってほしかったです
この映画は観客をどう怖がらせたいのかブレてる


怪人に襲われるタイプのスラッシャーホラーをPOVで撮影する
というのはいいと思います

POVってリアル重視だから心霊系が多いし
「13日の金曜日」みたいなのをPOVにするというアイデアは悪くない

でも、なら心霊描写なんてなくてよかったんですよ
最初から最後まで出し惜しみせず
怪人に追いかけ回されてればよかったんです

素材はいいのに料理はいまいちでしたね

 

それと、もう1つ気になったのが
カメラです

本作はメインのカメラ映像とスマホの映像で構成されてるけど
カメラは1つでよかったよな
と思いました

そもそも、僕はPOVはカメラ1つであるべきだと思っているので
2つ以上使った時点でPOVの価値が下がってしまうと思うんです

今やPOVも飽和して手を変え品を変えで
複数カメラを使うことで面白さを出してる作品もありますが

本作の場合はそういう良さも全くなく
カメラを複数使うことがマイナスにしかなってません


最も問題だと思うのは
作り手側の都合でカメラを切り替えれるというところです

設定上では
個人が撮影した映像を繋ぎ合わせてます
ということになってます

ただ、映画を観ていると
明らかにカット割りしてるように見えて
そこから作り手の都合が見え透いてくる

POVの長所って本当にあったように思える臨場感で
そこにハラハラドキドキさせられる

でも、作り手の思惑が見えてしまった時点で
それは損なわれてしまうわけです

カメラが複数使われてると
少なくとも編集されているということは絶対に感じてしまう


で、それだけじゃなく
カメラが切り替わると見づらいですよ

ただでさえ素人感を出すために手ブレだらけの映像です

その上、それがしょっちゅう切り替わると
状況すら把握できなくなってくる

今どこで誰が映ってるの?
みたいに無駄に難解になってしまう


カメラを複数使うのなら
それなりに考えて作り込まなければ
マイナスにしか機能しないと思うんですよね

 

首吊り怪人とか学校が舞台とか
面白そうな要素はあるけど
あまり上手く扱えていませんでした

それに捻りもあまりなく
よくあるPOVなで終わってたかな…

王道のPOVをやるならカメラ1台にしてほしい
本物のような臨場感が大切です

 


死霊高校 [Blu-ray]

 

 

特撮「仮面ライダーセイバー」感想 仲間割れをひたすら見せられるのは さすがにしんどい

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どうもきいつです


特撮ヒーロードラマ「仮面ライダーセイバー」観ました

2020年9月から全48話放送された特撮テレビドラマ作品
本と剣をテーマに
世界の均衡を守るため戦う仮面ライダーセイバーの姿を描いています
複数の仮面ライダーが登場するのも本作の特徴

 

あらすじ
神山飛羽真は
異世界に吸い込まれる少女の夢を繰り返し見ていた
そんな中、街に異世界が現れる謎の現象が発生し
それに巻き込まれた飛羽真は
手にした剣と本により仮面ライダーセイバーへと変身し戦うことになる
そして、本を守るソードオブロゴスと世界を脅かすメギドとの戦いに身を投じていく

 

感想
全体を通してなかなか酷い内容だったと思う
ほぼ毎週のように見せられる仲間割れには嫌気がさした
終盤の展開は悪くなかったけど
それだけじゃさすがに巻き返せない…

 

仮面ライダーは毎年観ていて
感想も毎年書いているんですけど

今回の「仮面ライダーセイバー」には
仮面ライダーシリーズ存続の危機を感じてしまいました

「仮面ライダーゼロワン」が
令和ライダーの新たなスタートだとすると
スタートダッシュで失敗して
本作「仮面ライダーセイバー」で完全にずっ転けてしまった感じ

これはかなりヤバい状況だと思う

 

まずはこの作品の何がダメだったのかの話をします

本作は単純に脚本が酷いと言うのもありますが
それと同時に
近年の仮面ライダー作品の悪いところが
これでもかと出ています

結果的に救いようのない作品になっていました


ストーリーの酷いところを言い出したらきりがないけど
僕が1番嫌だと思ったのは
仲間割れをひたすら見せられるところです

これが本当に最悪で
観ていて不快だし毎週観てると本当にしんどくなってくる
腹立たしくて日曜の朝から気分が悪くなるんですよね

ただ、最後まで観れば
仲間割れを通してやりたかったことはわかる
雨降って地固まるで仲間の絆を描きたかったんだと思うんですよ

でも、やり方が間違ってるんですよね…

本作でやってるのは
前置きなくただ仲間同士を喧嘩させてるだけ
しかも、それを何回も繰り返す

糞みたいな喧嘩を毎週見せられるわけです


仲間割れでドラマを作るにしても
そこに至るまでの人物描写は大事で

本作の場合なら
ソードオブロゴスに属する仮面ライダーたちの
それぞれ個人のエピソードや
お互いの交流や絆の深まりを
主人公の飛羽真中心に描くべきなんですよね

なのに、そんな描写は全くなく
かなり早い段階から仲間割れの展開が始まる

なんとなく仲間っぽくなったメンバーが
急に飛羽真に不信感を抱いてハブるという
いじめみたいな話になってしまいます

この構図がシンプルに気持ち悪いし
不快でしかないですよね

飛羽真は全うに信念を貫き戦っているのに
他のライダーたちは聞く耳持たずコミュニケーションを取ることもなく
やたらと飛羽真に突っ掛かっていくという
何がヒーローだよという言動ばかり

子どもたちも
こんな喧嘩ばかりの仮面ライダーなんて見たくないんじゃないですかね…


てか、この物語全体が
ソードオブロゴスの仲間割れなんです
最初から最後まで…

こいつらがいなければ
そもそも世界が脅かされることもないし

セイバーが戦ってる理由も
身内の尻拭いみたいなもんですし

誰かを救うために戦うヒーローじゃない
もう何のために戦ってるのかもわからん…

てか、一般市民を守るエピソードなんて最初だけで
途中からは自分たちだけの狭い世界の話になってしまう
助けるのは仲間だけだし
戦うのも身内だけだし

一言で言えば“茶番”ですよね

1年間この茶番に付き合わされれば
観てるほうも嫌になりますよ…


終盤の展開は悪くないけど
やっぱりここに至るまでがあまりに酷く
カタルシスもさほど生まれず
ちょっとましになったかな
ってくらいの印象で終わってしまいました


あと思うのは
死ぬかも、消えるかも
で引っ張りすぎですかね

それで引っ張って
結局助かるってパターンばかり

最終話での
仲間みんなが死んだっぽいけどユーリのお陰で助かった
でも、それと引き換えにユーリが死んだっぽい
でも、なんか最後はユーリも生き返る
この展開はさすがに酷すぎる

その前にも賢人が死んだっぽいけど実は生きてたってのをやってるし
ラストでは倒した奴らですら復活してたり

あまりに命を軽く扱いすぎていて
子どもが観るヒーローものとしても
ちょっと倫理的にどうかなと疑問に思う

確かに
仲間が死ぬかも、死んだかも
で、物語を引っ張れば興味は持続して引き付けられはするけど
安易に乱用すれば不快にすら思えてしまう

何より
命の大切さというものを蔑ろにしてしまってます
子ども向け作品ならなおさら考えもの

仮面ライダーとして
最悪な描きかただと思いました


その上、登場人物たちのキャラも薄くて
そこもかなりマイナス
薄っぺらい奴らがレベルの低い喧嘩をしてるだけになってる

主人公の飛羽真にしたって魅力が弱く
印象が薄くなってます
これといった特徴がないキャラです

小説家というのもストーリーでほぼ生かされないですしね

仲間の個々のエピソードも微妙なのばかりで
ストーリー上でキャラが全然生き生きしてこない

唯一、終盤の蓮とデザストのエピソードは良かったけど

 


そして、近年の仮面ライダーの悪いところもてんこ盛りです

これは毎回言ってますけど
フォームチェンジの扱いが雑だし下手
とりあえずピンチになれば新しい強いフォームを出して解決
その繰り返しです

基本的に以前のフォームは使い捨て
たまに思い立ったら意味もなく弱いフォームで戦ったり

フォームチェンジがおもちゃの販促でしかありません


それともう1つ
毎週アクションシーンが単調
同じことの繰り返し

最近の仮面ライダーに多いのが
途中から怪人が出てこなくなり
仮面ライダー同士がひたすら戦う

しかも、同じ仮面ライダーと4、5週ずっと戦ってたりする
これはマジでそろそろやめてほしい

ボス的な強い敵とも毎週何回も戦わすから
敵の強さの価値が落ちてくるし
決着つかずに次回に持ち越しなパターンをひたすら繰り返す

さすがにちょっと視聴者をなめてますよね
こんなの大人だけでなく子どもも退屈でしょ

戦闘の内容も毎回代わり映えなく
工夫の無い戦いが繰り返されます

これはセイバーだけでなく
最近の仮面ライダーの問題点です

これはどうにかしないと
そろそろ本当にヤバいと思いますよ


セイバーの終盤では
アクションシーン頑張ってたけど
これを最後だけでなく毎回するべき

最後だけ派手にやったからってオールオッケーにはならない


坂本監督の週はカッコいいアクションになってるんですけどね
結局そのときカッコいいだけで
全体を通して見るとあまりにムラが酷いですよね

 

いろいろと言ってきましたが
「仮面ライダーセイバー」を1年間観て感じたのは
仮面ライダーシリーズ存続の危機です

去年のゼロワンもなかなか酷かったので
仮面ライダーファンたちは離れそうになったと思うんですよ
もう、そろそろ卒業かなって

ただ、もう1年様子を見ようとなった人も多かったと思う

セイバーが面白ければ
そこで繋ぎ止めれたファンは多かったはず
でも、実際はこれですから…

仮面ライダーの人気フィギュアシリーズのS.H.Figuartsなんて
いつも主役ライダーは即売り切れで転売ヤーの餌食になってたのに
セイバーはめちゃくちゃ売れ残ってましたからね

これが現実なんです

今回のセイバーで仮面ライダーを卒業した大きいお友達はかなりいたんじゃないでしょうか

子どもにしたって
調子のいいスーパー戦隊やウルトラマンに流れてると思う
買ってもらえるおもちゃが1つなら
わざわざ仮面ライダーを選ばないでしょうし

次作の「仮面ライダーリバイス」が名作級の面白さじゃない限り
ファンを繋ぎ止めるのは難しいんじゃないかな…

 

今回の「仮面ライダーセイバー」は
仮面ライダー史上最低の作品だったと思う
さすがにこれは擁護できない

次の仮面ライダーに期待
なんてことも簡単に言えないです
次からもこれが続くようなら仮面ライダーに未来は無いかも…

悲しいけどこれが現実

 


仮面ライダーセイバー Blu-ray COLLECTION 1

 

 

映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」感想 悪趣味な笑いがたまらん こういうのが見たかった

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どうもきいつです


アクション映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」観ました

DCコミックの悪役たちで結成されたスーサイド・スクワッドが
強大な敵に立ち向かう姿を描いたアクション
減刑を条件に刑務所に捕らえられた悪役たちが命がけのミッションに挑みます

監督は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」などのジェームズ・ガン
出演するのはイリドス・エルバ、マーゴット・ロビーなどです

 

あらすじ
政府職員のアマンダ・ウォラーにより
投獄中の悪党たちを集めたスーサイド・スクワッドが結成される
メンバーに選ばれた
ブラッドスポート、ハーレイ・クイン、ピースメイカー、ラットキャッチャー2、キング・シャーク、ポルカドットマンたちは
命がけのミッションに挑むことになる

 

感想
前作より全然面白くなっている
ヴィランが主役ならこうじゃないと
悪趣味な笑いが効いていて
でも、感動もしてしまうという絶妙なバランス
アクションは派手でスタイリッシュ
シンプルに楽しめるエンタメ映画

 

前作の「スーサイド・スクワッド」は期待値より大幅に下回っていてがっかり
ただ、本作はジェームズ・ガンが監督で
前よりは面白くなるだろうと映画館まで観に行ってきました

本作は前作の「スーサイド・スクワッド」の続編なのかと言うと微妙で
かと言ってリブートとも言えないような…

ちょっと特殊な位置付けの作品ですね

前作を観ていなくても全然大丈夫だけど
観てたら観てたで楽しめる要素があったり
ちょっと不思議な感覚を味わえた


まず、この映画って
前作とやってることが結構同じだったりするんですよ

急遽集められた悪人たちがチームを組まされミッションを強制される
というのは全く同じだし

そんな全体の流れの中で
チームの友情を描いていたり
親子愛が描かれていたり
これも前作と似ている

ストーリーに違いはあるけれど
やってることはそんなに変わらない

じゃあ、なんでこんなにも面白さに違いがあるのか?
それを考えるとこの映画の良いところが見えてきます

キャラクター描写
ギャグのユーモアセンス
物語のテンポの良さ
アクションの見せ方

どれを取っても本作の方が圧倒的に上
前作でやるべきだったことを本作ではしっかりとやってくれています


中でもキャラクターの魅力が素晴らしく
それだけで本作は面白くなってます

前作ではキャラクターもみんな微妙で
いまいちパッとしない奴らばかり
どのキャラも全然記憶に残ってなくて
ウィル・スミスが全面に出てくるような映画でした

でも、今回はメンバーどのキャラクターも魅力が溢れていて
みんな個性的でそれぞれ印象に残る

しかも、ただ個性的なだけでなく
それぞれのキャラクター性がストーリー上で生きてくる

それぞれが物語の中で重要な役割を担っているんです
このメンバーだからこそストーリーが動いていく

例えば
ラットキャッチャー2とキング・シャークの友情なんかは
この2人だから生まれた友情ですし
ピースメイカーの裏切りは
こいつの性質があるからこその展開だと思う

こういう部分はかなり作り込まれているな
と思わされます

ギャグ的な面でもキャラクターを上手く扱っていて
ポルカドットマンとキング・シャークはギャグ要因として生き生きとしてました

キング・シャークなんて可愛すぎて大人気キャラですよね
声がシルヴェスター・スタローンと言うのも面白い
そしてめっちゃハマってる

 

前作では
唐突すぎてついてけない友情や
無駄でしかなかった親子愛なども

キャラクターやストーリーの作りが上手いから
本作ではちゃんと意味を成していて
そこに感動も生まれている

前作は無駄にキャラの過去描写が多かったわりに薄っぺらくなってたけど
本作はテンポよく流しているのに中身はしっかり詰まっていました


それと、やっぱり全体的にテンポが良くて
とても観やすかったのが本作の長所で

次々と物語が展開していき
あっという間にラストまで駆け抜けていたように思います

前作では序盤に長々とキャラの説明があって
それだけで嫌気が差しましたが
本作ではそんな無駄は一切省き
とにかくスピード感がありました

かと言って説明不足にもなっていなくて
所々でキャラのバックボーンが描かれたりもする

はじめは得たいの知れない連中だけど
最終的には愛着が湧いて
いつの間にか全員好きになっています

説明は必要最低限だけど
ちゃんと理解できるし感情移入もできる
無駄のない映画です

 

それと、アクションシーンもスタイリッシュでカッコいい

アクションではハーレイ・クインが大活躍
彼女らしい可愛い演出とかもあって
映えるアクションになってました

他のキャラのアクションに関しても最強感が伝わってきて
わざわざ悪人を集めた甲斐があったな
という強さをしっかり見せつけてくれます

前作ではあまり最強感がありませんでしたしね
むしろ、なんか弱かった

 

そして、本作で1番優れているのが
コメディー部分だと思います

これがこの作品のだからこその魅力にも繋がっている

全体的にかなりギャグ描写が多い映画で
基本的にやりたい放題ふざけてるって感じ

ふざけ続けてるけどユーモアが備わってるから
ウザくはなくてちゃんと笑える

で、何よりも悪趣味なギャグなんですよね
倫理的にどうなんだよ
って描写が多いけどつい笑ってしまいます

それがこの映画のポイントです


僕はこのタイプのの映画を観る度に言ってますけど
ヴィラン主役の映画ならヴィランだからこその作品を見せてほしい

例えば「ジョーカー」はジョーカーを主役にしたからこそできた素晴らしい作品ですが
「ヴェノム」や「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」なんかは
別にヴィランじゃなくてもいいじゃんって内容でした

で、本作はと言うと
ヴィランだからこその映画になってると思うんですよね

「ジョーカー」とは全く違う形だけどヴィラン主役の意義を感じる作品でした

本作の悪趣味なおふざけというのは
やはりヒーローではできないわけです

冒頭のスーサイド・スクワッド全滅の地獄絵図は大爆笑必至ですけど
こんなのヒーロー主役ではできないですよね
無駄にみんな死ぬし無駄にグロいし

ここで登場するキャラはみんな笑いのための捨て駒で
やってることはかなり悪趣味ですよ

でも、前フリ完璧だし絶対に笑ってしまう


途中で味方であるはずの反乱軍を全滅させる場面とか
マジで最悪なことをやってるんですよ
何の罪もない人を皆殺しにしてるわけで

これを普通の映画でしてしまうとただ不快なだけだけど
この映画だったら笑いになってしまう

この悪趣味さが受け入れられるのは
ヴィランが主役だからこそだと思います

 

あと、前作では人を全く殺してなかったけど
今回は無差別に殺しまくってるのもよかったですね

人間味がありつつも非情さもあって
ヴィランらしい表現になってました

ヒーローは無条件で万人を救うけど
ヴィランは人を救うも殺すも気まぐれに自分で選択する
それが人間臭くてヴィランの魅力なんですよね

 

それと、予告ではハーレイ・クインが全面に押し出されてるけど
実際はゲストキャラみたいな扱いなので期待は禁物です

でも、メインだった前作よりも生き生きとしてたし
これに関しても本作の方が上ですね

 

おバカなエンタメ映画だと思うけど
ヴィランだからこそのギャグ描写やしっかり作り込まれた物語で
完成度はかなり高いと思います

ジェームズ・ガンがやりたい放題好き勝手やってる感じも最高ですね

見たかったスーサイド・スクワッドを見せてくれました

 


スーサイド・スクワッド ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

 

 

映画「フリー・ガイ」感想 笑いあり感動あり派手なアクションあり レベルの高いエンタメ映画

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どうもきいつです


アクション映画「フリー・ガイ」観ました

オンラインゲームの世界を舞台に
ただのモブキャラが世界を救うために戦う姿を描いたアクションアドベンチャー
主人公に自我が芽生えたことからゲームの世界に変化が起きていきます

監督は「ナイト・ミュージアム」シリーズのショーン・レヴィ
主演を務めるのは「デッドプール」のライアン・レイノルズです

 

あらすじ
オンラインゲーム「フリー・シティ」の世界
モブキャラのガイは銀行の窓口係として毎日同じ日常を繰り返していた
しかし、ゲームプレイヤーのモロトフ・ガールとの出会いをきっかけに
退屈な日常に疑問を抱き始める
ある日、いつもやってくる銀行強盗に反撃し
奪ったサングラスをかけると
そこには見たこともない世界が広がっていた

 

感想
オンラインゲームのカオスな世界観の再現度が高くて思わず笑ってしまう
見た目だけでなく映画の内容も面白く
スリル満点のハラハラから人間ドラマの感動までいろんな感情が味わえる
素晴らしいエンタメ作品

 

ずっと楽しみにしていた作品
度重なる延期を経て
やっと公開されたので観に行ってきました

予告の時点でも僕好みの雰囲気で面白そうだったんですが
実際に観てもやっぱり面白かった

期待通り楽しませてくれました


ストーリーの流れは
ゲームの中のモブキャラが自我に目覚め
自分の存在や世界が偽物だと気付き
自分の存在意義に悩みながらもゲームの世界を救うために戦う
といった内容

なんとなく「トゥルーマン・ショー」に似たような設定かもしれません
まあ、「トゥルーマン・ショー」ほど怖さはなく
似てはいるけどよりエンタメな映画になっていると思う


で、本作の世界観ですが
これもなかなか面白い

ゲームの世界が舞台なんですけど
ゲームのジャンルがオープンワールドのオンラインゲームなんです

わかりやすい例で言えば「グランド・セフト・オート」とかですね
自由度が高くて街の中でプレイヤーが好き放題できるタイプのゲーム

海外のオープンワールドゲームは
こんな感じのゲームが多いと思う

本作はそんなゲームの世界をすごくうまく再現していて
映像的にも面白い仕上がりになってるし
笑える要因にもなっています

世界観自体がゲームのあるあるみたいになっていて
このタイプのゲームに慣れ親しんでる人なら
つい笑ってしまうものが多いです

こういうゲームって
意味もなくヘリコプターが低空飛行で銃乱射してるのなんてしょっちゅう見かけるし

常にどこか爆発してる
銀行強盗発生しまくり
キャラクターの変な動き
などなど観ていて笑えるものがたくさんある


ただ、ゲームをあまりにやらない人からすれば
ただただカオスな世界観に
なんのこっちゃと思ってしまうかもしれませんね

でも、カオスでバイオレンスな世界を背景に
モブキャラたちが平穏に過ごしている様子はシュールで
面白い世界観を生み出しているのは間違いない

映像的にもとても派手だし
この異常な世界は観ていて楽しくなってきますよね

アイデアがすごく面白い作品だと思います

 

それに、アイデアが面白いだけでなく
中身もしっかりと作られた映画で
だからこそエンタメ作品としてのクオリティも高い

設定もちゃんと作り込まれていて

本作のメインでもある自我に目覚めるモブキャラというのも
下手な映画なら神がかり的な何かで済ましてしまいそうなところを
一応ちゃんと理屈があります

さらにその設定が主人公の目的にも繋がっていくし
映画の結末にも繋がっていく

だからストーリーもしっかりしていて
矛盾が少なく登場人物の行動原理なんかも納得できるものになっています

ストーリーの整合性のために
無理矢理動かされてるキャラもいないんじゃないでしょうか


主人公のガイを中心としたゲーム世界のストーリーと
それと平行して進む現実世界のストーリーは
はじめは別々に動いていくけど
最終的には1つに収束していくので
そこも上手く作られていたなと思います

全体的にすごくわかりやすいストーリーになっていたのがこの作品の良いとこですね

ゲームと現実の視点が交互に入れ替わったり
カオスな世界観でごちゃごちゃしたりはするけど
根本のストーリーは見失わないので
変な引っ掛かりはなくすっと入ってくる

すっきりした物語でとても観やすかったです


それに、主人公の成長
仲間との友情や恋愛などの描写も良くて
最終的に感動できる作品にもなっています

特にガイとバディの友情にはグッと来るものがありました

友情や恋愛といろいろドラマを描いてはいるけど
ばらけたものにはなっていなくて
全てガイの成長と存在意義に収束していきます

これに関しても
やっぱり上手くまとまっていて観やすいものになっていました


ストーリーだけでなく登場人物も魅力的で
そこも好感が持てますね

なかでもやっぱりガイがすごく好き
たぶん、この映画を観た人みんな好きになるんじゃないでしょうか

人の良さというのもあるけど
感情移入できる部分ももちろんあって
すごく応援したくなるキャラに仕上がっています

ライアン・レイノルズの優しそうな雰囲気もガイのキャラクターにハマってました

デッドプールとはまた違うライアン・レイノルズの一面が見れました

 


そして、本作はかなりコミカルな作品ですけど
これのバランスもすごく良かったですね

とてもいいタイミングでギャグシーンが入ってきます
シリアスになりすぎず
でも、ストーリーの邪魔はしていない
バランスが絶妙だったと思う
それにセンスがあってちゃんと笑えます

パロディも気が利いてて面白い
ロックマンのロックバスターが出てきたり
1人アベンジャーズからのライトセーバーだったり
好きな人ならテンションが上がるものも多かった

 

あと、やはりアクションシーンはとても魅力的
ハリウッドアクション超大作って感じで
派手でカッコいいアクションシーンが満載でした

本作の世界観だからこそ
意味のない場面で派手な映像を入れ込んでいたりするのも
シュールで面白いものになってました


終盤のビルが迫る中でのカーチェイスや
街が崩壊していく様などは
どこか「インセプション」っぽいすごい映像になってたりもしました
こんなのはテンション上がりますよね

若干CGな感じにはなってたけど
そもそもゲームの世界だからだと思えばそんなに気にならなかったりする


そんなアクションシーンの多さで
映画館の大画面だからこそ映えるような作品にもなっていました

 

ストーリーはシンプルでそんなにひねった内容ではなかったですが
設定や世界観は新しく新鮮さはありました
全体的にとてもクオリティの高い作品で
最後までとても楽しめる

いろんな意味で心揺さぶられ
エンタメ作品としてレベルの高い映画でした

 


デッドプール ブルーレイコレクション (2枚組) [Blu-ray]

 

 

映画「トランスポーター」感想 ジェイソン・ステイサムたまらん

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どうもきいつです


アクション映画「トランスポーター」観ました

どんな依頼品も確実に届けるプロの運び屋の戦いを描いたアクション映画
依頼されたカバンの中身が生きた女性だったことをきっかけに
壮絶な戦いが繰り広げられます

リュック・ベッソン製作と脚本を手掛け
監督はルイ・レテリエとコリー・ユン
主演を務めるのはジェイソン・ステイサムです

 

あらすじ
南フランスで暮らすフランクはプロの運び屋
「契約厳守」「名前は聞かない」「依頼品は開けない」の3つのルールのもと
高額な報酬と引き換えにどんな品物も正確に目的地まで運んでいた
ある日、いつも通り車で依頼品を運んでいたが
自らのルールを破り依頼品の中身を見てしまう
そこには手足を縛られた女性が入っていた

 

感想
とにかくアクションメインで観ていてテンションが上がる
様々な闘うジェイソン・ステイサムを観れて満足
ジェイソン・ステイサムが闘う
それだけで名作

 

ジェイソン・ステイサムが好きなんですが
本作はまだ観たことがなかったので観てみました


なんとなく想像はしてたけど
基本アクションだけの映画でした
ひたすら闘うジェイソン・ステイサムを堪能するための作品です

それ以上でもそれ以下でもない


ツッコミどころとかストーリーの穴とか
探しだしたらきりがないけど
そもそもこの映画はストーリーなんてどうでもいい

矛盾なんて無視で結構です
運び屋なんて設定も無視してください
運ぶのは最初だけです

この映画はジェイソン・ステイサムです

 

まず、冒頭のシーンですけど
ここからすごく良かった

物ではなく強盗を運ぶというミッションから始まります

ここからは運び屋としてのカッコよさを存分に見れます
カーチェイスは激しくて
ギリギリな状況をすり抜けていくスリルがたまりません

こんな派手なカーチェイスを繰り広げたら
絶対に警察に捕まるだろ
ってくらい派手にやらかしますけど

すごい運び屋なので警察に捕まりません
顔面さらしてるけど捕まりません

とにかく冒頭のカーチェイスで気持ちを掴まれる
この時点でまず興奮しました

で、ここでちゃんと主人公の設定の説明にもなっていて
どんなポリシーで仕事をしてるのか
どんな性格の主人公なのか
というのが理解できます

そんな部分も含めて
冒頭のカーチェイスは掴みとして
とてもいい働きをしていたと思います


そして、この先はほとんど肉弾戦で
カーチェイスはここだけです

美女を見つけてからはトラブルに巻き込まれて
激しい戦いが始まる

荷物を開けたり
続けて依頼を受けたり
あんなに厳守していたルールを簡単に破るのはご愛嬌

その後に車を爆破されるという
ドジっ子な姿も見せてくれる

そんな可愛いジェイソン・ステイサムも見れます


でも、爆破されてからな怒り狂いっぷりはすごい
ドアを蹴り破って登場は爆笑

ここからの肉弾戦では最強で
敵を圧倒してしまう

この辺りからは
もはや運び屋要素はなくなります

美女とのロマンスっぽい流れはありながら
そんなのはほぼオマケで
基本は爆破と戦闘

フランクの家が爆破されてからは
ほとんどバトルみたいな内容で
ひたすらテンション上がりっぱなしでした

ここの爆破シーンもなかなか派手でめっちゃ興奮したし


美女が捕まってからは
目的がなんだったのかわからなくなるくらい
戦闘シーンのオンパレード

しかも基本的に肉弾戦です
ひたすらジェイソン・ステイサムが
鍛え上げられた肉体を駆使して敵を無双していく

しかも、なぜか途中から上半身が裸
美しい肉体も堪能できる

シンプルな肉弾戦を楽しませてくれたと思うと
謎の前身オイルまみれのヌルヌル戦法での戦いが始まる

このヌルヌルバトルがシュールで正直笑ってしまったけど
敵を圧倒していく姿はなかなかカッコよくもあって
結果的にこの戦闘スタイルに憧れてしまった


物語の終盤になると
スカイダイビングからのトレーラー上でのアクション

ここも激しいバトルに仕上がってるし
走行中のトレーラーでのバトルは
スリル満点でハラハラします

人間離れしたジェイソン・ステイサムの立ち振舞いも最高でたまりません


とにかくこの映画はアクション盛りだくさんで
全てのアクションをやってるんじゃないかと思うほど
いろいろ見せつけてくれる

ラストシーンなんて本当にあっさりと終わってしまって
完全にアクションだけを見せる映画だったんだなと納得

この映画に深いものなんて何も無いですよね
あるのは闘うジェイソン・ステイサムだけです
それで満足でしょ!

 

そんな映画なので
ストーリーの中身を重視して観る人には合わないかな

ストーリーの整合性とか
キャラへの感情移入とか
そんなものを求めてしまうと
ただ闘ってる映画なので
そりゃそんなもの得ることはできません

むしろ嫌いになるかもしれないですね

この映画は頭のネジを外して観ないとハマれません
アホになって観れば楽しめる作品なのは間違いない
アホになりましょう


あと、思ったのが
南フランスが舞台だからなのか
妙にオシャレな雰囲気が漂っているのも良かった

脳筋バトルアクションな映画なのに
なんかオシャレというギャップが
この作品の個性にもなっていたと思います

その雰囲気にジェイソン・ステイサムが馴染んでいるのもいいですよね
漠然としてるけどカッコいいんです

 

最初から最後までジェイソン・ステイサムを堪能できる映画
アクション映画なんてこれでいいんだよ
と思わされます

中身なんていらん
ジェイソン・ステイサムさえ闘っていれば大満足

 


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